転生したら貴族子息だった俺は死に場所を求める

リョウ

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第1章

押し込めた記憶と己の罪 レジーナside

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「だったらどうして僕を俺をあの余命宣告を受けたあの時殺してくれなかった!無能だと言うなら無能だと遠ざけるならどうして生かしたんだよ
どうせ婚約破棄された所で俺にはなにも残らないもう死なせてくれよ・・・  愛されてない子供なんか生かさなければよかったんだ」

「無能で余命宣告受けている名ばかりの跡取りなんかいらないでしょ。跡取りなら双子のどちらかがなれば問題はありません。姉上が産む子だっていい。死に場所を探しに行かせてください。僕には時間がないんです 俺の命はあと一年も持ちません。もう俺を解放してください。俺はあの婚約破棄の日 あまりのショックで自死したとしてください。これなら侯爵家にはなにも迷惑かかりませんよね。勝手に死んだことになれば同情はあっても悪口はたたけません。王がいない場所での身勝手な婚約破棄でしたから」

旦那様と言い合う声が聞こえてきたので私は旦那様の執務室へと急いだ

こんな時間に一体誰と

余命  との言葉を聞いて
我が家の使用人に宣告されたものがいたなら最善をつくしてなにか治す方法を探さなければと執務室のドアをそっと開けてみたのだ

娘であるイリーナは泣きそうな顔で私にはなにも言わずにその場から離れていった

開けた先に見えた人物
旦那様そっくりの男の子が涙を流しながら話している

あの子は・・・

双子であるテオルトとイオルト
「「お母様 アルベルトって誰なんですか?」」

アルベルト

ズキッとだけ頭に痛みがきたと同時に思い出した記憶

あの子は息子 
私は怖くなってその場から逃げ出すしかなかった。

「奥様 顔色が悪いようですが休まれた方が」
侍女長である彼女にいわれ

「えぇ イオルトとテオルトにも部屋に戻るようにすぐ伝えてちょうだい。旦那様の邪魔になるからと」

「わかりました」
彼女からの了承の言葉を聞いてすぐ私は部屋と戻ったのだ

ベッドに腰掛け
私はふと遠い記憶を呼び戻した
ずっと蓋をしてきた記憶を

生まれたときの嬉しさを思い出し
涙が流れた
私はどうして忘れていたの

そしてあの日
旦那様があの子を抱き抱えてきたときだ
熱が酷いからと医者に見てもらうことになった

医者の診断を旦那様が聞いてくださり旦那様から聞かされたのは余命10年だった

絶望しかなかった
跡取りとしてツヴァイ家の跡取りとして
そればかりが頭の中で巡った

熱も下がり外出許可もおりるようになったあの子は余命宣告を受ける前と変わることがない
ホッと胸を撫で下ろしかけたとき
あの子が倒れたのだ

やはりもうあの子は跡取りにはなれない


「お母様!」

呼びかけられても返事ができない

目の前でにこにこと笑う彼にどう話せばいい

抱きついてこようとした手を思わず払い除けてしまった

メイドが機転をきかせて何度も何度も私から離してくれた

罵倒をあびせる前に叩いてしまう前に私はあの子から離れなければならない
だから最初から居ないものとしたらいい
あくまのような囁きが私からあの子の記憶を消したのだ

なぜ今まで
後悔ばかり
私は幼いあの子に

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