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34 私の話とママ
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エメルロ侯爵家からギルドへ戻ると、ママが心配顔でこちらへと近付いた。
「ママ、ただいま」
「ルルナ、おかえりなさい」
優しく抱きしめてくれた。夕食を終えると、ドルバルとレイブンが気を利かせてくれたのだろう。部屋へと戻って行く2人に続き、スオウとマロンまでドルバル達について行く後ろ姿を見送った。
今夜はママと一緒に寝る予定だからだ。
「片付けも終わったし、寝る準備をするわね」
「うん、ママと一緒のベッドで寝るの楽しみ!」
私の言葉に驚き目を大きく見開いていたが「くすっ」と笑ったあと、手を繋いで部屋へ戻り、一緒に眠った。
「ルルナ、朝よ?」
トントンと優しく起こそうとしてくれてるママ。だけど「うぅーん」まだ眠い。グイッと布団を頭まで引き上げた私は寝ぼけていた。
「もぅ、パパ。まだ眠いから起こさないで!」
「私はパパじゃないわよ?」
「いつもはパパの方が寝てるのに、なんで今日は起こすの?
あと少し……だ、け……。
ママ!」
ガバリ! と起きた私を見たママは、やっと起きた。という顔をし、パパのことを質問された。
「ねえ、ルルナ。テオルは毎朝ルルナに起こされているのかしら?」
ママの顔は顔は笑っているが目は……これはどう答えるべきか! パパ、私は今ピンチです!!
ずいっと顔を近付けるママ、私の顔はひきつってしまった。
「ふふふっ、怒らないから教えて欲しいなぁ」
これは質問に答えなきゃ解放してもらえそうもないな。パパ、私の為に……犠牲になって!!
「パパはね、お仕事が大変だからギリギリまで寝かせてあげてるの」
これでどうだ!!!!
「お仕事は大切だけど、自分から冒険者ギルドを立ち上げたのはあの人よ。忙しくなるのを了知したうえでギルマスをしてるの。
ルルナは優しい子。パパを庇っているのね」
そのあと。
朝食の準備を手伝い。一緒に食べたあと、ママにある質問をされた。お洋服などは誰に選んでもらっていたのかを聞かれた。
「ルルナのお洋服とか靴なんかは誰に選んでもらってたの?」
「初めはパパに選んでもらってたんだけど……実はね、パパは服のセンスが最悪で女の子にズボンを購入してきた時はライラとローランに怒られてたよ」
口に手を当て「まぁ!」と驚いていたが。
「あの人は昔からセンスが無かったのよ。
そうだ! 今度一緒に買い物に行かない?
私ね、娘と一緒に買い物するのが夢だったの!」
「うん。いいよ!」
パパとママはどんな出会いをして恋に落ちて結婚したのかが聞きたくて、質問をしてみるた。
「あのね、ママはパパとどんな出会いをして恋をしたの?
恋とはどんなものなの?」
目をパチクリさせているママ、私の質問に対して驚いてるんだろうな。
「もしかしてだけど、誰かを見てドキドキしたのかな?」
ギョッとした私。その反応を見たママは「くすくす」笑い、何かを察したようだった。
「あ、えっとね。ま、まだ好きなのかも分からなくて。ママとパパは恋をした時の気持ちや感じたことを聞きたかったの」
「ふふふ、そうだったのね。
ルルナはその男性が気になってきたかんじかな?」
大きくうなずき答えた。
「そうなのね。そのことを知ったテオルの反応が楽しみだわ!」
「私もパパの反応を見るのが楽しみ!」
ギルド内の掃除を一声で終わらせた。
「クリーン!」
その一声で部屋の掃除が一瞬で終わったが、私が魔法を使えることを知らない人物がいた。
それは。
【ママ】だ!
「ちょっと待って!
今のは魔法? ルルナは魔法が使えるの!?」
「うん、使える」
肩を掴み、凄く辛そうな顔で私の心配をしてくれた。あぁ、小さい子供が魔力を使って魔力切れを起こせば身体に何らかの影響があるから、それを心配しているんだろう。
「そんな一声で魔法使って、もし魔力切れを起こしたらどうするの!
