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第137話「跳べない白兎」
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エクス・グラン号から発射されたドラウヴンカノンによって、多数の負傷者を出したホワイトラビット号。
起死回生の一撃を放つものの、船体は満身創痍になってしまった。船首は失い、浸水は止まらず、舵もろくに効かない。
もはや魔導航行の推進力だけで、突き進む状態になっており、その眼前には海を飲み込む月の島が迫っていた。
「そのまま突っ込むよ! 衝撃に備えてっ!」
「にゃぁぁぁ」
甲板上の黒猫たちは伏せながら返事をする。次の瞬間、船首から浅瀬に乗り上げたホワイトラビット号は、バキバキと激しい音と揺れに襲われながら島に上陸した。
揺れが収まり立ち上がったシャルルは、すぐに乗組員たちに指示を飛ばしていく。
「よし、遺跡に逃げ込むよ。あそこなら結界があるから砲撃も大丈夫なはずだ! 無事な者は怪我人を助けろ! そうじゃないものは物資を持てるだけ持て!」
「にゃぁぁぁ!」
黒猫たちは持てるだけの荷物を持って、ホワイトラビット号から飛び降りていく。そんな中、シャルルはカイルを指差す。
「カイルはネムレに付いててあげて」
「わかりました!」
カイルは負傷しているネムレに肩を貸して、ホワイトラビット号から降りていく。
「ハンサムは王子さまを運んで、遺跡の安全を確保!」
「ちっ仕方ねぇな……」
「くっ放せっ!?」
ハンサムは面倒そうにそう呟くと、アレス王子を担ぎ上げて甲板から飛び降りる。現在の状況において人質としての価値は限りなく無いに等しいが、このまま縛り上げたまま放置しては目覚めも悪かった。
「おい、嬢ちゃん!」
呼ばれたシャルルが振り向くと、船倉から上がってきたガディンクが、一振りの剣を投げて渡してきた。
「そいつぁ貴重品だ、忘れずに持っていきなっ!」
その剣は動力炉に組み込んだ魔剣だった。シャルルはそれを力強く握りしめると頷く。この剣さえあれば、魔剣型動力炉を復活させることも出来る。
「親方が最後? さぁ早く逃げるよ」
シャルルとマギ、そしてガディンクは一斉にホワイトラビット号から降りる。遠くにはエクス・グラン号が迫ってきているのが見えた。シャルルは振り返ると、マギに頼みごとを告げる。
「マギ、この子を燃やしてくれる?」
「えぇ!? 焼いちゃうの?」
シャルルは少し躊躇しながら頷いて、理由を話し始める。
「ここで燃やせばエクス・グラン号が諦めるかもしれないし、魔剣型動力炉とラビット・ソード・カノンを鹵獲されるわけにはいかないわ」
魔剣型動力炉とラビット・ソード・カノンは、現在の技術から考慮すればオーバーテクノロジーである。
万が一ここで鹵獲され、戦艦にでも積み込まれてしまえば、勝つ見込みがまったくなくなってしまう。
「本当に……いいのね?」
「お願い」
シャルルが最終確認に頷くと、マギは杖を掲げて呪文の詠唱を開始する。
「業火よ、業火……業火の神霊よ。全てを焼き尽くす、その姿を現せ……ゲースフレア!」
マギの杖から放たれた業火の威力は、高い耐火性を持っているホワイトラビット号ですら、あっという間に火をつけることができた。
シャルルは、燃えるホワイトラビット号を見つめながら寂しそうに呟く。
「さよなら、ホワイトラビット号……今までありがとう」
「うさぎちゃん……」
マギが心配そうに彼女の肩に手を置くと、シャルルは微かに笑って首を横に振る。そして、力強く頷くと島の中心に向かって歩き出した。
「さぁ、皆に追いつこう!」
◇◇◆◇◇
森を駆け抜けて遺跡に飛び込んだシャルルたちは、何とか一息をつくことができた。遺跡の中は、黒猫たちが運び込んだ数多くのカンテラで照らされており非常に明るくなっている。
「みんな、無事?」
「にゃ~大丈夫にゃ」
周りを見渡すと黒猫たちは怪我人を寝かせていたり、立て籠もるための設営を開始したりしている。今のところ誰一人欠けていないことに、シャルルは安堵の溜め息をついた。
「さて、どうしようか?」
シャルルは隠れていれば、エクス・グラン号はこのまま諦めて帰っていくはずと思っていた。船を沈めた以上、いつまでもシャルルたちを追いかけていても意味がないからだ。
それに万が一上陸してきても、彼女たちであれば逆に返り討ちにするなど容易いと考えていた。
問題なのはホワイトラビット号を失ったことで、この島から出れなくなったことだ。海を飲み込む月の島は絶海の孤島である。現在は海賊たちの前線基地化しているが交易路ではない。
かなりの量の物資も運び込んだが何日も凌げるものではなく、そんな状況で仲間の救援を待つしかないのだ。
「とりあえず、こいつを放り出すところから始めようぜ? 食い扶持が減るぞ」
そう提案してきたのは、まるで猫を掴むようにアレス王子を宙吊りにしているハンサムだった。
「離せっ! この獣人がっ!」
「おいおい、言葉遣いには気を付けろよ? 丸かじりにするぞ」
「くっ!?」
暴れるアレス王子にハンサムは牙を見せて恫喝する。目の前でちらつく大きな牙にアレス王子の顔は蒼褪めた。しかしシャルルは首を横に振って、ハンサムの提案を拒否する。
「ダメよ、その人には終わった後に、色々と証言して貰わないといけないんだから」
「ちっ!」
ハンサムは舌打ちをすると、アレス王子を投げるように床に寝かせた。船を失ったことで彼も少し苛立っているようだ。
「とりあえず、食事にしましょう。お腹が空いたら考えも纏まらないわ。カイル、準備をお願い」
「わかりました。ちょっと待っててください」
食事の用意を頼まれたカイルは、運び込まれた物資から食材を取り出すと、料理を作る準備を始めた。暇な黒猫たちもゾロゾロと集まって調理の手伝いを始める。
しばらくしてシャルルたちが今後について話していると、美味しそうな香りが漂ってくる。それに釣られて締め付けられる腹部に、シャルルは思ったより空腹だったことに気が付いた。
「はい、船長さん、どうぞ!」
そう言って差し出されたのは、彼が最初に作ってくれたトマトとキノコのお魚スープだった。シャルルは微笑みながらそれを受け取ると、まずひと匙掬って口に含む。口の中に広がった野菜と魚の旨味は、以前作ってくれた物よりさらに美味く感じられた。
「うん、美味しい! 何か元気になるよっ!」
「良かったです! 一杯食べてくださいねっ!」
カイルはニッコリと微笑むと、他のメンバーにも配るために鍋のところに戻っていった。そんな彼を見送りながら、シャルルはこの子のためにも必ず生き残ると決意するのだった。
◇◇◆◇◇
グラン王国 エクス・グラン号 ――
遅れて島に接近したエクス・グラン号の甲板上では、マルガ・オットーが燃えたホワイトラビット号を発見して喜びの声を上げていた。
「がっははは、やったぞ! ようやく倒したぞっ!」
「だが船首に左舷……こちらの損害も甚大だ。まさか初戦闘でここまでやられるとは……」
はしゃぐマルガに対して、フーガは呆れた様子で肩を竦める。応急処置は済ませてあるが、エクス・グラン号もかなりの被害が出ていた。
「なぁに、心配するなっ! 王都を襲った犯人を仕留めたのだ、殿下も強くは言って来ないだろう。どうせ、この艦を造ったのも修理するのも、我が商会の資金があってこそだ」
マルガの言う通り、彼の商会からの資金がなければグラン王国軍の発展はあり得なかった。一商人であるマルガが、ここまで幅を利かせているのも、そう言った理由があるのだ。
「しかし、この島に逃げ込んだ可能性もある。砲撃用意だ、島ごと吹き飛ばしてくれるわっ!」
「ふん、無駄弾が好きなようだな。しかし、あれは決して砕けぬというルナ・インスーラの水門。このエクス・グラン号の力を試してみるのも良いか」
ルナ・インスーラの水門と遺跡に関しては、魔導都市メテローディアの研究対象になっており、過去に何度か調査隊を送っていた。しかし、いずれも空振りに終わり、この世界に残る謎の一つとして語り継がれている。
「よし、攻撃開始だっ! 奴らをあぶり出せっ!」
こうして彼らはそれぞれの思惑を胸に、海を飲み込む月の島に向かって砲撃を開始するのだった。
起死回生の一撃を放つものの、船体は満身創痍になってしまった。船首は失い、浸水は止まらず、舵もろくに効かない。
もはや魔導航行の推進力だけで、突き進む状態になっており、その眼前には海を飲み込む月の島が迫っていた。
「そのまま突っ込むよ! 衝撃に備えてっ!」
「にゃぁぁぁ」
甲板上の黒猫たちは伏せながら返事をする。次の瞬間、船首から浅瀬に乗り上げたホワイトラビット号は、バキバキと激しい音と揺れに襲われながら島に上陸した。
揺れが収まり立ち上がったシャルルは、すぐに乗組員たちに指示を飛ばしていく。
「よし、遺跡に逃げ込むよ。あそこなら結界があるから砲撃も大丈夫なはずだ! 無事な者は怪我人を助けろ! そうじゃないものは物資を持てるだけ持て!」
「にゃぁぁぁ!」
黒猫たちは持てるだけの荷物を持って、ホワイトラビット号から飛び降りていく。そんな中、シャルルはカイルを指差す。
「カイルはネムレに付いててあげて」
「わかりました!」
カイルは負傷しているネムレに肩を貸して、ホワイトラビット号から降りていく。
「ハンサムは王子さまを運んで、遺跡の安全を確保!」
「ちっ仕方ねぇな……」
「くっ放せっ!?」
ハンサムは面倒そうにそう呟くと、アレス王子を担ぎ上げて甲板から飛び降りる。現在の状況において人質としての価値は限りなく無いに等しいが、このまま縛り上げたまま放置しては目覚めも悪かった。
「おい、嬢ちゃん!」
呼ばれたシャルルが振り向くと、船倉から上がってきたガディンクが、一振りの剣を投げて渡してきた。
「そいつぁ貴重品だ、忘れずに持っていきなっ!」
その剣は動力炉に組み込んだ魔剣だった。シャルルはそれを力強く握りしめると頷く。この剣さえあれば、魔剣型動力炉を復活させることも出来る。
「親方が最後? さぁ早く逃げるよ」
シャルルとマギ、そしてガディンクは一斉にホワイトラビット号から降りる。遠くにはエクス・グラン号が迫ってきているのが見えた。シャルルは振り返ると、マギに頼みごとを告げる。
「マギ、この子を燃やしてくれる?」
「えぇ!? 焼いちゃうの?」
シャルルは少し躊躇しながら頷いて、理由を話し始める。
「ここで燃やせばエクス・グラン号が諦めるかもしれないし、魔剣型動力炉とラビット・ソード・カノンを鹵獲されるわけにはいかないわ」
魔剣型動力炉とラビット・ソード・カノンは、現在の技術から考慮すればオーバーテクノロジーである。
万が一ここで鹵獲され、戦艦にでも積み込まれてしまえば、勝つ見込みがまったくなくなってしまう。
「本当に……いいのね?」
「お願い」
シャルルが最終確認に頷くと、マギは杖を掲げて呪文の詠唱を開始する。
「業火よ、業火……業火の神霊よ。全てを焼き尽くす、その姿を現せ……ゲースフレア!」
マギの杖から放たれた業火の威力は、高い耐火性を持っているホワイトラビット号ですら、あっという間に火をつけることができた。
シャルルは、燃えるホワイトラビット号を見つめながら寂しそうに呟く。
「さよなら、ホワイトラビット号……今までありがとう」
「うさぎちゃん……」
マギが心配そうに彼女の肩に手を置くと、シャルルは微かに笑って首を横に振る。そして、力強く頷くと島の中心に向かって歩き出した。
「さぁ、皆に追いつこう!」
◇◇◆◇◇
森を駆け抜けて遺跡に飛び込んだシャルルたちは、何とか一息をつくことができた。遺跡の中は、黒猫たちが運び込んだ数多くのカンテラで照らされており非常に明るくなっている。
「みんな、無事?」
「にゃ~大丈夫にゃ」
周りを見渡すと黒猫たちは怪我人を寝かせていたり、立て籠もるための設営を開始したりしている。今のところ誰一人欠けていないことに、シャルルは安堵の溜め息をついた。
「さて、どうしようか?」
シャルルは隠れていれば、エクス・グラン号はこのまま諦めて帰っていくはずと思っていた。船を沈めた以上、いつまでもシャルルたちを追いかけていても意味がないからだ。
それに万が一上陸してきても、彼女たちであれば逆に返り討ちにするなど容易いと考えていた。
問題なのはホワイトラビット号を失ったことで、この島から出れなくなったことだ。海を飲み込む月の島は絶海の孤島である。現在は海賊たちの前線基地化しているが交易路ではない。
かなりの量の物資も運び込んだが何日も凌げるものではなく、そんな状況で仲間の救援を待つしかないのだ。
「とりあえず、こいつを放り出すところから始めようぜ? 食い扶持が減るぞ」
そう提案してきたのは、まるで猫を掴むようにアレス王子を宙吊りにしているハンサムだった。
「離せっ! この獣人がっ!」
「おいおい、言葉遣いには気を付けろよ? 丸かじりにするぞ」
「くっ!?」
暴れるアレス王子にハンサムは牙を見せて恫喝する。目の前でちらつく大きな牙にアレス王子の顔は蒼褪めた。しかしシャルルは首を横に振って、ハンサムの提案を拒否する。
「ダメよ、その人には終わった後に、色々と証言して貰わないといけないんだから」
「ちっ!」
ハンサムは舌打ちをすると、アレス王子を投げるように床に寝かせた。船を失ったことで彼も少し苛立っているようだ。
「とりあえず、食事にしましょう。お腹が空いたら考えも纏まらないわ。カイル、準備をお願い」
「わかりました。ちょっと待っててください」
食事の用意を頼まれたカイルは、運び込まれた物資から食材を取り出すと、料理を作る準備を始めた。暇な黒猫たちもゾロゾロと集まって調理の手伝いを始める。
しばらくしてシャルルたちが今後について話していると、美味しそうな香りが漂ってくる。それに釣られて締め付けられる腹部に、シャルルは思ったより空腹だったことに気が付いた。
「はい、船長さん、どうぞ!」
そう言って差し出されたのは、彼が最初に作ってくれたトマトとキノコのお魚スープだった。シャルルは微笑みながらそれを受け取ると、まずひと匙掬って口に含む。口の中に広がった野菜と魚の旨味は、以前作ってくれた物よりさらに美味く感じられた。
「うん、美味しい! 何か元気になるよっ!」
「良かったです! 一杯食べてくださいねっ!」
カイルはニッコリと微笑むと、他のメンバーにも配るために鍋のところに戻っていった。そんな彼を見送りながら、シャルルはこの子のためにも必ず生き残ると決意するのだった。
◇◇◆◇◇
グラン王国 エクス・グラン号 ――
遅れて島に接近したエクス・グラン号の甲板上では、マルガ・オットーが燃えたホワイトラビット号を発見して喜びの声を上げていた。
「がっははは、やったぞ! ようやく倒したぞっ!」
「だが船首に左舷……こちらの損害も甚大だ。まさか初戦闘でここまでやられるとは……」
はしゃぐマルガに対して、フーガは呆れた様子で肩を竦める。応急処置は済ませてあるが、エクス・グラン号もかなりの被害が出ていた。
「なぁに、心配するなっ! 王都を襲った犯人を仕留めたのだ、殿下も強くは言って来ないだろう。どうせ、この艦を造ったのも修理するのも、我が商会の資金があってこそだ」
マルガの言う通り、彼の商会からの資金がなければグラン王国軍の発展はあり得なかった。一商人であるマルガが、ここまで幅を利かせているのも、そう言った理由があるのだ。
「しかし、この島に逃げ込んだ可能性もある。砲撃用意だ、島ごと吹き飛ばしてくれるわっ!」
「ふん、無駄弾が好きなようだな。しかし、あれは決して砕けぬというルナ・インスーラの水門。このエクス・グラン号の力を試してみるのも良いか」
ルナ・インスーラの水門と遺跡に関しては、魔導都市メテローディアの研究対象になっており、過去に何度か調査隊を送っていた。しかし、いずれも空振りに終わり、この世界に残る謎の一つとして語り継がれている。
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