転生したら貴族子息だった俺は死に場所を求める

リョウ

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第2章

とある男の子の話 トムside

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    ユーリの覚悟は分かってるのよ。

ただどうしても確認する必要があったから......

アタシはアルちゃんの傍で一人語り出した


「とある国にね。優しい男の子がいたの。両親に姉に愛されてすくすくと育ってお父さんの侯爵を継ぐんだって笑顔で言えるくらい愛されて育つはずだった。でもそれは叶わなかった。なぜなら彼には治らない病魔が見つかったから。最初は心臓発作からだった。侯爵は倒れた我が子に絶望したわ。健康な身体でないと貴族の長になるには厳しかったからね。だからね。侯爵は絶望から彼を部屋に監禁したの......。家の名誉のためにも外に出せないってね」

「そんな。アルが......」

「あなたもわかるはずよ。貴族同士の争いにアルちゃんの身体では耐えられない。だからね毎日侯爵は男の子に無能と言い続けたわ。なにをしても評価はしない。ただ無能と言い続けて男の子は耐えきれなくなった身体も心も。」

「トムさんどうしてそんなことを」

「あなたには話せないこともあるわよ。色々と。アタシの仕事が薬師や医師以外にあることは分かってるでしょあなたならね」

「それは......そうだけど」

「あとはアルちゃん自身から話してもらうのを待ってユーリ」

「それってどういう......」

「言葉の通り、これ以上は言えないから。アルちゃんが起きたらアタシのところにくるように言って。話さなきゃならないことがあるから」

「トムさん......アルに伝えるよ」

ごめんなさい ユーリ......あなたにまで背負わせることになるわね


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