5 / 5
王子の独白
しおりを挟む
私はエバートン王国の第三王子だ。
しかし一国の王子でありながら、私は兄弟たちから妾腹と蔑まれていた。
母上にいたっては、やれ売女だの淫売だの、散々な言われようだ。
生まれのせいも多分に含まれるが、私は兄弟仲が悪かった。
特に第二王子ジョナスとは犬猿の仲だ。
兄上は正妃の子で、それを鼻にかけて子どもの私をよく虐めたものだ。
罵るだけならまだしも、私物を盗ませたりする小憎たらしいものから、果ては召使いを殺したりする非道なものまで、兄上は私の神経を逆撫でする行為に幾度も及んだ。
どうやら世間一般的に、兄上の評判は宜しくなかったようだが、それでも妾の子より立場が上だった。ましてや兄上。
そのため私は兄上に逆らうことはなかった。
やられた方が大げさな反応を返せば、やった方が喜ぶことを知っていたのも理由の一つだ。
私はいつも兄上のすることに心の中で腹を立てては、詰るだけで精一杯だった。
ただし黙っていたからと言って、兄上のすることを受け入れていたわけではないが、決して!
そして子どもの頃の私は、人よりも物覚えが良かった方らしい。
確かに私自身、学や魔法を身に付けるのは容易いと感じていたのは事実だった。
まわりも口々に私を神童と持て囃していたように思う。
だが私がそうやって周囲から注目されればされるほど、兄上の虐めは酷くなっていった。
私はいつしか家来や召使い、さらには唯一の味方とも思えた母上とも距離を置くようになった。
肉親とはいえ、母上は私に無関心のため、本当の意味で私の味方とは言えないが。
私はもう誰も信じられなくなっていた。
まだこんなにも幼いというのに、誰も私を助けてくれない!
悲しくて苦しい……父上も母上も、なぜ助けてくれないのです!?
婚約者であるアリシアと出会ったのも、まさに私が腐っていた時期と重なった。
当時、私と釣り合う身分と年の者が、アリシアしかいなかったというのが出会いのきっかけだが、今にして思えば、私の遊び相手が彼女であって良かったと思う。
私はアリシア――エルシに出会えて幸運だった。
彼女もまた私と同じように、どこか寂しそうな子どもだった。
きっと女の子であるから、毎日屋敷の中に押し込められて退屈していたのだろう。もっと伸び伸びと遊びたかったのだろう。
案の定私がエルシを外遊びに誘えば、彼女は黒曜石の瞳を爛々と輝かせ、私の後ろをついて回ってきた。
エルシはとても可愛らしかった。
見た目も仕草ももちろんのことだが、転んで怪我をしても私の背を追ってくるエルシの姿はたまらなく庇護欲を駆り立てる。
何より彼女は私を妾の子、王子などと言ったふうに差別しなかった。
ごく自然に子どもがそうするように、エルシは私に接してくれたのだ。
私は嬉しかった。
エルシのしたことは何でもない――単純なことだったかもしれない。
けれども、もし彼女に出会えていなかったら、私は今頃王宮の闇に塗れた世界に呑み込まれていたことだろう。
エルシは何も知らないだろうが、私はエルシを愛していた――子どもの頃からずっと、だ。
十七になった年、彼女が十六になった年でもあるが、ふだん私用で動くことのなかった私は、彼女を婚約者にするべく裏で画策した。
その頃にもなると、第二王子派と第三王子派で後継者を推す勢いが王宮を二分するようになり、私としては特段王位に興味はなかったが、利用できるものは何でも利用してやろうと思い、この婚約話を手に入れることに成功した。
元よりエルシが年頃になった暁には、私の女にすると決めていたのだから――
そうしてエルシの誕生日会の手引きに成功したに私は、久しぶりに会った幼馴染の姿に歓喜した。
あの頃幼かった少女は、大輪の花のような美しい女へと成長していたのだ。
四角い襟ぐりは大きく開き、エルシの豊満な胸を心許ない面積の布が覆っていた。
それは今にも零れ落ちそうなほどで、見る者が見れば吸い込まれそうな谷間だろう。
青白いほど白い肩に、黒檀のようなさらさらの髪が零れ落ちている。
エルシはいつの間にか、扇情的な大人の女になっていた。
――スペンス様がわたくしの婚約者に?
私は目の縁をぽっと赤く染めたエルシに興奮し、浅ましくも独占欲に駆られた。
そうだ、君は私の妻になるんだ。
早くから目を付けておいて正解だった。
誰にも渡さない。
こうして晴れて婚約者同士になった私とエルシは、最初のうちこそ遠乗りに出かけたり、庭を散策したり活動的に逢瀬を重ねた。
しかし私の公務が増えてくると、思うように時間が取れなくなり、逢瀬は専ら文でのやり取りに代わってしまう。
忙しさにかまけて私は筆まめなほうではなかったが、それでも私はエルシに愛の言葉を贈った。
「君に会いたい」「君を愛している」と。ただの字面かもしれないが、これは私の本心だった。
――わたくしもスペンス様にお会いしたいです。
エルシの返信もまた、私への愛で溢れていた。
「わたくしの心はあなたのもの」と、そう綴られている。
このように、私とエルシの愛には何の障害もないかのように見えた。
お互いに愛し合っていたのだ。
私が二十歳になるまであと一年、じきに私たちは夫婦になれる――……。
ところがあるとき、王宮をとんでもない醜聞が駆け巡った。
「……どうして、わたくしを裏切ったのです!?」
「エルシ……信じておくれ。私は君を裏切ったりなどしていない」
夜中に訪れたバーチフィールド公爵家にて、私はエルシの寝室に忍び込み、必死に説得を試みた。
私の愛しの黒曜石の瞳は、怒りに揺れている。
けれども、見逃してしまいそうなほど、ほんの微かに熱も帯びていた。
どうやら私は第二王子の婚約者に手を出した男として、城中の噂になったせいで、バーチフィールド公爵家に婚約破棄を突きつけられたらしい。
公爵家は格下だが王族に最も近く、政治的影響力が強かった。
クソッ……! きっと兄上の仕業だろう。
兄上は私が成長しても虐めをやめることはなかった。
むしろどんどん加速していく一方だ。
私に毒を盛ったり、寝込みを刺客に襲わせたり、とにかく兄上は私を殺したいらしい。
そういう経緯もあってか、私はまさか自分の婚約を駄目にされるもは思っても寄らず、完全に不意打ちを食らってしまった。
兄上は私を殺して、ただ自分が王になりたいのだと思っていたが……。
違う……兄上は私を徹底して苦しめたいのだ。
「聞いてくれ、エルシ」
「――嫌っ! 離して!」
初めは誤解などすんなり解けると思っていたが、エルシはなかなか私の言葉を信じようとしなかった。
エルシの拒絶に私の心がぴしりとひび割れる。
「……なぜ……」
腹の底から、苦しみの感情とは別に何か黒くどろどろとしたものが喉元まで迫り上がってきた。
それを何と形容すべきか考えていると、徐々に頭が熱く曇ってきた。
「……エルシ、なぜ信じない?」
この事態は君も望んだことだったのか?
もう私を愛していないのか?
何度も違うと言っているのに……なぜ信じてくれない?
君の心は私から離れていってしまったということだろうか。
それは許すべきではない。許されない。
いいや、許さない。
私は怒りと猜疑心に心を囚われてエルシに摑みかかると、そのまま彼女を攫った。
城に連れ帰って、寝所に閉じ込める。
「私は君を手放すつもりはない」
その日を境に、私は夜ごとエルシを征服した。
そうしなければ私の乾き切った心が満たされなかったからだ。
何度も、何度も、私の所有物だと示すためにエルシの白い肌に余すところなく強く吸いつけば、彼女は拒絶の中に甘い声を混じらせて啼いた。
「い、やぁっ! スペンス様……っ」
私は嫌がるエルシを何度も掻き抱いた。
逃げ出そうとする骨盤を掴んで犬みたいに腰を振れば、エルシは艶めいた悲鳴を上げる。
あんなにも私を愛していると言いながら、なぜ彼女は嫌がるのか?
兄上のせいなのか――?
私はエルシを蹂躙して性欲を満たす一方で、私は……不意に私をこんな目に遭わせた兄上を殺そうと考えた。
なぜ今までそうしなかったのか疑問だが、思えば、それは私が王座に着きたくなかったためだろう。
戦争と政争と穢れた愛に血塗られたこの世界が、私は大嫌いだった。王位などこれっぽっちの興味もない。
そういう意味では、兄上は馬鹿なりに、ゆくゆくはこの国の暗い将来を背負って立つ男だと思っていた。
馬鹿な世界には、馬鹿な男こそお似合いだ、と。
――――しかし、私からエルシを奪うと言うならば、全部壊してやろう。
兄上よ、死ぬが良い。
弟たちも死ね。
政敵も粛清してやろう。
そうだ――――私の邪魔をしようものなら、いっそ父上も母上も殺してしまおう。
ああ……愛している……愛している。
エルシは……私だけの女だ。
――THE END――
しかし一国の王子でありながら、私は兄弟たちから妾腹と蔑まれていた。
母上にいたっては、やれ売女だの淫売だの、散々な言われようだ。
生まれのせいも多分に含まれるが、私は兄弟仲が悪かった。
特に第二王子ジョナスとは犬猿の仲だ。
兄上は正妃の子で、それを鼻にかけて子どもの私をよく虐めたものだ。
罵るだけならまだしも、私物を盗ませたりする小憎たらしいものから、果ては召使いを殺したりする非道なものまで、兄上は私の神経を逆撫でする行為に幾度も及んだ。
どうやら世間一般的に、兄上の評判は宜しくなかったようだが、それでも妾の子より立場が上だった。ましてや兄上。
そのため私は兄上に逆らうことはなかった。
やられた方が大げさな反応を返せば、やった方が喜ぶことを知っていたのも理由の一つだ。
私はいつも兄上のすることに心の中で腹を立てては、詰るだけで精一杯だった。
ただし黙っていたからと言って、兄上のすることを受け入れていたわけではないが、決して!
そして子どもの頃の私は、人よりも物覚えが良かった方らしい。
確かに私自身、学や魔法を身に付けるのは容易いと感じていたのは事実だった。
まわりも口々に私を神童と持て囃していたように思う。
だが私がそうやって周囲から注目されればされるほど、兄上の虐めは酷くなっていった。
私はいつしか家来や召使い、さらには唯一の味方とも思えた母上とも距離を置くようになった。
肉親とはいえ、母上は私に無関心のため、本当の意味で私の味方とは言えないが。
私はもう誰も信じられなくなっていた。
まだこんなにも幼いというのに、誰も私を助けてくれない!
悲しくて苦しい……父上も母上も、なぜ助けてくれないのです!?
婚約者であるアリシアと出会ったのも、まさに私が腐っていた時期と重なった。
当時、私と釣り合う身分と年の者が、アリシアしかいなかったというのが出会いのきっかけだが、今にして思えば、私の遊び相手が彼女であって良かったと思う。
私はアリシア――エルシに出会えて幸運だった。
彼女もまた私と同じように、どこか寂しそうな子どもだった。
きっと女の子であるから、毎日屋敷の中に押し込められて退屈していたのだろう。もっと伸び伸びと遊びたかったのだろう。
案の定私がエルシを外遊びに誘えば、彼女は黒曜石の瞳を爛々と輝かせ、私の後ろをついて回ってきた。
エルシはとても可愛らしかった。
見た目も仕草ももちろんのことだが、転んで怪我をしても私の背を追ってくるエルシの姿はたまらなく庇護欲を駆り立てる。
何より彼女は私を妾の子、王子などと言ったふうに差別しなかった。
ごく自然に子どもがそうするように、エルシは私に接してくれたのだ。
私は嬉しかった。
エルシのしたことは何でもない――単純なことだったかもしれない。
けれども、もし彼女に出会えていなかったら、私は今頃王宮の闇に塗れた世界に呑み込まれていたことだろう。
エルシは何も知らないだろうが、私はエルシを愛していた――子どもの頃からずっと、だ。
十七になった年、彼女が十六になった年でもあるが、ふだん私用で動くことのなかった私は、彼女を婚約者にするべく裏で画策した。
その頃にもなると、第二王子派と第三王子派で後継者を推す勢いが王宮を二分するようになり、私としては特段王位に興味はなかったが、利用できるものは何でも利用してやろうと思い、この婚約話を手に入れることに成功した。
元よりエルシが年頃になった暁には、私の女にすると決めていたのだから――
そうしてエルシの誕生日会の手引きに成功したに私は、久しぶりに会った幼馴染の姿に歓喜した。
あの頃幼かった少女は、大輪の花のような美しい女へと成長していたのだ。
四角い襟ぐりは大きく開き、エルシの豊満な胸を心許ない面積の布が覆っていた。
それは今にも零れ落ちそうなほどで、見る者が見れば吸い込まれそうな谷間だろう。
青白いほど白い肩に、黒檀のようなさらさらの髪が零れ落ちている。
エルシはいつの間にか、扇情的な大人の女になっていた。
――スペンス様がわたくしの婚約者に?
私は目の縁をぽっと赤く染めたエルシに興奮し、浅ましくも独占欲に駆られた。
そうだ、君は私の妻になるんだ。
早くから目を付けておいて正解だった。
誰にも渡さない。
こうして晴れて婚約者同士になった私とエルシは、最初のうちこそ遠乗りに出かけたり、庭を散策したり活動的に逢瀬を重ねた。
しかし私の公務が増えてくると、思うように時間が取れなくなり、逢瀬は専ら文でのやり取りに代わってしまう。
忙しさにかまけて私は筆まめなほうではなかったが、それでも私はエルシに愛の言葉を贈った。
「君に会いたい」「君を愛している」と。ただの字面かもしれないが、これは私の本心だった。
――わたくしもスペンス様にお会いしたいです。
エルシの返信もまた、私への愛で溢れていた。
「わたくしの心はあなたのもの」と、そう綴られている。
このように、私とエルシの愛には何の障害もないかのように見えた。
お互いに愛し合っていたのだ。
私が二十歳になるまであと一年、じきに私たちは夫婦になれる――……。
ところがあるとき、王宮をとんでもない醜聞が駆け巡った。
「……どうして、わたくしを裏切ったのです!?」
「エルシ……信じておくれ。私は君を裏切ったりなどしていない」
夜中に訪れたバーチフィールド公爵家にて、私はエルシの寝室に忍び込み、必死に説得を試みた。
私の愛しの黒曜石の瞳は、怒りに揺れている。
けれども、見逃してしまいそうなほど、ほんの微かに熱も帯びていた。
どうやら私は第二王子の婚約者に手を出した男として、城中の噂になったせいで、バーチフィールド公爵家に婚約破棄を突きつけられたらしい。
公爵家は格下だが王族に最も近く、政治的影響力が強かった。
クソッ……! きっと兄上の仕業だろう。
兄上は私が成長しても虐めをやめることはなかった。
むしろどんどん加速していく一方だ。
私に毒を盛ったり、寝込みを刺客に襲わせたり、とにかく兄上は私を殺したいらしい。
そういう経緯もあってか、私はまさか自分の婚約を駄目にされるもは思っても寄らず、完全に不意打ちを食らってしまった。
兄上は私を殺して、ただ自分が王になりたいのだと思っていたが……。
違う……兄上は私を徹底して苦しめたいのだ。
「聞いてくれ、エルシ」
「――嫌っ! 離して!」
初めは誤解などすんなり解けると思っていたが、エルシはなかなか私の言葉を信じようとしなかった。
エルシの拒絶に私の心がぴしりとひび割れる。
「……なぜ……」
腹の底から、苦しみの感情とは別に何か黒くどろどろとしたものが喉元まで迫り上がってきた。
それを何と形容すべきか考えていると、徐々に頭が熱く曇ってきた。
「……エルシ、なぜ信じない?」
この事態は君も望んだことだったのか?
もう私を愛していないのか?
何度も違うと言っているのに……なぜ信じてくれない?
君の心は私から離れていってしまったということだろうか。
それは許すべきではない。許されない。
いいや、許さない。
私は怒りと猜疑心に心を囚われてエルシに摑みかかると、そのまま彼女を攫った。
城に連れ帰って、寝所に閉じ込める。
「私は君を手放すつもりはない」
その日を境に、私は夜ごとエルシを征服した。
そうしなければ私の乾き切った心が満たされなかったからだ。
何度も、何度も、私の所有物だと示すためにエルシの白い肌に余すところなく強く吸いつけば、彼女は拒絶の中に甘い声を混じらせて啼いた。
「い、やぁっ! スペンス様……っ」
私は嫌がるエルシを何度も掻き抱いた。
逃げ出そうとする骨盤を掴んで犬みたいに腰を振れば、エルシは艶めいた悲鳴を上げる。
あんなにも私を愛していると言いながら、なぜ彼女は嫌がるのか?
兄上のせいなのか――?
私はエルシを蹂躙して性欲を満たす一方で、私は……不意に私をこんな目に遭わせた兄上を殺そうと考えた。
なぜ今までそうしなかったのか疑問だが、思えば、それは私が王座に着きたくなかったためだろう。
戦争と政争と穢れた愛に血塗られたこの世界が、私は大嫌いだった。王位などこれっぽっちの興味もない。
そういう意味では、兄上は馬鹿なりに、ゆくゆくはこの国の暗い将来を背負って立つ男だと思っていた。
馬鹿な世界には、馬鹿な男こそお似合いだ、と。
――――しかし、私からエルシを奪うと言うならば、全部壊してやろう。
兄上よ、死ぬが良い。
弟たちも死ね。
政敵も粛清してやろう。
そうだ――――私の邪魔をしようものなら、いっそ父上も母上も殺してしまおう。
ああ……愛している……愛している。
エルシは……私だけの女だ。
――THE END――
10
お気に入りに追加
123
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
ヤンデレ旦那さまに溺愛されてるけど思い出せない
斧名田マニマニ
恋愛
待って待って、どういうこと。
襲い掛かってきた超絶美形が、これから僕たち新婚初夜だよとかいうけれど、全く覚えてない……!
この人本当に旦那さま?
って疑ってたら、なんか病みはじめちゃった……!
ヤンデレ王太子と、それに振り回される優しい婚約者のお話
下菊みこと
恋愛
この世界の女神に悪役令嬢の役に選ばれたはずが、ヤンデレ王太子のせいで悪役令嬢になれなかった優しすぎる女の子のお話。あと女神様配役ミスってると思う。
転生者は乙女ゲームの世界に転生したと思ってるヒロインのみ。主人公の悪役令嬢は普通に現地主人公。
実は乙女ゲームの世界に似せて作られた別物の世界で、勘違いヒロインルシアをなんとか救おうとする主人公リュシーの奮闘を見て行ってください。
小説家になろう様でも投稿しています。
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
夫の書斎から渡されなかった恋文を見つけた話
束原ミヤコ
恋愛
フリージアはある日、夫であるエルバ公爵クライヴの書斎の机から、渡されなかった恋文を見つけた。
クライヴには想い人がいるという噂があった。
それは、隣国に嫁いだ姫サフィアである。
晩餐会で親し気に話す二人の様子を見たフリージアは、妻でいることが耐えられなくなり離縁してもらうことを決めるが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
読ませて頂きました。
ダークな雰囲気が良かったです。
>ねる様
感想ありがとうございます◡̈♥︎
昔の作品にもかかわらず、読んでいただけて感激です✧
ダークな雰囲気がお好みなら、『黒い王子様』もダークファンタジーなので、もし良ければ……どうぞ♡
ちょっと、怖いかな?ラブは、感じられない❗狂気かな?まるで、シェークスピアがかいたようです。悲劇の始まり🎵なんてどうですか?
>あすかり様
感想ありがとうございます。
今回は『狂った愛』を書きたかかったため、あすかり様がそれを怖いと感じたのは当然のことかと思います。
一応彼のためにも弁解申し上げますと、彼はめっちゃ愛してます、ネジが外れちゃっただけで(笑)
彼女もまた不本意ながら彼を愛しています。
ただ愛の形としては歪なため、ある意味悲劇かもしれませんね。
それにしても……シェ……シェークスピアですか⁉︎
私のような素人にはシェークスピアとは雲泥の差が……畏れ多いです!
でも、そんな風にコメントくださり嬉しいです!
改めて、拙作をお読みいただきありがとうございました。