3 / 7
第二話 着々と進んでゆく
しおりを挟む
「蒼玉様、お久しぶりです」
「お久しぶりです、マリガーネット様」
結婚式の日取りも決まったので、月晶帝国から迎えが来る事になっていた。蒼玉様は来られるか分からないと聞いていたのだが、都合をつけて来て下さったらしい。
「皇太子殿下自ら来て下さって、ありがとうございます」
「礼には及びません。むしろ、こちらの方こそ……申し出を受けて頂き、ありがとうございます」
ふわりと笑った蒼玉様が、深々とお辞儀をして下さった。彼が頭を下げる機会なんてそうないだろうが、それでも仕草が様になっている。私も、隣にいるに恥じない女性とならなければ。
「長旅でお疲れでしょうし、まずは部屋までご案内しますね」
「ありがとうございます」
「お連れの方々は別にご案内させて頂きますが宜しいですか?」
「大丈夫ですよ」
久々にお会いした蒼玉様は、初対面の時よりも幾分かは血色良く見えた。けれど、目元の辺りにうっすら隈が出来ている。歓迎の晩餐は明日の予定だから、今日はお部屋でゆっくりしてもらおう。
「あれから、マリガーネット様は体調を崩されたりはしませんでしたか?」
「わたくしですか? はい、元気に過ごしておりました」
お姉さまと一緒なのが嬉しくて勉強を張り切り過ぎ、寝不足になったまま愛馬のマロンに乗ったせいで盛大に落馬して擦り傷を沢山作ってしまったが、風邪を引いたりお腹を壊したりはしていないので元気と言っても差し支えないだろう。
「蒼玉様はどうでしたか?」
「私も元気です。忙しくはしていましたが」
「皇太子……こちらで言う王子ですものね。やはりご公務が多いのですか?」
「まぁそれなりに。臣下が優秀なので任せられる部分も多いですが」
「そうなのですね。その方は今回いらっしゃってますか? いらっしゃるならご挨拶したいです!」
「済みません。留守番をお願いしてきたので同行していないんですよ」
「それは失礼致しました。ならば、帝国でお会い出来るのを楽しみにしておりますわ」
のんびりと会話をしながら、長い廊下を歩いていく。ようやく彼が滞在中に使ってもらう部屋についたので、ドアを開いて中へ促した。
「部屋の詳しい説明は、後から参りますメイドが行いますので何なりとお聞き下さいませ」
「分かりました。マリガーネット様も、案内をありがとうございます」
「どういたしまして。それではわたくしはこれで」
蒼玉様の紺碧の瞳に視線を合わせた後で、一礼してその場を去った。居候している王妃宮へ帰る道で、腹心のサルティを見つけたので呼び寄せる。
「良く知った顔を見ると安心出来るわね……」
「ありがとうございます。流石のマリガーネット様も緊張されました?」
「そりゃあ婚約者とはいえ相手は外国の皇太子さまだもの。何か顔も凝った感じする」
「あー……確かに。お風呂上りにホットマスクお持ちします」
「よろひくね」
むにむにと遠慮なく頬を揉まれながら、サルティに返事をする。気持ちが良いのでそのままマッサージされていると、おもむろにサルティが口を開いた。
「先日のお話ですけれど」
「ああ、うん」
「両親には話をつけましたので」
「うん」
「私も月晶帝国へお供させて頂きますね」
「……良いの? 私は嬉しいけど、子爵家は」
「弟に後を継がせると。寂しくはあるが、とても名誉な事だから悔いの無いよう精一杯お勤めせよとの事です」
そこまで言い終わると、サルティは手を放して私の髪を整えてくれた。薄緑の瞳が向けられて、ふいにじわりと視界が滲む。
「愛娘を送り出してくれる子爵のためにも頑張らないとね」
「サポートならお任せ下さい。そのための私ですから」
「ありがとう、サルティ」
物心つく頃からの幼馴染で、王立学院を卒業してからは行儀見習いという名目で私の侍女をしてくれていた。長女である彼女はいずれ実家に戻らなくてはならないから……難しいだろうと思ったけれど、ダメ元で一緒に月晶帝国へ来てほしいとお願いした。
