マスターブルー～完全版～

９

ティムは政治学の勉強をしていた。
新聞社に入って仕事のかたわら家で政治学の本を執筆していた。
その日は休日の日だった。
自分の部屋は本棚に数多くの本が整然と並べられている。
政治についての本である。
窓からは、高地の峰がたくさん見えている。
ティム本を見ている中に目が痛くなると、窓からその景色を見て
落ち着かせている。
その時に電話がかかってきた。ベルカ時代の先生からだ。
はじめは大学はどうだったなどや、思い出話をする。世間話からで
笑いあい、その後、

「また積んだ思い出話をしてみたいな」
「君も新聞社に入社したみたいだね」
「はい」
「大学で私の講義の時に学生たちに政治の講義を１授業だけ変わって、
臨時講師として講義をしてみないか？」

ティムは少し考えた後、
「わかりましたが、僕にどんな内容を」
「ベルカやウスティオの歴史や政治に関心ある若者達に色々な事を教えてほしい」
その内容がいいとこれから月１のペースで講師をつとめてほしい」
「ええ構いません。貴方がそう言うなら構いません」
「色々と教えてくれ」
「じゃあ何処で」
「２ヶ月後の水曜日に直接大学にきてほしい」
「わかりました」

ティムは承諾すると電話を切った。

ざわついた講義堂だった。
恩師がティムを紹介した。
「こちらが今日の授業を担当してくれるティムさんだ」と紹介してくれた。

「こちらが今日の授業を担当してくれるティムさんだ」と紹介してくれた。
「ティム・フォルクです。今回の担当はベルカとウスティオの政治の違い等です。
今日はよろしく」と言った。

講義堂には、多くのベルカの偉人たちの絵が飾られている。
講義には恩師と先生一人が立ち合っていた。
学生の多くは自分の代と違い、話を聞かずに雑談している生徒はいない。
授業のチャイムが鳴り、ティムは黒板にチョークで説明する。
そうしていくと黙ってノートをとる学生、真剣な眼差し。
その中でティムは、生徒達に自分のウスティオの思い出やベルカでの思い出をのべていった。

その中で「ベルカの昔の世代が、経済危機なんてなかった時代のベルカの時代を知っているから、
そんな人達は強いベルカを取り戻すとの意志の、ベルカ民主党を熱狂的に支持した」
と述べた。

突然、教室が静かになり学生たちのざわつきが聞こえる。
表情が一人は真剣な眼差し、もう一人は不思議そうな目を向ける。
話を聞いていた学生たちの何人かは席を立って退出している。

その中の学生の数人は「もっと聞かせてほしい」と求められた。

講義を聞いていた教師の一人が、講義を止めさせようと動きかけたが、恩師は
動こうとする教師の動きに手をやってそれを止めた。
その時、時間を知らせるチャイムが鳴り授業を終えた。

恩師に呼ばれたティムに彼は「分かっているはず」と述べる。
「私はウスティオ人だが、ベルカの将来を考えたいい講義だったと思う。
今日から、月に一度の講義の仕事を期に、もっと教え子達にそれが正しいが理解できる
場をと思った」
「黙ってくれ」
「彼らもそう願っているはずだ」と、訴える。
「やめるんだ！」

ティムの声は静かになった。

「とにかく講義の話は無しだ。悪い・・・」と言った。

ティムはため息をついた後、部屋を出て後にした。