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第65話「三人の妻」
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アンガー諸島 ―― ハルヴァー大海賊団の本拠地である海都がある諸島。中でも本島である半月状の島は緑豊かな美しい島で、ある国の貴族が行楽地として多額の資金を投じて開発していたのだが、大海賊団に襲われ街ごと奪われてしまった。
当然奪い返そうとしたが、どの勢力も大海賊団には勝てず、現在はどの国も領有を主張していない。
ヴィーシャス共和国とアルニオス帝国の中間に位置し、交易の中継拠点としても利用されている。海賊の街だけあって多くの船を止めれる港があり、船を造ったり修理するための造船所などもある。
交易が主体だが、産業としては漁業の他に農地の開拓なども行われ、島内である程度の自給自足ができるようになっていた。
アンガー諸島に辿り着いたホワイトラビット号は、共用の港を迂回してシーロード家専用の港に入港する。さっそく港に降り立つと、係留係の老人が話し掛けてきた。
「おかえりなさい、お嬢!」
「ただいま、トーマスさん。パパは……まだ帰ってきてないみたいね?」
シャルルが港を見回すと、そこにはハルヴァーのエクスディアス号が見当たらなかった。代わりにあったのはアイディーン・シーロードの船だけである。
アイディーンはハルヴァーの妻の一人で、ライオネットの妻であるカーミラの姉だ。ハルヴァーの妻の中では唯一海賊船の船長で、三男ビアード・シーロードの母でもある。
「大将の船なら、帰還予定は数日後って聞いておりますわい」
「そう……それじゃ、しばらく船をお願いね」
「あぁ任せてくれ。しっかり見とくぜ、お嬢」
トーマスに船を任せて屋敷に向かう途中、ファムがシャルルに声を掛けてきた。
「会長はん、ウチはまず街を見に行きたいんやけど、誰か案内頼めへんやろか?」
「う~ん、そうだな。ファムだけだと連れ去られるかもしれないから……」
シャルルの客人であると周知されれば襲われることもないが、見た目が小さい女の子が大荷物を抱えて歩き回るには、街の治安が良いとは言えなかった。
どうしようかと考えていたシャルルがチラッとハンサムを見ると、ハンサムは小さく溜め息をついた。
「仕方ねぇな、俺が案内してやるよ」
「おっ、黒豹の旦那でっか? それは頼もしいでんな~、よろしゅう頼んますわ~」
「ニャーたちも行くニャー」
「飯はお前の奢りにゃ~」
「なっ!? そんな銭はないで~」
ファムの周りにワラワラと集まり出す黒猫たち、ファムは腕を振り上げながら怒って暴れている。シャルルはそんな様子を笑いながら腰の革袋を取り出すと、それをハンサムに投げた。
「パパが来るまで出港しないと思うから、黒猫たちのこともお願いね。それを使って良いから」
「あぁ、わかったぜ」
「さすがお頭にゃ~」
「どこぞのセコイ商人とは違うニャー」
いつもはシャルルを尊敬していない黒猫たちも、この時ばかりはシャルルを褒め称える。手のひらをクルクルとひっくり返す黒猫たちに、ファムは尻尾を逆立たせて怒っていた。
「わたしたちは屋敷に滞在しているから、何かあったら呼びに来て」
ハンサムは頷くと、黒猫たちとファムを連れて街の方へ歩いていった。それに続いてヴァル爺も古馴染みに会いに行くと言って、シャルルたちと別行動を取ることになった。
「マギはどうするの?」
「この街は魔導書のような高尚な本はないから、このままうさぎちゃんの屋敷にお世話になるわ~。あの精霊核も腰を据えてちゃんと調べたいしね」
ここは交易の要所ではあるが、海賊たちは本を読む習慣があまりないならず者が多いため、あまり本が出回らないのだ。そんなマギの言葉に不思議に思ったカイルが首を傾げながら尋ねる。
「どんな本ならあるんですか?」
「そうねぇ……坊やがベットの下に隠しているエッチな奴とかなら?」
「か、隠してませんよっ!?」
カイルは顔を真っ赤にしながら否定する。シャルルはそんな彼の様子を見て大声で笑う。
「あははは、別にちょっとぐらい持っててもいいと思うよ~?」
「もぅ! 船長さんまでっ!」
笑いながらポンポンっとカイルの頭を叩き、シャルルは屋敷に続く道を見上げる。
「さてと、そろそろ行こうか。きっとママたちが首を長くして待ってるからね」
◇◇◆◇◇
専用港から上り坂を登ってくると、シーロード邸が見えてきた。ここを開発していた貴族から接収した屋敷で、ルブルムのアクセル邸よりも立派な屋敷である。
そのまま屋敷の前まで進むと、三人の女性と多くの使用人が玄関前で待っていた。
その姿を見たシャルルはパァっと明るい顔になり、急に走り出して彼女たちの元に駆け寄った。
「ママ!」
「シャルル~!」
真っ先にシャルルを抱きしめたのは、褐色肌で胸元が開いたフリルシャツに黒いズボンを履いた女性だった。その褐色の女性を取り囲むように、貴族風のドレスに身を纏った金髪の女性と、それよりは少し動きやすそうなドレスを着た赤毛の女性が詰め寄る。
「ちょっとアイディーン、普通は年長者からじゃなくて?」
「あははは、こういうのは早い物勝ちだろう」
シャルルはアイディーンから離れると、貴族風の女性とハグを交わした。
「ただいま、ヘレンママ。天気だった?」
「えぇ、もちろんよ。貴女も元気そうでなによりです」
この女性が長男ゼフィールの母で、ハルヴァーの第一夫人のヘレン・アルカディオ・シーロードだ。元はとある王国の貴族の令嬢だったが、船旅中に遭難してハルヴァーの船に助けられ結婚に至った。シャルルに貴族流のマナーや教養などを教えた人物でもある。
ヘレンと離れると、続けてもう一人の赤毛の女性ともハグを交わすシャルル。
「カティスママも会いたかったわ」
「ふふ、私もよ。噂は色々聞いているわ、だいぶ荒稼ぎしているようね?」
最後の女性が次男アクセルの母で、ハルヴァーの第二夫人のカティス・シーロード。とある町の商家の娘だったが、町に滞在していたハルヴァーと出会い妻になった人物だ。シャルルに商人とは何かを叩き込み、自身もこの街を中心とした商会を立ち上げている。第二夫人だが三人の中ではもっとも若い。
カティスから離れたシャルルは、後ろに控えていた使用人たちにも微笑みかける。
「みんな、ただいま~」
「お帰りなさいませ、お嬢様」
使用人たちは一斉に頭を下げて挨拶をする。一通りの挨拶を終えたシャルルは、後ろで待ってあたマギとカイルを呼ぶ。
「マギと……誰かしら、この坊やは?」
初めて見るカイルの姿にヘレンたちは首を傾げた。シャルルはカイルの後ろに回ると、彼の肩に手を置いて紹介を始める。
「紹介するね、この子はホワイトラビット号のコックでカイルよ。最近、乗ることになったの」
「あぁ手紙で書いてあったね。その子の料理が美味しいとかなんとか」
カティスが思い出したように呟くと、アイディーンはカイルに近付き彼の頭を力任せに撫でる。
「こんな小さいのが海賊だって? 大丈夫なのかい?」
「うわぁぁぁ」
「ちょっとアイママ! この子の首がもげちゃうでしょ!」
シャルルに怒られると、アイディーンは笑ってカイルの頭から手を放す。
「あっははは、悪いねぇ。坊主、大丈夫だったかい?」
「は……はい! よろしくお願いします」
カイルがたどたどしいながら挨拶をすると、ヘレンは少し目を細めた。
「最低限の礼儀はあるようね。また黒猫たちみたいのだったらどうしようかと思ったわ」
「あはは、まぁあの子たちは屋敷に来ないみたいだから。この子とマギは屋敷に泊まって貰うつもり、いいでしょ?」
「シャルルの仲間というなら問題ないでしょう。あの人も文句は言わないと思うわ」
ハルヴァーがいない間は、三人の妻がこの屋敷の主人である。中でも屋敷のことは第一夫人のヘレンが主に管理している。
「パパがダメって言ったら口きいてあげないから!」
シャルルが頬を膨らませながらそう言うと、カティスとアイディーンが笑い出した。
「それじゃ、ハルヴァーも文句は言えないわね」
「厳つい顔してるくせに娘には甘々だからなぁ」
「さぁ部屋は用意させるわ、とりあえず入りましょう」
ヘレンは後ろに控えていた使用人たちに軽く手を挙げて合図を送ると、使用人たちは扉を開けて脇に逸れた。
「ただいま~」
こうしてシャルルたちは無事に屋敷に辿り着き、しばらくシーロード邸に滞在することになったのだった。
当然奪い返そうとしたが、どの勢力も大海賊団には勝てず、現在はどの国も領有を主張していない。
ヴィーシャス共和国とアルニオス帝国の中間に位置し、交易の中継拠点としても利用されている。海賊の街だけあって多くの船を止めれる港があり、船を造ったり修理するための造船所などもある。
交易が主体だが、産業としては漁業の他に農地の開拓なども行われ、島内である程度の自給自足ができるようになっていた。
アンガー諸島に辿り着いたホワイトラビット号は、共用の港を迂回してシーロード家専用の港に入港する。さっそく港に降り立つと、係留係の老人が話し掛けてきた。
「おかえりなさい、お嬢!」
「ただいま、トーマスさん。パパは……まだ帰ってきてないみたいね?」
シャルルが港を見回すと、そこにはハルヴァーのエクスディアス号が見当たらなかった。代わりにあったのはアイディーン・シーロードの船だけである。
アイディーンはハルヴァーの妻の一人で、ライオネットの妻であるカーミラの姉だ。ハルヴァーの妻の中では唯一海賊船の船長で、三男ビアード・シーロードの母でもある。
「大将の船なら、帰還予定は数日後って聞いておりますわい」
「そう……それじゃ、しばらく船をお願いね」
「あぁ任せてくれ。しっかり見とくぜ、お嬢」
トーマスに船を任せて屋敷に向かう途中、ファムがシャルルに声を掛けてきた。
「会長はん、ウチはまず街を見に行きたいんやけど、誰か案内頼めへんやろか?」
「う~ん、そうだな。ファムだけだと連れ去られるかもしれないから……」
シャルルの客人であると周知されれば襲われることもないが、見た目が小さい女の子が大荷物を抱えて歩き回るには、街の治安が良いとは言えなかった。
どうしようかと考えていたシャルルがチラッとハンサムを見ると、ハンサムは小さく溜め息をついた。
「仕方ねぇな、俺が案内してやるよ」
「おっ、黒豹の旦那でっか? それは頼もしいでんな~、よろしゅう頼んますわ~」
「ニャーたちも行くニャー」
「飯はお前の奢りにゃ~」
「なっ!? そんな銭はないで~」
ファムの周りにワラワラと集まり出す黒猫たち、ファムは腕を振り上げながら怒って暴れている。シャルルはそんな様子を笑いながら腰の革袋を取り出すと、それをハンサムに投げた。
「パパが来るまで出港しないと思うから、黒猫たちのこともお願いね。それを使って良いから」
「あぁ、わかったぜ」
「さすがお頭にゃ~」
「どこぞのセコイ商人とは違うニャー」
いつもはシャルルを尊敬していない黒猫たちも、この時ばかりはシャルルを褒め称える。手のひらをクルクルとひっくり返す黒猫たちに、ファムは尻尾を逆立たせて怒っていた。
「わたしたちは屋敷に滞在しているから、何かあったら呼びに来て」
ハンサムは頷くと、黒猫たちとファムを連れて街の方へ歩いていった。それに続いてヴァル爺も古馴染みに会いに行くと言って、シャルルたちと別行動を取ることになった。
「マギはどうするの?」
「この街は魔導書のような高尚な本はないから、このままうさぎちゃんの屋敷にお世話になるわ~。あの精霊核も腰を据えてちゃんと調べたいしね」
ここは交易の要所ではあるが、海賊たちは本を読む習慣があまりないならず者が多いため、あまり本が出回らないのだ。そんなマギの言葉に不思議に思ったカイルが首を傾げながら尋ねる。
「どんな本ならあるんですか?」
「そうねぇ……坊やがベットの下に隠しているエッチな奴とかなら?」
「か、隠してませんよっ!?」
カイルは顔を真っ赤にしながら否定する。シャルルはそんな彼の様子を見て大声で笑う。
「あははは、別にちょっとぐらい持っててもいいと思うよ~?」
「もぅ! 船長さんまでっ!」
笑いながらポンポンっとカイルの頭を叩き、シャルルは屋敷に続く道を見上げる。
「さてと、そろそろ行こうか。きっとママたちが首を長くして待ってるからね」
◇◇◆◇◇
専用港から上り坂を登ってくると、シーロード邸が見えてきた。ここを開発していた貴族から接収した屋敷で、ルブルムのアクセル邸よりも立派な屋敷である。
そのまま屋敷の前まで進むと、三人の女性と多くの使用人が玄関前で待っていた。
その姿を見たシャルルはパァっと明るい顔になり、急に走り出して彼女たちの元に駆け寄った。
「ママ!」
「シャルル~!」
真っ先にシャルルを抱きしめたのは、褐色肌で胸元が開いたフリルシャツに黒いズボンを履いた女性だった。その褐色の女性を取り囲むように、貴族風のドレスに身を纏った金髪の女性と、それよりは少し動きやすそうなドレスを着た赤毛の女性が詰め寄る。
「ちょっとアイディーン、普通は年長者からじゃなくて?」
「あははは、こういうのは早い物勝ちだろう」
シャルルはアイディーンから離れると、貴族風の女性とハグを交わした。
「ただいま、ヘレンママ。天気だった?」
「えぇ、もちろんよ。貴女も元気そうでなによりです」
この女性が長男ゼフィールの母で、ハルヴァーの第一夫人のヘレン・アルカディオ・シーロードだ。元はとある王国の貴族の令嬢だったが、船旅中に遭難してハルヴァーの船に助けられ結婚に至った。シャルルに貴族流のマナーや教養などを教えた人物でもある。
ヘレンと離れると、続けてもう一人の赤毛の女性ともハグを交わすシャルル。
「カティスママも会いたかったわ」
「ふふ、私もよ。噂は色々聞いているわ、だいぶ荒稼ぎしているようね?」
最後の女性が次男アクセルの母で、ハルヴァーの第二夫人のカティス・シーロード。とある町の商家の娘だったが、町に滞在していたハルヴァーと出会い妻になった人物だ。シャルルに商人とは何かを叩き込み、自身もこの街を中心とした商会を立ち上げている。第二夫人だが三人の中ではもっとも若い。
カティスから離れたシャルルは、後ろに控えていた使用人たちにも微笑みかける。
「みんな、ただいま~」
「お帰りなさいませ、お嬢様」
使用人たちは一斉に頭を下げて挨拶をする。一通りの挨拶を終えたシャルルは、後ろで待ってあたマギとカイルを呼ぶ。
「マギと……誰かしら、この坊やは?」
初めて見るカイルの姿にヘレンたちは首を傾げた。シャルルはカイルの後ろに回ると、彼の肩に手を置いて紹介を始める。
「紹介するね、この子はホワイトラビット号のコックでカイルよ。最近、乗ることになったの」
「あぁ手紙で書いてあったね。その子の料理が美味しいとかなんとか」
カティスが思い出したように呟くと、アイディーンはカイルに近付き彼の頭を力任せに撫でる。
「こんな小さいのが海賊だって? 大丈夫なのかい?」
「うわぁぁぁ」
「ちょっとアイママ! この子の首がもげちゃうでしょ!」
シャルルに怒られると、アイディーンは笑ってカイルの頭から手を放す。
「あっははは、悪いねぇ。坊主、大丈夫だったかい?」
「は……はい! よろしくお願いします」
カイルがたどたどしいながら挨拶をすると、ヘレンは少し目を細めた。
「最低限の礼儀はあるようね。また黒猫たちみたいのだったらどうしようかと思ったわ」
「あはは、まぁあの子たちは屋敷に来ないみたいだから。この子とマギは屋敷に泊まって貰うつもり、いいでしょ?」
「シャルルの仲間というなら問題ないでしょう。あの人も文句は言わないと思うわ」
ハルヴァーがいない間は、三人の妻がこの屋敷の主人である。中でも屋敷のことは第一夫人のヘレンが主に管理している。
「パパがダメって言ったら口きいてあげないから!」
シャルルが頬を膨らませながらそう言うと、カティスとアイディーンが笑い出した。
「それじゃ、ハルヴァーも文句は言えないわね」
「厳つい顔してるくせに娘には甘々だからなぁ」
「さぁ部屋は用意させるわ、とりあえず入りましょう」
ヘレンは後ろに控えていた使用人たちに軽く手を挙げて合図を送ると、使用人たちは扉を開けて脇に逸れた。
「ただいま~」
こうしてシャルルたちは無事に屋敷に辿り着き、しばらくシーロード邸に滞在することになったのだった。
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