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ティムはホテルで友人と夜、ティムはベルカの友人と名の知れたレストランで食事をしてから、
とりとめのない話をして、レストランを出て、友人とのその日の夜の別れの所だった。
友人の女の子の一人と、
抱きしめて、キスをして、外に出た。そのまま、酔ってタクシーを探して、それに乗り込んだ。
「ティム。本の売れ行きは好調のようだな」
「ええ」
「私の新聞社は大きく利益を上げれると思う。私の妻も喜んでいる」
本が好評の話を聞いて、ティムの顔もほころぶ。
煙草をとりだして吸いながら、
「うれしいよ」
「君も新聞社の顔だ。これからも頑張ってほしい」

「旦那さん。何処までかね」とタクシーの運転手は言う。
「フィフイシア大通りまで」
「大分、酔ってるね。あいわかりました」
そのまま、ニートベルトは、自分の腕時計に目をやった。
時間は、10時を回っていた。ペテルブルグのような建築が立ち並ぶ、
フィフィシア大通りはパリの凱旋門大通りのような感で、人通りは多い。
多くの街灯が通り沿いに光って道を明るくしている。
だが、ニートベルトは、運転席の鏡から、
自分がタクシーを見つけた時からじっと跡を付けている黒い車がいる事に気ずいた。
「尾行だな・・・」ティムは思うと、
ニートベルトは、タクシーの運転手に、
「あの後ろの黒い車を振り切ってくれないか?」
「どの車です?」
「あの、乗ってからずっとぴったりと付けている車だ」
「どの車?」
「あの車だ」ティムはミラー越しに指差すと、
「お客さん、面倒は困るよ、うちの商売だから」と言った。
ティムは、それを聞くと、軍の証明書を見せて、
タクシーの運転手にチップを手渡した。
運転手は、うなずくと、タクシーを大通りに繋ぐ別の道に変わろうとした。
「別に大通りにすぐ行く道じゃなくてもいいんだ。あの後ろの奴をまいてくれて、
そのうち通りにつけばそれでいい」と、ニートベルトは言った。タクシーの運転手は、ミッションのギアを入れて、少しずつ速度を上げた。
後ろの黒い車は、それに気ずいたのか、速度を緩めた。
「くそっ、何としても振り切れ」
「わかっています」
黒い車は尾行を感づかれたと速度を緩めた。
そうするうちに黒い車は見えてこなくなった。
角を曲がった所でティムは、
「ここでいい。フィフィシア大通りまでは歩くよ」と言った。
「はは、お客さんが振り切れっていうから、最初面倒になるんじゃないか困った」
「お金で今日はいい物を買いなさい」
「ありがとう」と運転手は申し訳なさそうに言った。
角を曲がり、大通りに急ぎ足で向かった。
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