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第97話「マギ」
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シャルルたちがシンフォニルスで出航準備を進めている頃、ローニャ公国の使節団に参加していたマギは、魔導都市メテローディアに到着していた。
この都市国家は、ロイス王国外れに存在する大森林の中にあり、主な住人はマギと同じくエルフたちだ。魔導都市の名に恥じず魔導の研究が盛んで、魔法や魔導具の開発・研究は常に最先端だった。
他国からはロイス王国の一都市と思われることもあるが、完全に独立した国家であり建国自体もロイス王国より古い。彼らは研究で得られた知識を独占せず、政治的思想で取引相手を選ばないので周辺国との関係も良好である。
遥か昔のことだが、メテローディアに戦争を挑んだ国の軍は、強大な魔導の力により一夜にして壊滅し、数日後には全面降伏を申し込んできたこともあった。それ以降は迂闊に攻め込んでくる国はおらず、平和な状態が続いている。
ロイス王国の港から続く街道を進み、メテローディア入りした使節団は、そのままこの国の最高指導者であるマグナス・マギウスに挨拶をするために大樹殿に向かった。
大樹殿とは、魔導都市メテローディアの象徴たる大樹の内部に作られた政府機関である。大樹殿の前まで来たマギは、片手で帽子を押さえながら大樹を見上げる。空を覆うような緑の天井に小さな溜め息をついた。
「相変わらず大きいわねぇ」
「マギさん、今日はマグナス・マギウスへの面会申請だけかと思います。先に宿に向かってますか?」
そう声を掛けてきたのは使節団の一人だった。マグナス・マギウスへの面会希望者は多く、事前に予約が必要とのことだった。もちろん先触れは出しているが、到着してすぐに会えるほど気安く会える人物でないのである。
「大丈夫、たぶんすぐに会えると思うわ」
「えっ!?」
マギはそう言うと、そのまま大樹殿の中に入って行ってしまう。呆気に取られていた使節団は慌てて彼女の後を追った。
大樹殿の中は所謂役所のようになっており、多くのカウンターが並んでいる。国外から来た使節団は専用の窓口で申請を出さなければならないのだが、マギはそちらを見向きもせずに真っすぐに中央にある扉に向かった。
「通るわよ?」
扉の前に立っていた門番に一言断ると、門番は手にした錫杖をカシャンと鳴らした。その音に反応したのか扉は自動的に開き、マギはその中にズンズンと進んで行ってしまう。使節団は戸惑いながらもそれに続いた。
その円形の部屋は床や壁に多くの魔法陣が描かれており、素人でもわかるほど強大な魔力の流れを感じる場所だった。
「あのマギさん、ここは一体?」
「ただの昇降機よ。一気に上まで行くわ」
マギが杖で床を叩くと魔法陣が赤い色に輝き、駆動音と共にガタンと揺れると奇妙な浮遊感を感じる。慣れない感覚に使節団が驚いていると、ふと浮遊感が消えて目の前の扉が開いた。
一同がその扉から出ると、先程までとはまったく違う風景になっており、広いホールにはいくつかの扉があった。マギは脇見も触れずに中央の一番立派な扉に向かって歩き出し、ノックもせずに扉を勢いよく開け放った。
「ちょ!? マギさん、さすがにマナー違反では!?」
「私たちの間にマナーなんて不要よ」
そのまま部屋に押し入ると、眼前にはメテローディアが一望できる窓が広がっていた。その前にはマギと同じプラチナブロンドの髪を持つエルフが座って仕事をしていた。彼女は顔を上げて、マギの顔を確認すると眉を少し吊り上げた。そして諦観の籠った笑みを浮かべる。
「相変わらず、いきなりですね……ティルダ姉さん」
「久しぶりに会いに来てあげたわよ、レーティア」
不遜な態度で答えるマギに対して、後ろにいた使節団の顔は蒼白そのものだった。レーティアと呼ばれた彼女こそ、この国の最高指導者マグナス・マギウス、その人だからである。
「マグナス・マギウス! 突然の訪問、申し訳ありません」
「いいえ、ローニャ公国の使節団の方々ですね? 姉が迷惑をかけたようで申し訳ありません」
「姉!? マグナス・マギウスとマギさんは姉妹なので?」
おずおずと尋ねてくる使節団の男性に、レーティアは微笑みながら頷いた。
「はい、その通りです。前回会ったのは……何十年前でしたでしょうか?」
「確か……二十年ぐらい前じゃなかったかしら?」
悠久の時を生きるエルフたちの時間間隔に軽く眩暈を感じつつ、使節団は何とか踏ん張っていた。そんな彼らにレーティアが声を掛ける。
「申し訳ありませんが、今日のところはお引き取りください。これから姉と話さなければなりませんので、明日の同じ時間に来ていただけませんか? 予定は空けて置きますので」
「もちろんでございます。それでは我々はこれで……見送りは結構ですので」
使節団はお辞儀をすると、そそくさと部屋から出て行った。マギはそのまま部屋の中に押し入ると、ソファーに腰を掛けた。そんな彼女にレーティアは呆れた様子で問い掛ける。
「ようやく帰ってきたと思えば……どうやら、マグナス・マギウスを継ぐつもりはないようね?」
「当たり前でしょ? 私が何でそんな面倒なのをやらなくちゃいけないのよ」
「何を言っているのよ、先代から指名されたのは姉さんでしょ! それを私に押し付けてさっさと出てっちゃうんだもの。そんなだから放浪する導師なんて呼ばれるのよ」
導師 ―― マグナス・マギウスと共に、魔導都市メテローディアを治める高位魔導師たちの尊称。他国においては高位大臣と同等程度の権威と権力を持つ役職である。
「久しぶりに帰ってきたのにお小言とかやめてよね~、そんなもの聞きに来たんじゃないのよ」
「積もり積もった文句は済んでないけど、まぁいいわ……どんな用事なの? 頑なに帰ってこなかった姉さんが帰ってきたんだもの。何か重要な用があるんでしょ?」
「もちろんよっ!」
マギは胸元から小さなスクロールを取り出すと、テーブルの上に広げて見せた。それはガディンクが描いた魔剣型動力炉の設計図の写しだった。視線を落としてそれを見たレーティアの眉が少しだけ上がる。
「これは?」
「あるドワーフが作った新型魔導動力炉の設計図よ。試作機が核である魔剣の出力に負けて吹き飛んじゃって、その解決策を探っているの。ここの研究で何か無いかしら?」
マギは魔導動力炉製造の最先端であるメテローディアならば、技術なり知識なりがあるんじゃないかと考えていた。そして、その考えが間違ってないことをレーティアの表情から読み取っていた。
「何かあるのね?」
「姉さんの役に立つかはわからないけど、該当する研究論文なら読んだことがあるわ」
レーティアはそう答え机に戻ると立てかけてあった杖を手にして、それを何もない壁に向かって突き出した。その瞬間、杖の先から光が発せられ壁に何かの図が表示される。
「これは……魔導動力炉の設計図?」
「ある記録に残されていた動力炉よ。永続循環型と呼ばれるタイプね」
マギは立ち上がると映し出された設計図をマジマジと見つめる。
「なるほど……核から発せられる魔力を貯めるんじゃなくて、循環させて核に戻しているのか。これが上手く行くなら、ある意味永久機関なんじゃ?」
「姉さん、ここを見て」
レーティアが指差した個所は核にあたる部分で、そこには剣のようなものが描かれていた。
「魔剣?」
「おそらく姉さんが言っていたのと同じ物だと思うわ。伝説級の代物よ、いったいどこから見つけて来たのやら」
「うちの船長が手に入れたのよ。あの子ったら凄い子なのよ~」
「そう言えば風の便りで海賊船に乗ってるって聞いたけど、導師ともあろう者が何をしてるんだか……」
再び小言が始まるのを察したのか、マギは割って入って設計図が映っている壁を叩く。
「そんなことより、この循環型なら問題点は解決できるのよね?」
「いいえ、そのままじゃたぶん無理だと思う。ここをよく見てよ」
レーティアが指差した場所を見つめると、そこにはある数字が書かれていた。それを目にしたマギは顔を顰めてみせる。
「なに……この馬鹿げたサイズ」
その設計図に書かれていた動力炉の大きさは、ホワイトラビット号のおよそ半分程の大きさだったのだ。この大きさではとてもホワイトラビット号には搭載できないし、ハルヴァー大海賊団で最も大きなエクスディアス号ですら無理な大きさだった。
「循環型を研究した人によると、出力の大きさに比例して大きくなるみたい。魔剣の出力を全力で使うには、これぐらいのサイズが必要だったってことね」
そのまま軽く頭を抱えるマギをよそに、レーティアが引き続き研究結果を読み進めていく。
「サイズを小さくするには核を小さくするか、封呪することで出力を絞るしかないってことね」
「やっぱりそれしかないか……まぁ巡回型のコンセプトだけでも十分、さっそく計算してみないと……しばらく滞在することになると思うからよろしくね」
そう言い残したまま、マギは黙って考え込んでしまったため、レーティアはそれを邪魔しないように机に戻って呟く。
「熱中するのも程々にね、姉さん……」
この都市国家は、ロイス王国外れに存在する大森林の中にあり、主な住人はマギと同じくエルフたちだ。魔導都市の名に恥じず魔導の研究が盛んで、魔法や魔導具の開発・研究は常に最先端だった。
他国からはロイス王国の一都市と思われることもあるが、完全に独立した国家であり建国自体もロイス王国より古い。彼らは研究で得られた知識を独占せず、政治的思想で取引相手を選ばないので周辺国との関係も良好である。
遥か昔のことだが、メテローディアに戦争を挑んだ国の軍は、強大な魔導の力により一夜にして壊滅し、数日後には全面降伏を申し込んできたこともあった。それ以降は迂闊に攻め込んでくる国はおらず、平和な状態が続いている。
ロイス王国の港から続く街道を進み、メテローディア入りした使節団は、そのままこの国の最高指導者であるマグナス・マギウスに挨拶をするために大樹殿に向かった。
大樹殿とは、魔導都市メテローディアの象徴たる大樹の内部に作られた政府機関である。大樹殿の前まで来たマギは、片手で帽子を押さえながら大樹を見上げる。空を覆うような緑の天井に小さな溜め息をついた。
「相変わらず大きいわねぇ」
「マギさん、今日はマグナス・マギウスへの面会申請だけかと思います。先に宿に向かってますか?」
そう声を掛けてきたのは使節団の一人だった。マグナス・マギウスへの面会希望者は多く、事前に予約が必要とのことだった。もちろん先触れは出しているが、到着してすぐに会えるほど気安く会える人物でないのである。
「大丈夫、たぶんすぐに会えると思うわ」
「えっ!?」
マギはそう言うと、そのまま大樹殿の中に入って行ってしまう。呆気に取られていた使節団は慌てて彼女の後を追った。
大樹殿の中は所謂役所のようになっており、多くのカウンターが並んでいる。国外から来た使節団は専用の窓口で申請を出さなければならないのだが、マギはそちらを見向きもせずに真っすぐに中央にある扉に向かった。
「通るわよ?」
扉の前に立っていた門番に一言断ると、門番は手にした錫杖をカシャンと鳴らした。その音に反応したのか扉は自動的に開き、マギはその中にズンズンと進んで行ってしまう。使節団は戸惑いながらもそれに続いた。
その円形の部屋は床や壁に多くの魔法陣が描かれており、素人でもわかるほど強大な魔力の流れを感じる場所だった。
「あのマギさん、ここは一体?」
「ただの昇降機よ。一気に上まで行くわ」
マギが杖で床を叩くと魔法陣が赤い色に輝き、駆動音と共にガタンと揺れると奇妙な浮遊感を感じる。慣れない感覚に使節団が驚いていると、ふと浮遊感が消えて目の前の扉が開いた。
一同がその扉から出ると、先程までとはまったく違う風景になっており、広いホールにはいくつかの扉があった。マギは脇見も触れずに中央の一番立派な扉に向かって歩き出し、ノックもせずに扉を勢いよく開け放った。
「ちょ!? マギさん、さすがにマナー違反では!?」
「私たちの間にマナーなんて不要よ」
そのまま部屋に押し入ると、眼前にはメテローディアが一望できる窓が広がっていた。その前にはマギと同じプラチナブロンドの髪を持つエルフが座って仕事をしていた。彼女は顔を上げて、マギの顔を確認すると眉を少し吊り上げた。そして諦観の籠った笑みを浮かべる。
「相変わらず、いきなりですね……ティルダ姉さん」
「久しぶりに会いに来てあげたわよ、レーティア」
不遜な態度で答えるマギに対して、後ろにいた使節団の顔は蒼白そのものだった。レーティアと呼ばれた彼女こそ、この国の最高指導者マグナス・マギウス、その人だからである。
「マグナス・マギウス! 突然の訪問、申し訳ありません」
「いいえ、ローニャ公国の使節団の方々ですね? 姉が迷惑をかけたようで申し訳ありません」
「姉!? マグナス・マギウスとマギさんは姉妹なので?」
おずおずと尋ねてくる使節団の男性に、レーティアは微笑みながら頷いた。
「はい、その通りです。前回会ったのは……何十年前でしたでしょうか?」
「確か……二十年ぐらい前じゃなかったかしら?」
悠久の時を生きるエルフたちの時間間隔に軽く眩暈を感じつつ、使節団は何とか踏ん張っていた。そんな彼らにレーティアが声を掛ける。
「申し訳ありませんが、今日のところはお引き取りください。これから姉と話さなければなりませんので、明日の同じ時間に来ていただけませんか? 予定は空けて置きますので」
「もちろんでございます。それでは我々はこれで……見送りは結構ですので」
使節団はお辞儀をすると、そそくさと部屋から出て行った。マギはそのまま部屋の中に押し入ると、ソファーに腰を掛けた。そんな彼女にレーティアは呆れた様子で問い掛ける。
「ようやく帰ってきたと思えば……どうやら、マグナス・マギウスを継ぐつもりはないようね?」
「当たり前でしょ? 私が何でそんな面倒なのをやらなくちゃいけないのよ」
「何を言っているのよ、先代から指名されたのは姉さんでしょ! それを私に押し付けてさっさと出てっちゃうんだもの。そんなだから放浪する導師なんて呼ばれるのよ」
導師 ―― マグナス・マギウスと共に、魔導都市メテローディアを治める高位魔導師たちの尊称。他国においては高位大臣と同等程度の権威と権力を持つ役職である。
「久しぶりに帰ってきたのにお小言とかやめてよね~、そんなもの聞きに来たんじゃないのよ」
「積もり積もった文句は済んでないけど、まぁいいわ……どんな用事なの? 頑なに帰ってこなかった姉さんが帰ってきたんだもの。何か重要な用があるんでしょ?」
「もちろんよっ!」
マギは胸元から小さなスクロールを取り出すと、テーブルの上に広げて見せた。それはガディンクが描いた魔剣型動力炉の設計図の写しだった。視線を落としてそれを見たレーティアの眉が少しだけ上がる。
「これは?」
「あるドワーフが作った新型魔導動力炉の設計図よ。試作機が核である魔剣の出力に負けて吹き飛んじゃって、その解決策を探っているの。ここの研究で何か無いかしら?」
マギは魔導動力炉製造の最先端であるメテローディアならば、技術なり知識なりがあるんじゃないかと考えていた。そして、その考えが間違ってないことをレーティアの表情から読み取っていた。
「何かあるのね?」
「姉さんの役に立つかはわからないけど、該当する研究論文なら読んだことがあるわ」
レーティアはそう答え机に戻ると立てかけてあった杖を手にして、それを何もない壁に向かって突き出した。その瞬間、杖の先から光が発せられ壁に何かの図が表示される。
「これは……魔導動力炉の設計図?」
「ある記録に残されていた動力炉よ。永続循環型と呼ばれるタイプね」
マギは立ち上がると映し出された設計図をマジマジと見つめる。
「なるほど……核から発せられる魔力を貯めるんじゃなくて、循環させて核に戻しているのか。これが上手く行くなら、ある意味永久機関なんじゃ?」
「姉さん、ここを見て」
レーティアが指差した個所は核にあたる部分で、そこには剣のようなものが描かれていた。
「魔剣?」
「おそらく姉さんが言っていたのと同じ物だと思うわ。伝説級の代物よ、いったいどこから見つけて来たのやら」
「うちの船長が手に入れたのよ。あの子ったら凄い子なのよ~」
「そう言えば風の便りで海賊船に乗ってるって聞いたけど、導師ともあろう者が何をしてるんだか……」
再び小言が始まるのを察したのか、マギは割って入って設計図が映っている壁を叩く。
「そんなことより、この循環型なら問題点は解決できるのよね?」
「いいえ、そのままじゃたぶん無理だと思う。ここをよく見てよ」
レーティアが指差した場所を見つめると、そこにはある数字が書かれていた。それを目にしたマギは顔を顰めてみせる。
「なに……この馬鹿げたサイズ」
その設計図に書かれていた動力炉の大きさは、ホワイトラビット号のおよそ半分程の大きさだったのだ。この大きさではとてもホワイトラビット号には搭載できないし、ハルヴァー大海賊団で最も大きなエクスディアス号ですら無理な大きさだった。
「循環型を研究した人によると、出力の大きさに比例して大きくなるみたい。魔剣の出力を全力で使うには、これぐらいのサイズが必要だったってことね」
そのまま軽く頭を抱えるマギをよそに、レーティアが引き続き研究結果を読み進めていく。
「サイズを小さくするには核を小さくするか、封呪することで出力を絞るしかないってことね」
「やっぱりそれしかないか……まぁ巡回型のコンセプトだけでも十分、さっそく計算してみないと……しばらく滞在することになると思うからよろしくね」
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