20 / 96
獣人の王族・王宮の皆に心配させてしまいました
しおりを挟む
まったりと談笑しながら、お兄ちゃんと桜さんの結婚の話をしていた。
「結婚式は婚約者と一緒に出席してくれ」
「うん、私の時は桜さんも呼んで家族で来てね」
お父さんとお兄ちゃんは泣くんだろうなぁ。
「私そろそろ帰らないと、帰るって変な感じだよね?」
「そんな事ないわ、それが当たり前なのよ。
嫁ぐんだから、その家へ帰るのは不思議な事じゃないのよ?
私だって初めはそうだったんだから。
優愛、いつのも貴方らしく頑張りなさい!」
優しく母に抱かれ涙が溢れた。
気持ちも落ち着き「また来るね」と言ってドアを開けた瞬間に!!
「ユア!! ユア!! 」
オールに抱きつかれて『ぎゅううぅぅっ』オールの背中を叩きながら「ギ、ギブ~ッ!!」って叫ぶ私、それを泣きながら見てるオール家族と目が点な私の家族。
やっと離してもらえたけどオール達に話して、私の家族を紹介しないと。
「王様、王妃様、皇女様、オパール殿下、御心配をおかけし、申し訳ありませんでした。
オパール殿下からお聞きになっておられたと存じますが、わたくしがこちらへ来て数日が経ち、地球のわたくしの家族が捜索しているやもしれないと思い、勝手で申し訳ないと思いながらも、部屋に付いてある浴室と地球の自室の窓と繋いでしまいました事、御許し下さい」
謝罪すると私の家族は、このような丁寧な謝罪のやり取りにビックリしていた。
「こちらの都合だけでユアを呼んでしまったんだ。
だから良いんだ、その謝罪受け取っておこう!」
王族の皆さんは安心したのか、笑顔で王様も微笑みながら仰ってくれた。
地球の私の部屋へ王族の皆さんを招き、挨拶をした。
「王族の皆様、御前失礼致します。
わたくしが育った御部屋で御座います。
わたくしの家族をご紹介させて頂いても宜しいでしょうか?」
カーテシーを綺麗にし、完璧に近い姿勢を保ちながら、返事を待った。
「ここは地球だ、地球での挨拶で良い」
そう言ってもらえたので、姿勢を戻し家族を紹介した。
「父の真二、こちらが母の由美、そして私の自慢の兄の翔太です。
あと数ヶ月で兄が結婚するので、家族がもう1人増えるんです」
笑顔で紹介した。
「初めまして、優愛がお世話になっています。
私どもの大切な娘を、末永く……グッ……お願い致します……ズズッ」
お父さん泣いちゃった。
てか、お兄ちゃんまで鼻水だらけだし、汚いなぁ。
グスッ……私も人の事言えない……うぅッ……親子そっくり!
オールは私の腰を引き寄せ、もう片方の手でナデナデしてくれた。
私はぎゅっと抱きしめたが、お兄ちゃんが「お兄ちゃんの胸で泣きなさい!」と茶々を入れて来て皆で爆笑だった。
行き来が出来るって聞いてたけど、王様達が地球に来れた?
ちょっとお兄ちゃんを使って実験をする事にした。
お兄ちゃんの手を掴みドアを開けて入る!
………!!
はーーいーーれーーたーー!!
そして、つーーれーーて来ーーれーーたーー!!
「本当に行き来が出来るじゃん!」
ペイッとお兄ちゃんの手を払いのけ。
「ちょっと待ってて」
一言の後、調理室まで走り、焼きたてのパンを持って戻り……グニィ! と、ちぎったパンをお兄ちゃんの口に放り込んだ!
「おい! 何するんだよ。
うげぇ~っ! 何だよコレ、固すぎだし味がしねぇ。
おい、何日放置してたパンだよ、腹壊すだろ」
「今焼けた、この世界で一番美味しいって言われてるパンだよ?
だからイーストが必要だったんだよ」
言い合いしていると皆が、ゾロゾロと入って来た。
「はあぁぁっ! この不味いのが一番美味しいって、俺なら死んでるぞ!」
もう一度パンをちぎって、お兄ちゃんの口に入れる!!
「……!」
母がハッとして走って行き戻って来た。
どうしたんだろうって見たら、袋に様々な菓子パンやデザート、食パンが詰められていた。
「結婚式は婚約者と一緒に出席してくれ」
「うん、私の時は桜さんも呼んで家族で来てね」
お父さんとお兄ちゃんは泣くんだろうなぁ。
「私そろそろ帰らないと、帰るって変な感じだよね?」
「そんな事ないわ、それが当たり前なのよ。
嫁ぐんだから、その家へ帰るのは不思議な事じゃないのよ?
私だって初めはそうだったんだから。
優愛、いつのも貴方らしく頑張りなさい!」
優しく母に抱かれ涙が溢れた。
気持ちも落ち着き「また来るね」と言ってドアを開けた瞬間に!!
「ユア!! ユア!! 」
オールに抱きつかれて『ぎゅううぅぅっ』オールの背中を叩きながら「ギ、ギブ~ッ!!」って叫ぶ私、それを泣きながら見てるオール家族と目が点な私の家族。
やっと離してもらえたけどオール達に話して、私の家族を紹介しないと。
「王様、王妃様、皇女様、オパール殿下、御心配をおかけし、申し訳ありませんでした。
オパール殿下からお聞きになっておられたと存じますが、わたくしがこちらへ来て数日が経ち、地球のわたくしの家族が捜索しているやもしれないと思い、勝手で申し訳ないと思いながらも、部屋に付いてある浴室と地球の自室の窓と繋いでしまいました事、御許し下さい」
謝罪すると私の家族は、このような丁寧な謝罪のやり取りにビックリしていた。
「こちらの都合だけでユアを呼んでしまったんだ。
だから良いんだ、その謝罪受け取っておこう!」
王族の皆さんは安心したのか、笑顔で王様も微笑みながら仰ってくれた。
地球の私の部屋へ王族の皆さんを招き、挨拶をした。
「王族の皆様、御前失礼致します。
わたくしが育った御部屋で御座います。
わたくしの家族をご紹介させて頂いても宜しいでしょうか?」
カーテシーを綺麗にし、完璧に近い姿勢を保ちながら、返事を待った。
「ここは地球だ、地球での挨拶で良い」
そう言ってもらえたので、姿勢を戻し家族を紹介した。
「父の真二、こちらが母の由美、そして私の自慢の兄の翔太です。
あと数ヶ月で兄が結婚するので、家族がもう1人増えるんです」
笑顔で紹介した。
「初めまして、優愛がお世話になっています。
私どもの大切な娘を、末永く……グッ……お願い致します……ズズッ」
お父さん泣いちゃった。
てか、お兄ちゃんまで鼻水だらけだし、汚いなぁ。
グスッ……私も人の事言えない……うぅッ……親子そっくり!
オールは私の腰を引き寄せ、もう片方の手でナデナデしてくれた。
私はぎゅっと抱きしめたが、お兄ちゃんが「お兄ちゃんの胸で泣きなさい!」と茶々を入れて来て皆で爆笑だった。
行き来が出来るって聞いてたけど、王様達が地球に来れた?
ちょっとお兄ちゃんを使って実験をする事にした。
お兄ちゃんの手を掴みドアを開けて入る!
………!!
はーーいーーれーーたーー!!
そして、つーーれーーて来ーーれーーたーー!!
「本当に行き来が出来るじゃん!」
ペイッとお兄ちゃんの手を払いのけ。
「ちょっと待ってて」
一言の後、調理室まで走り、焼きたてのパンを持って戻り……グニィ! と、ちぎったパンをお兄ちゃんの口に放り込んだ!
「おい! 何するんだよ。
うげぇ~っ! 何だよコレ、固すぎだし味がしねぇ。
おい、何日放置してたパンだよ、腹壊すだろ」
「今焼けた、この世界で一番美味しいって言われてるパンだよ?
だからイーストが必要だったんだよ」
言い合いしていると皆が、ゾロゾロと入って来た。
「はあぁぁっ! この不味いのが一番美味しいって、俺なら死んでるぞ!」
もう一度パンをちぎって、お兄ちゃんの口に入れる!!
「……!」
母がハッとして走って行き戻って来た。
どうしたんだろうって見たら、袋に様々な菓子パンやデザート、食パンが詰められていた。
5
お気に入りに追加
544
あなたにおすすめの小説

【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。
112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。
エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。
庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──

憧れと結婚〜田舎令嬢エマの幸福な事情〜
帆々
恋愛
エマは牧歌的な地域で育った令嬢だ。
父を亡くし、館は経済的に恵まれない。姉のダイアナは家庭教師の仕事のため家を出ていた。
そんな事情を裕福な幼なじみにからかわれる日々。
「いつも同じドレスね」。「また自分で縫ったのね、偉いわ」。「わたしだったらとても我慢できないわ」————。
決まった嫌味を流すことにも慣れている。
彼女の楽しみは仲良しの姉から届く手紙だ。
穏やかで静かな暮らしを送る彼女は、ある時レオと知り合う。近くの邸に滞在する名門の紳士だった。ハンサムで素敵な彼にエマは思わず恋心を抱く。
レオも彼女のことを気に入ったようだった。二人は親しく時間を過ごすようになる。
「邸に招待するよ。ぜひ家族に紹介したい」
熱い言葉をもらう。レオは他の女性には冷たい。優しいのは彼女だけだ。周囲も認め、彼女は彼に深く恋するように。
しかし、思いがけない出来事が知らされる。
「どうして?」
エマには出来事が信じられなかった。信じたくない。
レオの心だけを信じようとするが、事態は変化していって————。
魔法も魔術も出て来ない異世界恋愛物語です。古風な恋愛ものをお好きな方にお読みいただけたら嬉しいです。
ハッピーエンドをお約束しております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)

傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。

公爵令息様を治療したらいつの間にか溺愛されていました
Karamimi
恋愛
マーケッヒ王国は魔法大国。そんなマーケッヒ王国の伯爵令嬢セリーナは、14歳という若さで、治癒師として働いている。それもこれも莫大な借金を返済し、幼い弟妹に十分な教育を受けさせるためだ。
そんなセリーナの元を訪ねて来たのはなんと、貴族界でも3本の指に入る程の大貴族、ファーレソン公爵だ。話を聞けば、15歳になる息子、ルークがずっと難病に苦しんでおり、どんなに優秀な治癒師に診てもらっても、一向に良くならないらしい。
それどころか、どんどん悪化していくとの事。そんな中、セリーナの評判を聞きつけ、藁をもすがる思いでセリーナの元にやって来たとの事。
必死に頼み込む公爵を見て、出来る事はやってみよう、そう思ったセリーナは、早速公爵家で治療を始めるのだが…
正義感が強く努力家のセリーナと、病気のせいで心が歪んでしまった公爵令息ルークの恋のお話です。

【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!


【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる