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ディロール王族の方々
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ユージンは王族の前に立ち、人族の者には真似が出来ない綺麗な敬礼をしている。
「ディロール王族の皆様、ユア様が学園へ通う間の数年ではありますが、宜しくお願い致します」
ニヤリッと口は笑ってる様に見えるが、目は笑ってないユージン、顔が怖いから。
「…………」
「…………」
王族の皆さんは無言だし、顔が引きつってるよ。
オールは私の肩を抱き寄せたまま、バールナ公爵家の前に立ち挨拶をした。
「ユアは私の大切な番だ。
大切に扱って頂きたい!」
オールの一言の後、バールナ公爵のルリナ嬢以外は丁寧な対応と挨拶を返してくれた。
「ご丁寧な挨拶ありがとうございます。
私はバールナ公爵家当主サンリード・バールナと申します」
「わたくしはバールナ公爵家当主の妻レインズ・バールナと申しますわ」
「………」
「私はバールナ公爵家当主の長男ホーリー・バールナと申します」
バールナ公爵家の皆さんが順番に挨拶してくれているにもかかわらず、ルリナ様はオールに肩を抱き寄せられてる私を押しのけた!
ドンッ!
「きゃぁっ!」
私は少しバランスを崩しかけたが、ユージンに支えられたので転ばずに済んだ。
「ユア様、大丈夫ですか?」
私はユージンに頷き、大丈夫だと頷いて伝えたが、ユージンはルリナ様を睨み、オールは私を庇うようにして前に立ち、醜い物を見るような目でルリナ様に一喝した。
「貴様、ユアに何をした!
俺のユアに、貴様は殺されたいのか!」
早く止めないと、国との戦争になっちゃう!
「オール、わたくしは大丈夫だから怒らないで?」
ルリナ嬢は私の言葉を無視をし、オールの腕に触れて熱烈な上目遣い入りの挨拶をした。
「オール様、私がルリナ・バールナです。
私が貴方の……」
オールの手で制されたルリナ嬢だったが、私に対する扱いにオールは激怒し、剣を抜く寸前だった。
私はオールの顔を見て、横に顔を振り『わたくしは大丈夫だから怒らないで』と強く思いながらルリナ様を見た。
何なのこの子、腹が立つんだけど!
私がルリナ様を睨みながら見ていると、目が合い驚いた顔をして、無言で走り去った。
「…………!!」
無言で王族の一人の男性の元へ抱きつきに行った?
何なのこの子!
………。
何がしたかったんだろう?
なんか、変な子!
私はバールナ公爵家の皆さんの前に立ち、丁寧で綺麗なカーテシーをし、バランスを崩す事もなく背筋を伸ばし、挨拶をした。
「お初にお目にかかります。
わたくしはソフィーリア大陸第一継承者オパール・ブラック・オニキス皇太子殿下の番であり婚約者のユアと申します。
至らないところもありますが、宜しくお願い致します」
バールナ公爵家当主は優しく微笑み。
「ユア様、学園卒業までは家族だ。
気を楽にして下さい」
「はい、優しいお心遣いをありがとうございます。
宜しくお願い致します」
緊張しながら返事をした。
ディロール王族の自己紹介が始まった。
「ディロール王ロウバン・ディロールである!」
はぃ? それだけ?
まあ、良いけど。
「わたくしはディロール王第一王妃エメイル・ディロールです。
宜しくお願い申し上げますわ」
あれっ?
第一王妃様は笑顔で私の目を見ながら言ってくれている?
「私は第一王妃が子ダンリック・ディロール、ディロール国第一王子です。
以後お見知り置きを」
あれれっ?
第一王子様も笑顔で私の目を見ながら挨拶をしてくれてる!
「わたくしは第二王妃ブリンダ・ディロールですわ!」
コワッ!
睨みながらって失礼だと思うのですが、大人としての対応をお願いしたい。
ルリナ様を後ろに庇いながら、敵を目前に捨て台詞の様に言ってくる男、この国の王子様なのよね? この国、大丈夫なのかしら?
「俺は第二王妃が子ヴァンロット・ディロール、第二王子だ!!」
敵に剣を突きつけるかの様な物言いだ。
「わたくしは第二王妃が子エルル・ディロール第一王女ですわ!」
雑魚ボス並みの睨みだわ。
オールとユージンにだけはウットリ顔?
自己紹介も終わったんだから早く解散にしてよ。
王族では第一王妃様と第一王子様だけは常識的な方みたいで良かった。
私が養女として行く事になっているバールナ公爵の方達も常識的な方々みたい、一人を省いてだけど。
前途多難なスタートだよ。
「ディロール王族の皆様、ユア様が学園へ通う間の数年ではありますが、宜しくお願い致します」
ニヤリッと口は笑ってる様に見えるが、目は笑ってないユージン、顔が怖いから。
「…………」
「…………」
王族の皆さんは無言だし、顔が引きつってるよ。
オールは私の肩を抱き寄せたまま、バールナ公爵家の前に立ち挨拶をした。
「ユアは私の大切な番だ。
大切に扱って頂きたい!」
オールの一言の後、バールナ公爵のルリナ嬢以外は丁寧な対応と挨拶を返してくれた。
「ご丁寧な挨拶ありがとうございます。
私はバールナ公爵家当主サンリード・バールナと申します」
「わたくしはバールナ公爵家当主の妻レインズ・バールナと申しますわ」
「………」
「私はバールナ公爵家当主の長男ホーリー・バールナと申します」
バールナ公爵家の皆さんが順番に挨拶してくれているにもかかわらず、ルリナ様はオールに肩を抱き寄せられてる私を押しのけた!
ドンッ!
「きゃぁっ!」
私は少しバランスを崩しかけたが、ユージンに支えられたので転ばずに済んだ。
「ユア様、大丈夫ですか?」
私はユージンに頷き、大丈夫だと頷いて伝えたが、ユージンはルリナ様を睨み、オールは私を庇うようにして前に立ち、醜い物を見るような目でルリナ様に一喝した。
「貴様、ユアに何をした!
俺のユアに、貴様は殺されたいのか!」
早く止めないと、国との戦争になっちゃう!
「オール、わたくしは大丈夫だから怒らないで?」
ルリナ嬢は私の言葉を無視をし、オールの腕に触れて熱烈な上目遣い入りの挨拶をした。
「オール様、私がルリナ・バールナです。
私が貴方の……」
オールの手で制されたルリナ嬢だったが、私に対する扱いにオールは激怒し、剣を抜く寸前だった。
私はオールの顔を見て、横に顔を振り『わたくしは大丈夫だから怒らないで』と強く思いながらルリナ様を見た。
何なのこの子、腹が立つんだけど!
私がルリナ様を睨みながら見ていると、目が合い驚いた顔をして、無言で走り去った。
「…………!!」
無言で王族の一人の男性の元へ抱きつきに行った?
何なのこの子!
………。
何がしたかったんだろう?
なんか、変な子!
私はバールナ公爵家の皆さんの前に立ち、丁寧で綺麗なカーテシーをし、バランスを崩す事もなく背筋を伸ばし、挨拶をした。
「お初にお目にかかります。
わたくしはソフィーリア大陸第一継承者オパール・ブラック・オニキス皇太子殿下の番であり婚約者のユアと申します。
至らないところもありますが、宜しくお願い致します」
バールナ公爵家当主は優しく微笑み。
「ユア様、学園卒業までは家族だ。
気を楽にして下さい」
「はい、優しいお心遣いをありがとうございます。
宜しくお願い致します」
緊張しながら返事をした。
ディロール王族の自己紹介が始まった。
「ディロール王ロウバン・ディロールである!」
はぃ? それだけ?
まあ、良いけど。
「わたくしはディロール王第一王妃エメイル・ディロールです。
宜しくお願い申し上げますわ」
あれっ?
第一王妃様は笑顔で私の目を見ながら言ってくれている?
「私は第一王妃が子ダンリック・ディロール、ディロール国第一王子です。
以後お見知り置きを」
あれれっ?
第一王子様も笑顔で私の目を見ながら挨拶をしてくれてる!
「わたくしは第二王妃ブリンダ・ディロールですわ!」
コワッ!
睨みながらって失礼だと思うのですが、大人としての対応をお願いしたい。
ルリナ様を後ろに庇いながら、敵を目前に捨て台詞の様に言ってくる男、この国の王子様なのよね? この国、大丈夫なのかしら?
「俺は第二王妃が子ヴァンロット・ディロール、第二王子だ!!」
敵に剣を突きつけるかの様な物言いだ。
「わたくしは第二王妃が子エルル・ディロール第一王女ですわ!」
雑魚ボス並みの睨みだわ。
オールとユージンにだけはウットリ顔?
自己紹介も終わったんだから早く解散にしてよ。
王族では第一王妃様と第一王子様だけは常識的な方みたいで良かった。
私が養女として行く事になっているバールナ公爵の方達も常識的な方々みたい、一人を省いてだけど。
前途多難なスタートだよ。
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