薊

歓談はほろ苦い珈琲と共に

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「その辺りは問題ないみたいね。そこのクラブのオーナー。進藤玄、って言うらしいんだけど、警察内に、強いパイプがあるみたい」

「それと」冷蔵庫から、チョコレートケーキを取りだしながら、くろかが続ける。

良く見ると、ゴミ箱の方に、『インディゴ』というロゴが入った紙箱が捨てられている。

「青藍学園の生徒に、御堂一って言う生徒がいるんだけど、彼、官僚の息子みたいで。彼もジギタリスにお世話になっている一人だから、そっちの方目からも、上手く警察に圧力をかけているみたい」

「要は、無法地帯、ってわけね」

「秋乃にもあげる」と渡されたチョコレートケーキを口に頬張りながら、相槌を打つ。

なるほど。

このケーキ、確かに美味い。

「美味っ」

思わず、声に出してしまった。

「それは何より」とご満悦そうなくろかは、会話を続ける。