警部補植村浩二~15年前の事件~

しんたろう

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「田中様~おはいりください」

看護婦の声が響く。
田中は病院の名医師で地元の大きい企業の会社の妻と結婚して、
病気がちの妻の担当の病院で妻の専属の医師だった。
病院の待合席でいた妻は診察室に入る。
妻の夫の田中が担当の医師で席に座りながらCT画像を見ていた。

田中は短く言った。
田中はカルテに出す薬を書き込むと、

「検査のCT画像を見た」

田中は言った。

「君も癌だな・・・あともって1年かな」

田中は言う。
田中の妻は少し涙ぐむ。

「薬の処方はいつもの人に頼んでおくよ」

田中は言う。

「いつもありがとう」

家に帰った妻と田中は、
「それと離婚の事だけど」田中は言う。
「絶対に別れない!」妻は言う。
「貴方を訴える。15年前の事も警察に話す」続けて妻は言った。
「そうか・・・」田中は言う。
「それと病気の事だけど6月から自宅療法にしたらどうかな」

田中は妻に言う。

「わかった」

妻は言った。

田中は個人病院と通信会社を経営していて、妻は田中の経営している病院に通院していた。
担当医も希望で院長の田中にしていた。
愛人ができた田中は妻に離婚を迫っていたが、妻は絶対に別れないと言い張っていた。

田中は仕事が終わると、ホテルに夜、車で出かけた。
ホテルに着くと、田中の愛人がいた。
2人はセックスをすますと、
愛人は言った。

「まだ、離婚届け出さないの~」
「妻が絶対に別れないと言うんだ」

愛人は煙草を取り出して吸いながら、

「別れてくれないと、私も別れる」

愛人は言う。
田中は、

「妻は長くないんだ。そのうち結婚できる」

田中は言った。
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