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撃滅の夜叉兵編
十話
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内々に行われる武装組織篝火リーダー、赤城幸助奪還の任務。
神威の巫女による裏切りがあり、その拠点となる美術館跡地には符術転移を阻止するための結界が張られていた。
「転移ポイントは施設周辺に絞られる…、奇襲も全然ありそうですね…」
「だとしても…全て乗り越えた先にしか道はないわよ…」
渡り巫女の符術形成を待ちつつ、夜叉巫女達は待機する。
その間会話を交わす灯と洋助は、緊張した面持ちで語る。
「本当に…巫女を斬るんですか…」
「必要であれば勿論、気を取られて死んだら元も子もないし」
「そう、ですよね…」
「―――まぁ、あまりにも神威の巫女が弱ければ殺さず捕縛するけどさ…」
そこには、いつもの優しい桐島灯がいて洋助は少し安心した。
『陣の形成が完了しましたッ、いつでもいけますッ!』
渡り巫女のアナウンスが響くと、夜叉達は静かに動き出す。
「んじゃ、行こっか」
「――はいッ!」
開かれる門は、戦場となる景色を映し出す。
それに飛び込み姿を消していく巫女は、美術館跡地周辺に転移する。
「―――妙に静かね、…こちら桐島、洋助と先行して施設内に突入する、予定通り取り巻きは任せたわ」
『了解、ご武運を』
短い通信を交わして灯は神力を纏う。
続く洋助も蒼い神力を纏って周囲を警戒して進む。
「おかしい…、神威の巫女がいるのに襲撃に気付かない訳がない、…誘われているんですかね?」
「さぁね…、けど、少なくとも敵さんはいるみたい、車が何台も停まってる」
「――何か狙いが…」
そう言いかけた時、二人の眼前に広がるは煙を出しながら向かってくるロケットが多数。
規則正しく列を成し向かうそれは、紛れもなく危険な近代兵器であり、ロケットランチャーと呼ばれる武器であった。
「―――っあ…」
「RPGッ!?」
先行している二人を歓迎するが如く、過剰と思える火力で先手を打たれた夜叉。
周辺から見ていた他の夜叉巫女達は、高速で迫りくる爆弾に青ざめていた。
『桐島さんッ!?』
悲鳴めいた通信が入り、我に返る灯はそれを避けようと大きく跳躍しようとする。
――が、そこには一人、恐ろしい程冷静で状況を見る兵がいた。
洋助は灯を庇いながら前に立ち、足元の砂利を刀で掬いあげる。
「はぁッ!!」
大きく掬い上げられた小石の混じった砂利は、弾丸の様に飛散する。
その小石が弾頭に当たると空中で爆発するロケット、列を成したそれは連鎖して次々と爆発する。
「よ、ようすけ…あなた、いったい…」
熱風となりし爆発を涼しい顔で受け止め、見据えるは赤城のいる施設内。
その洋助の姿は、強すぎるが故にどこか恐ろしかった。
「――巫女が来ます、灯さん気を付けて」
「……え、ええ…わかった」
少し動揺しながら開幕の歓迎をやり過ごす二人。
――そしてその直後、上空から転移陣形の予兆。
「神威の巫女ッ…!?まさか転移陣まで使える奴がいるのッ!!」
完全武装した神威の巫女が空から降りかかり、夜叉巫女達を襲う。
しかし、最初の迎撃以外は予定調和、この程度の奇襲であれば夜叉達は対応する。
「桐島さんッ!ここは予定通り私達がッ…赤城をお願いしますッ!」
「―――了解っ!」
離れていた部隊が合流し、灯と洋助のフォローに入る。
局地戦になりつつある戦場を横目に、二人は美術館跡地に強引に突入する。
神威の巫女による裏切りがあり、その拠点となる美術館跡地には符術転移を阻止するための結界が張られていた。
「転移ポイントは施設周辺に絞られる…、奇襲も全然ありそうですね…」
「だとしても…全て乗り越えた先にしか道はないわよ…」
渡り巫女の符術形成を待ちつつ、夜叉巫女達は待機する。
その間会話を交わす灯と洋助は、緊張した面持ちで語る。
「本当に…巫女を斬るんですか…」
「必要であれば勿論、気を取られて死んだら元も子もないし」
「そう、ですよね…」
「―――まぁ、あまりにも神威の巫女が弱ければ殺さず捕縛するけどさ…」
そこには、いつもの優しい桐島灯がいて洋助は少し安心した。
『陣の形成が完了しましたッ、いつでもいけますッ!』
渡り巫女のアナウンスが響くと、夜叉達は静かに動き出す。
「んじゃ、行こっか」
「――はいッ!」
開かれる門は、戦場となる景色を映し出す。
それに飛び込み姿を消していく巫女は、美術館跡地周辺に転移する。
「―――妙に静かね、…こちら桐島、洋助と先行して施設内に突入する、予定通り取り巻きは任せたわ」
『了解、ご武運を』
短い通信を交わして灯は神力を纏う。
続く洋助も蒼い神力を纏って周囲を警戒して進む。
「おかしい…、神威の巫女がいるのに襲撃に気付かない訳がない、…誘われているんですかね?」
「さぁね…、けど、少なくとも敵さんはいるみたい、車が何台も停まってる」
「――何か狙いが…」
そう言いかけた時、二人の眼前に広がるは煙を出しながら向かってくるロケットが多数。
規則正しく列を成し向かうそれは、紛れもなく危険な近代兵器であり、ロケットランチャーと呼ばれる武器であった。
「―――っあ…」
「RPGッ!?」
先行している二人を歓迎するが如く、過剰と思える火力で先手を打たれた夜叉。
周辺から見ていた他の夜叉巫女達は、高速で迫りくる爆弾に青ざめていた。
『桐島さんッ!?』
悲鳴めいた通信が入り、我に返る灯はそれを避けようと大きく跳躍しようとする。
――が、そこには一人、恐ろしい程冷静で状況を見る兵がいた。
洋助は灯を庇いながら前に立ち、足元の砂利を刀で掬いあげる。
「はぁッ!!」
大きく掬い上げられた小石の混じった砂利は、弾丸の様に飛散する。
その小石が弾頭に当たると空中で爆発するロケット、列を成したそれは連鎖して次々と爆発する。
「よ、ようすけ…あなた、いったい…」
熱風となりし爆発を涼しい顔で受け止め、見据えるは赤城のいる施設内。
その洋助の姿は、強すぎるが故にどこか恐ろしかった。
「――巫女が来ます、灯さん気を付けて」
「……え、ええ…わかった」
少し動揺しながら開幕の歓迎をやり過ごす二人。
――そしてその直後、上空から転移陣形の予兆。
「神威の巫女ッ…!?まさか転移陣まで使える奴がいるのッ!!」
完全武装した神威の巫女が空から降りかかり、夜叉巫女達を襲う。
しかし、最初の迎撃以外は予定調和、この程度の奇襲であれば夜叉達は対応する。
「桐島さんッ!ここは予定通り私達がッ…赤城をお願いしますッ!」
「―――了解っ!」
離れていた部隊が合流し、灯と洋助のフォローに入る。
局地戦になりつつある戦場を横目に、二人は美術館跡地に強引に突入する。
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