【完結】番である私の旦那様

桜もふ

文字の大きさ
上 下
29 / 96

ディロールへの出発

しおりを挟む
 寝ているフェンの体に抱きつきモフモフを堪能した後、着替えをしようとベッドから降りてクローゼットを開けた。
 今日はどんな服に着替えようかなと選んでいたら。


 コンコンコンッ!

「ユア様、おはようございます。
 失礼致します」

 メイド頭のアミンと私専属のランが湯浴みと着替え、髪のセットをする為に来てくれた。
 ランは私と歳が近いのもあるが、メイド長とメイド頭のお墨付きだからだ。

「アミン、ラン、おはよう。
 いつもありがとう」
「まぁ!   ユア様、ありがとうございます。
 いつもお優しく御礼の返事をしてくれるのを聞くのも今日まで、次にお会い出来るのは当分先なのですね」

 二人とも耳と尻尾がシュンっと垂れている。
 二人にギュッと抱きつき。

「3年?   くらいで卒業だし、それに連休は帰って来るからね」

 泣いてるランの頭を撫でた。



 ディロールまではオールがドラゴンで送ってくれる。


 部屋を出るとメイド長をはじめとし、王宮のメイド全員が廊下に並びお辞儀をした。

「皆様、連休までお元気で!
 行って来ます」

 泣いてるメイドもいた、私はメイドの最後尾まで歩き、クルッと後ろを向き。

「皆様、行ってまいります!」

 綺麗なカーテシーをした。

 キッチン前を通る時に料理長のブルーノ、トティ、ククルにも挨拶を済ませ。

「行ってまいります!」

 カーテシーをし、謁見の間へと行った。
 謁見の間に居た騎士の方にも挨拶をし、優しく微笑んでくれたので、私は嬉しくて微笑み返した。
 王様・王妃様・皇女様達・大臣・宰相、皆さんも微笑みながら応援してくれた。
 私は大臣にコッソリ教えた電卓が入ってる袋を渡し。

「皆様、わたくしユアは、へ赴き、フォーリン学園へ行ってまいります。
 連休には帰宅しますわ。
 その日まで、皆様お体にはお気をつけて下さいませ。
 行ってまいります」

 綺麗なカーテシーを姿勢も崩す事なく優雅にした。
 我慢が出来なかったのか、王妃様と皇女様達に泣きながら抱きしめられた。

「ユア、酷い扱いを受けたら即オールとユージンに言うのですよ!」
「ユア、ユア!
 わたくしの可愛い妹、何かあればオールとユージンを頼るのよ!」
「ユア!   お兄様とユージンを頼ってね!」

 4人で、ぎゅーーっと抱き合った。

 宰相と王様には電卓に驚かれ。
 電卓の使い方は、大臣に教えているから大丈夫だね。

「この電卓とやらを、ありがとう。
 大切に使わせて頂きます」
「オールとユージンが居るから大丈夫だろうが、何かあったりツラくなったら知らせてくれ。
 俺の可愛い娘」
「はい!」元気に答えた。


 騎士団とドラゴンが待つ広場へ行き、騎士達を見て微笑みながら、カーテシーをし。

「皆様、お体に気をつけて……っ……。
 い、……グスッ……行って来ます!」

 上手く笑えてるか分からないけれど、皆に見送られ、オールが私を抱えてドラゴンに乗った。
 オールのドラゴンとユージンのドラゴンの二匹で王宮を二周し、ディロールへと向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ

悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。 残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。 そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。 だがーー 月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。 やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。 それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので

モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。 貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。 ──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。 ……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!? 公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。 (『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)

【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。

112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。 エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。 庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──

【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。

扇 レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋 伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。 それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。 途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。 その真意が、テレジアにはわからなくて……。 *hotランキング 最高68位ありがとうございます♡ ▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので

ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。 しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。 異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。 異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。 公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。 『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。 更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。 だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。 ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。 モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて―― 奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。 異世界、魔法のある世界です。 色々ゆるゆるです。

踏み台令嬢はへこたれない

IchikoMiyagi
恋愛
「婚約破棄してくれ!」  公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。  春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。  そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?  これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。 「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」  ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。  なろうでも投稿しています。

処理中です...