【完結】番である私の旦那様

桜もふ

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ディロールへの出発

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 寝ているフェンの体に抱きつきモフモフを堪能した後、着替えをしようとベッドから降りてクローゼットを開けた。
 今日はどんな服に着替えようかなと選んでいたら。


 コンコンコンッ!

「ユア様、おはようございます。
 失礼致します」

 メイド頭のアミンと私専属のランが湯浴みと着替え、髪のセットをする為に来てくれた。
 ランは私と歳が近いのもあるが、メイド長とメイド頭のお墨付きだからだ。

「アミン、ラン、おはよう。
 いつもありがとう」
「まぁ!   ユア様、ありがとうございます。
 いつもお優しく御礼の返事をしてくれるのを聞くのも今日まで、次にお会い出来るのは当分先なのですね」

 二人とも耳と尻尾がシュンっと垂れている。
 二人にギュッと抱きつき。

「3年?   くらいで卒業だし、それに連休は帰って来るからね」

 泣いてるランの頭を撫でた。



 ディロールまではオールがドラゴンで送ってくれる。


 部屋を出るとメイド長をはじめとし、王宮のメイド全員が廊下に並びお辞儀をした。

「皆様、連休までお元気で!
 行って来ます」

 泣いてるメイドもいた、私はメイドの最後尾まで歩き、クルッと後ろを向き。

「皆様、行ってまいります!」

 綺麗なカーテシーをした。

 キッチン前を通る時に料理長のブルーノ、トティ、ククルにも挨拶を済ませ。

「行ってまいります!」

 カーテシーをし、謁見の間へと行った。
 謁見の間に居た騎士の方にも挨拶をし、優しく微笑んでくれたので、私は嬉しくて微笑み返した。
 王様・王妃様・皇女様達・大臣・宰相、皆さんも微笑みながら応援してくれた。
 私は大臣にコッソリ教えた電卓が入ってる袋を渡し。

「皆様、わたくしユアは、へ赴き、フォーリン学園へ行ってまいります。
 連休には帰宅しますわ。
 その日まで、皆様お体にはお気をつけて下さいませ。
 行ってまいります」

 綺麗なカーテシーを姿勢も崩す事なく優雅にした。
 我慢が出来なかったのか、王妃様と皇女様達に泣きながら抱きしめられた。

「ユア、酷い扱いを受けたら即オールとユージンに言うのですよ!」
「ユア、ユア!
 わたくしの可愛い妹、何かあればオールとユージンを頼るのよ!」
「ユア!   お兄様とユージンを頼ってね!」

 4人で、ぎゅーーっと抱き合った。

 宰相と王様には電卓に驚かれ。
 電卓の使い方は、大臣に教えているから大丈夫だね。

「この電卓とやらを、ありがとう。
 大切に使わせて頂きます」
「オールとユージンが居るから大丈夫だろうが、何かあったりツラくなったら知らせてくれ。
 俺の可愛い娘」
「はい!」元気に答えた。


 騎士団とドラゴンが待つ広場へ行き、騎士達を見て微笑みながら、カーテシーをし。

「皆様、お体に気をつけて……っ……。
 い、……グスッ……行って来ます!」

 上手く笑えてるか分からないけれど、皆に見送られ、オールが私を抱えてドラゴンに乗った。
 オールのドラゴンとユージンのドラゴンの二匹で王宮を二周し、ディロールへと向かった。
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