上 下
45 / 88
エンディングのその後は

優月と羽月

しおりを挟む
 ずっと2人だけ

どこへ行くにも2人一緒が常だった

2人じゃないと嫌だからって

物心ついたときから常にセット

俺の傍には常に優月がいた

小学生になっても

中学生になっても

高校も。

「優月はさ、彼女とか作らないのか?」

「俺には羽月がいるじゃない」

返ってきたのは俺がいるから

この時俺は優月の気持ちに気づきもしなかった

高校2年になったとき俺たちに妹ができた

可愛い赤ちゃんが我が家に産まれたのだ

名前を由香

姫様だ

母さんに変わって俺はなんでもやった

ミルクもオムツもなにもかも

傍にはもちろん優月がいて手伝ってくれた

由香にミルクをあげてゲップをさせてとんとん優しく背中を叩いて眠らせる

冗談で「俺たち由香の両親みたい」なんて話したら
「羽月は子供が欲しいんだね」なんていってきた真顔で「バカ、本気にするなよ」なんて訂正したけどその声も届いてなかっただろう


すくすくと育つ由香は可愛い妹なのに俺が構うと嫉妬するようになる

「優月。由香は妹なんだから」

言っても治らないときは仕方ないので優月を俺の部屋に呼んだ

そしたら切なげな顔して抱きついてくるから

背中を撫でて頭も撫でてやった

なにかあると抱きついてきての日々

「羽月、俺も構って」

「お前いくつだよ」大学卒業を間近に控えたとある日だ

「羽月がいないとつまらない」

チュッ 顔にキスされる

「馬鹿っ。そういうのは彼女にやれよ。俺は男だ」

「羽月は特別」

「またそうやって.........」

幾度となく何度も同じことをやってきた。

俺だって大事な片割れだ。

だから分かる。分かるけどきっとこの先は許しちゃいけない

しばらくして、俺と優月は社会人へ

入った先は義理の父の会社

優月は1人フラフラと何をしているのか分からない

新人1年目は瞬く間に過ぎていき

由香の世話も会ってか優月とは顔を合わせる機会が減っていった


後輩が入ってきた

仲良くなれたら仕事もスムーズになるだろうと俺は彼を構い倒した

ただそれがいけなかったんだ

残業で2人きりで残っていた

会議室で翌日のデータのチェックも終わったころ

「先輩は無防備過ぎるよ」

ガタッと机に押し倒された

「まて、お前一体なにを」

シャツをまさぐられスラックスを引き落とされる

いくら抵抗しても後輩のが力が強かった

もうなにをされているのかわからなかった

痛みだけ

散々中に出され弄ばれ

一言「つまんないね」と言われて彼は出ていく

ガタガタと震える

男だから妊娠しない

それだけがせめてもの救いだった

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【完】僕の弟と僕の護衛騎士は、赤い糸で繋がっている

BL / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:223

【完結】イヴは悪役に向いてない

BL / 完結 24h.ポイント:1,001pt お気に入り:3,550

【完結】後宮に咲く薔薇

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,427pt お気に入り:750

同室のアイツが俺のシャワータイムを侵略してくるんだが

BL / 連載中 24h.ポイント:10,880pt お気に入り:588

お金持ちごっこ

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:3,430pt お気に入り:1

街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

BL / 連載中 24h.ポイント:4,012pt お気に入り:1,970

処理中です...