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人生の第2章~リセット~
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高木医師は病院で患者のレントゲン写真を見つめて考えていた。
患者は67歳の全身癌を患う患者。三浦さん
「チーフ、検査結果はどうでした?」
「おそらく全身癌は完全な手遅れだ・・・。後もって1年だな」
名ラグビー選手の川西選手は試合で接戦だったが、トライの時、体に激痛が走った。
病院で診断すると重い怪我のようだ。
「川西選手の怪我の事についてですが」
一部の記者が医師の所に訪ねてきた。
「今なんとも言えません。急いでいるから」
そう言って梅野はその場を離れた。
川西は必至のリハビリに耐えていた。
担当の梅野教授はそれを見つめていた。
彼はもう再起不能・・・
それをかれに告げる事なくリハビリを見つめる。
看護婦のリハビリの手伝いに笑顔を見せて、リハビリに真剣に取り組む、
全盛期を思っていたか、多額の夜遊びで金を使い遊び歩く。
川西選手。だが彼はもう2度とピッチには立てない。
再起不能なのを川西に伝えたのはその年の5月。
川西は病院を抜け出し、夜遊びしていた。
彼が自殺を図ったのはその5ヶ月後だった。
命だけは助かったが、脳が死ぬ前に、手術で心臓を停止になり、脳だけ人工血液でのコールドスリープになった。
体は病院の生命維持装置のある部屋に移された。
「高木先生~」病院の奥手気味の患者の担当の看護婦が高木を呼ぶ。
そんな病院の夜に高木とその看護婦の娘がセックスをしていて、その喘ぎ声が病棟に大きく響いていた。
セックスを終えた高木に病院の患者が語りかけてきた。
「3棟に三浦って爺さんが入院してるんだ、その爺さん癌で治らないってさ。その爺さん物凄く
病院の厄介者らしくてな、暴れればてにつけられないって評判でな」
「病人をからかうのは良くないよ」
「寂しそうだしいいじゃねえか」
三浦さんが入院している3棟の病棟にきた。
「何や」三浦さんは言う。
その顔はやつれていて、体も度重なる抗がん剤で見られる体じゃない。
「三浦さん身寄りがなくて大変なんだ、ここの病院の奴、この爺さんの話相手になってやるの礼儀になっててな。」
「まだ生きたいわ。嫁が生きとった頃は良かったわ」
そんな中、その入院しているベッドに立てかけている綺麗な絵を見つけた。
「これはあなたが?」
「そうやけど」
「わしは絵を書いとる。子供の頃美術コンクールで入選してからずっとや」
絵は、病棟からの窓から見える山々の風景画だった。
「わしは絵を書いとる時が一番好きや、自然は綺麗や、これは秋これは春や」
自分の書いた絵を見せてくれた。
「人間はこの自然の良さを解っとらん、自然はええ」
高木はよく三浦の所に通いつめては、思い出話を聞きに行った。
「女房と喧嘩して、ある日、寺にでも行くと心が落ち着いた。寺の賽銭入れの近くで体を休めると、決まって鳥の鳴き声と姿が見れる。
このうるさい町には珍しい時間や。
その近くに草にまみれた古い道があってな、興味を持ち、少し行ってみた。
道の横には無数の石で造られた仏像が並んでいてな、自然と一つになれそうで上ろうとしたんや、でも寺の坊さんがそこは危険やゆうて止められたんや・・・。その次の日も何度も寺にいって道を上ろうとしたけど無理やった。」三浦さんは懐かしそうに語っていた。
そんな梅野が高木と会ったのは2月、梅野教授の大学病院を高木が訪れていた時だった。通路でばったりと出会って梅野は高木に話しかけた。
「高木くん・・・」
梅野は大学の高木の恩師、
梅野と高木は近くの焼き鳥店で悟飯を一緒にしていた。
その時、患者の話になった。
高木は、
