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「一色 神速・T・スカリ』
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「でもあの女性は存在してるって事だよね?」
「そうですね」
「どこにいるんだろう」
「それを知ってどーすんだ?」
その質問にスカリは少し考える素振りを見せた。
「最近、たまにだけど夢を見るんだよね」
「夢?」
「その鎖に繋がれた女性を見るの」
「いつからだ?」
「最初に見たのは一ヶ月前ぐらいかな」
「何か言ってたのか?」
鮮明に覚えているその夢を思い出しながらスカリは少し眉を顰めた。
「助けを求めてた」
「それは確かか?」
「まぁ夢だけどね。でも前にも話したけど、あたし契約した覚えはないし。だからその人が本当にエンジェラーとしての契約相手なのか分からないからね」
一人小首を傾げながらスカリは寿司を一貫口へ入れた。もぐもぐと口を動かし、軽くお茶を飲むとガリも食べた。
「――天界だな」
するとルエルは独り言のように言葉を口にした。
「ん? 何が?」
「その人がいるのは天界だ。天使は天界に住む。常識だろ」
「そーだけど。人間は天界には行けない。常識でしょ」
若干のドヤ顔を浮かべながら同じようにやり返したスカリは満足気に寿司を食べた。
「その方法を知ってる奴を知ってる」
「えっ? 冗談でしょ?」
笑い交じりのスカリに対しルエルは視線をベアルへと向けた。
「本当ですよ。昔、ここでそのような話をしてる人がいました」
「どーせ酔っ払いが適当な事言ってるだけだって」
「ならこの情報はいらねーんだな?」
「んー」
唸る様な声と共に少し考えながらお茶を一口飲む。
「――まぁ一応貰っとこうかな。タダなら」
「てめぇに払う金なんてねーだろ」
「否定は出来ないかなぁ」
そう言って残り二貫の寿司へ手を伸ばした。
「では後ほど情報をお送りしておきますね」
「ありがとー」
「つーかさっさとツケ分払いやがれ」
「今日もルエルの料理は最高だね」
「なんだコイツ!」
それからちゃっかりデザートまで食べたスカリは特に新しい依頼を受ける訳でも無く、その日を適当に過ごした。
「そうですね」
「どこにいるんだろう」
「それを知ってどーすんだ?」
その質問にスカリは少し考える素振りを見せた。
「最近、たまにだけど夢を見るんだよね」
「夢?」
「その鎖に繋がれた女性を見るの」
「いつからだ?」
「最初に見たのは一ヶ月前ぐらいかな」
「何か言ってたのか?」
鮮明に覚えているその夢を思い出しながらスカリは少し眉を顰めた。
「助けを求めてた」
「それは確かか?」
「まぁ夢だけどね。でも前にも話したけど、あたし契約した覚えはないし。だからその人が本当にエンジェラーとしての契約相手なのか分からないからね」
一人小首を傾げながらスカリは寿司を一貫口へ入れた。もぐもぐと口を動かし、軽くお茶を飲むとガリも食べた。
「――天界だな」
するとルエルは独り言のように言葉を口にした。
「ん? 何が?」
「その人がいるのは天界だ。天使は天界に住む。常識だろ」
「そーだけど。人間は天界には行けない。常識でしょ」
若干のドヤ顔を浮かべながら同じようにやり返したスカリは満足気に寿司を食べた。
「その方法を知ってる奴を知ってる」
「えっ? 冗談でしょ?」
笑い交じりのスカリに対しルエルは視線をベアルへと向けた。
「本当ですよ。昔、ここでそのような話をしてる人がいました」
「どーせ酔っ払いが適当な事言ってるだけだって」
「ならこの情報はいらねーんだな?」
「んー」
唸る様な声と共に少し考えながらお茶を一口飲む。
「――まぁ一応貰っとこうかな。タダなら」
「てめぇに払う金なんてねーだろ」
「否定は出来ないかなぁ」
そう言って残り二貫の寿司へ手を伸ばした。
「では後ほど情報をお送りしておきますね」
「ありがとー」
「つーかさっさとツケ分払いやがれ」
「今日もルエルの料理は最高だね」
「なんだコイツ!」
それからちゃっかりデザートまで食べたスカリは特に新しい依頼を受ける訳でも無く、その日を適当に過ごした。
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