徒然話

冬目マコト

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スヴィーウル≪人の全ての身分を経験した男≫

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「私の名はスヴィーウル(旅人)と言います。元ボードモン(自由人)で、日がな一日、麦を育てていましたが・・戦に負けて、ノルウェーの族長グリーム(兜をつけるもの)の奴隷になり。部屋の端っこで飯を食う毎日になってしまいました。そんなある日、セー(海)の向こうから狼に乗る女(女巨人)がやって来ました。彼女が歩くだけで、グリーム率いる戦士の枝たちは全て惨めな最期を迎え。どうせ死ぬなら戦って死のうと武器を持って前に出ました、女巨人は、目をカッと見開いて私を摑み、にこやかに誇らしく尋ねました。「お前たち人間は、落ちているものならば拾い自分のものにしていいと聞いた、さて、勇敢な戦士の枝よ、お前を拾い上げた私は、お前を私のものにしていいのだろうか?」わたしは、女に殺される不名誉を覚悟し、「どうぞ、望むままに・・・」と答えた。すると狼なる女は顔を赤らめて、私を握りしめ、巨人の国に連れて行った。女巨人の名はセーレイズ(海を駆けゆく女)といい、狼の王(巨人の王)の娘であった。私は彼女の夫となり、神々の敵となり。ヤルル(貴族)となった。それから毎日私は机の前で妻とともに毎日肉を食べて暮らしています。」
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