「私の病院の患者は全身癌を患っている患者が一人いましてね。名前は三浦。親族に後、1年の命なのを伝えないといけない。(癌も癌細胞を電子顕微鏡やナノマシンで監視して、血液での転移の可能性もわかるようになり、転移した初期の所をIPSで臓器作って、手術で治る。言葉の喋れない人もIPSで喉を作って手術しての治療可能。
「癌細胞は熱に弱いので、温熱治療は・・・」
「それも限界があります」
手話の人との恋愛とか1流の恋愛もあるけど、ドラマの話で、声に出せないと、難しい表現とか伝わらないので、
障害は治るよう。亡くなられた方の喉移植手術まで可能の病院もある)
梅野さんの所は脳死の患者さんがいるとか・・・」
「山本君でしょう、自殺だった。せめて脳死できる薬や安楽死手術で全身麻酔の後、神経と脳を切り取って今の状態にできれば楽に逝けてまだましだったろうに」
「ああ・・・」続けて言う。
「これからどうするんです?」
「ヒドイな」
「医者の稼業ってのも、あまりいい仕事だと思わなくなってきましたよ」
大学時代は成績抜群だった高木。
梅野教授と話し込む。
そんな高木に三浦さんの親族が会いに来た。
看護婦が
「三浦さんの親族がまいっております」
「わかった」
高木はカルテをもって、前の患者の診察を速めに終わらせて、
親族の元にむかった。
「もう三浦さんは助かりません。もって後1年でしょう」
「なんとかしてください」
「もちろん努力はします。ですが・・・」
三浦さんの寝室を訪れる高木。
三浦は話す、
「俺は何もない人生だった。女房にも逃げられ、金もなく。仕事もなかった。障害もあり、仕事なく、1生スラムの人生だった。子供の頃からからかわれ、貯金はもう1銭もない。人間の人生じゃなかった。
あんたがたエリートってのは勝ち組っていいな。
人生は最初で全部決まっちまう。俺達下級層はヒドイ人生だよ。
ホント寂しい人生だよ。若いやつからはからかわれ親戚からも早く死ねって悪口叩かれている、
俺の人生に幸せって言うのはなかったんだろうか」
そんな三浦の話題を梅野にしていた頃、
梅野はひょんな事を口にする。
「川西選手の遺書が見つかった。川西選手は僕が自殺したら、この体をもう死にゆく人に提供してほしい。僕の遺産も提供した人にあげようと思う」と言っている。
遺体は火葬にせず、人工冬眠のコールドスリープにしている。
それを聞いて高木は梅野にこう切り出した。
「僕の患者に全身癌の患者が一人います。もって後1年です。多くの自殺志願者のドナーもいますが、
その患者を梅野さんに頭部意識交換移植手術を実施してはどうでしょうか?」
「川西選手のDNAから子供を作れるが、DNAから大人の体をたとえ3Dプリンターでも作ることはできないしその子供に意識を転送する事はできない」
「川西選手の遺体に意識を転送するのです」
そして高木はその事を三浦に告げる。
「IPSでのシナプスとニューロンのネットワークでの生み出される意識を、転送です。脳を手術して機械と脳を接続して、川西選手に意識を転送させます。脳の電気信号のパターンから無意識から意識状態は作れるから、
川西選手の意識と同じ、電気信号のニューロンの組み合わせと同じにして、
最近は意識のはじまりに注目して医学技術の進歩で若い世代の病院の医師は特別な場合のゲイの方の意識性転換のドナーの体をIps細胞で作って、多く実施している人もいますし。犯罪で意識を完全に押さえられるなどの可能性があるので、方法は一般公開していませんが・・・」
「首から上を交換するのか、俺はドリアン・グレイになるしかないのか」
「嫌、意識だけです。もって三浦さんは1年。
「それが何を意味するのかわかっているのか、人工的に意識を転送して、刑務所の中だった場合、
味方がいない場合、永遠に生まれ変わるなら、苦しみが永遠に続く恐れもあるんだぞ」
「ヒドイ人生すぎる三浦さんに川西さんの脳と体を1度だけですよ。
川西さんのドナーが見つからないのでしょう?」
あらためて高木は梅野に聞き返した。
「考えさせてくれ」
親族にあらためて面会する時に説明する。
「頭部移植手術ですか・・・」
「三浦さんはいまのままだと、もって1年です。それより火葬で骨になる川西選手の脳と肉体を使って、意識だけを川西選手にして、三浦さんは第2の人生を歩まれてはいかがでしょう。僕もよくチェックしているんですが三浦さんのために図書館へ行って最新の医学雑誌とか見て勉強してみて考えてみたのですが、遺産も川西選手の遺書で譲ると言われていますし。ドナーを受精卵から脳の無い状態にして、移植手術の方法もありますが、最悪の人生だったなら生まれ変わってはどうか・・・」
「嫌だ、お爺ちゃんは、お爺ちゃんだ」
三浦の孫は泣きじゃくって言った。
「遺産は1億です」
「そう言うと、親族は、
あの人のヒドイ人生が報われるなら・・・どうせ生きていてもいい事ないと
言っていますし」
それを三浦に伝える。
「遅かれ早かれ死ぬんだからやってもらったら」
「俺はこの人生でやってきた。そんなひどい事できるかよ」
だが三浦に川西選手の遺産の話をすると
「こんなの人間の人生じゃない、せめて人間の人生で死にたかった」
そして、
「どっちみっち死ぬ身だ、お願いしようかな」と三浦は言う。
高木は三浦に言う、
「ただし記憶の移植はしても記憶力の移植だけです。
川西選手になれても、記憶はリセットされます。第2の別の人間の人生行くには、三浦さんの思い出は残せません。意識だけです。
家族の思い出もなくなります。新しく作っていかなければいけないでしょう」
三浦は無言だったが少し泣いていた。
「もう死がまじかだから、記憶が消えて、川西選手になる前に死んだ女房の墓参りに行きたい・・・」
「わかりました」高木は言った。
高木は言った。
その夜高木は一人で無言で三浦の寝室を訪れた。寝ている三浦の額を高木は撫でて、
「貴方の人生は酷かったから、特別に第2の人生をあげるよ・・・悪魔の力で・・・」と呟いた。
手術は梅野の病院で行われた。
出頭は梅野と高木だった。
まずコンピューターでの意識の転送がはじまる。
「メス」
「クーパー」
「汗」
手術時間は10時間におよぶ。
手術は成功し、
親族に、「今は落ち着いています」と三浦の事を言う。
病室で三浦は意識を取り戻した。
「三浦さん、見ますか」
高木は言う。
三浦はその声を聞いて、導かれるように高木のいる所に向かう。
ビニールカーテンに覆われて、心電図の音が響く中、植物状態の三浦の自分の遺体がある。記憶はないが三浦はかすかに自分だと認識した。
「僕だ・・・」
三浦は思った。
川西さんは手術で安楽死をして、心臓を停止させ、人工血液を補給して脳だけ眠った状態の人工冬眠で時々夢を見ている道しかなかったのだろうが。高木は思う。
「それでも犯罪などで苦しみが続く場合もあるから終わりが必要だが、三浦さんは最低の人生だったから第2の人生をあげれた・・・。高木は思う。
そして川西選手の姿になった自分を三浦は自覚する。
「貴方はこれから、第2の人生を歩む事に成功しました。これから頑張りましょう」
その数か月後、最悪の人生で全身癌で死ぬはずだった三浦は若い川西選手の健康な肉体となって退院。
川西のおかげて遺産ももらい。
第2のいい人生を送っている。
新しい妻もめとって幸せのようだ。
春になると記憶はないがよく高木に感謝の手紙をよくよこす。
その手紙を見て、高木は自分の引き出しにしまった。
普通は埋葬は遺体の人工冬眠に金がかかる家庭はDNAを木に伝えての樹木葬で、体も微生物に分解されるのが普通だが、最近はIPSで体だけを作り、意識をその体に意識に移植する技術が進んでおり、シナプスの結合等
第2の人生に向けてである。
*トータル・リコール
患者は67歳の全身癌を患う患者。三浦さん
「チーフ、検査結果はどうでした?」
「おそらく全身癌は完全な手遅れだ・・・。後もって1年だな」
名ラグビー選手の川西選手は試合で接戦だったが、トライの時、体に激痛が走った。
病院で診断すると重い怪我のようだ。
「川西選手の怪我の事についてですが」
一部の記者が医師の所に訪ねてきた。
「今なんとも言えません。急いでいるから」
そう言って梅野はその場を離れた。
川西は必至のリハビリに耐えていた。
担当の梅野教授はそれを見つめていた。
彼はもう再起不能・・・
それをかれに告げる事なくリハビリを見つめる。
看護婦のリハビリの手伝いに笑顔を見せて、リハビリに真剣に取り組む、
全盛期を思っていたか、多額の夜遊びで金を使い遊び歩く。
川西選手。だが彼はもう2度とピッチには立てない。
再起不能なのを川西に伝えたのはその年の5月。
川西は病院を抜け出し、夜遊びしていた。
彼が自殺を図ったのはその5ヶ月後だった。
命だけは助かったが、脳が死ぬ前に、手術で心臓を停止になり、脳だけ人工血液でのコールドスリープになった。
体は病院の生命維持装置のある部屋に移された。
「高木先生~」病院の奥手気味の患者の担当の看護婦が高木を呼ぶ。
そんな病院の夜に高木とその看護婦の娘がセックスをしていて、その喘ぎ声が病棟に大きく響いていた。
セックスを終えた高木に病院の患者が語りかけてきた。
「3棟に三浦って爺さんが入院してるんだ、その爺さん癌で治らないってさ。その爺さん物凄く
病院の厄介者らしくてな、暴れればてにつけられないって評判でな」
「病人をからかうのは良くないよ」
「寂しそうだしいいじゃねえか」
三浦さんが入院している3棟の病棟にきた。
「何や」三浦さんは言う。
その顔はやつれていて、体も度重なる抗がん剤で見られる体じゃない。
「三浦さん身寄りがなくて大変なんだ、ここの病院の奴、この爺さんの話相手になってやるの礼儀になっててな。」
「まだ生きたいわ。嫁が生きとった頃は良かったわ」
そんな中、その入院しているベッドに立てかけている綺麗な絵を見つけた。
「これはあなたが?」
「そうやけど」
「わしは絵を書いとる。子供の頃美術コンクールで入選してからずっとや」
絵は、病棟からの窓から見える山々の風景画だった。
「わしは絵を書いとる時が一番好きや、自然は綺麗や、これは秋これは春や」
自分の書いた絵を見せてくれた。
「人間はこの自然の良さを解っとらん、自然はええ」
高木はよく三浦の所に通いつめては、思い出話を聞きに行った。
「女房と喧嘩して、ある日、寺にでも行くと心が落ち着いた。寺の賽銭入れの近くで体を休めると、決まって鳥の鳴き声と姿が見れる。
このうるさい町には珍しい時間や。
その近くに草にまみれた古い道があってな、興味を持ち、少し行ってみた。
道の横には無数の石で造られた仏像が並んでいてな、自然と一つになれそうで上ろうとしたんや、でも寺の坊さんがそこは危険やゆうて止められたんや・・・。その次の日も何度も寺にいって道を上ろうとしたけど無理やった。」三浦さんは懐かしそうに語っていた。
そんな梅野が高木と会ったのは2月、梅野教授の大学病院を高木が訪れていた時だった。通路でばったりと出会って梅野は高木に話しかけた。
「高木くん・・・」
梅野は大学の高木の恩師、
梅野と高木は近くの焼き鳥店で悟飯を一緒にしていた。
その時、患者の話になった。
高木は、
「私の病院の患者は全身癌を患っている患者が一人いましてね。名前は三浦。親族に後、1年の命なのを伝えないといけない。(癌も癌細胞を電子顕微鏡やナノマシンで監視して、血液での転移の可能性もわかるようになり、転移した初期の所をIPSで臓器作って、手術で治る。言葉の喋れない人もIPSで喉を作って手術しての治療可能。
「癌細胞は熱に弱いので、温熱治療は・・・」
「それも限界があります」
手話の人との恋愛とか1流の恋愛もあるけど、ドラマの話で、声に出せないと、難しい表現とか伝わらないので、
障害は治るよう。亡くなられた方の喉移植手術まで可能の病院もある)
梅野さんの所は脳死の患者さんがいるとか・・・」
「山本君でしょう、自殺だった。せめて脳死できる薬や安楽死手術で全身麻酔の後、神経と脳を切り取って今の状態にできれば楽に逝けてまだましだったろうに」
「ああ・・・」続けて言う。
「これからどうするんです?」
「ヒドイな」
「医者の稼業ってのも、あまりいい仕事だと思わなくなってきましたよ」
大学時代は成績抜群だった高木。
梅野教授と話し込む。
そんな高木に三浦さんの親族が会いに来た。
看護婦が
「三浦さんの親族がまいっております」
「わかった」
高木はカルテをもって、前の患者の診察を速めに終わらせて、
親族の元にむかった。
「もう三浦さんは助かりません。もって後1年でしょう」
「なんとかしてください」
「もちろん努力はします。ですが・・・」
三浦さんの寝室を訪れる高木。
三浦は話す、
「俺は何もない人生だった。女房にも逃げられ、金もなく。仕事もなかった。障害もあり、仕事なく、1生スラムの人生だった。子供の頃からからかわれ、貯金はもう1銭もない。人間の人生じゃなかった。
あんたがたエリートってのは勝ち組っていいな。
人生は最初で全部決まっちまう。俺達下級層はヒドイ人生だよ。
ホント寂しい人生だよ。若いやつからはからかわれ親戚からも早く死ねって悪口叩かれている、
俺の人生に幸せって言うのはなかったんだろうか」
そんな三浦の話題を梅野にしていた頃、
梅野はひょんな事を口にする。
「川西選手の遺書が見つかった。川西選手は僕が自殺したら、この体をもう死にゆく人に提供してほしい。僕の遺産も提供した人にあげようと思う」と言っている。
遺体は火葬にせず、人工冬眠のコールドスリープにしている。
それを聞いて高木は梅野にこう切り出した。
「僕の患者に全身癌の患者が一人います。もって後1年です。多くの自殺志願者のドナーもいますが、
その患者を梅野さんに頭部意識交換移植手術を実施してはどうでしょうか?」
「川西選手のDNAから子供を作れるが、DNAから大人の体をたとえ3Dプリンターでも作ることはできないしその子供に意識を転送する事はできない」
「川西選手の遺体に意識を転送するのです」
そして高木はその事を三浦に告げる。
「IPSでのシナプスとニューロンのネットワークでの生み出される意識を、転送です。脳を手術して機械と脳を接続して、川西選手に意識を転送させます。脳の電気信号のパターンから無意識から意識状態は作れるから、
川西選手の意識と同じ、電気信号のニューロンの組み合わせと同じにして、
最近は意識のはじまりに注目して医学技術の進歩で若い世代の病院の医師は特別な場合のゲイの方の意識性転換のドナーの体をIps細胞で作って、多く実施している人もいますし。犯罪で意識を完全に押さえられるなどの可能性があるので、方法は一般公開していませんが・・・」
「首から上を交換するのか、俺はドリアン・グレイになるしかないのか」
「嫌、意識だけです。もって三浦さんは1年。
「それが何を意味するのかわかっているのか、人工的に意識を転送して、刑務所の中だった場合、
味方がいない場合、永遠に生まれ変わるなら、苦しみが永遠に続く恐れもあるんだぞ」
「ヒドイ人生すぎる三浦さんに川西さんの脳と体を1度だけですよ。
川西さんのドナーが見つからないのでしょう?」
あらためて高木は梅野に聞き返した。
「考えさせてくれ」
親族にあらためて面会する時に説明する。
「頭部移植手術ですか・・・」
「三浦さんはいまのままだと、もって1年です。それより火葬で骨になる川西選手の脳と肉体を使って、意識だけを川西選手にして、三浦さんは第2の人生を歩まれてはいかがでしょう。僕もよくチェックしているんですが三浦さんのために図書館へ行って最新の医学雑誌とか見て勉強してみて考えてみたのですが、遺産も川西選手の遺書で譲ると言われていますし。ドナーを受精卵から脳の無い状態にして、移植手術の方法もありますが、最悪の人生だったなら生まれ変わってはどうか・・・」
「嫌だ、お爺ちゃんは、お爺ちゃんだ」
三浦の孫は泣きじゃくって言った。
「遺産は1億です」
「そう言うと、親族は、
あの人のヒドイ人生が報われるなら・・・どうせ生きていてもいい事ないと
言っていますし」
それを三浦に伝える。
「遅かれ早かれ死ぬんだからやってもらったら」
「俺はこの人生でやってきた。そんなひどい事できるかよ」
だが三浦に川西選手の遺産の話をすると
「こんなの人間の人生じゃない、せめて人間の人生で死にたかった」
そして、
「どっちみっち死ぬ身だ、お願いしようかな」と三浦は言う。
高木は三浦に言う、
「ただし記憶の移植はしても記憶力の移植だけです。
川西選手になれても、記憶はリセットされます。第2の別の人間の人生行くには、三浦さんの思い出は残せません。意識だけです。
家族の思い出もなくなります。新しく作っていかなければいけないでしょう」
三浦は無言だったが少し泣いていた。
「もう死がまじかだから、記憶が消えて、川西選手になる前に死んだ女房の墓参りに行きたい・・・」
「わかりました」高木は言った。
高木は言った。
その夜高木は一人で無言で三浦の寝室を訪れた。寝ている三浦の額を高木は撫でて、
「貴方の人生は酷かったから、特別に第2の人生をあげるよ・・・悪魔の力で・・・」と呟いた。
手術は梅野の病院で行われた。
出頭は梅野と高木だった。
まずコンピューターでの意識の転送がはじまる。
「メス」
「クーパー」
「汗」
手術時間は10時間におよぶ。
手術は成功し、
親族に、「今は落ち着いています」と三浦の事を言う。
病室で三浦は意識を取り戻した。
「三浦さん、見ますか」
高木は言う。
三浦はその声を聞いて、導かれるように高木のいる所に向かう。
ビニールカーテンに覆われて、心電図の音が響く中、植物状態の三浦の自分の遺体がある。記憶はないが三浦はかすかに自分だと認識した。
「僕だ・・・」
三浦は思った。
川西さんは手術で安楽死をして、心臓を停止させ、人工血液を補給して脳だけ眠った状態の人工冬眠で時々夢を見ている道しかなかったのだろうが。高木は思う。
「それでも犯罪などで苦しみが続く場合もあるから終わりが必要だが、三浦さんは最低の人生だったから第2の人生をあげれた・・・。高木は思う。
そして川西選手の姿になった自分を三浦は自覚する。
「貴方はこれから、第2の人生を歩む事に成功しました。これから頑張りましょう」
その数か月後、最悪の人生で全身癌で死ぬはずだった三浦は若い川西選手の健康な肉体となって退院。
川西のおかげて遺産ももらい。
第2のいい人生を送っている。
新しい妻もめとって幸せのようだ。
春になると記憶はないがよく高木に感謝の手紙をよくよこす。
その手紙を見て、高木は自分の引き出しにしまった。
普通は埋葬は遺体の人工冬眠に金がかかる家庭はDNAを木に伝えての樹木葬で、体も微生物に分解されるのが普通だが、最近はIPSで体だけを作り、意識をその体に意識に移植する技術が進んでおり、シナプスの結合等
第2の人生に向けてである。
*トータル・リコール
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