上 下
4 / 7
第1話 隣人は美人のお姉さん

4

しおりを挟む
「お、やっと出てくれたねー。こんばんは、かな?」

「…………」

 思わず口をポカンと開けて固まってしまった。そこには、パリッとスーツで身を固めた綺麗な女性が立っていた。さらに、長い髪をポニーテールにまとめており、いかにも出来そうなイメージが出てる。加えて切れ目ながらも瞳が大きく凛とした目、スーツの上からでも分かる大きな胸、スカートからすらっと伸びる足。
 どこぞの投手ではないが、ミスターパーフェクト、それに近い称号を与えたい完璧なプロポーションをしていた。

「美人局ですか……?」

 思わずそう言葉がポロンと出ていたね。いや、そうだろう。いきなりこんなおったまげるほど美人さんが、こんなフレンドリーに話しかけてくるんだぜ。きっとバックに金髪プリン髪のお人さまがいまして、手を出したものなら右ストレートが飛んでくるんだ。

「つつもたせ……。アハハハハハ!!」

 瞬間、お姉さんがお腹を抱えて笑い出した。なんだろうか、企てがバレて、万事休すと言った感じなのだろうか。それとも何か別の手でも思い出したのだろうか。

「いやー、最近の子は難しい言葉知ってるんだね。びっくりして大笑いしちゃった」

 ひーひー言いながら肩を揺らしながら、指で目じりの涙を拭ってる。そんなに面白かったのだろうか

「あー、でもそうだよね。いきなりこんな押しかけられちゃびっくりもするね」

「あ、はあ、まあ」

 なんとも、コミュニケーションに害がありそうな返事だなあと我ながら思う。

「じゃあちゃんと自己紹介するさ。私は、小倉のぞみ(コクラ ノゾミ)えーっとね、君の隣の部屋に住んでるさ」

「隣の部屋?」

ドアから身を乗り出し、お姉さんが指さす部屋の方を見ている。確かに表札には、『小倉』と書かれていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長先生の話が長い、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。 学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。 とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。 寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ? なぜ女子だけが前列に集められるのか? そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。 新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。 あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

あと少しで届くのに……好き

アキノナツ
ライト文芸
【1話完結の読み切り短編集】 極々短い(千字に満たない)シチュエーション集のような短編集です。 恋愛未満(?)のドキドキ、甘酸っぱい、モジモジを色々詰め合わせてみました。 ガールでもボーイでもはたまた人外(?)、もふもふなど色々と取れる曖昧な恋愛シチュエーション。。。 雰囲気をお楽しみ下さい。 1話完結。更新は不定期。登録しておくと安心ですよ(๑╹ω╹๑ ) 注意》各話独立なので、固定カップルのお話ではありませんm(_ _)m

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

処理中です...