聖獣と従魔が強いので負ける気がしませんが、私には愛する人と大好きな人達がいるので邪魔しないでください!!

桜もふ

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18 3歳になりました!

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 一日王族の皆様と一緒に過ごし。名残惜しいが、帰宅時間に近付き。
 私は王族の皆様にギュッと抱擁ほうようを交わし。
 シャル姉様の抱擁が最後だったのもあり、ずっと抱きしめたまま私を解放してくれない。
 それを見かねたリカルド様は、シャル姉様の元へ近付き背中に手をおいて、優しく声をかけた。

「アンジュが帰れませんよ?今度はシャルが遊びに行くのはどうですか?」
「……そうですわね。アンジュ、困らせてしまい申し訳ありません。
 今度、わたくしがマーガレット家へお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「ぁい、いちゅでも、きて、くらちゃい(はい、いつでもきてください)」
「ありがとう!」

 私はウィリアム王子様に近付き、内緒話をするかのように話した。

「おうじ、しゃま……えっとね、おうじ、ちゃま、は、あちた、から、がっこう、に、いきゅの?おうじ、ちゃまと、おはなち、ちゅき。また、あちょんで、くだちゃい(おうじさま、えっとね、おうじさまは、あしたからがっこうにいくの?おうじさまとおはなしすき。またあそんでください)」
「エド、キ-ス、アリス、リオと行くよ。行き帰りは会えるからね」
「わぁぁ。たのちみ、でちゅ(わぁぁ。たのしみです)」

 ウィリアム王子様との楽しい会話中なのに、パパったらヤキモチなのかしら?
 先程までは胸の前で腕組をしていたかと思っていたら、むっとした顔つきになり、急に割って入って来て。私とウィリアム王子様との間をバリバリバリッと引きはがし、私を抱っこして馬車へと乗ってしまった。
「大人げない」とジョアナおばあちゃんに小言を言われてるのに無視しているパパ。
 眉がハの字になっているウィリアム王子様に手を振ると、ニッコリと微笑んで手を振り返してくれた。
 ウィリアム王子様を見てると胸がドキドキしちゃうの。
 この気持ちは何だろう?
 恋をしたことがないから分からないや。今度、アリスお姉ちゃんとママに聞いてみよう。
 私達はマーガレット家へと帰路についた。


 マーガレット家へ到着し、みんなと一緒に楽しい夕食を過ごした。
 みんな明日から学園なんだ。私は何をして過ごそう?
 お屋敷の中を探検していると、ある場所へとたどり着いた。
 ソッと扉を開けると……驚いたことに本が部屋いっぱいあり、私は口を開いたまま立ちすくしていた。

 あっ……読める。これも、こっちも読める。
 魔法の本……これは攻撃魔法の本だ。こっちのは防御魔法……初心者向け魔法の基礎!
    こっちのは……マナー?礼儀作法……私も公爵令嬢じゃん!
    んーー、言葉使いから直していこうかな。例えば、パパを父様とかアリス姉様。兄様や母様……今日からそう呼ぼう。

 ここの本を部屋で見ても良いよね。
『読み終えた本は元の場所へ』ってことは、借りても良いんだ。
 この三冊をアイテムボックスに入れて。部屋でゆっくり読もう。


 三冊の本を借りた日から数日がすぎ、今日はシャル姉様が会いに来てくれてるの。

 部屋を出て長い廊下を歩いていると、妙な視線を感じる?
 キョロキョロと周りを見渡したが何もなかった。首を傾げ、何かに警戒していた。

「アンジュ、ただいま」
「ぱぁぱ、おかえり、なちゃい(ぱぱ、おかえりなさい)」
「アンジュ、みんなが帰ってきたよ」
「みんな、おかえり、なちゃい」



 今日感じた妙な視線は、あれから変化がなく普段と変わらない日々が過ぎていた。

    

    今日で私は3歳。言葉も上手く出せるようになったよ。じつはね、こっそり言葉の練習から生活魔法・初歩の攻撃魔法・防御魔法・礼儀作法やマナーも覚え。魔法が上手く出来るまでは、家族やみんなには内緒なの。

    誕生日だからお祝いに王宮へ着いたが、またあの妙な視線がしている。

    前からはシャル姉様とウィリアム王子様が出迎えてくれていた。私は嬉しさのあまり手を振って馬車を降り、サンとリンはアリス姉様の肩の上で談笑していた。

    ケル、ベル、ルルは広い花壇や噴水広場を駆け回り。父様と母様は周りを警戒している?もしかして、さっきの妙な視線のことなのかな?
    そんなことを考えていた時だった……何かが来てる!と思ったが遅し、私の上空に影が迫って来ていた!

「アンジュ!!」

    ウィリアム王子様が叫びながら走った。
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