それを了承してもらえて、ほっとして泣き出してしまったくらいには。私は、まだまだ強くないらしい。
***
「月晶帝国の主食は小麦ではないのですね」
「あるにはありますが、中心ではないです。主食としては米が一般的ですね」
「コメはどうやって食べるのですか?」
「水と共に釜へ入れて、火で煮て柔らかくしてから食べます」
「なるほど……リゾットみたいなものなのかしら」
出発まではまだ日数があるので、今日は蒼玉様の所へお邪魔して月晶帝国の事について教えてもらっていた。王立図書館の文献を全て読破したので知識自体は大分増えたが、やはり現地に住んでいる方の話の方が分かりやすい。
「そう言えば、マリガーネット様は何か苦手な食べ物等はございますか?」
「いいえ。基本的に何でも食べられます」
「苦手な味とかは」
「極端な味でなければ大体大丈夫です」
「そうですか。頼もしいですね」
「頼もしいですか?」
「ええ。やはり、エスメラルダ王国と我が国では食文化が結構違うなと思う事も多いですから。諸外国の来賓の方の中には、体調を崩される方もいるのですよ」
「それは勿体ないですね。せっかく、新しい味を知る機会ですのに」
何気なく口から出た言葉だったのだが。それまではテンポよく返って来ていた蒼玉様の言葉が途切れたので、恐る恐る彼の方を振り向いた。しかし、特に顔をしかめているとか眉間に皺を寄せているという訳でもなかったので大丈夫そうだ。紺碧の瞳を細めて、穏やかに笑ってらっしゃる。
そして、そんな蒼玉様の右手がふいに動いて私の頭の上に乗った。慈しむ様に撫でられて、悪い気はしなかったのでそのまま享受していたのだが……申し訳ありませんという言葉と共に彼の手が引っ込んでしまった。
「済みません。つい何時もみたいに」
「大丈夫ですからお気になさらず……普段からされているのですか?」
「私には弟妹がいますのでね。よくせがまれるのです」
「弟妹がいらっしゃるのですか!?」
それはつまり、その二人はいずれ私の弟妹にもなるという事だ。ついに私も、憧れていた『姉』になれるのか。
「同母の兄弟姉妹には弟と妹がそれぞれ一人ずつおりまして。双子なのです」
「双子! 話には聞いた事がありますが、やはり似てらっしゃるのですか?」
「男女なのでそこまでは……でも、ふとした仕草はそっくりですね」
「そうなのですね! お会い出来るのを楽しみにしています!」
喜んだ勢いのまま伝え、彼の手をがしっと掴む。一瞬だけまずかっただろうかと思ったが、彼だって特に前置きなく私の頭を撫でていたし問題ないかと思って離さず握ったままでいた。振り払われはしなかったので、多分大丈夫だったのだろう。
「……あらあら。いつの間にそこまで仲良くなったの?」
ドアの方から聞き慣れた慕わしい声が聞こえてきたので、手は握ったままそちらへ顔を向けた。体の前で腕を組んで笑っているお姉さまは、乗馬用のドレスを着ている。
「お姉さま、ブランカに乗るの?」
「ええ。だから、貴女も誘いに来たのだけど……お邪魔だったかし」
「今すぐ準備するわ! 待ってて!」
脊髄反射で答えた後に、手の中の温もりを思い出して冷や汗が出てきた。ゆっくりと首を動かし、目の前の彼を確認する。
「私の事は気にせずに行ってきて下さい」
「……ありがとうございます」
「いいえ。今後は姉妹水入らずの機会を設けるのも難しくなるでしょうし」
「お気遣い感謝致します」
「このくらいでしたら、どうという事はありません」
にっこりと微笑みながら言う蒼玉様は、とても大人に見えた。いや、私よりも年上なのだから実際に大人なのだけど。
「それじゃあ先に厩舎へ行っているわ。準備が出来たら来なさい」
「はい!」
私の返事を聞いたお姉さまは、一回頷いた後で背を向け去っていった。乗馬をするのだから当たり前だけれども、普段はさらさら揺れている赤い髪がきっちり編み込まれて揺れていないので少しだけ残念な気持ちになる。
「マリガーネット様は乗馬をなさるのですね」
「はい。幼少期の頃に始めまして、今では自馬も持っています」
「その馬はこちらへ連れていきますか?」
「そのつもりです」
私の愛馬マロンは、今年四歳になる栗毛の牝馬だ。エメ兄さまとお姉さまの各愛馬の間に産まれた初の子供でもあるので、私にとって思い入れが深い一頭でもある。
「牝馬の割にカリカリした所もありませんし、建て替えのために厩舎を変えても落ち着いていましたし。放牧している時に近くで子供が叫んでいても、気にせず牧草を食べていました」
「それは凄いですね」
「ありがとうございます」
私が何をした訳でもないが、愛馬を褒められて嬉しくない訳がない。そんな訳で、マロンの代わりにお礼を伝えておいた。
「お久しぶりです、マリガーネット様」
結婚式の日取りも決まったので、月晶帝国から迎えが来る事になっていた。蒼玉様は来られるか分からないと聞いていたのだが、都合をつけて来て下さったらしい。
「皇太子殿下自ら来て下さって、ありがとうございます」
「礼には及びません。むしろ、こちらの方こそ……申し出を受けて頂き、ありがとうございます」
ふわりと笑った蒼玉様が、深々とお辞儀をして下さった。彼が頭を下げる機会なんてそうないだろうが、それでも仕草が様になっている。私も、隣にいるに恥じない女性とならなければ。
「長旅でお疲れでしょうし、まずは部屋までご案内しますね」
「ありがとうございます」
「お連れの方々は別にご案内させて頂きますが宜しいですか?」
「大丈夫ですよ」
久々にお会いした蒼玉様は、初対面の時よりも幾分かは血色良く見えた。けれど、目元の辺りにうっすら隈が出来ている。歓迎の晩餐は明日の予定だから、今日はお部屋でゆっくりしてもらおう。
「あれから、マリガーネット様は体調を崩されたりはしませんでしたか?」
「わたくしですか? はい、元気に過ごしておりました」
お姉さまと一緒なのが嬉しくて勉強を張り切り過ぎ、寝不足になったまま愛馬のマロンに乗ったせいで盛大に落馬して擦り傷を沢山作ってしまったが、風邪を引いたりお腹を壊したりはしていないので元気と言っても差し支えないだろう。
「蒼玉様はどうでしたか?」
「私も元気です。忙しくはしていましたが」
「皇太子……こちらで言う王子ですものね。やはりご公務が多いのですか?」
「まぁそれなりに。臣下が優秀なので任せられる部分も多いですが」
「そうなのですね。その方は今回いらっしゃってますか? いらっしゃるならご挨拶したいです!」
「済みません。留守番をお願いしてきたので同行していないんですよ」
「それは失礼致しました。ならば、帝国でお会い出来るのを楽しみにしておりますわ」
のんびりと会話をしながら、長い廊下を歩いていく。ようやく彼が滞在中に使ってもらう部屋についたので、ドアを開いて中へ促した。
「部屋の詳しい説明は、後から参りますメイドが行いますので何なりとお聞き下さいませ」
「分かりました。マリガーネット様も、案内をありがとうございます」
「どういたしまして。それではわたくしはこれで」
蒼玉様の紺碧の瞳に視線を合わせた後で、一礼してその場を去った。居候している王妃宮へ帰る道で、腹心のサルティを見つけたので呼び寄せる。
「良く知った顔を見ると安心出来るわね……」
「ありがとうございます。流石のマリガーネット様も緊張されました?」
「そりゃあ婚約者とはいえ相手は外国の皇太子さまだもの。何か顔も凝った感じする」
「あー……確かに。お風呂上りにホットマスクお持ちします」
「よろひくね」
むにむにと遠慮なく頬を揉まれながら、サルティに返事をする。気持ちが良いのでそのままマッサージされていると、おもむろにサルティが口を開いた。
「先日のお話ですけれど」
「ああ、うん」
「両親には話をつけましたので」
「うん」
「私も月晶帝国へお供させて頂きますね」
「……良いの? 私は嬉しいけど、子爵家は」
「弟に後を継がせると。寂しくはあるが、とても名誉な事だから悔いの無いよう精一杯お勤めせよとの事です」
そこまで言い終わると、サルティは手を放して私の髪を整えてくれた。薄緑の瞳が向けられて、ふいにじわりと視界が滲む。
「愛娘を送り出してくれる子爵のためにも頑張らないとね」
「サポートならお任せ下さい。そのための私ですから」
「ありがとう、サルティ」
物心つく頃からの幼馴染で、王立学院を卒業してからは行儀見習いという名目で私の侍女をしてくれていた。長女である彼女はいずれ実家に戻らなくてはならないから……難しいだろうと思ったけれど、ダメ元で一緒に月晶帝国へ来てほしいとお願いした。
それを了承してもらえて、ほっとして泣き出してしまったくらいには。私は、まだまだ強くないらしい。
***
「月晶帝国の主食は小麦ではないのですね」
「あるにはありますが、中心ではないです。主食としては米が一般的ですね」
「コメはどうやって食べるのですか?」
「水と共に釜へ入れて、火で煮て柔らかくしてから食べます」
「なるほど……リゾットみたいなものなのかしら」
出発まではまだ日数があるので、今日は蒼玉様の所へお邪魔して月晶帝国の事について教えてもらっていた。王立図書館の文献を全て読破したので知識自体は大分増えたが、やはり現地に住んでいる方の話の方が分かりやすい。
「そう言えば、マリガーネット様は何か苦手な食べ物等はございますか?」
「いいえ。基本的に何でも食べられます」
「苦手な味とかは」
「極端な味でなければ大体大丈夫です」
「そうですか。頼もしいですね」
「頼もしいですか?」
「ええ。やはり、エスメラルダ王国と我が国では食文化が結構違うなと思う事も多いですから。諸外国の来賓の方の中には、体調を崩される方もいるのですよ」
「それは勿体ないですね。せっかく、新しい味を知る機会ですのに」
何気なく口から出た言葉だったのだが。それまではテンポよく返って来ていた蒼玉様の言葉が途切れたので、恐る恐る彼の方を振り向いた。しかし、特に顔をしかめているとか眉間に皺を寄せているという訳でもなかったので大丈夫そうだ。紺碧の瞳を細めて、穏やかに笑ってらっしゃる。
そして、そんな蒼玉様の右手がふいに動いて私の頭の上に乗った。慈しむ様に撫でられて、悪い気はしなかったのでそのまま享受していたのだが……申し訳ありませんという言葉と共に彼の手が引っ込んでしまった。
「済みません。つい何時もみたいに」
「大丈夫ですからお気になさらず……普段からされているのですか?」
「私には弟妹がいますのでね。よくせがまれるのです」
「弟妹がいらっしゃるのですか!?」
それはつまり、その二人はいずれ私の弟妹にもなるという事だ。ついに私も、憧れていた『姉』になれるのか。
「同母の兄弟姉妹には弟と妹がそれぞれ一人ずつおりまして。双子なのです」
「双子! 話には聞いた事がありますが、やはり似てらっしゃるのですか?」
「男女なのでそこまでは……でも、ふとした仕草はそっくりですね」
「そうなのですね! お会い出来るのを楽しみにしています!」
喜んだ勢いのまま伝え、彼の手をがしっと掴む。一瞬だけまずかっただろうかと思ったが、彼だって特に前置きなく私の頭を撫でていたし問題ないかと思って離さず握ったままでいた。振り払われはしなかったので、多分大丈夫だったのだろう。
「……あらあら。いつの間にそこまで仲良くなったの?」
ドアの方から聞き慣れた慕わしい声が聞こえてきたので、手は握ったままそちらへ顔を向けた。体の前で腕を組んで笑っているお姉さまは、乗馬用のドレスを着ている。
「お姉さま、ブランカに乗るの?」
「ええ。だから、貴女も誘いに来たのだけど……お邪魔だったかし」
「今すぐ準備するわ! 待ってて!」
脊髄反射で答えた後に、手の中の温もりを思い出して冷や汗が出てきた。ゆっくりと首を動かし、目の前の彼を確認する。
「私の事は気にせずに行ってきて下さい」
「……ありがとうございます」
「いいえ。今後は姉妹水入らずの機会を設けるのも難しくなるでしょうし」
「お気遣い感謝致します」
「このくらいでしたら、どうという事はありません」
にっこりと微笑みながら言う蒼玉様は、とても大人に見えた。いや、私よりも年上なのだから実際に大人なのだけど。
「それじゃあ先に厩舎へ行っているわ。準備が出来たら来なさい」
「はい!」
私の返事を聞いたお姉さまは、一回頷いた後で背を向け去っていった。乗馬をするのだから当たり前だけれども、普段はさらさら揺れている赤い髪がきっちり編み込まれて揺れていないので少しだけ残念な気持ちになる。
「マリガーネット様は乗馬をなさるのですね」
「はい。幼少期の頃に始めまして、今では自馬も持っています」
「その馬はこちらへ連れていきますか?」
「そのつもりです」
私の愛馬マロンは、今年四歳になる栗毛の牝馬だ。エメ兄さまとお姉さまの各愛馬の間に産まれた初の子供でもあるので、私にとって思い入れが深い一頭でもある。
「牝馬の割にカリカリした所もありませんし、建て替えのために厩舎を変えても落ち着いていましたし。放牧している時に近くで子供が叫んでいても、気にせず牧草を食べていました」
「それは凄いですね」
「ありがとうございます」
私が何をした訳でもないが、愛馬を褒められて嬉しくない訳がない。そんな訳で、マロンの代わりにお礼を伝えておいた。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
帝国に奪われた聖女様は帝国の皇太子に溺愛されてます
りり
恋愛
王国に聖女として生まれたエルサ・ラ・エリサエル。
しかし、宰相の裏切りによりエルサは、おってから必死に逃げていた。
そんななか、騎士団長であるアレクドリスに助けられる。
実は……彼の正体はかつての同級生であり隣国ラーサル帝国の皇太子だった。
この物語は二人が様々な困難を超え結婚する話。
本編完結
番外編更新中
魔法使いと彼女を慕う3匹の黒竜~魔法は最強だけど溺愛してくる竜には勝てる気がしません~
村雨 妖
恋愛
森で1人のんびり自由気ままな生活をしながら、たまに王都の冒険者のギルドで依頼を受け、魔物討伐をして過ごしていた”最強の魔法使い”の女の子、リーシャ。
ある依頼の際に彼女は3匹の小さな黒竜と出会い、一緒に生活するようになった。黒竜の名前は、ノア、ルシア、エリアル。毎日可愛がっていたのに、ある日突然黒竜たちは姿を消してしまった。代わりに3人の人間の男が家に現れ、彼らは自分たちがその黒竜だと言い張り、リーシャに自分たちの”番”にするとか言ってきて。
半信半疑で彼らを受け入れたリーシャだが、一緒に過ごすうちにそれが本当の事だと思い始めた。彼らはリーシャの気持ちなど関係なく自分たちの好きにふるまってくる。リーシャは彼らの好意に鈍感ではあるけど、ちょっとした言動にドキッとしたり、モヤモヤしてみたりて……お互いに振り回し、振り回されの毎日に。のんびり自由気ままな生活をしていたはずなのに、急に慌ただしい生活になってしまって⁉ 3人との出会いを境にいろんな竜とも出会うことになり、関わりたくない竜と人間のいざこざにも巻き込まれていくことに!※”小説家になろう”でも公開しています。※表紙絵自作の作品です。
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
あの方の妃選定でしたら、本気で勝ちに行きますわ
もぐすけ
恋愛
ソフィアは代々著名な軍人を輩出するリッチモンド侯爵家の令嬢だった。
女性らしい生活に憧れるが、十六歳になっても剣のみに生きる生活を強いられていた。
そんなソフィアに、隣国の皇太子から、皇太子の妃選定に出て欲しいとの書状が舞い込む。
勝負となると徹底的に勝ちに行く一族の支援を受け、皇太子の妃になるべく特訓するソフィアは、生まれて初めて経験する淑女教育が楽しくてたまらなかったが、見たこともない皇太子の妃になることには、あまり気乗りがしなかった。
だが、ソフィアは、皇太子を見て、本気で勝ち抜くことを誓うのであった。
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる