7 / 23
7
しおりを挟む
一本の道を挟み所狭しと並ぶ建物の一軒。通りから横へ伸びた路地にある外階段の三階。殺風景なドア前に二人の姿はあった。
「一人は生かしておいて下さいね。出来ればリーダー格がいいですかね。その方が上と確実に連絡を取れると思いますから」
「アタシに言わないで」
ドアの前で柄を握るリナはラウルにそう返すと構えた刀を抜いた。
来客を知らせぬまま静寂を守る何の変哲もないスチール製のドア。
するとドアは普通に開く訳でも無く、蹴破られる訳でも無く――内側から見れば突然、流れる刀によってバラバラに斬り開かれた。大きな破片と化し役割を失ったドアだったものは、注目を引くには十分な音を立て床へと落ちていった。
そしてその重なり合った破片を跨ぎ室内へと足を踏み入れるブーツ。ほぼ同時に中にいた数名の視線が出入口へと集まった。
だが注目を浴びながらそれを微塵も気にすることのない足取りは中へと進んでゆく。
鼻歌と共にリナの無表情とは異なり妖艶な微笑みを浮かべ、手を振るような腰は思わず視線を奪われてしまいそうだった。
「アニキ! この女! 話した昨日の奴ですよ!」
ドアの反対側――部屋の一番奥に腰掛ける人物へ(先日のアニキとは別人だろう)顔にまだ新しい傷を負った男が空切を指差しながら叫ぶ。
一方で彼女自身は視線を部屋の中にいた人数を数えるように次から次へと移していた。獣人、人獣、(外見だけで言えば)人間。細分化すれば更に複数の種族に分けられ、種族だけで言えば同じは精々二人程度。向かい合ったデスクを挟み今では全員が立ち上がっている。
すると空切は半分ほど進んだ所で立ち止まると同時に片足を軸に後ろを振り返った。
「ちょっとまたなの? 最近こんなのばっかじゃなーい。ぜんっぜんあたしの好みじゃないわ」
不満気な口調でさえ色気を纏う空切に外から顔を覗かせたラウルは鞘を手にしながら両手を合わせて見せた。
「すみません。ですが、次はきっとあなたにも満足してもらえると思いますよ。今回はその準備ということで」
「はぁ~。ほんとヤになっちゃうわぁ」
溜息を零し同時に顔を俯かせた空切。だが先に視線を戻しラウルを見上げると、それから視線はそのまま顔だけを上げては彼を見下ろし、最後は真っすぐ見つめた。
しかしその視線はどこか睨み付けるような鋭さを帯びていた。
「そろそろ本気で君には、この溜まった欲求不満を満たして貰わないといけなくなるのかも」
そして表情はそのまま彼女は舌なめずりをして見せた。
だが対するラウルは一定して表情を変えず、一切動じてる様子はない。
「約束はお守りしますので。今回のところは」
するとその時、空切の後方にいた人間の男がポケットからナイフを取り出すと刃先で狙いを定めながら走り出した。
「まぁ君のお願いなら――」
男は背後まで接近すると彼女の声を遮りナイフを突き出した。
「何ごちゃごちゃ言ってんだよ!」
だがその刃先が空切へ突き出されるよりも先に、彼女は刀を振り上げながら男を正面に捉えていた。それは余りにも一瞬の出来事で、たった一回の瞬きをした後にはすでに彼女は振り返り刀を振り上げた後のような。その間だけ世界が二コマだけで構成されていたかのような一瞬の出来事だった。
そんな一瞬後の世界では、男の腕はナイフを握ったまま宙を舞っていた。断面から一瞬だが出血すらさせない程の一刀を受けた腕は、体から切離された事に気づかぬまま一人だけ先へと進む。
一方どの感覚よりも先に違和感の訪れた男の足が止まると、同時に容器を倒してしまったかのように床へは大量の鮮血が吐き出された。男の中で理解と痛みのどちらが早かったのかは分からない。だた自分の無くなった腕を見つめながら男は叫び声を上げた。その声と共に一歩二歩と覚束ない足取りが後ずさる。
「仕方ないわね」
「ありがとうございます」
背中でそのお礼を聞きながら、空切はデスクを乗り越え尖鋭な爪を伸ばす獣人の手首を見るまでもなく掴み止めた。遅れて顔を向けると睨み付けながらもう片方の手を振り上げるネコ科のリバット。
だが空切はそれよりも素早く掴んだ手を引き寄せると、彼女の頭を鷲掴みにしデスクへと叩きつけた。そしてそのまま自身の体を持ち上げると逆立ち状態となり片手でバランスを取りながら反対側――デスク上へと着地。
丁度、そんな彼女と入れ違いで回り込んでは背後から襲い掛かってきていた犬耳の生えた人獣バットは消えた残像を殴り空振していた。
一方でデスク上から周囲を一見し状況を確認する空切。視線を右から左へ。ぐるり振り返りながら少し顔を左へ向け視線で円を描く。
だがそこに長居はせず、見終えるや否や足元を狙い振られたゴルフクラブを避けながら彼女はバク宙をしながら床へと下りた。その位置はクラブを手にした縞馬獣人の真横。
「次はもっと上手くやらなくちゃね」
そして空切は刀を構えるとそのまま一閃。
「と言っても次はないんだけど」
獣人の首を気持ちのいいほど綺麗に刎ねた。
すると空切は斬り離された首へ手を伸ばすと倒れていく体を無視し、その頭をデスクの向こう側に居たイヌ科のリィバッツ獣人へと放った。ボールでも渡すように緩やかな速度で小さく放物線を描く生首。
突然投げられたからか仲間の首だからか、リィバッツは一驚に喫しながらもその生首を両手で丁寧に受け取った。
しかしその間に彼女との間合いを一瞬で詰めた空切は、情などという言葉は知らないとでも言うように抱えた首ごとリィバッツへ刀を突き出し貫通させた。的確に心臓を貫いた刀は背から顔を見せることは無く、最小限で任務を果たすとすぐさま引き抜かれていく。
そして刀身を血に濡らしせながら刀が抜かれると――少し遅れてリィバッツは空切の方へと倒れていった。
だがそんなリィバッツの顔へ刀の身幅部分を当て横へと退け、次なる獲物へと刀を振った。
それから一方的な戦闘は続き――気が付けば室内に残る命は残り三つ。
デスクに立つ空切は椅子に座るアニキと呼ばれた熊の獣人へ切先を見下ろしながら向けていた。返り血はあれど相変わらず綺麗な肌の空切に比べ、獣人の方は傷だらけ。一目でどのような戦いが繰り広げられたか分かる程に二人には差があった。
「メインに残してた割には大して変わらないわね」
口調から既に落胆の色が伺える空切は刀を振り上げた。
だが、そんな彼女と獣人との間にラウルが滑り込む。
「彼だけは次の楽しみの為に生かしておいてくれませんか?」
ラウルの顔に手を止めた空切は少し動きを止めその提案を検討し始める。
「それを生かしといたらあたしを満足させてくれるっていうの?」
「私の予想だとそうなりますね」
構えた刀はそのままに視線だけを逸らし更に何やら考える空切。その間、ラウルはおろか獣人でさえも判決を待つようにただじっとしていた。
「――分かったわ。でも、もし次に物足りなかったら……」
言葉を一度、途切れさせた空切は刀を下げるとその場にしゃがみラウルの持っていた鞘を手に取った。
そして刃先からゆっくりと納めてゆく。
「その時は君に責任を取ってもらうわね」
微笑みこそ浮かべていたものの警告のようにそう言うと同時に彼女は刀を鞘に納めた。
「一人は生かしておいて下さいね。出来ればリーダー格がいいですかね。その方が上と確実に連絡を取れると思いますから」
「アタシに言わないで」
ドアの前で柄を握るリナはラウルにそう返すと構えた刀を抜いた。
来客を知らせぬまま静寂を守る何の変哲もないスチール製のドア。
するとドアは普通に開く訳でも無く、蹴破られる訳でも無く――内側から見れば突然、流れる刀によってバラバラに斬り開かれた。大きな破片と化し役割を失ったドアだったものは、注目を引くには十分な音を立て床へと落ちていった。
そしてその重なり合った破片を跨ぎ室内へと足を踏み入れるブーツ。ほぼ同時に中にいた数名の視線が出入口へと集まった。
だが注目を浴びながらそれを微塵も気にすることのない足取りは中へと進んでゆく。
鼻歌と共にリナの無表情とは異なり妖艶な微笑みを浮かべ、手を振るような腰は思わず視線を奪われてしまいそうだった。
「アニキ! この女! 話した昨日の奴ですよ!」
ドアの反対側――部屋の一番奥に腰掛ける人物へ(先日のアニキとは別人だろう)顔にまだ新しい傷を負った男が空切を指差しながら叫ぶ。
一方で彼女自身は視線を部屋の中にいた人数を数えるように次から次へと移していた。獣人、人獣、(外見だけで言えば)人間。細分化すれば更に複数の種族に分けられ、種族だけで言えば同じは精々二人程度。向かい合ったデスクを挟み今では全員が立ち上がっている。
すると空切は半分ほど進んだ所で立ち止まると同時に片足を軸に後ろを振り返った。
「ちょっとまたなの? 最近こんなのばっかじゃなーい。ぜんっぜんあたしの好みじゃないわ」
不満気な口調でさえ色気を纏う空切に外から顔を覗かせたラウルは鞘を手にしながら両手を合わせて見せた。
「すみません。ですが、次はきっとあなたにも満足してもらえると思いますよ。今回はその準備ということで」
