43 / 145
第43話「我が侭姫の海賊船?」
しおりを挟む
公都イタリス近海、ホワイトラビット号の船尾甲板 ――
陸地から大きく迫り出した崖の上に白く大きな灯台が見える。イタリスの大灯台と呼ばれる公都を代表する建造物の一つだ。ホワイトラビット号が進む北側のルートでは、この灯台がある崖を越えるとローニャ公国の公都イタリスが見えてくるのだ。
公都イタリスが近いこともあり大型の商船が行き来しており、これから向かう街がいかに栄えているが窺えるものだった。
「相変わらず、ここの港は大混雑ね。周辺の船に気を付けてよ」
「任せるにゃ~」
見張りからの返事にシャルルは満足そうに頷く。操船には参加しないカイルやマギを除けば、この船の乗組員はベテラン揃いだ。シャルルがいちいち指示しなくてもやるべきことはわかっている。
「そろそろイタリスだが、今回はあのお嬢ちゃんは来るかね?」
どこか楽しそうに尋ねてくるハンサムに、シャルルは微妙な表情を浮かべる。
「やめてよ、本当に来たら面倒でしょ?」
「嫌な予感がするって顔をしているぜ? はっはは、こりゃ来そうだな」
ハンサムが目を細めて進行方向を見つめると、正面から向かってくる三隻の船影が見えた。この距離でも見えると言うことはかなりの大型船だ。周りにいた商船もその船から離れるように針路を変更しているので航路が乱れ始めていた。顔を顰めたハンサムは見張りに向かって指示を飛ばす。
「見張り、前方三隻の大型船を確認しろっ!」
「にゃ~!」
マスト上の見張りは望遠鏡で指示されたほうを覗き込む。まだ距離はあるが船の造りから、明らかに商船ではない。先頭を奔る船の船首には一角獣のレリーフが彫られており、フォアマストに張られている帆には、薔薇で囲われた大きく髑髏がティアラをした意匠が掲げられている。そして僚船である二隻も同様にしっかりした造りの船だった。
「大型のローニャ船にゃ! 帆に薔薇、髑髏、ティアラのマーク、所属旗はなしにゃ~」
船籍を示す旗は掲げていないが、船の造りには国の特徴が出る。長く船乗りをやっている黒猫たちなら、艤装を見ればある程度どこの船なのかもわかるのだ。その報告を受けてシャルルは深い溜め息を漏らす。薔薇とティアラの意匠、そして海賊船にしては豪華すぎる船に見覚えがあるからだ。
「はぁ……あの娘ったら、海賊ごっこがエスカレートしたのかな?」
「はっははは、姫さんにも負けないほどお転婆だな。どうするんだ、付き合ってやんのか?」
「仕方ないわね。後々面倒になりそうだし……とりあえず取舵一杯!」
シャルルの指示で、ホワイトラビット号は東に向かって針路を取る。シャルルたちにその気がなくても、多数の船がいるこの海域で戦闘にでもなったら大問題である。船乗りの間で悪評が広がると動き難くなるし、下手すればローニャ公国への入港禁止もありえる。そうなれば商売的にも大損害である。
ホワイトラビット号は、それを避けるために交易航路から離れる針路を取ったのだ。予想通りローニャ船も針路を変えて追跡してくる。
「よーし、お前たち! ちょっと遊んであげるよっ!」
「にゃ~!」
積荷を満載していても船足はホワイトラビット号の方が速く、十分に距離を取ってから追いかけてくる船団を改めて確認するシャルルとヴァル爺。
「戦船……と言うより、あの艤装はローニャ公国の近衛艦隊じゃない?」
「海賊船に艤装しているつもりのようじゃが、おそらく間違いないかと……どうしますか、お嬢?」
ヴァル爺にそう問いかけられてシャルルは考え込む。あの船に乗っている人物にも心当たりがあるし、間違っても近衛艦隊を沈めたりすれば、かなり問題になることは子供でもわかる。
「とりあえず、正攻法でいこっか。旗掲げ! 『本船は許可されている船である』」
「ニャー!」
シャルルの指示で黒猫の一匹が旗を持ってくると、ロープに括り付けて掲げ始めた。
◇◇◆◇◇
ローニャ公国 近衛艦隊 ――
前方に奔っているホワイトラビット号から旗が上がると、場違いなドレスに船長服を羽織ったアナスタジアが目を輝かせながら騒ぎ出す。
「提督、お姉さまの船から旗が揚がったわ! 何て言ってきたの?」
「あれは『許可船である』という抗議の旗ですな、おそらくこちらの素性ももうバレているかと」
そう答えたのはコッラデッティ提督、この近衛艦隊を預かる提督である。歳は五十後半、長年ローニャ公国の海を守る軍人である。そんな彼の言葉にアナスタジアがキョトンとした顔で小首を傾げる。
「あれ? どうしてバレちゃったんだろ? わざわざ海賊船に仕上げて貰ったのに」
「まぁ、この程度では誤魔化せないでしょうな」
自身の乗艦ではためく可愛らしい髑髏と薔薇のマークを見て、提督は哀愁を感じる表情を浮かべる。十分不敬な態度であるが、よい年齢の大人が子供のお遊びに狩り出されているのだから仕方がないことだろう。空気があまり読めてないアナスタジアは特に気にした様子はない。
「殿下……どうやらバレておるようですし、このまま帰港ということでよろしいですか?」
「えっ、ダメよ! せっかくお姉さまが来てくれたんだから遊んで貰いたいわ」
「ですが、正規の許可を得ている船が抗議旗まで掲げておるのです。理由もなく攻撃や拿捕はできません」
アナスタジアの我が侭に、提督は困ったような表情を浮かべる。上から命令なので逆らわなかったが、どうせすぐにバレて諦めてくれると思っていたのだ。そもそも近衛艦隊が許可船に攻撃すれば他国から批難されるし、相手はハルヴァー大海賊団の所属船だ。ローニャ公国としても、こんな理由で大海賊団と事を構えるのは躊躇われた。
「それじゃ、お願いしてみましょう。きっとお姉さまなら付き合ってくれるわ。提督、あの船を勝負を挑んでくれる?」
「勝負ですか? やれやれ仕方ありませんな。断られたら諦めてくださいよ?」
提督は弱ったような表情で、近くにいた副官を呼び寄せて伝令を伝える。それを聞いた副官は信号旗と手旗信号の手配をするために走っていった。
しばらくして近衛艦隊はホワイトラビット号の針路を塞ぐように展開して、『模擬戦を申し込む』という信号旗を掲げるのだった。
◇◇◆◇◇
対するホワイトラビット号 ――
掲げられた旗と針路を塞ぐように展開された艦隊を見て、シャルルはさらに深い溜め息をついた。やはり諦めてはくれないようだ。ヴァル爺はどこか楽しそうな顔で笑っている。
「フォフォフォ、やはりタダでは通してくれないようですな」
「まったくあの子は、少しお仕置きが必要なようね」
シャルルは少し目尻を上げると全体に号令を出す。
「お前たち! お転婆娘の尻を蹴り上げて、イタリスに入るよ! 旗掲げぇ、『了解、貴婦人によろしく』よ。回頭、面舵一杯!」
「ニャー!」
シャルルの指示通り信号旗が掲げられると、ホワイトラビット号は右旋回を始め近衛艦隊の方に船首を回す。近衛艦隊の左舷がこちらに向いており、いくつかの砲門が開いていた。
「当てる気はないと思うけど、たぶん撃ってくるわ。操舵、遅れないでね?」
「ハッ、俺の舵取りが遅れたことあったか?」
「あはは、無いね~」
ハンサムがニヤリと笑うと、シャルルは声を出して笑った。幸い後方から風が吹いており順風である。その風に乗ってホワイトラビット号はグングンと船足を上げていく。
ホワイトラビット号が接近すると近衛艦隊側に動きがあった。大きな爆音と共に砲撃を開始したのだ。もっとも砲門の半数以上は閉じたままだし、着弾位置から見ても狙っているとはとても思えない精度である。ローニャ公国軍は伝統を守る余り強兵という訳ではないが、だからと言って弱兵というほどではない。
「やっぱり近衛艦隊は、あの子に付き合わされてるだけみたいね」
相手艦隊の意図を読み取ったシャルルは小さく頷くと、手を前に突き出して号令を出す。
「よーし、このまま突っ込むよっ!」
陸地から大きく迫り出した崖の上に白く大きな灯台が見える。イタリスの大灯台と呼ばれる公都を代表する建造物の一つだ。ホワイトラビット号が進む北側のルートでは、この灯台がある崖を越えるとローニャ公国の公都イタリスが見えてくるのだ。
公都イタリスが近いこともあり大型の商船が行き来しており、これから向かう街がいかに栄えているが窺えるものだった。
「相変わらず、ここの港は大混雑ね。周辺の船に気を付けてよ」
「任せるにゃ~」
見張りからの返事にシャルルは満足そうに頷く。操船には参加しないカイルやマギを除けば、この船の乗組員はベテラン揃いだ。シャルルがいちいち指示しなくてもやるべきことはわかっている。
「そろそろイタリスだが、今回はあのお嬢ちゃんは来るかね?」
どこか楽しそうに尋ねてくるハンサムに、シャルルは微妙な表情を浮かべる。
「やめてよ、本当に来たら面倒でしょ?」
「嫌な予感がするって顔をしているぜ? はっはは、こりゃ来そうだな」
ハンサムが目を細めて進行方向を見つめると、正面から向かってくる三隻の船影が見えた。この距離でも見えると言うことはかなりの大型船だ。周りにいた商船もその船から離れるように針路を変更しているので航路が乱れ始めていた。顔を顰めたハンサムは見張りに向かって指示を飛ばす。
「見張り、前方三隻の大型船を確認しろっ!」
「にゃ~!」
マスト上の見張りは望遠鏡で指示されたほうを覗き込む。まだ距離はあるが船の造りから、明らかに商船ではない。先頭を奔る船の船首には一角獣のレリーフが彫られており、フォアマストに張られている帆には、薔薇で囲われた大きく髑髏がティアラをした意匠が掲げられている。そして僚船である二隻も同様にしっかりした造りの船だった。
「大型のローニャ船にゃ! 帆に薔薇、髑髏、ティアラのマーク、所属旗はなしにゃ~」
船籍を示す旗は掲げていないが、船の造りには国の特徴が出る。長く船乗りをやっている黒猫たちなら、艤装を見ればある程度どこの船なのかもわかるのだ。その報告を受けてシャルルは深い溜め息を漏らす。薔薇とティアラの意匠、そして海賊船にしては豪華すぎる船に見覚えがあるからだ。
「はぁ……あの娘ったら、海賊ごっこがエスカレートしたのかな?」
「はっははは、姫さんにも負けないほどお転婆だな。どうするんだ、付き合ってやんのか?」
「仕方ないわね。後々面倒になりそうだし……とりあえず取舵一杯!」
シャルルの指示で、ホワイトラビット号は東に向かって針路を取る。シャルルたちにその気がなくても、多数の船がいるこの海域で戦闘にでもなったら大問題である。船乗りの間で悪評が広がると動き難くなるし、下手すればローニャ公国への入港禁止もありえる。そうなれば商売的にも大損害である。
ホワイトラビット号は、それを避けるために交易航路から離れる針路を取ったのだ。予想通りローニャ船も針路を変えて追跡してくる。
「よーし、お前たち! ちょっと遊んであげるよっ!」
「にゃ~!」
積荷を満載していても船足はホワイトラビット号の方が速く、十分に距離を取ってから追いかけてくる船団を改めて確認するシャルルとヴァル爺。
「戦船……と言うより、あの艤装はローニャ公国の近衛艦隊じゃない?」
「海賊船に艤装しているつもりのようじゃが、おそらく間違いないかと……どうしますか、お嬢?」
ヴァル爺にそう問いかけられてシャルルは考え込む。あの船に乗っている人物にも心当たりがあるし、間違っても近衛艦隊を沈めたりすれば、かなり問題になることは子供でもわかる。
「とりあえず、正攻法でいこっか。旗掲げ! 『本船は許可されている船である』」
「ニャー!」
シャルルの指示で黒猫の一匹が旗を持ってくると、ロープに括り付けて掲げ始めた。
◇◇◆◇◇
ローニャ公国 近衛艦隊 ――
前方に奔っているホワイトラビット号から旗が上がると、場違いなドレスに船長服を羽織ったアナスタジアが目を輝かせながら騒ぎ出す。
「提督、お姉さまの船から旗が揚がったわ! 何て言ってきたの?」
「あれは『許可船である』という抗議の旗ですな、おそらくこちらの素性ももうバレているかと」
そう答えたのはコッラデッティ提督、この近衛艦隊を預かる提督である。歳は五十後半、長年ローニャ公国の海を守る軍人である。そんな彼の言葉にアナスタジアがキョトンとした顔で小首を傾げる。
「あれ? どうしてバレちゃったんだろ? わざわざ海賊船に仕上げて貰ったのに」
「まぁ、この程度では誤魔化せないでしょうな」
自身の乗艦ではためく可愛らしい髑髏と薔薇のマークを見て、提督は哀愁を感じる表情を浮かべる。十分不敬な態度であるが、よい年齢の大人が子供のお遊びに狩り出されているのだから仕方がないことだろう。空気があまり読めてないアナスタジアは特に気にした様子はない。
「殿下……どうやらバレておるようですし、このまま帰港ということでよろしいですか?」
「えっ、ダメよ! せっかくお姉さまが来てくれたんだから遊んで貰いたいわ」
「ですが、正規の許可を得ている船が抗議旗まで掲げておるのです。理由もなく攻撃や拿捕はできません」
アナスタジアの我が侭に、提督は困ったような表情を浮かべる。上から命令なので逆らわなかったが、どうせすぐにバレて諦めてくれると思っていたのだ。そもそも近衛艦隊が許可船に攻撃すれば他国から批難されるし、相手はハルヴァー大海賊団の所属船だ。ローニャ公国としても、こんな理由で大海賊団と事を構えるのは躊躇われた。
「それじゃ、お願いしてみましょう。きっとお姉さまなら付き合ってくれるわ。提督、あの船を勝負を挑んでくれる?」
「勝負ですか? やれやれ仕方ありませんな。断られたら諦めてくださいよ?」
提督は弱ったような表情で、近くにいた副官を呼び寄せて伝令を伝える。それを聞いた副官は信号旗と手旗信号の手配をするために走っていった。
しばらくして近衛艦隊はホワイトラビット号の針路を塞ぐように展開して、『模擬戦を申し込む』という信号旗を掲げるのだった。
◇◇◆◇◇
対するホワイトラビット号 ――
掲げられた旗と針路を塞ぐように展開された艦隊を見て、シャルルはさらに深い溜め息をついた。やはり諦めてはくれないようだ。ヴァル爺はどこか楽しそうな顔で笑っている。
「フォフォフォ、やはりタダでは通してくれないようですな」
「まったくあの子は、少しお仕置きが必要なようね」
シャルルは少し目尻を上げると全体に号令を出す。
「お前たち! お転婆娘の尻を蹴り上げて、イタリスに入るよ! 旗掲げぇ、『了解、貴婦人によろしく』よ。回頭、面舵一杯!」
「ニャー!」
シャルルの指示通り信号旗が掲げられると、ホワイトラビット号は右旋回を始め近衛艦隊の方に船首を回す。近衛艦隊の左舷がこちらに向いており、いくつかの砲門が開いていた。
「当てる気はないと思うけど、たぶん撃ってくるわ。操舵、遅れないでね?」
「ハッ、俺の舵取りが遅れたことあったか?」
「あはは、無いね~」
ハンサムがニヤリと笑うと、シャルルは声を出して笑った。幸い後方から風が吹いており順風である。その風に乗ってホワイトラビット号はグングンと船足を上げていく。
ホワイトラビット号が接近すると近衛艦隊側に動きがあった。大きな爆音と共に砲撃を開始したのだ。もっとも砲門の半数以上は閉じたままだし、着弾位置から見ても狙っているとはとても思えない精度である。ローニャ公国軍は伝統を守る余り強兵という訳ではないが、だからと言って弱兵というほどではない。
「やっぱり近衛艦隊は、あの子に付き合わされてるだけみたいね」
相手艦隊の意図を読み取ったシャルルは小さく頷くと、手を前に突き出して号令を出す。
「よーし、このまま突っ込むよっ!」
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる