【完結】番である私の旦那様

桜もふ

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新たな従魔『グリフォン』

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 昨日の御茶会、楽しかったな。
 あんなに大勢でのお茶会は初めてだけど、また皆とお茶会がしたいな。
 あの後、オールは皆に嫉妬して大変だったよ。
 今はお仕事を放棄ではなくて、一日だけのお休みすると言ってベッドから出ようとしない。

 王様と王妃様に、一緒に就寝する許可を貰った事をオールに教えたら、ずっと離してもらえなくて。
 私の膝枕と抱き枕状態で、この様な事に。

「オパール殿下、政務は待ってくれないのですよ!
  お早く起きて下さい!」

 私にしがみついてるオール。

「今日はユアとベッドで過ごすんだーー!!」

 オール、それ大胆発言だよ?
 分かってるの?
 ジンの顔が、怖い。

「ユア様、掛け布団を失礼致します……!!
 何たる醜態だ、オパール殿下!
 ユア様をお離して下さいませ!」

 オールってば、そんな風にしていると大きな子供みたいだよ?
 仕様がない「ねえオール、顔を上げて?」私の言う事は聞くのね。

「オール、今日の政務も頑張ってね!」

 オールの口にキスをした。

「……!!」

 オールは自分の唇を触りルンルンな足取りだ。

「ジン行くぞ! ユア、また夜にな!」

 ジンを置いて行っちゃった。

「ユア様、お手数をおかけしました」

 ジンがお辞儀をして、オールを追いかけて行った。

「フェン、オールは甘えん坊だよね?」

 フェンと話しながら、私は昨夜届いた車椅子で移動中、二の腕が鍛えられそうだわ。
 外に出て、あっ! 甘い香りがする。

「少しだけなら良いよね?」

 フェンと一緒に少し進むと木苺がいっぱいあった。

「フェン、この木苺を持って帰って良いかな?
 森の主とか居るのかな?」

 フェンに聞くとここはグリフォンの縄張りで、木苺もグリフォンの物なので、ここへ長く居るのは良くないらしいので帰ろうとした時だった。

「オレ様の縄張りで何をしている?
 何だフェンリルかよ、何のようだ?」

「我ではない、主が来たがった」

 グリフォンは私を見て

「不思議な感じだな、オレ様をテイムする気か?
 無理だから止めておけ!」

 と言っていたが、私がグリフォンの頬や耳のあたりをモフモフさわさわすると、スリ寄りして来て、私が『グリ』と呼ぶとテイムが成立してしまった。

「グリ、今日からよろしくね!」

 撫でてたら体が小さくなって、フェンと一緒に私の膝の上で賢く座っていた。

「少し肌寒くなってきたから、帰ろう。
 グリも一緒に帰ろうね」

あるじの事はオレ様が守ってやるぜ!」

 私は微笑みながら、頷いた。
 王宮の入口に着くと、騎士様方が居て大声で叫んでいた。

「ユア様が居ました!」

 なんか大騒ぎだったみたいで、オールの政務室に監禁ではなくて、隣に車椅子ごと置かれてしまった。

「ユアは目を離すと危険な所へ行く!
 それより、今度はグリフォンか。
 本当にユアは凄いよ」

 オールに頭を撫でられていたら、グリがオールの手を突き。

「オレ様が主を守る!!」

 グリとオールは仲良くしてくれるのかな?

「オパール殿下には良い刺激かと思いますので、放っておいても大丈夫ですよ」

 ジンは素知らぬ顔をして言った。
 本当に大丈夫かな?
  オールとグリ、仲良くしてね。
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