「はぁ~。ほんとヤになっちゃうわぁ」
溜息を零し同時に顔を俯かせた空切。だが先に視線を戻しラウルを見上げると、それから視線はそのまま顔だけを上げては彼を見下ろし、最後は真っすぐ見つめた。
しかしその視線はどこか睨み付けるような鋭さを帯びていた。
「そろそろ本気で君には、この溜まった欲求不満を満たして貰わないといけなくなるのかも」
そして表情はそのまま彼女は舌なめずりをして見せた。
だが対するラウルは一定して表情を変えず、一切動じてる様子はない。
「約束はお守りしますので。今回のところは」
するとその時、空切の後方にいた人間の男がポケットからナイフを取り出すと刃先で狙いを定めながら走り出した。
「まぁ君のお願いなら――」
男は背後まで接近すると彼女の声を遮りナイフを突き出した。
「何ごちゃごちゃ言ってんだよ!」
だがその刃先が空切へ突き出されるよりも先に、彼女は刀を振り上げながら男を正面に捉えていた。それは余りにも一瞬の出来事で、たった一回の瞬きをした後にはすでに彼女は振り返り刀を振り上げた後のような。その間だけ世界が二コマだけで構成されていたかのような一瞬の出来事だった。
そんな一瞬後の世界では、男の腕はナイフを握ったまま宙を舞っていた。断面から一瞬だが出血すらさせない程の一刀を受けた腕は、体から切離された事に気づかぬまま一人だけ先へと進む。
一方どの感覚よりも先に違和感の訪れた男の足が止まると、同時に容器を倒してしまったかのように床へは大量の鮮血が吐き出された。男の中で理解と痛みのどちらが早かったのかは分からない。だた自分の無くなった腕を見つめながら男は叫び声を上げた。その声と共に一歩二歩と覚束ない足取りが後ずさる。
「仕方ないわね」
「ありがとうございます」
背中でそのお礼を聞きながら、空切はデスクを乗り越え尖鋭な爪を伸ばす獣人の手首を見るまでもなく掴み止めた。遅れて顔を向けると睨み付けながらもう片方の手を振り上げるネコ科のリバット。
だが空切はそれよりも素早く掴んだ手を引き寄せると、彼女の頭を鷲掴みにしデスクへと叩きつけた。そしてそのまま自身の体を持ち上げると逆立ち状態となり片手でバランスを取りながら反対側――デスク上へと着地。
丁度、そんな彼女と入れ違いで回り込んでは背後から襲い掛かってきていた犬耳の生えた人獣バットは消えた残像を殴り空振していた。
一方でデスク上から周囲を一見し状況を確認する空切。視線を右から左へ。ぐるり振り返りながら少し顔を左へ向け視線で円を描く。
だがそこに長居はせず、見終えるや否や足元を狙い振られたゴルフクラブを避けながら彼女はバク宙をしながら床へと下りた。その位置はクラブを手にした縞馬獣人の真横。
「次はもっと上手くやらなくちゃね」
そして空切は刀を構えるとそのまま一閃。
「と言っても次はないんだけど」
獣人の首を気持ちのいいほど綺麗に刎ねた。
すると空切は斬り離された首へ手を伸ばすと倒れていく体を無視し、その頭をデスクの向こう側に居たイヌ科のリィバッツ獣人へと放った。ボールでも渡すように緩やかな速度で小さく放物線を描く生首。
突然投げられたからか仲間の首だからか、リィバッツは一驚に喫しながらもその生首を両手で丁寧に受け取った。
しかしその間に彼女との間合いを一瞬で詰めた空切は、情などという言葉は知らないとでも言うように抱えた首ごとリィバッツへ刀を突き出し貫通させた。的確に心臓を貫いた刀は背から顔を見せることは無く、最小限で任務を果たすとすぐさま引き抜かれていく。
そして刀身を血に濡らしせながら刀が抜かれると――少し遅れてリィバッツは空切の方へと倒れていった。
だがそんなリィバッツの顔へ刀の身幅部分を当て横へと退け、次なる獲物へと刀を振った。
それから一方的な戦闘は続き――気が付けば室内に残る命は残り三つ。
デスクに立つ空切は椅子に座るアニキと呼ばれた熊の獣人へ切先を見下ろしながら向けていた。返り血はあれど相変わらず綺麗な肌の空切に比べ、獣人の方は傷だらけ。一目でどのような戦いが繰り広げられたか分かる程に二人には差があった。
「メインに残してた割には大して変わらないわね」
口調から既に落胆の色が伺える空切は刀を振り上げた。
だが、そんな彼女と獣人との間にラウルが滑り込む。
「彼だけは次の楽しみの為に生かしておいてくれませんか?」
ラウルの顔に手を止めた空切は少し動きを止めその提案を検討し始める。
「それを生かしといたらあたしを満足させてくれるっていうの?」
「私の予想だとそうなりますね」
構えた刀はそのままに視線だけを逸らし更に何やら考える空切。その間、ラウルはおろか獣人でさえも判決を待つようにただじっとしていた。
「――分かったわ。でも、もし次に物足りなかったら……」
言葉を一度、途切れさせた空切は刀を下げるとその場にしゃがみラウルの持っていた鞘を手に取った。
そして刃先からゆっくりと納めてゆく。
「その時は君に責任を取ってもらうわね」
微笑みこそ浮かべていたものの警告のようにそう言うと同時に彼女は刀を鞘に納めた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
16世界物語1 趣味人な魔王、世界を変える
海蛇
ファンタジー
剣と魔法が支配したりする世界『シャルムシャリーストーク』。
ここは人間世界と魔族世界の二つに分かれ、互いの種族が終わらない戦争を繰り広げる世界である。
魔族世界の盟主であり、最高権力者である魔王。
その魔王がある日突然崩御し、新たに魔王となったのは、なんとも冴えない人形好きな中年男だった。
人間の女勇者エリーシャと互いのことを知らずに出会ったり、魔族の姫君らと他愛のない遊びに興じたりしていく中、魔王はやがて、『終わらない戦争』の真実に気付いていく……
(この作品は小説家になろうにて投稿していたものの部分リメイク作品です)
Peach Flows
佐武ろく
ファンタジー
<読み切りファンタジー小説>
『御伽』。吸血鬼、鬼、ウェアウルフ、オーク...妖怪や悪魔などといった人ならざる者は総じてそう呼ばれていた。だが御伽と一言に言ってもその種族は様々。特殊な力を有している種族も多くその殆どが、人間と比べ身体能力が高いものの種族単位で言えば人間が圧倒的数を誇っていた。
そんな御伽は世界にとってすでに常識でありそれ故に人と御伽は現在では共存関係にあった。だが人間を下等だと見下す種族も少ないわけではなく対立による争いを防ぐため御伽のための町も造られた。それに加え世界には、御伽を排除しようとする組織『A.I』、逆に人間を排除しようとする組織『GOD』なども存在し完璧な意味での共存は実現していなかった。またその他にもいくつもの過激派組織が存在しておりそれらに対抗すべく政府は警察とは別にEOCBという組織を結成する。
そんな世界で受け継がれ続けてきた『桃太郎』の名を父親から受け継いだ主人公。しかしその一族はただ『桃太郎』という名を代々受け継いでいるわけではなくその名と共にある意志が親から子へと引き継がれていた。それは主人公も例外ではなく彼もまたその意志を成し遂げようとしていた。
そんな意志と『桃太郎』の名を受け継いだ主人公は護衛・警備から人探しなど手広く行い御伽だけではなく過激派組織をも相手にできる企業AOFを立ち上げた。AOF設立後に3人の仲間をスカウトしてから本格的な活動は開始された。そして主人公は一族の意志の為、情報を集めながらも日々AOFに訪れる依頼をこなしていた。
※この物語はフィクションです。実在の団体や人物と一切関係はありません。
エイリアンの侵略に人類は魔王と手を組んだ
佐武ろく
ファンタジー
<読み切りファンタジー小説>
青く美しい星『アスレラ』は魔王の闇が世界を覆い始めていた。だが魔王ありしとろこに勇者ありというのが世の常。この世界にも例外なく勇者がその聖剣と共に現れた。そして勇敢な仲間と共に魔王城を目指し旅を続け、ついに魔王と対峙する。この世界の命運を分ける大勝負が始まった。光か闇か。この世界が望むのはどちらなのか?そして両者は力と力をぶつけ合い、ついに決着がつくかと思われた。だがその時。突然、魔王城天井を突き破り光線が降り注ぐ。咄嗟に2人は最後の一振りの為に貯えた力をその光線の対処に使用した。そして光線が消えたことで崩れた天井とその向こう側が見え始める。その光景に勇者のみならず魔王までもが表情をこわばらせる。視線の先では空を覆いつくほど大きな空飛ぶ円盤一隻と無数にの小さな空飛ぶ円盤が2人を見下ろしていたのだ。そして固まるように空を見上げていた2人を囲うようにエイリアンが空飛ぶ円盤から下りてきた。もう終わりかと思われた勇者の物語。だが本当の始まりはここからだった。
アスレラを分かつ人類と魔王軍の勢力図に新たに加わったエイリアン。人類と魔王軍は圧倒的戦力を持つエイリアンに対処するため、休戦協定を結び互いに手を取り合った。エイリアンという強大な敵が前代未聞のタッグを組ませる。
※この物語はフィクションです。実在の団体や人物と一切関係はありません
桜の朽木に虫の這うこと
朽木桜斎
ファンタジー
「人間って、何だろう?」
十六歳の少年ウツロは、山奥の隠れ里でそんなことばかり考えていた。
彼は親に捨てられ、同じ境遇・年齢の少年アクタとともに、殺し屋・似嵐鏡月(にがらし きょうげつ)の手で育てられ、厳しくも楽しい日々を送っていた。
しかしある夜、謎の凶賊たちが里を襲い、似嵐鏡月とアクタは身を呈してウツロを逃がす。
だが彼は、この世とあの世の境に咲くという異界の支配者・魔王桜(まおうざくら)に出会い、「アルトラ」と呼ばれる異能力を植えつけられてしまう。
目を覚ましたウツロは、とある洋館風アパートの一室で、四人の少年少女と出会う。
心やさしい真田龍子(さなだ りょうこ)、気の強い星川雅(ほしかわ みやび)、気性の荒い南柾樹(みなみ まさき)、そして龍子の実弟で考え癖のある真田虎太郎(さなだ こたろう)。
彼らはみな「アルトラ使い」であり、ウツロはアルトラ使いを管理・監督する組織によって保護されていたのだ。
ウツロは彼らとの交流を通して、ときに救われ、ときに傷つき、自分の進むべき道を見出そうとする――
<作者から>
この小説には表現上、必要最低限の残酷描写・暴力描写・性描写・グロテスク描写などが含まれています。
細心の注意は払いますが、当該描写に拒否感を示される方は、閲覧に際し、じゅうぶんにご留意ください。
ほかのサイトにも投稿しています。
思想で溢れたメモリー
やみくも
ファンタジー
幼少期に親が亡くなり、とある組織に拾われ未成年時代を過ごした「威風曖人亅
約5000年前に起きた世界史に残る大きな出来事の真相を探る組織のトップの依頼を受け、時空の歪みを調査中に曖人は見知らぬ土地へと飛ばされてしまった。
???「望む世界が違うから、争いは絶えないんだよ…。」
思想に正解なんて無い。
その想いは、個人の価値観なのだから…
思想=強さの譲れない正義のぶつかり合いが今、開戦する。
補足:設定がややこしくなるので年代は明かしませんが、遠い未来の話が舞台という事を頭の片隅に置いておいて下さい。
21世紀では無いです。
※未だに完結の目処が立っていない初期に書き始めた駄作です。ダラダラやっていますが進める意志はあります。
鄧禹
橘誠治
歴史・時代
再掲になります。
約二千年前、古代中国初の長期統一王朝・前漢を簒奪して誕生した新帝国。
だが新も短命に終わると、群雄割拠の乱世に突入。
挫折と成功を繰り返しながら後漢帝国を建国する光武帝・劉秀の若き軍師・鄧禹の物語。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
歴史小説家では宮城谷昌光さんや司馬遼太郎さんが好きです。
歴史上の人物のことを知るにはやっぱり物語がある方が覚えやすい。
上記のお二人の他にもいろんな作家さんや、大和和紀さんの「あさきゆめみし」に代表される漫画家さんにぼくもたくさんお世話になりました。
ぼくは特に古代中国史が好きなので題材はそこに求めることが多いですが、その恩返しの気持ちも込めて、自分もいろんな人に、あまり詳しく知られていない歴史上の人物について物語を通して伝えてゆきたい。
そんな風に思いながら書いています。
完結【R―18】様々な情事 短編集
秋刀魚妹子
恋愛
本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。
タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。
好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。
基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。
同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。
※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。
※ 更新は不定期です。
それでは、楽しんで頂けたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる