31 / 33
第七章(最終章) 王子様の寵姫の座に収まっています
7-3 私も……ディアルムド様を愛しています ※
しおりを挟む
ブリギットの突然の見舞いから数日後。
その日の朝も、ディアルムドが勝手知ったる態度でバーベナの部屋に入ってきた。
「バーベナ、おはようございます。今日のお花ですよ」
「おはようございます。ディアルムド様。毎日素敵なお花をありがとうございます」
バーベナはディアルムドから花束を受け取ると、レモンのような爽やかな香りにつられて、「ああ、いい匂いがする」と鼻を寄せた。
毒で倒れて以来、お互い寝室を分けて過ごしているが、朝になるとディアルムドが花束を片手にこうして様子を見にきてくれる。
妃になってほしいと追いかけ回されていたあの日々と今とでは少しも変わっていなかった。
いいや、違う。変わったこともある。
大好きなアクアブルーの瞳には、花をもらって嬉しそうにはにかむ自分の姿が映っている。
まるでお互いの姿を焼きつけておこうと言わんばかりに見つめ合っているようだ。
「治療師からお墨付きをもらったので、そろそろ妃教育を再開してもよさそうですね。明日から頑張ってお菓子も焼きますよ」
ディアルムドはおどけて力こぶを作ってみせた。
「ディアルムド様も治療師の先生も心配しすぎです。おかげでずいぶんお休みをいただいてしまいました。……あ、ですが、お菓子作りのほうはほどほどに。睡眠時間を削るとか、くれぐれも無理はしないでくださいね。毎日じゃなくていいんです」
ディアルムド様さえいてくれるなら、と付け加えると、彼の頬がおもしろいくらいに上気する。
「俺を不意打ちで驚かせるのが、すっかり好きになったようですね」
ディアルムドは目元を和らげ、とびきり甘い笑顔を浮かべた。
「あなたはこの花のように愛らしい」
それから、仕返しとばかりにバーベナの髪を一房手に取ってキスをしてくる。
気障ったらしい台詞でも様になっているのだから驚きだ。
バーベナが恥ずかしさからううっと目元を覆ったのも束の間。
『この花』という言葉を思い出して、手元に視線を落とした。
いつもよりも小ぶりの花束だが、一本一本伸びた茎には白やピンクといった色とりどりの小花がたくさん咲いている。
「そういえば、今日のお花はバーベナなんですね。雑草だって妹によく馬鹿にされていましたが、実際目にするととても可愛いです」
ディアルムドが贈ってくれたからだろうか。それまで敬遠していた花が、この瞬間、とても可憐に見えてしまう。
うっとりと眺めていると、そうですよ、とディアルムドが得意げに説明を始める。
「バーベナは雑草なんかじゃありません。古くから未来を占うために使われていた花です。悪魔を祓うとも言われています」
「へえ……」
「『魔力』『家族愛』『勤勉』『忍耐』……いろんな花言葉がありますが、俺が一番好きな言葉は『魅力』です。ずいぶん昔の風習になりますが、騎士たちは意中の女性にこぞってバーベナの花を贈って、『あなたは魅力的です』とアプローチしていたそうですよ」
ディアルムドの熱い語り口に、バーベナはやや圧倒されながらも感心した。
「そ、そうだったんですね……初めて知りました」
物知りというより、女子力の高さが窺い知れる。
そんなところが、実にディアルムドらしい。
「素敵な花です。あなたの名前も」
そう言って、ディアルムドは花束ごとバーベナの手を取った。
――昔の女性もこんなふうに騎士様からアプローチを受けていたのかしら?
だとすると、とても情熱的だ。
ほんの少し面映い気もするが。
「バーベナ、あなたは愛されているんです。どうかそれをわかってほしい」
真摯な眼差しを受けて、バーベナは驚きとともに胸が熱くなるのを感じた。
愛されている、その言葉を胸の中で何度も反芻する。
――私の名前は雑草なんかじゃない。いろんな意味が込められていたのね。
もともと自己評価が低いというのもあるが、あの一件で自分が養子だと知って、少なからずショックを受けていた。
意外な形で出生の秘密を知ることになったが、バーベナ自身、本当は気になっていた。
自分は望んで生まれてきたのか。何より、実の両親から愛されていたのか。
両親亡きあと、本当のことはわからない。
けれども今、ディアルムドのおかげでその答えを得られたような気がした。
「……ありがとうございます。私も……ディアルムド様を愛しています」
お礼を言わずにはいられなかった。
彼はバーベナが前を向いていけるよう、いつもさりげなく気遣ってくれる。
もっと簡単に――突き放すようなやり方だってあったはずなのに。
この気持ちの半分でも伝わりますようにと願いながら、バーベナは愛していると、噛みしめるように言う。
「キスしていいですか?」
すると、間髪を入れずに尋ねられた。
それまで労わるような眼差しだったのが、急に熱く獰猛なものに変わっている。
こくりと頷くが早いか、唇を塞がれた。
優しいキスではない。強く求められていることがわかる、情熱的なキスだった。
もう何百回とキスをしているのに、彼はいつだってバーベナを激しく求めてくる。
「このまま抱いても?」
キスの合間に強請られ、バーベナは必死に息継ぎをしながら答える。
「あ、あの……それなら、可愛いドレスを着て支度をしてきてもいいですか?」
仕事前だろうか。略式とはいえ軍服を着こなした彼が眩しい。
お世辞にも可愛いとは言えない部屋着では釣り合いが取れない……というより、ムードに欠けるかもしれない。
そう思って申し出たつもりだったが、予想とは裏腹にディアルムドは首を横に振った。
「このままの格好で大丈夫ですよ。あなたはすでにじゅうぶん可愛いので」
「え、ええと……」
「俺のために着飾ってくれるのは嬉しいのですが、正直に言うと、俺は一糸纏わぬ姿のあなたのほうが好きなんです」
「それ、ただの裸では……?」
「ここのところずっと我慢していました。もちろんあなたの健康が第一ですが、治療師からゴーサインをもらったとき、俺がどれほど歓喜したことか。今すぐあなたが欲しいんです」
ディアルムドの形のいい唇から、劣情の籠もった言葉が淀みなく紡がれる。
ロマンチックな雰囲気だというのにイマイチ感動しきれないのは、彼が強引すぎるせいだろう。
もっと女性に慣れた、大人の男性であればこんなことはしないはず。
それがまったく嫌じゃないというのだから、自分も相当だと思うが。
完璧な王子様に見えて、ちょっと残念なところもある――そんな彼が大好きで困ってしまう。
「ディアルムド様……」
バーベナは仕方ないといった具合に口の両端を上げると、ディアルムドの手を取ってそのまま胸のほうへと誘った。
ディアルムドの喉がゆっくりと上下する。
やわやわとたわわな胸を揉まれ、甘い痺れが背筋を駆け上った。
「あっ……」
胸の先端をちょんと弾かれれば、あられもない声が飛び出る。
かと思いきや、素早い身のこなしで花束をサイドテーブルに置いて、あっという間に抱き上げられた。
向かっているのは、奥にある寝室だ。
「愛しています、バーベナ」
その日の朝も、ディアルムドが勝手知ったる態度でバーベナの部屋に入ってきた。
「バーベナ、おはようございます。今日のお花ですよ」
「おはようございます。ディアルムド様。毎日素敵なお花をありがとうございます」
バーベナはディアルムドから花束を受け取ると、レモンのような爽やかな香りにつられて、「ああ、いい匂いがする」と鼻を寄せた。
毒で倒れて以来、お互い寝室を分けて過ごしているが、朝になるとディアルムドが花束を片手にこうして様子を見にきてくれる。
妃になってほしいと追いかけ回されていたあの日々と今とでは少しも変わっていなかった。
いいや、違う。変わったこともある。
大好きなアクアブルーの瞳には、花をもらって嬉しそうにはにかむ自分の姿が映っている。
まるでお互いの姿を焼きつけておこうと言わんばかりに見つめ合っているようだ。
「治療師からお墨付きをもらったので、そろそろ妃教育を再開してもよさそうですね。明日から頑張ってお菓子も焼きますよ」
ディアルムドはおどけて力こぶを作ってみせた。
「ディアルムド様も治療師の先生も心配しすぎです。おかげでずいぶんお休みをいただいてしまいました。……あ、ですが、お菓子作りのほうはほどほどに。睡眠時間を削るとか、くれぐれも無理はしないでくださいね。毎日じゃなくていいんです」
ディアルムド様さえいてくれるなら、と付け加えると、彼の頬がおもしろいくらいに上気する。
「俺を不意打ちで驚かせるのが、すっかり好きになったようですね」
ディアルムドは目元を和らげ、とびきり甘い笑顔を浮かべた。
「あなたはこの花のように愛らしい」
それから、仕返しとばかりにバーベナの髪を一房手に取ってキスをしてくる。
気障ったらしい台詞でも様になっているのだから驚きだ。
バーベナが恥ずかしさからううっと目元を覆ったのも束の間。
『この花』という言葉を思い出して、手元に視線を落とした。
いつもよりも小ぶりの花束だが、一本一本伸びた茎には白やピンクといった色とりどりの小花がたくさん咲いている。
「そういえば、今日のお花はバーベナなんですね。雑草だって妹によく馬鹿にされていましたが、実際目にするととても可愛いです」
ディアルムドが贈ってくれたからだろうか。それまで敬遠していた花が、この瞬間、とても可憐に見えてしまう。
うっとりと眺めていると、そうですよ、とディアルムドが得意げに説明を始める。
「バーベナは雑草なんかじゃありません。古くから未来を占うために使われていた花です。悪魔を祓うとも言われています」
「へえ……」
「『魔力』『家族愛』『勤勉』『忍耐』……いろんな花言葉がありますが、俺が一番好きな言葉は『魅力』です。ずいぶん昔の風習になりますが、騎士たちは意中の女性にこぞってバーベナの花を贈って、『あなたは魅力的です』とアプローチしていたそうですよ」
ディアルムドの熱い語り口に、バーベナはやや圧倒されながらも感心した。
「そ、そうだったんですね……初めて知りました」
物知りというより、女子力の高さが窺い知れる。
そんなところが、実にディアルムドらしい。
「素敵な花です。あなたの名前も」
そう言って、ディアルムドは花束ごとバーベナの手を取った。
――昔の女性もこんなふうに騎士様からアプローチを受けていたのかしら?
だとすると、とても情熱的だ。
ほんの少し面映い気もするが。
「バーベナ、あなたは愛されているんです。どうかそれをわかってほしい」
真摯な眼差しを受けて、バーベナは驚きとともに胸が熱くなるのを感じた。
愛されている、その言葉を胸の中で何度も反芻する。
――私の名前は雑草なんかじゃない。いろんな意味が込められていたのね。
もともと自己評価が低いというのもあるが、あの一件で自分が養子だと知って、少なからずショックを受けていた。
意外な形で出生の秘密を知ることになったが、バーベナ自身、本当は気になっていた。
自分は望んで生まれてきたのか。何より、実の両親から愛されていたのか。
両親亡きあと、本当のことはわからない。
けれども今、ディアルムドのおかげでその答えを得られたような気がした。
「……ありがとうございます。私も……ディアルムド様を愛しています」
お礼を言わずにはいられなかった。
彼はバーベナが前を向いていけるよう、いつもさりげなく気遣ってくれる。
もっと簡単に――突き放すようなやり方だってあったはずなのに。
この気持ちの半分でも伝わりますようにと願いながら、バーベナは愛していると、噛みしめるように言う。
「キスしていいですか?」
すると、間髪を入れずに尋ねられた。
それまで労わるような眼差しだったのが、急に熱く獰猛なものに変わっている。
こくりと頷くが早いか、唇を塞がれた。
優しいキスではない。強く求められていることがわかる、情熱的なキスだった。
もう何百回とキスをしているのに、彼はいつだってバーベナを激しく求めてくる。
「このまま抱いても?」
キスの合間に強請られ、バーベナは必死に息継ぎをしながら答える。
「あ、あの……それなら、可愛いドレスを着て支度をしてきてもいいですか?」
仕事前だろうか。略式とはいえ軍服を着こなした彼が眩しい。
お世辞にも可愛いとは言えない部屋着では釣り合いが取れない……というより、ムードに欠けるかもしれない。
そう思って申し出たつもりだったが、予想とは裏腹にディアルムドは首を横に振った。
「このままの格好で大丈夫ですよ。あなたはすでにじゅうぶん可愛いので」
「え、ええと……」
「俺のために着飾ってくれるのは嬉しいのですが、正直に言うと、俺は一糸纏わぬ姿のあなたのほうが好きなんです」
「それ、ただの裸では……?」
「ここのところずっと我慢していました。もちろんあなたの健康が第一ですが、治療師からゴーサインをもらったとき、俺がどれほど歓喜したことか。今すぐあなたが欲しいんです」
ディアルムドの形のいい唇から、劣情の籠もった言葉が淀みなく紡がれる。
ロマンチックな雰囲気だというのにイマイチ感動しきれないのは、彼が強引すぎるせいだろう。
もっと女性に慣れた、大人の男性であればこんなことはしないはず。
それがまったく嫌じゃないというのだから、自分も相当だと思うが。
完璧な王子様に見えて、ちょっと残念なところもある――そんな彼が大好きで困ってしまう。
「ディアルムド様……」
バーベナは仕方ないといった具合に口の両端を上げると、ディアルムドの手を取ってそのまま胸のほうへと誘った。
ディアルムドの喉がゆっくりと上下する。
やわやわとたわわな胸を揉まれ、甘い痺れが背筋を駆け上った。
「あっ……」
胸の先端をちょんと弾かれれば、あられもない声が飛び出る。
かと思いきや、素早い身のこなしで花束をサイドテーブルに置いて、あっという間に抱き上げられた。
向かっているのは、奥にある寝室だ。
「愛しています、バーベナ」
6
お気に入りに追加
583
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
大好きだけど、結婚はできません!〜強面彼氏に強引に溺愛されて、困っています〜
楠結衣
恋愛
冷たい川に落ちてしまったリス獣人のミーナは、薄れゆく意識の中、水中を飛ぶような速さで泳いできた一人の青年に助け出される。
ミーナを助けてくれた鍛冶屋のリュークは、鋭く睨むワイルドな人で。思わず身をすくませたけど、見た目と違って優しいリュークに次第に心惹かれていく。
さらに結婚を前提の告白をされてしまうのだけど、リュークの夢は故郷で鍛冶屋をひらくことだと告げられて。
(リュークのことは好きだけど、彼が住むのは北にある氷の国。寒すぎると冬眠してしまう私には無理!)
と断ったのに、なぜか諦めないリュークと期限付きでお試しの恋人に?!
「泊まっていい?」
「今日、泊まってけ」
「俺の故郷で結婚してほしい!」
あまく溺愛してくるリュークに、ミーナの好きの気持ちは加速していく。
やっぱり、氷の国に一緒に行きたい!寒さに慣れると決意したミーナはある行動に出る……。
ミーナの一途な想いの行方は?二人の恋の結末は?!
健気でかわいいリス獣人と、見た目が怖いのに甘々なペンギン獣人の恋物語。
一途で溺愛なハッピーエンドストーリーです。
*小説家になろう様でも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる