5 / 51
序章:現代桃太郎
【参】AOF
しおりを挟む
「おい! 誰だ! 俺のダブルチーズトリプルミートバーガーを食った野郎は!?」
それだけでも男前だと伝わる声は、怒りを露わにしながら辺りへと響き渡った。
声の主は真っ赤に染まった髪とそこから生えた犬耳、尖鋭な犬歯と切れ長の目の青年。リオ・L(ルプス)・リュコス。
その一つ一つのパーツは完璧で、それらが合わさることで男前なその顔は形成されていた。更にピアスや指輪などのアクセサリー類をいくつも付けており、それが外見をより派手やかに彩っている。
リオは後方以外をデスクに囲まれ証言台のような位置取りに置いてあるテーブルから拾い上げた(バーガーを包んでいた)包み紙を手にし声を荒げていた。
「どうせてめーだろバカ猿!」
そしてリオはまるで大切な人の形見のようにその包み紙を持ちながら、傍のソファに座る一人の女性を真っ先にバカ猿と罵り睨みつける。
その鋭い眼光が捉えていたのは、ポニーテールに凛とした顔とよく似合うレザージャケットを黒いジップパーカーの上から着た女性、神原蘭玲。
だがワイヤレスヘッドホンをした蘭玲はスマホレットから出力された画面に視線を落としその怒声に気がついていない様子。
するとリオはそんな彼女のヘッドホンに手を伸ばし乱暴にもぎ取った。
「ちょっと! 何すんのよ!」
突然ヘッドホンを取られた蘭玲は苛立ちを露わにしながら手を伸ばした。だが、ヘッドホンは遠くそして高く遠ざかる。
「てめーまた俺のダブルチーズトリプルミートバーガー食っただろ!」
「知らないわよ。何でもかんでもアタシの所為にしないで!」
蘭玲は言い返しながらも立ち上がりヘッドホンを奪い返す。
しかしリオの表情には余裕の笑みが浮かんでいた。
「ウソつんだったらせめて口元のソースを拭いてからにしやがれ」
「えっ! うそっ!」
すると先ほどまでの強気な態度から一変、蘭玲は慌てて口元を拭った。
「やっぱてめーじゃねーか!」
だがそれはリオの仕掛けた罠。その行動に彼は怒りを更に燃やし彼女へと襲い掛かる。
しかしながら蘭玲は(バカは置いておいて)猿と呼ばれたことを納得させるほど軽やかに、ひょいっとそんな彼を躱した。
「こんなとこに置いてるのが悪いんでしょ。食べられたくなかったら自分にでも括り付けときなさい」
「そもそも自分が買ってねーもんを食うんじゃね!」
捕まえようとするリオと逃げる蘭玲。二人は辺りをぐるぐると回り鬼ごっこを始めた。
一方、そんな彼らを他所に湯気の立ち昇るコーヒーカップとその受け皿を手に持った女性は傍を通り過ぎとあるデスクへ。それは歩く度に揺れる編み込みの混じった長い髪、いわゆるナイスバディと称される体型で全体的に落ち着いたお姉さんといった印象を受ける女性。
喧嘩する二人を素通りした天王陽咲は、木製の高級感溢れるデスクで足を止めた。
「どうぞ」
優しさ溢れる声と共に陽咲はコーヒーカップをデスクに置いた。そこに座っていたのは刀の手入れをする桃。
「ありがとうございます」
桃は一度手入れの手を止めてから陽咲の方へ顔を向け、丁寧にお礼を言った。そして再び刀の手入れを再開する。
すると丁寧に手入れをしていた桃の陰に蘭玲が潜り込んできた。
「桃さん! あの犬っころがたかがバーガー一個食べただけでワンワン吠えるですよ。助けてください」
「あのバーガーは俺が楽しみにしてた好物なんだよ! しかもてめーポテトも食ったろ!」
リオと蘭玲はデスクと桃を挟みながら依然と啀み合う。
「つーか、何回俺の食いもん食えば気が済むんだ? あぁ?」
「じゃー今度から肌身離さず持っときなさい!」
言葉の後、煽るように舌を出して見せる蘭玲。
「てっめ!」
そんな彼女に血管を浮かばせたリオは手を伸ばそうとするが、距離が遠いだけではなく桃がいた為に手は途中で断念。それを見た蘭玲は桃越しにわざとらしく笑っては煽っていた。
「桃。そいつ押さえつけててくれ」
「そんなにカリカリとしてても良いことないですよ」
「そーだ! そーだ! カルシウムが足りないのよ。骨でも食べなさい。犬らしく」
「蘭玲もあまり煽っていてはいずれ痛い目みますよ」
「こんな奴逆に首輪付けて散歩しちゃいますよ」
「上等だ! 俺の首に手を伸ばしてみろその腕へし折ってやる」
二人がまるで兄妹のように喧嘩をするのは日常茶飯事なのか桃は平然とした顔で手入れの手を止めず、丸いトレイを持ち傍に立っていた陽咲もただたただ微笑んでいた。
「相変わらず二人は仲が良いわね」
「仲良くない! (仲良くねぇ!)」
陽咲の言葉を聞いた蘭玲とリオは同時に言い返す。
「ほら息ピッタリ!」
陽咲は丸いトレイを持ちながら両手を合わせ気色を浮かべた。
それが気に食わなかったのか蘭玲とリオは互いを睨みつけると、再度激しく火花を散らす。
するとその仲裁に入るようにノック音が鳴り響いた。
「私が出るのでいいですよ」
ノック音に動き出そうとした陽咲にそう言いうと桃は刀を鞘に納め立ち上がった。そして刀をデスクに置いてからドアへ。
ドアを開くとそこにいたのは大きな紙袋を持った高見の姿。
「どうも」
高見は挨拶と共に会釈をした。
「これは高見さん。お久しぶりです。どうかされましたか?」
「今日は西城先輩の代わりに来ました」
「そうですか。西城さんの。とりあえず中へどうぞ」
「失礼します」
更にもう一度、会釈をし中へ入った高見は一面がガラス張りになった壁から陽の光が射し込む部屋を見回す。
「ここがAOFですか」
「ようこそ。余り広くはありませんが、あちらへどうぞ」
そう言うと桃は右奥にあるテーブルとそれを挟むソファの接客スペースへ手で誘導した。
「あっ、そうだ」
ソファの方へ行こうとした高見だったが、思い出したようにそう呟くと桃の方を向いて手に持っていた紙袋を差し出した。
「これ西城先輩からです」
「おっ! この匂いはBGか?」
いつの間に現れたのか、リオは紙袋に顔を近づけては匂いを嗅いでいた。
「はい」
「西城のおっちゃんわかってるねぇ~」
リオは紙袋を受け取ると早速、中を覗き込む。
「ポテトもこんなに! さすが西城さん!」
これまたいつの間に現れたのか、蘭玲はリオの隣で同じように紙袋を覗き込んでいた。
「てめーの分はねーよ」
だがリオはそんな蘭玲へ睨みつけるような視線を向けると、一言そう言い放った。
「はぁ? なんでよ!」
当然ながら素直に納得するはずのない蘭玲。
「さっき俺のを食ったからその分を返してもらう」
「やだ!」
「知らねー。これに懲りたら二度と俺の食いもんに手をださねーことだな」
すると蘭玲はポケットに手を突っ込み何かを取り出した。それをリオの手に無理やり握らせる。
「これでチャラよ」
リオは訝し気な視線を一度蘭玲へと向けた後、手を開き握らされたモノを見た。それは棒付きの飴だった。イチゴ味だ。
「は? こんなの一個と俺のダブルチーズトリプルミートバーガーが釣り合うわけねーだろ! せめて千個は持ってこい。そしたら交渉の場についてやる」
「はぁ? ケチ! 器のちっさい犬! アタシはもっとバーガー食べたいの! 短気犬! 心狭犬! ゴミ! (自主規制)! (自主規制)!」
納得がいかないのだろう。容赦なく罵詈雑言を浴びせる蘭玲だったが、それを聞きながらリオは平然としていた。
「負け犬が――いや、負け猿が何言っても響かないんだよ。勝利《バーガー》は俺の手の中にある」
紙袋を掴み手元で揺らすリオと依然と只管に罵詈雑言を言う蘭玲。
そんな二人のやり取りを間近で見ていた桃は呆れた表情の顔に手をやり溜息をひとつ。
そしてリオの持っていた紙袋を横から取ると手を入れバーガーを一つ取り出した。それから紙袋をリオに、バーガーを蘭玲に手渡す。
「私の分をあげますから落ち着いて下さい。それとあまりそのような言葉を使ってはいけませんよ」
優しく注意すると桃は蘭玲の頭を軽く撫でた。
「流石は桃さん! ありがとうございます! どこかの誰かさんとは優しさが段違い」
蘭玲はお前だと言わんばかりに横目でリオを見遣る。
その視線にリオは静かに眉を顰めた。
「さぁ。あなた方はあちらで食べて来てください。それとあまり盛り上がり過ぎないように」
リオと蘭玲は返事をすると来客用のソファがある場所とは反対側にある先ほどのデスクやらソファやらが置いてある場所へ向かった。
それだけでも男前だと伝わる声は、怒りを露わにしながら辺りへと響き渡った。
声の主は真っ赤に染まった髪とそこから生えた犬耳、尖鋭な犬歯と切れ長の目の青年。リオ・L(ルプス)・リュコス。
その一つ一つのパーツは完璧で、それらが合わさることで男前なその顔は形成されていた。更にピアスや指輪などのアクセサリー類をいくつも付けており、それが外見をより派手やかに彩っている。
リオは後方以外をデスクに囲まれ証言台のような位置取りに置いてあるテーブルから拾い上げた(バーガーを包んでいた)包み紙を手にし声を荒げていた。
「どうせてめーだろバカ猿!」
そしてリオはまるで大切な人の形見のようにその包み紙を持ちながら、傍のソファに座る一人の女性を真っ先にバカ猿と罵り睨みつける。
その鋭い眼光が捉えていたのは、ポニーテールに凛とした顔とよく似合うレザージャケットを黒いジップパーカーの上から着た女性、神原蘭玲。
だがワイヤレスヘッドホンをした蘭玲はスマホレットから出力された画面に視線を落としその怒声に気がついていない様子。
するとリオはそんな彼女のヘッドホンに手を伸ばし乱暴にもぎ取った。
「ちょっと! 何すんのよ!」
突然ヘッドホンを取られた蘭玲は苛立ちを露わにしながら手を伸ばした。だが、ヘッドホンは遠くそして高く遠ざかる。
「てめーまた俺のダブルチーズトリプルミートバーガー食っただろ!」
「知らないわよ。何でもかんでもアタシの所為にしないで!」
蘭玲は言い返しながらも立ち上がりヘッドホンを奪い返す。
しかしリオの表情には余裕の笑みが浮かんでいた。
「ウソつんだったらせめて口元のソースを拭いてからにしやがれ」
「えっ! うそっ!」
すると先ほどまでの強気な態度から一変、蘭玲は慌てて口元を拭った。
「やっぱてめーじゃねーか!」
だがそれはリオの仕掛けた罠。その行動に彼は怒りを更に燃やし彼女へと襲い掛かる。
しかしながら蘭玲は(バカは置いておいて)猿と呼ばれたことを納得させるほど軽やかに、ひょいっとそんな彼を躱した。
「こんなとこに置いてるのが悪いんでしょ。食べられたくなかったら自分にでも括り付けときなさい」
「そもそも自分が買ってねーもんを食うんじゃね!」
捕まえようとするリオと逃げる蘭玲。二人は辺りをぐるぐると回り鬼ごっこを始めた。
一方、そんな彼らを他所に湯気の立ち昇るコーヒーカップとその受け皿を手に持った女性は傍を通り過ぎとあるデスクへ。それは歩く度に揺れる編み込みの混じった長い髪、いわゆるナイスバディと称される体型で全体的に落ち着いたお姉さんといった印象を受ける女性。
喧嘩する二人を素通りした天王陽咲は、木製の高級感溢れるデスクで足を止めた。
「どうぞ」
優しさ溢れる声と共に陽咲はコーヒーカップをデスクに置いた。そこに座っていたのは刀の手入れをする桃。
「ありがとうございます」
桃は一度手入れの手を止めてから陽咲の方へ顔を向け、丁寧にお礼を言った。そして再び刀の手入れを再開する。
すると丁寧に手入れをしていた桃の陰に蘭玲が潜り込んできた。
「桃さん! あの犬っころがたかがバーガー一個食べただけでワンワン吠えるですよ。助けてください」
「あのバーガーは俺が楽しみにしてた好物なんだよ! しかもてめーポテトも食ったろ!」
リオと蘭玲はデスクと桃を挟みながら依然と啀み合う。
「つーか、何回俺の食いもん食えば気が済むんだ? あぁ?」
「じゃー今度から肌身離さず持っときなさい!」
言葉の後、煽るように舌を出して見せる蘭玲。
「てっめ!」
そんな彼女に血管を浮かばせたリオは手を伸ばそうとするが、距離が遠いだけではなく桃がいた為に手は途中で断念。それを見た蘭玲は桃越しにわざとらしく笑っては煽っていた。
「桃。そいつ押さえつけててくれ」
「そんなにカリカリとしてても良いことないですよ」
「そーだ! そーだ! カルシウムが足りないのよ。骨でも食べなさい。犬らしく」
「蘭玲もあまり煽っていてはいずれ痛い目みますよ」
「こんな奴逆に首輪付けて散歩しちゃいますよ」
「上等だ! 俺の首に手を伸ばしてみろその腕へし折ってやる」
二人がまるで兄妹のように喧嘩をするのは日常茶飯事なのか桃は平然とした顔で手入れの手を止めず、丸いトレイを持ち傍に立っていた陽咲もただたただ微笑んでいた。
「相変わらず二人は仲が良いわね」
「仲良くない! (仲良くねぇ!)」
陽咲の言葉を聞いた蘭玲とリオは同時に言い返す。
「ほら息ピッタリ!」
陽咲は丸いトレイを持ちながら両手を合わせ気色を浮かべた。
それが気に食わなかったのか蘭玲とリオは互いを睨みつけると、再度激しく火花を散らす。
するとその仲裁に入るようにノック音が鳴り響いた。
「私が出るのでいいですよ」
ノック音に動き出そうとした陽咲にそう言いうと桃は刀を鞘に納め立ち上がった。そして刀をデスクに置いてからドアへ。
ドアを開くとそこにいたのは大きな紙袋を持った高見の姿。
「どうも」
高見は挨拶と共に会釈をした。
「これは高見さん。お久しぶりです。どうかされましたか?」
「今日は西城先輩の代わりに来ました」
「そうですか。西城さんの。とりあえず中へどうぞ」
「失礼します」
更にもう一度、会釈をし中へ入った高見は一面がガラス張りになった壁から陽の光が射し込む部屋を見回す。
「ここがAOFですか」
「ようこそ。余り広くはありませんが、あちらへどうぞ」
そう言うと桃は右奥にあるテーブルとそれを挟むソファの接客スペースへ手で誘導した。
「あっ、そうだ」
ソファの方へ行こうとした高見だったが、思い出したようにそう呟くと桃の方を向いて手に持っていた紙袋を差し出した。
「これ西城先輩からです」
「おっ! この匂いはBGか?」
いつの間に現れたのか、リオは紙袋に顔を近づけては匂いを嗅いでいた。
「はい」
「西城のおっちゃんわかってるねぇ~」
リオは紙袋を受け取ると早速、中を覗き込む。
「ポテトもこんなに! さすが西城さん!」
これまたいつの間に現れたのか、蘭玲はリオの隣で同じように紙袋を覗き込んでいた。
「てめーの分はねーよ」
だがリオはそんな蘭玲へ睨みつけるような視線を向けると、一言そう言い放った。
「はぁ? なんでよ!」
当然ながら素直に納得するはずのない蘭玲。
「さっき俺のを食ったからその分を返してもらう」
「やだ!」
「知らねー。これに懲りたら二度と俺の食いもんに手をださねーことだな」
すると蘭玲はポケットに手を突っ込み何かを取り出した。それをリオの手に無理やり握らせる。
「これでチャラよ」
リオは訝し気な視線を一度蘭玲へと向けた後、手を開き握らされたモノを見た。それは棒付きの飴だった。イチゴ味だ。
「は? こんなの一個と俺のダブルチーズトリプルミートバーガーが釣り合うわけねーだろ! せめて千個は持ってこい。そしたら交渉の場についてやる」
「はぁ? ケチ! 器のちっさい犬! アタシはもっとバーガー食べたいの! 短気犬! 心狭犬! ゴミ! (自主規制)! (自主規制)!」
納得がいかないのだろう。容赦なく罵詈雑言を浴びせる蘭玲だったが、それを聞きながらリオは平然としていた。
「負け犬が――いや、負け猿が何言っても響かないんだよ。勝利《バーガー》は俺の手の中にある」
紙袋を掴み手元で揺らすリオと依然と只管に罵詈雑言を言う蘭玲。
そんな二人のやり取りを間近で見ていた桃は呆れた表情の顔に手をやり溜息をひとつ。
そしてリオの持っていた紙袋を横から取ると手を入れバーガーを一つ取り出した。それから紙袋をリオに、バーガーを蘭玲に手渡す。
「私の分をあげますから落ち着いて下さい。それとあまりそのような言葉を使ってはいけませんよ」
優しく注意すると桃は蘭玲の頭を軽く撫でた。
「流石は桃さん! ありがとうございます! どこかの誰かさんとは優しさが段違い」
蘭玲はお前だと言わんばかりに横目でリオを見遣る。
その視線にリオは静かに眉を顰めた。
「さぁ。あなた方はあちらで食べて来てください。それとあまり盛り上がり過ぎないように」
リオと蘭玲は返事をすると来客用のソファがある場所とは反対側にある先ほどのデスクやらソファやらが置いてある場所へ向かった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。



私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる