2 / 5
天へいったゆう
しおりを挟む
しょうづかのおばあのもとへ来ました。
「はい、六文」
「QRコードで」
「手数料がもったいない。ぜに寄こせ」
*
「かわいい童女の船頭さんはいまへんの?」
「童子の方がええくせにだまっとれ」
「身投げしまひょか?」
船頭は速力を上げてすすめて参ります。
モーターボートでっか。
*
道草せずに真っ直ぐ冥土筋を歩いて参ります。右手には新歌舞伎座、左手には映画館。前にそびえるたっしまもとい、えんまかく。
せやけど、えらい狭なりましたなぁ? 歩行者はよろしいでっけど、荷車や人力車からしたらやりにくいですなぁ。
こうやこうやしている内に、えんま大王の前へ。
「南海もとい、何回来るんやお前は?」
「じごく道、人間道を経て3回目ですか?」
「では、天道。ただし、欲界おくりとする」
*
おばあはんに会えるとは思っておりまへんでした。元気なお姿をはい見することができました。
「ここは、前のみせやん」
「おじいはんが帰って来たからなぁ。戻してん」
すっくと起き上がり、みせへとでて来るおじいはん。
「あほ、やり直せ。入るところからもう一回や」
戦とうで焼かれた街。でも、せん湯から向こうは焼け残っておりました。
「ただいまぁ!!」
「おぅ、優。戦きょうはどないや?」
「はい、児童書・童話部門で今日の第八位です!」
「そっちやない」
「予せん通かとリーグ四位でしょう級でした」
「まだまだやな」
「もはやここまでですか・・・」
「やり直せ。どっちももっと上取ってから戻って来い!」
*
「天道のじゅ命は短いが、お前みたいに早いのはめずらしい。先ぞのすすめもあり、人間道でやり直しとする」
*
「優はん、また生きかえりはりましたなぁ」
「天道で転倒しまして」
「ほぅ」
「まっしゃかさまになってここへたどり着きました」
「はい、六文」
「QRコードで」
「手数料がもったいない。ぜに寄こせ」
*
「かわいい童女の船頭さんはいまへんの?」
「童子の方がええくせにだまっとれ」
「身投げしまひょか?」
船頭は速力を上げてすすめて参ります。
モーターボートでっか。
*
道草せずに真っ直ぐ冥土筋を歩いて参ります。右手には新歌舞伎座、左手には映画館。前にそびえるたっしまもとい、えんまかく。
せやけど、えらい狭なりましたなぁ? 歩行者はよろしいでっけど、荷車や人力車からしたらやりにくいですなぁ。
こうやこうやしている内に、えんま大王の前へ。
「南海もとい、何回来るんやお前は?」
「じごく道、人間道を経て3回目ですか?」
「では、天道。ただし、欲界おくりとする」
*
おばあはんに会えるとは思っておりまへんでした。元気なお姿をはい見することができました。
「ここは、前のみせやん」
「おじいはんが帰って来たからなぁ。戻してん」
すっくと起き上がり、みせへとでて来るおじいはん。
「あほ、やり直せ。入るところからもう一回や」
戦とうで焼かれた街。でも、せん湯から向こうは焼け残っておりました。
「ただいまぁ!!」
「おぅ、優。戦きょうはどないや?」
「はい、児童書・童話部門で今日の第八位です!」
「そっちやない」
「予せん通かとリーグ四位でしょう級でした」
「まだまだやな」
「もはやここまでですか・・・」
「やり直せ。どっちももっと上取ってから戻って来い!」
*
「天道のじゅ命は短いが、お前みたいに早いのはめずらしい。先ぞのすすめもあり、人間道でやり直しとする」
*
「優はん、また生きかえりはりましたなぁ」
「天道で転倒しまして」
「ほぅ」
「まっしゃかさまになってここへたどり着きました」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
スコウキャッタ・ターミナル
nono
児童書・童話
「みんなと違う」妹がチームの優勝杯に吐いた日、ついにそのテディベアをエレンは捨てる。すると妹は猫に変身し、謎の二人組に追われることにーー 空飛ぶトラムで不思議な世界にやってきたエレンは、弱虫王子とワガママ王女を仲間に加え、妹を人間に戻そうとするが・・・

理想の王妃様
青空一夏
児童書・童話
公爵令嬢イライザはフィリップ第一王子とうまれたときから婚約している。
王子は幼いときから、面倒なことはイザベルにやらせていた。
王になっても、それは変わらず‥‥側妃とわがまま遊び放題!
で、そんな二人がどーなったか?
ざまぁ?ありです。
お気楽にお読みください。
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成

お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる