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ルリナ様は転生?
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私が護身術や回し蹴りが出来ても、ひ弱な女の私達では男の力には勝てないのは分かっている。それでも私は大切な友人を助けるわ!
レイン様、ハーティー様、ジーナ様の前で両手を左右に伸ばしたまま私の背で庇うが、数人の殿方から守るのにも限界がある。
(フェン、オール、ジン)
カタカタカタッ!
この威圧感は、オールとジンが来てくれたんだ。
フェンの背に乗ったオールとジンがパッと私達の前に現れた。
「おいっ、俺のユアに何をしている!!」
「オール……来てくれてありがとう……」
安心したのが分かると、足が震えだし腰が抜けて『ペタリ』と、床に座り込んでしまった。
「主、大丈夫か?」
「フェン!!
……うぅぅっ、フェン……怖かったよ。
皆を守ろうと頑張ったけど、男の力には……勝てなかった……」
フェンはルリナ様連中を背に乗せたと思ったら、中庭へと放り落とした。
犬の様に体を左右に振り落とし、大きなフェンリルに唸りながら睨まれた5人組の身体はガタガタと震え上がっている。
その頃、私はオールにお姫様抱っこをされ、ジーナ様はジンが抱きしめていた。
レイン様とハーティー様は羨ましそうに見ている、私はレイン様とハーティー様の方へ行ってもらい。
私は2人をギュッと抱きしめた。
「レイン様、ハーティー様、もう大丈夫だよ。
アーロンとグレンの代わりになんてならなくて頼りないけど、私が守るから」
「「ありがとうございます!!」」
「オール、フェンのところへ行って!」
オールは私を抱えたまま中庭まで一瞬で移動していた。
いつもより大きくなってる?
フェンの体長が5メートル以上になってる、さすが伝説級の神獣だわ。って、感心している場合ではない!
「フェン、私はもう大丈夫だよ。
いつものフェンに戻って?」
「主、我はこやつらが憎い。
主を傷付けた事を許さない」
「フェン、おいで」
「……主……」
「フェン」
私はオールに降ろしてもらい、フェンに向かって両手を広げた。
フェンはいつもの大きさに戻り、私の胸に飛び込んで来た。
ルリナ様は私の隣にいるオールの前に駆け寄り嘘の話ばかり……虚言癖でもあるのかな?
キッ! と、私を睨んだあとウルウルとした瞳で見つめたと思ったら、オールの服の裾を人差し指と親指で軽く掴んだ。
「オール!
私ね、いつもその女に虐められてるの。
オールは私を助ける為に来てくれたのよね、凄く嬉しいわ!
私の大好きなオール、早く私を抱きしめてぇ!」
「…………」
「オールは貴女のところへは行かないわ。
だって、わたくしの婚約者ですもの!」
「……ふざけるな!
このビッチが!!」
「……破廉恥な言葉は謹んだ方が良いですよ?」
ルリナ様は『ビッチ』という言葉に反応した私を見ていた。
見るどころか目を大きく見開いて驚いている。
「ルリナ様……転生ですの?
それとも転移なのかしら?
どっちでも良いですが、私達とオール達には近寄らないで下さい」
「あんたは何なの?
ここは私だけの世界なんだから、神様に加護を貰ったヒロインなんだから!
あんたなんて私の魔法で殺す事だって出来るんだから!!」
「ヒロインなんてどうでもいいわ!
わたくし達の事は放っておいて下さい!」
ルリナ様はオールの側まで走り寄り腕に抱きつき、涙を溜めて上目遣いで見ている。
が、オールは「はぁぁ……」と、大きな溜息を吐き、嫌そうな顔をしてルリナ様を振り放った時に頭からツノが出ていた。
「俺に二度と触れるなと再三申したはずだが!
貴様の耳はかざりなのか!?」
「……オール?」
「ユア、すまない。今の俺は怖いよな、少し離れてた方が良……」
「オール」
私はオールの元まで行き、目の前の彼の顔を両手で挟み、背伸びをして頬にキスをしたあと(怖くないよ)と言うかのように優しくギュウッと抱きしめた。
オールの身体から出ていた威圧感が無くなっていることに気づいた私は、彼の顔を見上げると、顔が真っ赤でツノもいつの間にかなくなっていた。
ルリナ様は体から黒っぽい魔力が放出している。
何この魔力……なんだか怖い。
オールはルークとジンのドラゴンを呼び、急いでバールナ公爵家へと帰宅した。
レイン様とハーティー様は、フェンが背に乗せて急いで移動をした。
レイン様、ハーティー様、ジーナ様の前で両手を左右に伸ばしたまま私の背で庇うが、数人の殿方から守るのにも限界がある。
(フェン、オール、ジン)
カタカタカタッ!
この威圧感は、オールとジンが来てくれたんだ。
フェンの背に乗ったオールとジンがパッと私達の前に現れた。
「おいっ、俺のユアに何をしている!!」
「オール……来てくれてありがとう……」
安心したのが分かると、足が震えだし腰が抜けて『ペタリ』と、床に座り込んでしまった。
「主、大丈夫か?」
「フェン!!
……うぅぅっ、フェン……怖かったよ。
皆を守ろうと頑張ったけど、男の力には……勝てなかった……」
フェンはルリナ様連中を背に乗せたと思ったら、中庭へと放り落とした。
犬の様に体を左右に振り落とし、大きなフェンリルに唸りながら睨まれた5人組の身体はガタガタと震え上がっている。
その頃、私はオールにお姫様抱っこをされ、ジーナ様はジンが抱きしめていた。
レイン様とハーティー様は羨ましそうに見ている、私はレイン様とハーティー様の方へ行ってもらい。
私は2人をギュッと抱きしめた。
「レイン様、ハーティー様、もう大丈夫だよ。
アーロンとグレンの代わりになんてならなくて頼りないけど、私が守るから」
「「ありがとうございます!!」」
「オール、フェンのところへ行って!」
オールは私を抱えたまま中庭まで一瞬で移動していた。
いつもより大きくなってる?
フェンの体長が5メートル以上になってる、さすが伝説級の神獣だわ。って、感心している場合ではない!
「フェン、私はもう大丈夫だよ。
いつものフェンに戻って?」
「主、我はこやつらが憎い。
主を傷付けた事を許さない」
「フェン、おいで」
「……主……」
「フェン」
私はオールに降ろしてもらい、フェンに向かって両手を広げた。
フェンはいつもの大きさに戻り、私の胸に飛び込んで来た。
ルリナ様は私の隣にいるオールの前に駆け寄り嘘の話ばかり……虚言癖でもあるのかな?
キッ! と、私を睨んだあとウルウルとした瞳で見つめたと思ったら、オールの服の裾を人差し指と親指で軽く掴んだ。
「オール!
私ね、いつもその女に虐められてるの。
オールは私を助ける為に来てくれたのよね、凄く嬉しいわ!
私の大好きなオール、早く私を抱きしめてぇ!」
「…………」
「オールは貴女のところへは行かないわ。
だって、わたくしの婚約者ですもの!」
「……ふざけるな!
このビッチが!!」
「……破廉恥な言葉は謹んだ方が良いですよ?」
ルリナ様は『ビッチ』という言葉に反応した私を見ていた。
見るどころか目を大きく見開いて驚いている。
「ルリナ様……転生ですの?
それとも転移なのかしら?
どっちでも良いですが、私達とオール達には近寄らないで下さい」
「あんたは何なの?
ここは私だけの世界なんだから、神様に加護を貰ったヒロインなんだから!
あんたなんて私の魔法で殺す事だって出来るんだから!!」
「ヒロインなんてどうでもいいわ!
わたくし達の事は放っておいて下さい!」
ルリナ様はオールの側まで走り寄り腕に抱きつき、涙を溜めて上目遣いで見ている。
が、オールは「はぁぁ……」と、大きな溜息を吐き、嫌そうな顔をしてルリナ様を振り放った時に頭からツノが出ていた。
「俺に二度と触れるなと再三申したはずだが!
貴様の耳はかざりなのか!?」
「……オール?」
「ユア、すまない。今の俺は怖いよな、少し離れてた方が良……」
「オール」
私はオールの元まで行き、目の前の彼の顔を両手で挟み、背伸びをして頬にキスをしたあと(怖くないよ)と言うかのように優しくギュウッと抱きしめた。
オールの身体から出ていた威圧感が無くなっていることに気づいた私は、彼の顔を見上げると、顔が真っ赤でツノもいつの間にかなくなっていた。
ルリナ様は体から黒っぽい魔力が放出している。
何この魔力……なんだか怖い。
オールはルークとジンのドラゴンを呼び、急いでバールナ公爵家へと帰宅した。
レイン様とハーティー様は、フェンが背に乗せて急いで移動をした。
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