木瓜

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歓談はほろ苦い珈琲と共に

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「…え?知らなかったの?」

「え?何が」

くろかに尋ね返す。

「あざみちゃんの、事情よ」

信じられない、といった表情で、くろかが私を見る。

「くろかは、知ってたって事?」

「当り前じゃない。言ったでしょ。『あの子の私達を見る眼や、茉莉ちゃんのお父さんの話をした時の、強張った表情から、何となく察した』って」

「それは、あざみちゃんの家庭に問題があって、その原因が父親だって事を、くろかが言っているのかと思ってた。
私、その段階では、問題の細かい内容まで、あざみちゃんから聞いてなかったし、分からなかったよ」

まさか、既にそこまで見透かしていたなんて。

「そんな訳ないでしょ。
私が、あなたを学校に向かわせたのは、あざみちゃんの学校での現状を確かめるためと、あなたが、いつでも彼女の助けになれるようによ。
あの子、どちらかと言えば、秋乃の方に好感抱いてるみたいだったし」
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