【完結】番である私の旦那様

桜もふ

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私のお願いと神様 2

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 神様はシオン様と言うらしい。

「俺の事はシオンでも良いし
 呼び難いならシンでも良いぞ」

 白い歯を見せてニッ!  と笑う神様。

「うん、シンって呼ばせてもらうね」

 オウっ!  って親指を出して、グッジョブポーズ。
「優愛をここに呼んだ訳を詳しく話してなかったから話すな?」と言って話してくれた内容が。

 こっちの世界で今までに無い瘴気が濃くなっていて、穏やかだった魔獣や魔族の動きが活発になって来てるらしく、魔王が復活してしまうとミーストが荒れて、人も獣人も何もかもが消滅し、何もない真っ暗な魔族の国になってしまう。
 それを守る事が出来るのが、黒竜族の王族の男の中に流れてる特別な血。
 その血が、マーレア大陸に封印されている魔王の復活を防ぎ、ガースカル大陸にいる魔獣や魔族を鎮め心穏やかにし、他者を襲わなくなる。
 そして、この世界を守り救う事が出来る。
 こちらの都合だけで私を呼んだ事を謝罪してくれた。
 シンは出来る限りの事をしてくれると言ってくれた。


 初めは『地球に帰れない』の言葉だけしか聞いてなかったから号泣したけど。
 詳しく聞けば、私の部屋と異世界であるミーストの自宅のドアを繋いでるから切り離す事も出来るが、それはしないと言ってくれた。
 家族に会いたい時は優愛に与えられた部屋のドアからの行き来が可能だ。
 しかし、それには条件があり、優愛がドアを開けないと地球とミーストとの行き来が出来ない仕組みになっている。
 私にとっては嬉しい。

 シンってば先に言ってくれてれば号泣する事もなかったのに!
 思い返したらシンが「地球に帰れない」としか言ってないだけで最後まで話を聞いてなかったのは私だ。
 私ってば早とちりすぎ!
 でも、お兄ちゃんの結婚式はどうかな出席出来たら行きたい。
 異世界の学園ってお休みはあるのかな?
 学園の事はミーストへ行ってから聞けば良いよね。


「ねえシン。
 番になる人って獣人ってのはわかったけど、どんな人なの?」

「そうだな」と言って話をしてくれた。

 黒竜族は皆、人間と同じ容姿だが皮膚だけは固く、男はイケメンで女は美女らしい。
 だが、黒竜族の王族だけは超が付くイケメンと美女らしく!
『番』一筋で『番』の危機とあらばヒーローのように現れて救い出し、政治関係も頭がキレる程の凄さ。
 もう番が見つかったと言うのに、今もなお、黒竜族に手紙やお見合いの打診ラッシュが絶えないみたい。
 黒竜族の王族だけは神との対話が出来るらしく。
 今も私の番である、オパール・ブラック・オニキス王太子殿下がシンに対話してきてるみたい。
 シンの話を聞いてビックリ。

 地球だと超羨ましがられる相手じゃん。
 私、自分で言うのもあれだけど。
 私って地味だよ。
 それにオタクだし。
 こんな私で大丈夫かな?

 まずは友達? からでは駄目だよね?
 初めの1週間は友達以上恋人未満をしてって、中学生かよ!
 恋愛経験皆無なんだもの、恋人をすっ飛ばして婚約者でしょ? 焦らない方が変だよ。
 婚約者だけど、慣れるまでは恋人みたいな関係が良いよね?

 うん、そうしよう。
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