【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します！

ミオの災難【後編】

　私は男に服を切り裂かれ、頬を叩かれたのか真っ赤になり腫れていたので、ルシアがもう一度『ヒール』で癒してくれた。

　私は涙を流しガタガタと震えていたが、ルシアに抱きしめられていたのもあり、少し落ち着いていた。

　気分が安定する薬湯を、ルシアに少しずつゆっくりと飲ましてもらい、部屋まで連れて行ってもらった。

　ベッドに横になり、ルシアに手を握ってもらい眠りについた。


＊＊＊＊＊＊　アイリスの話　＊＊＊＊＊＊


　酔っ払い変態野郎は、１人でギルドと間違えて雑貨屋へ来てミオと目が合い、世間話をしている時に近付き、アイリスとミオの肩を抱いて上から下まで値踏みをするかのように見ていた。

　アイリスは男の顔が近付いて来るのが気持ち悪くて、男を力任せに思い切り押すと、ミオの方に倒れミオと共に倒れたとアイリスは言う。

　その後、ミオが男の体臭が耐えられなかったのもあり、悲鳴をあげた時にミオの口を押さえた後、ナイフで頬を叩いた時にミオが言ったの。

「お願い、止めて！

    助けて！！」と。

　それに興奮した酔っ払い変態野郎がミオの頬を思い切り叩き、ナイフで服を切り裂き。

    ミオは男に雷魔法で痺れさせようと試みたが、何故か平気な顔をしていました。

    ですが、男は逆上しミオの腕にナイフを刺し流血させたにもかかわらず、再びナイフを振りかざし、太ももにも切り傷が出来てしまったのです。

「クソッ！

    思い出しただけでもイライラする！！」

　それを聞いたゼクスが、酔っ払い変態野郎に激怒した。

　「よくも俺の美音に！　アイツにもしもの事があったら、どう責任を取るんだ！！」

    加勢したアーサーも怒り心頭だった。

　アーサーが暴走しないように隣でアールは腕組みをし、酔っ払い変態野郎を睨んでいる。

　酔っ払い変態野郎を椅子に縛り付け、逃げられないようにしていた。

「た、頼む助けてくれ！

　俺には妻も子もいるんだ。

　俺に何かあったら、妻と子が死んでしまう！

　あ、あの女が俺を殺そうとしたんだ！！」

　皆『コイツ頭がおかしいのか？』『ミオが殺そうとする訳ないだろ！』と思ったに違いない。

「ミオにケガをさせておいて、何を言ってやがる！」

　男の胸ぐらを掴んで拳を振り上げた時に、誰かに腕を掴まれ、横を見るとボブとアリア、リリーまで居た。

「ダン、何をしているんだ？

　この人を縛って何があった？」

　コイツがミオにした事を話すと、リリーとアリアはミオがいる部屋へ行った。

「そんな事が、殴るくらい良いんじゃないのか？

　子を持つ親からしたら、殺したいくらい許せないがな！！」

　ボブさんの睨んだ顔は怖いらしいです。

「ミオの心の傷が心配だな。

　ゼクス、怒りを鎮めろ、お前がミオに好意を寄せているのは皆にバレバレだ！」

「ミオに好意を寄せててもどうにもならない事は分かってる。

　アイツには……ギルマスがいるから。

　もう諦めはついてる！」

「確かゼクスは伯爵の１人息子だったな、ルシアは侯爵の末の娘……２人の社交が始まるのは今年中だったな。

　俺達と対等に接してくれて感謝している」

　ゼクスはミオと出会う前までは、ルシアと結婚しても良いかもってほざいてたがな。

　ミオが来てから毎日が楽しくて忘れてたな、貴族は家に縛られてツライよな。

　ルシアが降りて来たって事は、ミオの看病を交代したのか。

　ルシアは男の前まで行き、胸ぐらを掴んで勢いよく！

『バシィーーーーーーンッッッ！！』

    平手打ちをした。

「女、俺には妻も子もいるん……ぶはっ！」

『パァーーーーーーンッッッ！！』

　男は往復ビンタをされ、両頬は真っ赤になった。

「貴方はミオの頬を叩いたのよ！

　挙句に腕にナイフを刺し流血させ、太ももにもナイフで切りつけたのよっ！！

　ミオが『止めて』と言っても止めなかったのでしょう？

　だから私も止めなかったのよ！」

　酔っ払い変態野郎はミオに殺されかけた！

    と、噂を広めたが信じない人の方が多かった。

　男の噂は瞬く間に広まり、女の子に手を出した事が奥さんと子供にバレ、離縁をして奥さんと子供は実家へと帰ったらしい。

　私は７日間、目を醒さなかった。

　その７日間で変わった事は、ダンが正式に私の父親になった事と、アーサーが王国にいる両親に美音の事を話し、私の婚約者にする事に決まったって事かな。