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10 治癒魔法
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王宮に着き、キースお兄ちゃんが降ろしてくれた時に、一言あったが聞こえていなかった。
「アンジュ、ちょっと待ってて」
キースお兄ちゃんはお姉ちゃんの手を取って馬車から降りるのを待っていたが。
トテトテトテ……。
私は一人で先を行こうとして段差に気付かず勢いよく素っ転んだ。
一時そのままの体勢だったが。
膝から熱くなるような激痛のあまり泣いてしまった。
「ふえぇぇーーん、たぃたぃ、うぇぇぇーーん!!」
お姉ちゃんが真っ先に駆けつけたが。
両膝を擦りむき血がジワジワと出ているのを見た私は痛みが増した気がし、再びギャン泣き。
「うえぇぇぇーーん、たぃたぃ、ああぁぁぁーーん」
「アンジュの足から血が!」
「大変だわ、早く治癒してもらいますよ」
「俺のアンジュが……俺のアンジュがーー!!」
「お父様のことは放っておきましょう」
「アンジュから手を離さなければ怪我なんてしなかったのに……アンジュ、ごねんな」
「アンジュがーー、可愛い足がーー!!」
「キースのせいではないわよ。
それにしても……お父様うるさいですわよ!」
パパに小言を言ったあと。
お姉ちゃんとエドお兄ちゃんは、キースお兄ちゃんの頭を撫でて『大丈夫だ』と目で合図を送っていた。
騒ぎを聞きつけたウィリアム王子様と王妃様が駆けつけてくれ。
「僕のハンカチでごめんね。
母上、グレンを!」
「えぇ。
ミリア、グレンをサロンに呼んで下さい」
「はい、畏まりました」
「アリス嬢、失礼。
サロンまでは距離がある、アンジュは僕が……」
ウィリアム王子様がアンジュを抱き上げ、サロンへと先立って導くかのように先導した。
ウ、ウ、ウィリアム王子様にお姫様抱っこされてる!
女の子の憧れのお姫様抱っこよ。
それも王子様にだよ。
何度見ても……『イ・ケ・メ・ン』だわ!
むふぅぅーー!
ダメよ、鼻息が荒いと変態みたいでしょ。
レディーとしての……。
あぁーー、良い匂い。
バラのような、フローラルの香りが。
服から……駄目よ!
ううぅぅ、これぞ生殺し状態。
こんな超イケメン男子は初めて見たわ。
地球には絶対にいないもの。
ウィリアム王子様はゲームや漫画の中の好きだったキャラに似てる。
似てるから胸のドキドキが止まらない……。
ウィリアム王子様……好きぃ!
「ちゅきぃーー!!」
ハッとし。
両手で口を押えたが遅し。
みんなの視線が私に集中。
ウィリアム王子様を……チラッ……っ!!
満面な笑みだーー。
「嬉しいなぁ、それは僕に対しての告白かい?」
サラサラな銀髪に透きとおるようなパステルカラー風の碧色。
吸い込まれそうなくらい綺麗な銀髪碧眼だわ。
「ぬおぉぉぉーー!!」
ドスドスッと足音と雄叫び? が聞こえたと思ったら、パパに妨害されウィリアム王子様から引きはがされた。
それより、私の治癒はどうなったの?
思い出すと痛みが走ったかのようにズキズキし、瞳に涙が溜まり……再びギャン泣き。
「うああぁぁぁーーん、たぃたぃーー、ああぁぁぁーーん」
「アンジュの治療はまだなの?」
「ケル、ベル、ルル走るなよ。
王子にも紹介しとくな、この三匹はケルベロスだ。
大きいままだと連れて歩けないから分裂して小さくなってもらってる。
簡単に言えばアンジュの『従魔』だ」
リンは治癒はまだなの? って心配し、サンはウィリアム王子様にケルベロスの事を話していた。
「ケルベロスだと!
どこにいるんだ?」
「……ふむ、見たところいませんね」
「お膝の方、失礼します。
傷を癒せ……ヒール!」
フワリと白く光ったあと傷が綺麗に消え、痛みもなくなっていた。
あっ、傷もないし痛みもなくなってる。
治癒師って凄いなぁ。
「ぐぇん、しゃま、あぁーとー(グレン様、ありがとう)」
「いえいえ、アンジュ様の笑顔が戻って良かったです」
グレンにお礼を言っていると、ケルベロスが私に飛びつき。
ボフンッと後ろ向きにソファーへ倒れ、顔を舐めまわされていた。
「アンジュ遊ぼう」
「僕と遊ぼう」
「私とよ」
「ケル、ベル、ルル、じゅんばん、よ」
「「「わぁーーい!」」」
王様、王妃様、リカルド様、グレン様、ウィリアム王子様、ダリオン王子様、メイドさんは私とケルベロスが話してるのを見て放心状態だ。
話す犬なんて御伽話にしか出てこないんだもの。
普通に驚くよね。
「アンジュ、ちょっと待ってて」
キースお兄ちゃんはお姉ちゃんの手を取って馬車から降りるのを待っていたが。
トテトテトテ……。
私は一人で先を行こうとして段差に気付かず勢いよく素っ転んだ。
一時そのままの体勢だったが。
膝から熱くなるような激痛のあまり泣いてしまった。
「ふえぇぇーーん、たぃたぃ、うぇぇぇーーん!!」
お姉ちゃんが真っ先に駆けつけたが。
両膝を擦りむき血がジワジワと出ているのを見た私は痛みが増した気がし、再びギャン泣き。
「うえぇぇぇーーん、たぃたぃ、ああぁぁぁーーん」
「アンジュの足から血が!」
「大変だわ、早く治癒してもらいますよ」
「俺のアンジュが……俺のアンジュがーー!!」
「お父様のことは放っておきましょう」
「アンジュから手を離さなければ怪我なんてしなかったのに……アンジュ、ごねんな」
「アンジュがーー、可愛い足がーー!!」
「キースのせいではないわよ。
それにしても……お父様うるさいですわよ!」
パパに小言を言ったあと。
お姉ちゃんとエドお兄ちゃんは、キースお兄ちゃんの頭を撫でて『大丈夫だ』と目で合図を送っていた。
騒ぎを聞きつけたウィリアム王子様と王妃様が駆けつけてくれ。
「僕のハンカチでごめんね。
母上、グレンを!」
「えぇ。
ミリア、グレンをサロンに呼んで下さい」
「はい、畏まりました」
「アリス嬢、失礼。
サロンまでは距離がある、アンジュは僕が……」
ウィリアム王子様がアンジュを抱き上げ、サロンへと先立って導くかのように先導した。
ウ、ウ、ウィリアム王子様にお姫様抱っこされてる!
女の子の憧れのお姫様抱っこよ。
それも王子様にだよ。
何度見ても……『イ・ケ・メ・ン』だわ!
むふぅぅーー!
ダメよ、鼻息が荒いと変態みたいでしょ。
レディーとしての……。
あぁーー、良い匂い。
バラのような、フローラルの香りが。
服から……駄目よ!
ううぅぅ、これぞ生殺し状態。
こんな超イケメン男子は初めて見たわ。
地球には絶対にいないもの。
ウィリアム王子様はゲームや漫画の中の好きだったキャラに似てる。
似てるから胸のドキドキが止まらない……。
ウィリアム王子様……好きぃ!
「ちゅきぃーー!!」
ハッとし。
両手で口を押えたが遅し。
みんなの視線が私に集中。
ウィリアム王子様を……チラッ……っ!!
満面な笑みだーー。
「嬉しいなぁ、それは僕に対しての告白かい?」
サラサラな銀髪に透きとおるようなパステルカラー風の碧色。
吸い込まれそうなくらい綺麗な銀髪碧眼だわ。
「ぬおぉぉぉーー!!」
ドスドスッと足音と雄叫び? が聞こえたと思ったら、パパに妨害されウィリアム王子様から引きはがされた。
それより、私の治癒はどうなったの?
思い出すと痛みが走ったかのようにズキズキし、瞳に涙が溜まり……再びギャン泣き。
「うああぁぁぁーーん、たぃたぃーー、ああぁぁぁーーん」
「アンジュの治療はまだなの?」
「ケル、ベル、ルル走るなよ。
王子にも紹介しとくな、この三匹はケルベロスだ。
大きいままだと連れて歩けないから分裂して小さくなってもらってる。
簡単に言えばアンジュの『従魔』だ」
リンは治癒はまだなの? って心配し、サンはウィリアム王子様にケルベロスの事を話していた。
「ケルベロスだと!
どこにいるんだ?」
「……ふむ、見たところいませんね」
「お膝の方、失礼します。
傷を癒せ……ヒール!」
フワリと白く光ったあと傷が綺麗に消え、痛みもなくなっていた。
あっ、傷もないし痛みもなくなってる。
治癒師って凄いなぁ。
「ぐぇん、しゃま、あぁーとー(グレン様、ありがとう)」
「いえいえ、アンジュ様の笑顔が戻って良かったです」
グレンにお礼を言っていると、ケルベロスが私に飛びつき。
ボフンッと後ろ向きにソファーへ倒れ、顔を舐めまわされていた。
「アンジュ遊ぼう」
「僕と遊ぼう」
「私とよ」
「ケル、ベル、ルル、じゅんばん、よ」
「「「わぁーーい!」」」
王様、王妃様、リカルド様、グレン様、ウィリアム王子様、ダリオン王子様、メイドさんは私とケルベロスが話してるのを見て放心状態だ。
話す犬なんて御伽話にしか出てこないんだもの。
普通に驚くよね。
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