私はねルルナが心配なの……だからルルナのことを聞かせて?」
「いいよ。私はね……」
みんなが知っていること、神獣と女神様の眷属。私の転生前の話。転生してからの話。あの夜の……家族を亡くし、目に見える全ての家財を盗られ、ダメンズ男爵家で受けてきた暴力や残飯処理。パパに会うまで悲惨な毎日だったこと。
今はパパとギルドのみんながいてくれたから幸せだということをママに聞かせた。
ママは私の話を聞いてる途中から涙をポロポロと流し、声だけは出さないように唇をキュッと引き結んでいた。
「ママ、話を聞いてくれてありがとう」
「辛かったわね。これからは私達がいるから、だからルナは私達大人を頼りなさい」
「ママ、ありがとう」
「ママ、ただいま」
「ルルナ、おかえりなさい」
優しく抱きしめてくれた。夕食を終えると、ドルバルとレイブンが気を利かせてくれたのだろう。部屋へと戻って行く2人に続き、スオウとマロンまでドルバル達について行く後ろ姿を見送った。
今夜はママと一緒に寝る予定だからだ。
「片付けも終わったし、寝る準備をするわね」
「うん、ママと一緒のベッドで寝るの楽しみ!」
私の言葉に驚き目を大きく見開いていたが「くすっ」と笑ったあと、手を繋いで部屋へ戻り、一緒に眠った。
「ルルナ、朝よ?」
トントンと優しく起こそうとしてくれてるママ。だけど「うぅーん」まだ眠い。グイッと布団を頭まで引き上げた私は寝ぼけていた。
「もぅ、パパ。まだ眠いから起こさないで!」
「私はパパじゃないわよ?」
「いつもはパパの方が寝てるのに、なんで今日は起こすの?
あと少し……だ、け……。
ママ!」
ガバリ! と起きた私を見たママは、やっと起きた。という顔をし、パパのことを質問された。
「ねえ、ルルナ。テオルは毎朝ルルナに起こされているのかしら?」
ママの顔は顔は笑っているが目は……これはどう答えるべきか! パパ、私は今ピンチです!!
ずいっと顔を近付けるママ、私の顔はひきつってしまった。
「ふふふっ、怒らないから教えて欲しいなぁ」
これは質問に答えなきゃ解放してもらえそうもないな。パパ、私の為に……犠牲になって!!
「パパはね、お仕事が大変だからギリギリまで寝かせてあげてるの」
これでどうだ!!!!
「お仕事は大切だけど、自分から冒険者ギルドを立ち上げたのはあの人よ。忙しくなるのを了知したうえでギルマスをしてるの。
ルルナは優しい子。パパを庇っているのね」
そのあと。
朝食の準備を手伝い。一緒に食べたあと、ママにある質問をされた。お洋服などは誰に選んでもらっていたのかを聞かれた。
「ルルナのお洋服とか靴なんかは誰に選んでもらってたの?」
「初めはパパに選んでもらってたんだけど……実はね、パパは服のセンスが最悪で女の子にズボンを購入してきた時はライラとローランに怒られてたよ」
口に手を当て「まぁ!」と驚いていたが。
「あの人は昔からセンスが無かったのよ。
そうだ! 今度一緒に買い物に行かない?
私ね、娘と一緒に買い物するのが夢だったの!」
「うん。いいよ!」
パパとママはどんな出会いをして恋に落ちて結婚したのかが聞きたくて、質問をしてみるた。
「あのね、ママはパパとどんな出会いをして恋をしたの?
恋とはどんなものなの?」
目をパチクリさせているママ、私の質問に対して驚いてるんだろうな。
「もしかしてだけど、誰かを見てドキドキしたのかな?」
ギョッとした私。その反応を見たママは「くすくす」笑い、何かを察したようだった。
「あ、えっとね。ま、まだ好きなのかも分からなくて。ママとパパは恋をした時の気持ちや感じたことを聞きたかったの」
「ふふふ、そうだったのね。
ルルナはその男性が気になってきたかんじかな?」
大きくうなずき答えた。
「そうなのね。そのことを知ったテオルの反応が楽しみだわ!」
「私もパパの反応を見るのが楽しみ!」
ギルド内の掃除を一声で終わらせた。
「クリーン!」
その一声で部屋の掃除が一瞬で終わったが、私が魔法を使えることを知らない人物がいた。
それは。
【ママ】だ!
「ちょっと待って!
今のは魔法? ルルナは魔法が使えるの!?」
「うん、使える」
肩を掴み、凄く辛そうな顔で私の心配をしてくれた。あぁ、小さい子供が魔力を使って魔力切れを起こせば身体に何らかの影響があるから、それを心配しているんだろう。
「そんな一声で魔法使って、もし魔力切れを起こしたらどうするの!
私はねルルナが心配なの……だからルルナのことを聞かせて?」
「いいよ。私はね……」
みんなが知っていること、神獣と女神様の眷属。私の転生前の話。転生してからの話。あの夜の……家族を亡くし、目に見える全ての家財を盗られ、ダメンズ男爵家で受けてきた暴力や残飯処理。パパに会うまで悲惨な毎日だったこと。
今はパパとギルドのみんながいてくれたから幸せだということをママに聞かせた。
ママは私の話を聞いてる途中から涙をポロポロと流し、声だけは出さないように唇をキュッと引き結んでいた。
「ママ、話を聞いてくれてありがとう」
「辛かったわね。これからは私達がいるから、だからルナは私達大人を頼りなさい」
「ママ、ありがとう」
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