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「空は好きか?」
その兄の問いに弟は少し戸惑った。「なんだよいきなり。」突拍子もなく、弟は兄に聞き返した。
弟は飛行機のプラモデルを作っていて、その日は軍人である兄が久々に家に帰っきた日だった。兄弟だが弟は遅生まれで、親子くらい歳が離れた兄弟。そんな弟を兄は幼少期は自分の子供のように可愛がっていた。
兄は庭に水をまいた後、弟がプラモデルを作るのをじっと眺めていた。
「大きくなったら、何になりたい?」と兄は弟に聞く、「兄さんみたいな戦闘機乗りになりたい」と弟は兄を見つめて答える。
「お前は、軍人には向いてないよ。戦場なんかに憧れるより、いい父親になりなさい。いっぱい、お金を持って、
母さんとかを幸せにする方がお前に向いてるよ」と兄は、弟の頭を撫でてそう言った。
兄の軍での話を聞くのは慣れていた。ああ上官がどうだの、飯はまずいだの、元々口数の少ない兄で
なんだかんだ言って今の軍生活に不満があっても自分では一番いい仕事だと思っているようで軍の話は多かった。最初の頃は、兄の軍の話しにはもう弟は楽しんでいたがもう慣れっこだった。
そんな兄の言葉に少し弟は関心を示した。光のあたる午後の事で、その日は学校は休みであった。
「俺が軍の中でも空軍に入ったのは、俺が空が好きだったせいだ。今少し話したい
俺が飛んでいて、空を飛行機から見上げると無限の青い世界に堕ちていく気がするんだよ
制限の無い無限の世界へ。その美しさなんて信じられない。夕日の美しさは最高だ
これは神様だけしか作り出せない最高の芸術であり神秘だ。本当に気持ちいいもんだ。」
幼い頃に父を亡くし、
男手一つで家庭を支えてきた、まだ若い兄は空の事をそう嬉しそうに語っていた。
この年にベルカの内戦と経済危機によりウスティオは独立を達成する。
住んでいる丘の家は朝霧に包まれていた。
朝は早かった。周りは朝のせいかしんとしている。
珍しく早めに起きた弟は、目覚ましを消した。
弟の名前はティム。
ティムは階段を下りて台所に向かった。
母は朝早くどこかに出かけていた。ティムはあくびをすると、台所に母がティムのために作ってくれていた、朝食のホットケーキが置かれていた。
その朝食に白い紙がかけられていて、ティムは食材棚を開けると、食べかけの少ないジャムやレモネードが所狭しと並べられていた。
ティムはスプーンを取り出すと、食べかけの少ないジャムも蓋を開けて、ジャムを朝食のホットケーキに雑に塗ると、朝食のホットケーキをほおばった。
そして牛乳をとりだして飲む、それから
台所の時計で時間を確認して、玄関の靴箱から靴をとりだして、靴を履いた後に、
外に出た。物置から自転車をとりだした。
少し自転車の調子が悪いので、その物置から空気入れをとりだして、自転車のタイヤに空気をいれる。
タイヤの調子がよくなり、空気入れを元の所に戻した後、
その自転車で学校に向かった。
狭い路地を抜けるといつものように丘から町を見渡せる所に出た。
それから町をの1本道の
丘をブレーキをかけながら一気に丘を下る。
海沿いの道に出て、すきとおるようなその海沿いの海岸線の土手の道を潮風をうけながら学校に向かった。
潮の香りに満ちていて気持ちよかった。
その時、1機の戦闘機が轟音とともにティムの頭上を飛び去った。
その戦闘機はまるでダンスするかのように繊細に飛び、自分の住んでいる丘を通過した。
弟は自転車をこぐのをやめ、海岸線の一本道から、海へすぎさっていくその戦闘機を止まって自転車の上からじっと見ていた。
雲一つない青空。
その時、戦闘機は雲を描いた。
戦闘機はやがて海の水平線に消えていった。
その兄の問いに弟は少し戸惑った。「なんだよいきなり。」突拍子もなく、弟は兄に聞き返した。
弟は飛行機のプラモデルを作っていて、その日は軍人である兄が久々に家に帰っきた日だった。兄弟だが弟は遅生まれで、親子くらい歳が離れた兄弟。そんな弟を兄は幼少期は自分の子供のように可愛がっていた。
兄は庭に水をまいた後、弟がプラモデルを作るのをじっと眺めていた。
「大きくなったら、何になりたい?」と兄は弟に聞く、「兄さんみたいな戦闘機乗りになりたい」と弟は兄を見つめて答える。
「お前は、軍人には向いてないよ。戦場なんかに憧れるより、いい父親になりなさい。いっぱい、お金を持って、
母さんとかを幸せにする方がお前に向いてるよ」と兄は、弟の頭を撫でてそう言った。
兄の軍での話を聞くのは慣れていた。ああ上官がどうだの、飯はまずいだの、元々口数の少ない兄で
なんだかんだ言って今の軍生活に不満があっても自分では一番いい仕事だと思っているようで軍の話は多かった。最初の頃は、兄の軍の話しにはもう弟は楽しんでいたがもう慣れっこだった。
そんな兄の言葉に少し弟は関心を示した。光のあたる午後の事で、その日は学校は休みであった。
「俺が軍の中でも空軍に入ったのは、俺が空が好きだったせいだ。今少し話したい
俺が飛んでいて、空を飛行機から見上げると無限の青い世界に堕ちていく気がするんだよ
制限の無い無限の世界へ。その美しさなんて信じられない。夕日の美しさは最高だ
これは神様だけしか作り出せない最高の芸術であり神秘だ。本当に気持ちいいもんだ。」
幼い頃に父を亡くし、
男手一つで家庭を支えてきた、まだ若い兄は空の事をそう嬉しそうに語っていた。
この年にベルカの内戦と経済危機によりウスティオは独立を達成する。
住んでいる丘の家は朝霧に包まれていた。
朝は早かった。周りは朝のせいかしんとしている。
珍しく早めに起きた弟は、目覚ましを消した。
弟の名前はティム。
ティムは階段を下りて台所に向かった。
母は朝早くどこかに出かけていた。ティムはあくびをすると、台所に母がティムのために作ってくれていた、朝食のホットケーキが置かれていた。
その朝食に白い紙がかけられていて、ティムは食材棚を開けると、食べかけの少ないジャムやレモネードが所狭しと並べられていた。
ティムはスプーンを取り出すと、食べかけの少ないジャムも蓋を開けて、ジャムを朝食のホットケーキに雑に塗ると、朝食のホットケーキをほおばった。
そして牛乳をとりだして飲む、それから
台所の時計で時間を確認して、玄関の靴箱から靴をとりだして、靴を履いた後に、
外に出た。物置から自転車をとりだした。
少し自転車の調子が悪いので、その物置から空気入れをとりだして、自転車のタイヤに空気をいれる。
タイヤの調子がよくなり、空気入れを元の所に戻した後、
その自転車で学校に向かった。
狭い路地を抜けるといつものように丘から町を見渡せる所に出た。
それから町をの1本道の
丘をブレーキをかけながら一気に丘を下る。
海沿いの道に出て、すきとおるようなその海沿いの海岸線の土手の道を潮風をうけながら学校に向かった。
潮の香りに満ちていて気持ちよかった。
その時、1機の戦闘機が轟音とともにティムの頭上を飛び去った。
その戦闘機はまるでダンスするかのように繊細に飛び、自分の住んでいる丘を通過した。
弟は自転車をこぐのをやめ、海岸線の一本道から、海へすぎさっていくその戦闘機を止まって自転車の上からじっと見ていた。
雲一つない青空。
その時、戦闘機は雲を描いた。
戦闘機はやがて海の水平線に消えていった。
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