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2章 暗黒時代・冬編
ヤマクラにて
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政人と山下は地下鉄に乗った。
ヤマクラ本社に行くためだ。
山下は昔の恋人の彼女を思い出していたのか、
地下鉄でヤマクラに行くときはぼんやりと窓を見つめ終始無言だった。
駅で地下鉄を降りると地上に出た。
ヤマクラの巨大なビルが2人には見えた。
2人はその足でヤマクラ本社のビルに向かう。
自動ドアが開き、表玄関で入り口の受付の陽気な青い服装の女性に話しかける。
「ヤマクラ製薬にようこそ、何のご用件でしょうか?ちなみに本社の営業時間は午後5:00までとなっております」
「警察です」
その事を聞いて受付の女性の表情が1舜曇る。
「は~い何のご用件でしょうか」
「ヤマクラの社長さんに話があってね」山下は続ける。
「おまちください」
受付の女性は総務の内線のコンピューターの白い画面にタッチパネルで番号を入力すると、内戦の電話で総務に連絡する。
受付の入り口にホログラムの巨大なヤシの木があり、そこから実が落ちて実が開けると、
My is to Dera customers 親愛なるお客様へ
ホログラムで文字が浮かび上がる。
政人はそれを眺めていたが、受付の女性が、
「総務と連絡は取れました」
と言うと向き直る。
山下が、
「でいいのかね社長と面会とゆうのは」
「社長からですが、総務と連絡はとらず、96階に直接来てほしいとの連絡がありました」
「では行こう」
山下は政人に言う。
政人はそれを無言で聞き、エレベーターに乗り込み上へ向かう。
70階を過ぎるころには東京の景色が一望できた。
そのまま二人は96階に向かう。
巨大な洋風プールの明かりの灯っていない水面だけライトアップされた巨大なルネサンス様式のプールで社長の女は裸で一人泳いでいた。
裸姿の彼女は数十分泳いだ後、二人が来て執事が彼女の事を呼ぶと、
水面から上がって、バスタオルで体を拭いていた。
二人が女に話しかける。
「誰、警察らしいわね」
「捜査で伺いました」
「何の捜査?」
「大分前の事ですがね、女性の意識をシステムに入れたとゆう事件がありましてね、やまくら製薬もこの事件に関わっていたとゆううたがいがありましてね、
知っている事をお聞かせ願いたいのですが」
女社長は口ごもると、
「詳しくは知らないけど、大分前で騒ぎになっていた事?」
「ええそうです」
「意識に組み込まれた女性の遺体はあるわよ、でもだいぶ前の事件じゃない?」
「ええ再捜査です」
「遺体は保管庫にあるわよ、あの事件以来ずっと手は付けていないままだけど、
それに事件に関わっていたのは私の亡くなった父じゃない」
「被害者のための再捜査ですよ。その遺体は何処にありますか?」
「冷凍保存室にあるわよ」
「じゃあその遺体を警察で引き取りたいのですが」
社長はひと呼吸おいて、
「40階の冷凍保存室にあるわよ。遺体の保存室の番号は経理に聞いて」
経理の人が番号を
「485036732」と教えてくれた。
山下はその番号を使い古した警察手帳に書き込み、
「じゃあ行こうか」と言って、40階に向かった。
エレベーターの40階の扉が開くと、カプセルホテルのような冷凍保存室に着く。
そこで死体を管理している男に事情を話す、
「IDを言ってください」AIが言う。
番号を入力すると死体が出てきた。
山下は懐かしそうに彼女の遺体の頬を撫でる。
「大変だったが君の苦しみは俺が救ってやる、
俺の退職前の最後にやり残した大仕事だ」
政人は警察庁に連絡して死体を運ぶ車を手配してもらう。
それから二人は車に遺体を乗せ、警察庁に戻る。
ヤマクラ本社に行くためだ。
山下は昔の恋人の彼女を思い出していたのか、
地下鉄でヤマクラに行くときはぼんやりと窓を見つめ終始無言だった。
駅で地下鉄を降りると地上に出た。
ヤマクラの巨大なビルが2人には見えた。
2人はその足でヤマクラ本社のビルに向かう。
自動ドアが開き、表玄関で入り口の受付の陽気な青い服装の女性に話しかける。
「ヤマクラ製薬にようこそ、何のご用件でしょうか?ちなみに本社の営業時間は午後5:00までとなっております」
「警察です」
その事を聞いて受付の女性の表情が1舜曇る。
「は~い何のご用件でしょうか」
「ヤマクラの社長さんに話があってね」山下は続ける。
「おまちください」
受付の女性は総務の内線のコンピューターの白い画面にタッチパネルで番号を入力すると、内戦の電話で総務に連絡する。
受付の入り口にホログラムの巨大なヤシの木があり、そこから実が落ちて実が開けると、
My is to Dera customers 親愛なるお客様へ
ホログラムで文字が浮かび上がる。
政人はそれを眺めていたが、受付の女性が、
「総務と連絡は取れました」
と言うと向き直る。
山下が、
「でいいのかね社長と面会とゆうのは」
「社長からですが、総務と連絡はとらず、96階に直接来てほしいとの連絡がありました」
「では行こう」
山下は政人に言う。
政人はそれを無言で聞き、エレベーターに乗り込み上へ向かう。
70階を過ぎるころには東京の景色が一望できた。
そのまま二人は96階に向かう。
巨大な洋風プールの明かりの灯っていない水面だけライトアップされた巨大なルネサンス様式のプールで社長の女は裸で一人泳いでいた。
裸姿の彼女は数十分泳いだ後、二人が来て執事が彼女の事を呼ぶと、
水面から上がって、バスタオルで体を拭いていた。
二人が女に話しかける。
「誰、警察らしいわね」
「捜査で伺いました」
「何の捜査?」
「大分前の事ですがね、女性の意識をシステムに入れたとゆう事件がありましてね、やまくら製薬もこの事件に関わっていたとゆううたがいがありましてね、
知っている事をお聞かせ願いたいのですが」
女社長は口ごもると、
「詳しくは知らないけど、大分前で騒ぎになっていた事?」
「ええそうです」
「意識に組み込まれた女性の遺体はあるわよ、でもだいぶ前の事件じゃない?」
「ええ再捜査です」
「遺体は保管庫にあるわよ、あの事件以来ずっと手は付けていないままだけど、
それに事件に関わっていたのは私の亡くなった父じゃない」
「被害者のための再捜査ですよ。その遺体は何処にありますか?」
「冷凍保存室にあるわよ」
「じゃあその遺体を警察で引き取りたいのですが」
社長はひと呼吸おいて、
「40階の冷凍保存室にあるわよ。遺体の保存室の番号は経理に聞いて」
経理の人が番号を
「485036732」と教えてくれた。
山下はその番号を使い古した警察手帳に書き込み、
「じゃあ行こうか」と言って、40階に向かった。
エレベーターの40階の扉が開くと、カプセルホテルのような冷凍保存室に着く。
そこで死体を管理している男に事情を話す、
「IDを言ってください」AIが言う。
番号を入力すると死体が出てきた。
山下は懐かしそうに彼女の遺体の頬を撫でる。
「大変だったが君の苦しみは俺が救ってやる、
俺の退職前の最後にやり残した大仕事だ」
政人は警察庁に連絡して死体を運ぶ車を手配してもらう。
それから二人は車に遺体を乗せ、警察庁に戻る。
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