【完結】番である私の旦那様

桜もふ

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宰相のユージン登場!

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 私の両親は帰ったのだが、帰る時にお兄ちゃんがオールに保護者的な事を連発している。

「俺の可愛い妹は、ま・だ・16歳だ!
 結婚するのはユアに嫌われたくないから、まあ許す。
 だ・が!   結婚までは清く正しいお付き合いをしなさい!!」

 腕組みしながらオールを見ているお兄ちゃん。

「お兄ちゃんだって、桜さんとイチャイチャしてるんでしょ?
  弁護士なのに清く正しい関係なの? どうなの?
 自分は良くて私は駄目って不公平よ!」

 プイッと横を向いて怒る私。

「それは、桜とは……お、大人の関係だ!
 ユアはまだ早いんだ!」

 横を向いている私の頬を、指でツンツンしていたが、お母さんに引きずられながら帰ったお兄ちゃん。

「オールごめんね、お兄ちゃんはだから」
「ん? シスコンって何だ?」

 そっか、こっちでは使わない言葉だよね?

「何て言うか、シスコンは姉妹、お姉ちゃんや妹を溺愛している兄や弟の事を、私達はシスコンって呼んでるの」
「溺愛か、確かにユアの兄はそのシスコンってやつだな」

 二人で「「クスクス」」と笑い合っていたら、ドアからノックが聞こえて来た。
 コンコンコン!

「失礼致します。
 オパール殿下こちらでしたか。
 お早くお戻りになって下さい!
 政務が立て込んでおります。
 ユア様、殿下の代わりに執務を行なっていた為、自己紹介が遅くなり大変申し訳ありません。
 お初にお目にかかります、私は宰相を務めさせて頂いておりますユージン・オルフォードと申します。
 以後お見知り置きを」

 礼儀正しく綺麗な姿勢で敬礼した。
 おぉ、宰相のユージン様はクロヒョウさんだ!

「ご挨拶ありがとうございます。
 わたくしはユアと申します。
 どうぞ宜しくお願い致します」

 カーテシーをバランスを崩さないように、ゆっくりと綺麗にした。

「ユア様、私には普通の挨拶で大丈夫です。
 殿下をお借りしてもよろしいでしょうか?」
「あっ、はい!
 大丈夫です」
「殿下行きますよ。
 ユア様の為なのですから、執務など必要な処務をお早く済ませて下さい!」

 オールは小言を言われながらユージンと執務室へ行った。


 フェンをナデナデして、調理室へ行き食材の確認をしていた。
 今日はこの味噌を使って料理しよ!

 お豆腐が無い、無くても味噌汁は作れるのよ!
 玉ねぎ、ワカメもどき、菜っ葉のお味噌汁を作って、後はこの魚を使おうかな。

 魚をさばいて、調味料と、この味噌!を入れて煮込むだけ、うん出来た。

 後はパンを焼こう!
 小麦粉・卵・砂糖・ミルク・バター・イーストでパンを焼こう!

「そこに卵とミルクを入れて」

 私の指示に動く料理人達、出来てる。

「イーストを入れるのを忘れないでね、忘れたらまた固いパンの出来上がり! になるから注意してね。
 イーストが無い時は、このリンゴで作った酵母をスプン一杯分入れて作ってね」

 もう私の指示なしで主食であるパンは大丈夫そうだね。

「うん、みんな上手だよ!
 さすが王宮の料理人!」

 本当に上手になったよ。
 私が居なくても大丈夫そうだね。

 あっ、いい匂いがして来た、パンが焼けたみたい。
 見てみないとね。

「おぉ!   出来てる!
 皆で味見しよう。
 どう?   美味しい?
 このパンは皆が頑張って作ったパンなんだよ?」

 あっ、トティとククルが泣いちゃった。
 料理長も泣いてるし。
 あの固い味無しパンだったんだものね、それが今は柔らかくて美味しいパンに変わったんだから泣いてしまうよね。
 教える事が出来て良かった。

「ありがとうございます。
 全部ユア様のおかげです!
 ユア様が帰って来るまでに『世界一美味しい料理』だと言ってもらえるよう精進し、腕を磨いておきます!」

 うん!   と頷き、フェンと部屋へ戻ろうと廊下を歩いていると外から、何やら切羽詰まった様な男性と女性の声が聞こえて来た。

 全部は聞こえないが「オパール様に御目通り」って部分だけは聞き取れた。
 確か、番が見つかったにもかかわらず、お見合いの打診して来たり絵(お見合い写真)を送って来るのが絶えないって聞いたな。
 気になったのでテラスに出て声の主を探した。
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