5 / 5
蛇問答
しおりを挟む
蛇を見たゴルディは驚きました、蛇というものを見慣れていても言葉を喋る蛇というのは初めて見たからです。「もしかしたら、村の大人たちが話す魔物かもしれない。」とふと思いましたが、この森に言葉を話す生き物は自分とかの蛇だと思うと心の中に話し相手がいるという安心感がわいてきました。すると蛇が叫びました「そこの子サル。助けておくれ!」 ゴルディはその言葉にハッと我に返り「え?」 と気の抜けた返事をしました。すると蛇はもう一度 「そこの子サル。助けておくれ!」 今度ははっきりと聞こえました、そして自分が子サルといわれたことに気が付いて腹が立ちました。「僕は子ザルなんかじゃない、ゴルディだ!」叫びました。すると蛇は「ならゴルディ助けておくれ!」と言い直しました。 するとゴルディは妙な加虐心が芽生えました。(彼は悪戯が大好きな糞ガキであることと助けを求める蛇が必死で助けを求める姿が情けなく滑稽に見えたからです) さてゴルディはにんまりといやらしい笑顔を浮かべるとその場に座りゆったりとしたあくびをしました。どうやらわざと助けるのを長引かせて押し問答でも洒落こみ徹底的に困らせてやろうと考えたようでした。
「やあやあ 蛇君!なんでこんなところにいるのかね?」ゴルディはゆったりと尋ねました。
「木の上で寝ていたら、うっかり落ちたのだ!だから早く助けておくれ!」
「まぁまぁ、慌てることはないじゃないか君の胴体はまだ半分沼の上だし。ぼくが善意で助けたら喰い殺されるとも限らないしさ。」
「俺は人間なんぞ喰わんぞ!卵が好物なんだ!それより助けておくれ!だんだん沈んで行ってる!」
「まぁまぁ、慌てなさんなって君の胴体はまだまだ沼の上だ。それに君を助けてもぼくに何の得もないじゃないか、僕はさっき君に子サルと言われて酷く傷ついてるんだ」
「頼むよ、子ザルといったのは謝るから!だから助けておくれ!喉のところまで沈んで行ってる!」
「まぁまぁ、慌てちゃだめだって、君の胴体はまだ沼の上だ。謝罪は受け入れよう、しかしそれだけではぼくに何の得もないぞ?」
「わかった!君の言うことを何でも引き受けよう!確約する!だから助けておくれ!沼が耳まで来てる!」 この時ゴルディはこの蛇を旅の道連れにしてやろうと思いました、何せ当てのない暗闇道中、話し相手がひとり…いや一匹いるというのもありがたいじゃないか!とゴルディはすぐさま蛇に聞きました。
「まぁまぁ、慌てることもないだろ?君の胴体はまだ半分沼の上だぞ?それよりその言葉本当だな!?僕の子分になるといっても可能か?」
「なる!なります!!神に誓うよ!!!だから本当に助けておくれ!もう目の方まで来てる!」
さてここで悪戯心が満たされたゴルディは、自分の持ってきた道具の中に長い縄を見つけると片方を蛇に咥えさせ、もう片方をよくしなる樹に結び付け体重をかけて気を弓なりにしてぱっと放しました。すると樹のしなりで縄がグイっと引っ張られ蛇はぽーんと宙を舞って近くの雑木林に落ちました。
「やあやあ 蛇君!なんでこんなところにいるのかね?」ゴルディはゆったりと尋ねました。
「木の上で寝ていたら、うっかり落ちたのだ!だから早く助けておくれ!」
「まぁまぁ、慌てることはないじゃないか君の胴体はまだ半分沼の上だし。ぼくが善意で助けたら喰い殺されるとも限らないしさ。」
「俺は人間なんぞ喰わんぞ!卵が好物なんだ!それより助けておくれ!だんだん沈んで行ってる!」
「まぁまぁ、慌てなさんなって君の胴体はまだまだ沼の上だ。それに君を助けてもぼくに何の得もないじゃないか、僕はさっき君に子サルと言われて酷く傷ついてるんだ」
「頼むよ、子ザルといったのは謝るから!だから助けておくれ!喉のところまで沈んで行ってる!」
「まぁまぁ、慌てちゃだめだって、君の胴体はまだ沼の上だ。謝罪は受け入れよう、しかしそれだけではぼくに何の得もないぞ?」
「わかった!君の言うことを何でも引き受けよう!確約する!だから助けておくれ!沼が耳まで来てる!」 この時ゴルディはこの蛇を旅の道連れにしてやろうと思いました、何せ当てのない暗闇道中、話し相手がひとり…いや一匹いるというのもありがたいじゃないか!とゴルディはすぐさま蛇に聞きました。
「まぁまぁ、慌てることもないだろ?君の胴体はまだ半分沼の上だぞ?それよりその言葉本当だな!?僕の子分になるといっても可能か?」
「なる!なります!!神に誓うよ!!!だから本当に助けておくれ!もう目の方まで来てる!」
さてここで悪戯心が満たされたゴルディは、自分の持ってきた道具の中に長い縄を見つけると片方を蛇に咥えさせ、もう片方をよくしなる樹に結び付け体重をかけて気を弓なりにしてぱっと放しました。すると樹のしなりで縄がグイっと引っ張られ蛇はぽーんと宙を舞って近くの雑木林に落ちました。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録〜討伐も採集もお任せください!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?〜
うさみち
児童書・童話
【見習い錬金術士とうさぎのぬいぐるみたちが描く、スパイス混じりのゆるふわ冒険!情報収集のために、お仕事のご依頼も承ります!】
「……襲われてる! 助けなきゃ!」
錬成アイテムの採集作業中に訪れた、モンスターに襲われている少年との突然の出会い。
人里離れた山陵の中で、慎ましやかに暮らしていた見習い錬金術士ミミリと彼女の家族、機械人形(オートマタ)とうさぎのぬいぐるみ。彼女たちの運命は、少年との出会いで大きく動き出す。
「俺は、ある人たちから頼まれて預かり物を渡すためにここに来たんだ」
少年から渡された物は、いくつかの錬成アイテムと一枚の手紙。
「……この手紙、私宛てなの?」
少年との出会いをキッカケに、ミミリはある人、あるアイテムを探すために冒険を始めることに。
――冒険の舞台は、まだ見ぬ世界へ。
新たな地で、右も左もわからないミミリたちの人探し。その方法は……。
「討伐、採集何でもします!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?」
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録は、今、ここから綴られ始める。
《この小説の見どころ》
①可愛いらしい登場人物
見習い錬金術士のゆるふわ少女×しっかり者だけど寂しがり屋の凄腕美少女剣士の機械人形(オートマタ)×ツンデレ魔法使いのうさぎのぬいぐるみ×コシヌカシの少年⁉︎
②ほのぼのほんわか世界観
可愛いらしいに囲まれ、ゆったり流れる物語。読了後、「ほわっとした気持ち」になってもらいたいをコンセプトに。
③時々スパイスきいてます!
ゆるふわの中に時折現れるスパイシーな展開。そして時々ミステリー。
④魅力ある錬成アイテム
錬金術士の醍醐味!それは錬成アイテムにあり。魅力あるアイテムを活用して冒険していきます。
◾️第3章完結!現在第4章執筆中です。
◾️この小説は小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
◾️作者以外による小説の無断転載を禁止しています。
◾️挿絵はなんでも書いちゃうヨギリ酔客様からご寄贈いただいたものです。
ドラゴンの愛
かわの みくた
児童書・童話
一話完結の短編集です。
おやすみなさいのその前に、一話ずつ読んで夢の中。目を閉じて、幸せな続きを空想しましょ。
たとえ種族は違っても、大切に思う気持ちは変わらない。そんなドラゴンたちの愛や恋の物語です。
おねこのさんぽみち
はらぺこおねこ。
児童書・童話
おねこのうたを詩や物語にしてみました。
今まで書いた詩を……
これから書く詩を……
徒然るままに載せていきます。
また。ジャンルがなにになるかわかりませんのでおそらく一番近い「児童書・童話」で書かせていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
さくさく読める構成が良かったです。
ファンタジー感があるところも楽しいですね。
有難うございます。
イギリス民話な感じを求めて描きました!