22 / 62
22.恋と絶望(アーサーside)
しおりを挟む
全てを知った夜、私はベッドのなかで廃人のように呆けていた。何も考えられず、ただひたすらベッドの天蓋を見つめていた。
自分はきっと父と同じく二十歳になったら人の生き血を吸う化け物になるのだ。
その時、僕はどう思うのだろう? どうなってしまうのだろう? そもそも生き血なんて飲めるのか?
働かない頭でボーっとそんなことを思う。
その時、ふと自分の婚約者を思い出した。
去年初めて会った婚約者。
母が死んで喪失感が抜けない状態で会った女の子。そのせいで、碌に口も利かず、相手が話していることにただ頷いていた。黙っている僕に必死に話しかけてくれたことを思い出す。
彼女は将来自分の妻になる。
そうしたら、自分は父と同じように彼女を殺してしまうのだろうか?
いや、殺さない方法はある。
彼女を愛さなければいいんだ。彼女を好きにならなければいい。
しかし、既にその時にはもう抗えない予感があった。
でも、その予感を否定するように、彼女から届く手紙には返事を書かず、領地が遠いことを理由に会うことを避けた。
それでもまったく会わないわけにはいかない。
五年ぶりに彼女に会った時、今までことは無駄な掻きに終わったことを直感した。
何故なら想像していた以上に彼女は美しく成長していたのだ。
お愛想に適当に選んで買った髪飾りをこちらが罪悪感を覚えるほど喜んでくれた。
その時の笑顔は今でもはっきり思い出せる。
彼女のことを好きにならないことは難しい。きっとこれからもっと好きになってしまうことは簡単に想像できた。
自分の想いに抗えないことが分かったのなら、足掻いたところで仕方がない。
彼女を好きになっても大丈夫なように自分の精神を鍛えるしかない。
そう前向きに考えることにした。
しかし、その時は呪いの威力を知らなかったから、そんな風に前向きに思えたのだ。
二十歳になった時、自分の体に変化は現れなかった。
母の死の真実を知っても、今まで父の吸血する姿を見たこともなく、自分自身の体に何も変化を感じずに生きてきたので、どこかレイモンド家の呪いを信じてきれていない自分もいた。
その為、二十歳になっても化け物にならなかったことで、この呪いは父の狂言ではないのかと疑うほどだった。
しかし、涙を流して喜ぶ父と執事のマイクを見て、やはり狂言ではなかったのだと思い直すも、自分には何も影響がなかったことに心から安堵した。
その頃には、王城勤めの私を追うように婚約者のローゼが王都に居を移しており、以前より会う機会が増えた。
18歳になった彼女は益々美しくなっていた。
自分の予想通り、私は彼女をどんどん好きになっていった。
彼女自身、私に好意を持っていることを隠そうとしない。そのことが更に気持ちに拍車を掛けた。
ただ、私は気持ちを伝えるのが不得手で、この愛しい人へ愛の言葉を一度も囁くことが出来ずにいた。
会う度に今日こそはと思っても、彼女の愛くるしい笑顔を見るだけで、気持ちが高揚し、上手く言葉が出なくなるのだ。嬉しそうに私に話しかけてくる彼女に耳を傾けるだけで精一杯だった。
21歳になった時、正式にローゼとの結婚式の日取りも決まり、後は二人の新婚生活を待つだけになった。
夫婦になれば一緒にいる時間は今までと比較にならないくらい増えるのだ。
今までは仕事に翻弄され、なかなか会う機会が作れず、そのせいで久しぶりに会うと、喜びと嬉しさと気恥ずかしさから上手く気持ちを伝えられなかったが、流石に毎日一緒にいれば、もう少し気持ちにゆとりが出来るだろう。
彼女の可愛い笑顔を見ても、無様に動揺せず、気の利いた言葉も掛けられるようになるだろう。
そうだ、毎日彼女が傍にいる日々が来るのだ。
毎日毎日、彼女に愛の言葉を囁こう。今までの分を含めてたくさん。
そう心に決め、彼女との生活を今か今かと待ち侘びていた。
周りから浮かれているのを揶揄われるのが嫌で、おくびにも出さなかったが、内心では幸せの絶頂にいたのだ。
だが、不幸は足音を立てずに静かにいきなり襲ってきた。
式も二週間後に控え、父も領地から王都へ来ていた。
仕事も終え、夕食前に私の書斎で父と話をしていた時、突然、喉の渇きを覚えた。
すぐにお茶を口にしたが渇きが治まらない。一気に飲み干してもまったく治まらない。
傍にある水差しの水をグラスに注ぎ、これも一気に仰いだ。だが、ますます喉が渇くばかり。
何度も水差しから水をグラスに注ぎ、あっという間に水差しの中身は空になった。
堪らなく嫌な予感がして父を見ると、父は真っ青な顔をして私を見ていた。
私が疑問をぶつける前に、彼はフラフラと立ち上がると、部屋の隅にある棚から瓶を取り出した。
それは、「万が一の時の為に持っておくように」と父がその棚にしまっていた物だ。
震える手でその瓶の液体をグラスに注いだ。赤く毒々しい色をした液体だった。
それを私の前に差し出した。父の目からは涙が零れていた。
私は必死に首を振った。
だって、それは・・・。その薬は・・・。
「・・・飲みなさい、アーサー。この渇きには抗えん・・・」
ゆっくりと近づくグラスから、必死に距離を取ろうと顔を背ける。
しかし、ひどい喉の渇きとグラスから漂う微かに甘い香りが私の忍耐を崩壊させた。
飛び付くように父の手の上からグラスを握り、一気に飲み干してしまった。
急速に体中が潤い、理性が戻る。
今度はその事実に絶望し、その場に膝から崩れ落ちた。
むせび泣いている私を、父も泣きながら強く抱きしめた。
夜空には煌々と満月が輝いていた。
自分はきっと父と同じく二十歳になったら人の生き血を吸う化け物になるのだ。
その時、僕はどう思うのだろう? どうなってしまうのだろう? そもそも生き血なんて飲めるのか?
働かない頭でボーっとそんなことを思う。
その時、ふと自分の婚約者を思い出した。
去年初めて会った婚約者。
母が死んで喪失感が抜けない状態で会った女の子。そのせいで、碌に口も利かず、相手が話していることにただ頷いていた。黙っている僕に必死に話しかけてくれたことを思い出す。
彼女は将来自分の妻になる。
そうしたら、自分は父と同じように彼女を殺してしまうのだろうか?
いや、殺さない方法はある。
彼女を愛さなければいいんだ。彼女を好きにならなければいい。
しかし、既にその時にはもう抗えない予感があった。
でも、その予感を否定するように、彼女から届く手紙には返事を書かず、領地が遠いことを理由に会うことを避けた。
それでもまったく会わないわけにはいかない。
五年ぶりに彼女に会った時、今までことは無駄な掻きに終わったことを直感した。
何故なら想像していた以上に彼女は美しく成長していたのだ。
お愛想に適当に選んで買った髪飾りをこちらが罪悪感を覚えるほど喜んでくれた。
その時の笑顔は今でもはっきり思い出せる。
彼女のことを好きにならないことは難しい。きっとこれからもっと好きになってしまうことは簡単に想像できた。
自分の想いに抗えないことが分かったのなら、足掻いたところで仕方がない。
彼女を好きになっても大丈夫なように自分の精神を鍛えるしかない。
そう前向きに考えることにした。
しかし、その時は呪いの威力を知らなかったから、そんな風に前向きに思えたのだ。
二十歳になった時、自分の体に変化は現れなかった。
母の死の真実を知っても、今まで父の吸血する姿を見たこともなく、自分自身の体に何も変化を感じずに生きてきたので、どこかレイモンド家の呪いを信じてきれていない自分もいた。
その為、二十歳になっても化け物にならなかったことで、この呪いは父の狂言ではないのかと疑うほどだった。
しかし、涙を流して喜ぶ父と執事のマイクを見て、やはり狂言ではなかったのだと思い直すも、自分には何も影響がなかったことに心から安堵した。
その頃には、王城勤めの私を追うように婚約者のローゼが王都に居を移しており、以前より会う機会が増えた。
18歳になった彼女は益々美しくなっていた。
自分の予想通り、私は彼女をどんどん好きになっていった。
彼女自身、私に好意を持っていることを隠そうとしない。そのことが更に気持ちに拍車を掛けた。
ただ、私は気持ちを伝えるのが不得手で、この愛しい人へ愛の言葉を一度も囁くことが出来ずにいた。
会う度に今日こそはと思っても、彼女の愛くるしい笑顔を見るだけで、気持ちが高揚し、上手く言葉が出なくなるのだ。嬉しそうに私に話しかけてくる彼女に耳を傾けるだけで精一杯だった。
21歳になった時、正式にローゼとの結婚式の日取りも決まり、後は二人の新婚生活を待つだけになった。
夫婦になれば一緒にいる時間は今までと比較にならないくらい増えるのだ。
今までは仕事に翻弄され、なかなか会う機会が作れず、そのせいで久しぶりに会うと、喜びと嬉しさと気恥ずかしさから上手く気持ちを伝えられなかったが、流石に毎日一緒にいれば、もう少し気持ちにゆとりが出来るだろう。
彼女の可愛い笑顔を見ても、無様に動揺せず、気の利いた言葉も掛けられるようになるだろう。
そうだ、毎日彼女が傍にいる日々が来るのだ。
毎日毎日、彼女に愛の言葉を囁こう。今までの分を含めてたくさん。
そう心に決め、彼女との生活を今か今かと待ち侘びていた。
周りから浮かれているのを揶揄われるのが嫌で、おくびにも出さなかったが、内心では幸せの絶頂にいたのだ。
だが、不幸は足音を立てずに静かにいきなり襲ってきた。
式も二週間後に控え、父も領地から王都へ来ていた。
仕事も終え、夕食前に私の書斎で父と話をしていた時、突然、喉の渇きを覚えた。
すぐにお茶を口にしたが渇きが治まらない。一気に飲み干してもまったく治まらない。
傍にある水差しの水をグラスに注ぎ、これも一気に仰いだ。だが、ますます喉が渇くばかり。
何度も水差しから水をグラスに注ぎ、あっという間に水差しの中身は空になった。
堪らなく嫌な予感がして父を見ると、父は真っ青な顔をして私を見ていた。
私が疑問をぶつける前に、彼はフラフラと立ち上がると、部屋の隅にある棚から瓶を取り出した。
それは、「万が一の時の為に持っておくように」と父がその棚にしまっていた物だ。
震える手でその瓶の液体をグラスに注いだ。赤く毒々しい色をした液体だった。
それを私の前に差し出した。父の目からは涙が零れていた。
私は必死に首を振った。
だって、それは・・・。その薬は・・・。
「・・・飲みなさい、アーサー。この渇きには抗えん・・・」
ゆっくりと近づくグラスから、必死に距離を取ろうと顔を背ける。
しかし、ひどい喉の渇きとグラスから漂う微かに甘い香りが私の忍耐を崩壊させた。
飛び付くように父の手の上からグラスを握り、一気に飲み干してしまった。
急速に体中が潤い、理性が戻る。
今度はその事実に絶望し、その場に膝から崩れ落ちた。
むせび泣いている私を、父も泣きながら強く抱きしめた。
夜空には煌々と満月が輝いていた。
43
お気に入りに追加
310
あなたにおすすめの小説

私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。

酷いことをしたのはあなたの方です
風見ゆうみ
恋愛
※「謝られたって、私は高みの見物しかしませんよ?」の続編です。
あれから約1年後、私、エアリス・ノラベルはエドワード・カイジス公爵の婚約者となり、結婚も控え、幸せな生活を送っていた。
ある日、親友のビアラから、ロンバートが出所したこと、オルザベート達が軟禁していた家から引っ越す事になったという話を聞く。
聞いた時には深く考えていなかった私だったけれど、オルザベートが私を諦めていないことを思い知らされる事になる。
※細かい設定が気になられる方は前作をお読みいただいた方が良いかと思われます。
※恋愛ものですので甘い展開もありますが、サスペンス色も多いのでご注意下さい。ざまぁも必要以上に過激ではありません。
※史実とは関係ない、独特の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。魔法が存在する世界です。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり(苦手な方はご注意下さい)。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲

その発言、後悔しないで下さいね?
風見ゆうみ
恋愛
「君を愛する事は出来ない」「いちいちそんな宣言をしていただかなくても結構ですよ?」結婚式後、私、エレノアと旦那様であるシークス・クロフォード公爵が交わした会話は要約すると、そんな感じで、第1印象はお互いに良くありませんでした。
一緒に住んでいる義父母は優しいのですが、義妹はものすごく意地悪です。でも、そんな事を気にして、泣き寝入りする性格でもありません。
結婚式の次の日、旦那様にお話したい事があった私は、旦那様の執務室に行き、必要な話を終えた後に帰ろうとしますが、何もないところで躓いてしまいます。
一瞬、私の腕に何かが触れた気がしたのですが、そのまま私は転んでしまいました。
「大丈夫か?」と聞かれ、振り返ると、そこには長い白と黒の毛を持った大きな犬が!
でも、話しかけてきた声は旦那様らしきものでしたのに、旦那様の姿がどこにも見当たりません!
「犬が喋りました! あの、よろしければ教えていただきたいのですが、旦那様を知りませんか?」「ここにいる!」「ですから旦那様はどこに?」「俺だ!」「あなたは、わんちゃんです! 旦那様ではありません!」
※カクヨムさんで加筆修正版を投稿しています。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法や呪いも存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
※クズがいますので、ご注意下さい。
※ざまぁは過度なものではありません。

私を運命の相手とプロポーズしておきながら、可哀そうな幼馴染の方が大切なのですね! 幼馴染と幸せにお過ごしください
迷い人
恋愛
王国の特殊爵位『フラワーズ』を頂いたその日。
アシャール王国でも美貌と名高いディディエ・オラール様から婚姻の申し込みを受けた。
断るに断れない状況での婚姻の申し込み。
仕事の邪魔はしないと言う約束のもと、私はその婚姻の申し出を承諾する。
優しい人。
貞節と名高い人。
一目惚れだと、運命の相手だと、彼は言った。
細やかな気遣いと、距離を保った愛情表現。
私も愛しております。
そう告げようとした日、彼は私にこうつげたのです。
「子を事故で亡くした幼馴染が、心をすり減らして戻ってきたんだ。 私はしばらく彼女についていてあげたい」
そう言って私の物を、つぎつぎ幼馴染に与えていく。
優しかったアナタは幻ですか?
どうぞ、幼馴染とお幸せに、請求書はそちらに回しておきます。

【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。

今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる