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蛇問答
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蛇を見たゴルディは驚きました、蛇というものを見慣れていても言葉を喋る蛇というのは初めて見たからです。「もしかしたら、村の大人たちが話す魔物かもしれない。」とふと思いましたが、この森に言葉を話す生き物は自分とかの蛇だと思うと心の中に話し相手がいるという安心感がわいてきました。すると蛇が叫びました「そこの子サル。助けておくれ!」 ゴルディはその言葉にハッと我に返り「え?」 と気の抜けた返事をしました。すると蛇はもう一度 「そこの子サル。助けておくれ!」 今度ははっきりと聞こえました、そして自分が子サルといわれたことに気が付いて腹が立ちました。「僕は子ザルなんかじゃない、ゴルディだ!」叫びました。すると蛇は「ならゴルディ助けておくれ!」と言い直しました。 するとゴルディは妙な加虐心が芽生えました。(彼は悪戯が大好きな糞ガキであることと助けを求める蛇が必死で助けを求める姿が情けなく滑稽に見えたからです) さてゴルディはにんまりといやらしい笑顔を浮かべるとその場に座りゆったりとしたあくびをしました。どうやらわざと助けるのを長引かせて押し問答でも洒落こみ徹底的に困らせてやろうと考えたようでした。
「やあやあ 蛇君!なんでこんなところにいるのかね?」ゴルディはゆったりと尋ねました。
「木の上で寝ていたら、うっかり落ちたのだ!だから早く助けておくれ!」
「まぁまぁ、慌てることはないじゃないか君の胴体はまだ半分沼の上だし。ぼくが善意で助けたら喰い殺されるとも限らないしさ。」
「俺は人間なんぞ喰わんぞ!卵が好物なんだ!それより助けておくれ!だんだん沈んで行ってる!」
「まぁまぁ、慌てなさんなって君の胴体はまだまだ沼の上だ。それに君を助けてもぼくに何の得もないじゃないか、僕はさっき君に子サルと言われて酷く傷ついてるんだ」
「頼むよ、子ザルといったのは謝るから!だから助けておくれ!喉のところまで沈んで行ってる!」
「まぁまぁ、慌てちゃだめだって、君の胴体はまだ沼の上だ。謝罪は受け入れよう、しかしそれだけではぼくに何の得もないぞ?」
「わかった!君の言うことを何でも引き受けよう!確約する!だから助けておくれ!沼が耳まで来てる!」 この時ゴルディはこの蛇を旅の道連れにしてやろうと思いました、何せ当てのない暗闇道中、話し相手がひとり…いや一匹いるというのもありがたいじゃないか!とゴルディはすぐさま蛇に聞きました。
「まぁまぁ、慌てることもないだろ?君の胴体はまだ半分沼の上だぞ?それよりその言葉本当だな!?僕の子分になるといっても可能か?」
「なる!なります!!神に誓うよ!!!だから本当に助けておくれ!もう目の方まで来てる!」
さてここで悪戯心が満たされたゴルディは、自分の持ってきた道具の中に長い縄を見つけると片方を蛇に咥えさせ、もう片方をよくしなる樹に結び付け体重をかけて気を弓なりにしてぱっと放しました。すると樹のしなりで縄がグイっと引っ張られ蛇はぽーんと宙を舞って近くの雑木林に落ちました。
「やあやあ 蛇君!なんでこんなところにいるのかね?」ゴルディはゆったりと尋ねました。
「木の上で寝ていたら、うっかり落ちたのだ!だから早く助けておくれ!」
「まぁまぁ、慌てることはないじゃないか君の胴体はまだ半分沼の上だし。ぼくが善意で助けたら喰い殺されるとも限らないしさ。」
「俺は人間なんぞ喰わんぞ!卵が好物なんだ!それより助けておくれ!だんだん沈んで行ってる!」
「まぁまぁ、慌てなさんなって君の胴体はまだまだ沼の上だ。それに君を助けてもぼくに何の得もないじゃないか、僕はさっき君に子サルと言われて酷く傷ついてるんだ」
「頼むよ、子ザルといったのは謝るから!だから助けておくれ!喉のところまで沈んで行ってる!」
「まぁまぁ、慌てちゃだめだって、君の胴体はまだ沼の上だ。謝罪は受け入れよう、しかしそれだけではぼくに何の得もないぞ?」
「わかった!君の言うことを何でも引き受けよう!確約する!だから助けておくれ!沼が耳まで来てる!」 この時ゴルディはこの蛇を旅の道連れにしてやろうと思いました、何せ当てのない暗闇道中、話し相手がひとり…いや一匹いるというのもありがたいじゃないか!とゴルディはすぐさま蛇に聞きました。
「まぁまぁ、慌てることもないだろ?君の胴体はまだ半分沼の上だぞ?それよりその言葉本当だな!?僕の子分になるといっても可能か?」
「なる!なります!!神に誓うよ!!!だから本当に助けておくれ!もう目の方まで来てる!」
さてここで悪戯心が満たされたゴルディは、自分の持ってきた道具の中に長い縄を見つけると片方を蛇に咥えさせ、もう片方をよくしなる樹に結び付け体重をかけて気を弓なりにしてぱっと放しました。すると樹のしなりで縄がグイっと引っ張られ蛇はぽーんと宙を舞って近くの雑木林に落ちました。
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