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プロローグ
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『こんなに綺麗な髪を切ってしまうなんて勿体ないですよ』
『……だけど。解くのは難しいだろう?』
『少々お待ち下さいませ……ほら、解けました』
『エクレールは凄いんだな』
『前に同じ事があったんです。その時に、お母さまがあっという間に私の髪を解いて下さいましたの』
『そうだったのか』
『三つ編みにしていたら絡まり難いかもしれません。結っても良いですか?』
『うん』
『それじゃあ早速……』
そう言って、滑らかな彼の黒髪を三つ編みにしていった。端正な顔立ちの彼に、黒い色は似合うなぁ……なんて思いながら。
『俺達が婚約したのは、父上とか侯爵の意向だけど……俺は、きちんとエクレールが大好きだから』
『私もです。私も貴方が大好き』
いつかのその言葉に、嘘偽りはなかった。私達は、確かに互いを想っていた。お互いに相手を愛していて、いずれ結婚出来るんだと信じて疑わなかった。
『あの方にはもう会えない……会えないのね』
温かでくすぐったい思い出が、刹那の内に暗転する。泣いている過去の自分に引きずられるように、胸が苦しくなっていって、目尻が熱くなっていって……。
***
「……夢か」
目を開けると、そこにあったのは見慣れた天井。まだまだ外は暗いので、夜中らしい。
「もう、すっかり過去になったと思っていたのにな」
自分が侯爵家の御令嬢だったのは、もう七年も前の事だ。そして……彼の婚約者だったのも七年前。フェリシテ家が没落したのだから、私は貴族でなくなったのだから、仕方ないと繰り返し自分に言い聞かせてきた筈なのに。
「……よし、お茶飲もう」
分かってはいても、悲しいものは悲しいし苦しいものは苦しい。そんな負の感情を抱えたままでいては眠れないだろうから、気分転換しよう。
そうと決めたら行動あるのみ。手元のランプをつけてドライハーブを保管している壁側の棚を確認し、カモミールの瓶を手に取った。そして、音を立てないようにキッチンへと向かい、お茶を淹れるのに十分な量のお湯を沸かす。カップを温めた後にカモミールを入れ、ゆっくりお湯を注いでいった。
(……良い香り)
ふわりと香るカモミールが、落ち込んでしまった心をするりするりと解いていく。ダイニングテーブルの椅子に腰かけ、夜空を眺めながらハーブティーを楽しんだ。
***
「エクレール様、来週は何食べたいですか?」
「来週? 何で?」
夕飯の支度を手伝っていたら、唐突に尋ねられた。本気で分かっていない私の表情を見たガレットは、眉間に皺を寄せ始める。
「来週は! エクレール様の! お誕生日でしょ!」
「……ああ、そうだったわね」
「そうだったわね、じゃないですよ! まだ若いんですから忘れないで!」
ぷりぷり怒っているガレットにごめんごめんと謝りつつ、もうそんな時期かと他人事のように考えた。ガレットとシトロンの誕生日はきちんと覚えているのだが、自分の事となると途端にこれだ。
「それで? お誕生日の夕飯に何が食べたいですか?」
「何が……何を……うーん……」
「ビスクでもステーキでもテリーヌでも、何でも良いですよ」
「あっミルフィーユ食べたい」
「じゃあケーキはミルフィーユにします。夕飯のメニューはどうします?」
「……ラクレットチーズとか?」
「チーズを絡める具材はポテトで良いですか?」
「パンとソーセージも良い?」
「良いですよ。それじゃあ、他の料理は私が見繕いますね」
「ありがとう」
美味しい料理は昔だって今だって大好きだが、だからこそ何が良いかと聞かれても答えにくいのだ。本当に、何でも美味しく食べられるので……だからこそ、早いうちに村の料理にも馴染めたのかもしれない。
「もし、他に食べたい料理なり具材なりが思いついたら、早めに教えて下さい」
「うん。いつもありがとう」
「いえ……こちらこそ、いつも家事を手伝って頂いてますし。本当なら……こちらの事は気にせず、ゆっくり過ごして頂きたいのですけれど」
「今更じゃない。このやり取りも何年目?」
今の私は、フェリシテ侯爵家の御令嬢ではなくて単なる村娘のエクレールだ。加えて、シトロンとガレット親子に養ってもらっている居候の立場でもある。そんな状況で、それでもかつての身分を笠に着てふんぞり返っていられるような度胸はない。そもそも……二人が傍にいてくれたから、私は絶望せずに済んだのだ。その恩と感謝を考えれば、このくらい安いものである。
「私の中では、貴女は今も御嬢様なので……あ」
「どうしたの?」
「今日の夕飯ハンバーグだからパセリ添えようと思っていたんですけど、前回頂いた分をもう使い切っていたみたいで」
「じゃあ採ってくるわ。前回と同じくらいの量で良い?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
返答を受け、キッチンを出たタイミングで来客を告げるベルが鳴った。こんな時間に珍しいと、二人で顔を見合わせる。
「来客の対応は私がします。エクレール様はパセリをお願い出来ますか?」
「分かったわ」
そう言って玄関へと向かうガレットを見送り、私は自室へと向かう。窓側の棚に所狭しと並べているフレッシュハーブの鉢植え達の中からパセリを見つけ、状態が良さそうな物を収穫していった。
「今更何ですか!? 帰って下さい!」
パセリをキッチンで洗っていると、悲鳴にも似た声が聞こえてきた。間違いない、今の声はガレットだ。
「ガレット!? どうしたの!?」
いてもたってもいられなくて、玄関に向かいドアの取っ手を引こうとした。しかし、外から引っ張られているのかドアを開けられない。
「だめ! 来ないで下さい! 私は大丈夫ですから!」
「何言ってるの! 心配するに決まってるわ!」
力の限り引っ張って、何とかドアを開けた。その瞬間、目に飛び込んできたのは料理用トングを持って威嚇の体勢を取っているガレットと仕事帰りのシトロンと。
「え……どな、た?」
そして、フード付きのローブを着ている人が一人いた。肩幅があるし長身のシトロンよりも更に背が高いので、男性だろうか。見覚えがないから、村の外で暮らしている人だとは思うが。
「エクレール、ようやく見つけた」
「どうして私の名前……って、え、この声」
まさか、まさか。聞き覚えのある声に、眠らせた記憶と感情が揺り起こされていく。
「覚えていなくとも無理はない。何せ、最後に顔を合わせたのは七年も前だ」
目の前の彼が、ゆっくりとフードを下ろす。中から現れた艶やかな黒髪は、記憶のものと相違ない。色も長さも……結んでいる紐の色も。
「エクレールを迎えに来た」
もう、この距離でお逢い出来る事はないのだと思っていた。
「俺の花嫁に相応しいのは、エクレールしかいない」
彼は、ミストラル王国王位継承権第二位の、王子様だから。
「もう一度貴族として、俺の妻として……これからを共に生きてほしい」
かつて侯爵令嬢だった私の、婚約者だったお方。
「ノワール様……」
目の前の彼と、彼のライムグリーンの瞳と、はっきり視線が合った瞬間。
私の口から、記憶の底に沈めた筈の彼の名前が零れ落ちていった。
『……だけど。解くのは難しいだろう?』
『少々お待ち下さいませ……ほら、解けました』
『エクレールは凄いんだな』
『前に同じ事があったんです。その時に、お母さまがあっという間に私の髪を解いて下さいましたの』
『そうだったのか』
『三つ編みにしていたら絡まり難いかもしれません。結っても良いですか?』
『うん』
『それじゃあ早速……』
そう言って、滑らかな彼の黒髪を三つ編みにしていった。端正な顔立ちの彼に、黒い色は似合うなぁ……なんて思いながら。
『俺達が婚約したのは、父上とか侯爵の意向だけど……俺は、きちんとエクレールが大好きだから』
『私もです。私も貴方が大好き』
いつかのその言葉に、嘘偽りはなかった。私達は、確かに互いを想っていた。お互いに相手を愛していて、いずれ結婚出来るんだと信じて疑わなかった。
『あの方にはもう会えない……会えないのね』
温かでくすぐったい思い出が、刹那の内に暗転する。泣いている過去の自分に引きずられるように、胸が苦しくなっていって、目尻が熱くなっていって……。
***
「……夢か」
目を開けると、そこにあったのは見慣れた天井。まだまだ外は暗いので、夜中らしい。
「もう、すっかり過去になったと思っていたのにな」
自分が侯爵家の御令嬢だったのは、もう七年も前の事だ。そして……彼の婚約者だったのも七年前。フェリシテ家が没落したのだから、私は貴族でなくなったのだから、仕方ないと繰り返し自分に言い聞かせてきた筈なのに。
「……よし、お茶飲もう」
分かってはいても、悲しいものは悲しいし苦しいものは苦しい。そんな負の感情を抱えたままでいては眠れないだろうから、気分転換しよう。
そうと決めたら行動あるのみ。手元のランプをつけてドライハーブを保管している壁側の棚を確認し、カモミールの瓶を手に取った。そして、音を立てないようにキッチンへと向かい、お茶を淹れるのに十分な量のお湯を沸かす。カップを温めた後にカモミールを入れ、ゆっくりお湯を注いでいった。
(……良い香り)
ふわりと香るカモミールが、落ち込んでしまった心をするりするりと解いていく。ダイニングテーブルの椅子に腰かけ、夜空を眺めながらハーブティーを楽しんだ。
***
「エクレール様、来週は何食べたいですか?」
「来週? 何で?」
夕飯の支度を手伝っていたら、唐突に尋ねられた。本気で分かっていない私の表情を見たガレットは、眉間に皺を寄せ始める。
「来週は! エクレール様の! お誕生日でしょ!」
「……ああ、そうだったわね」
「そうだったわね、じゃないですよ! まだ若いんですから忘れないで!」
ぷりぷり怒っているガレットにごめんごめんと謝りつつ、もうそんな時期かと他人事のように考えた。ガレットとシトロンの誕生日はきちんと覚えているのだが、自分の事となると途端にこれだ。
「それで? お誕生日の夕飯に何が食べたいですか?」
「何が……何を……うーん……」
「ビスクでもステーキでもテリーヌでも、何でも良いですよ」
「あっミルフィーユ食べたい」
「じゃあケーキはミルフィーユにします。夕飯のメニューはどうします?」
「……ラクレットチーズとか?」
「チーズを絡める具材はポテトで良いですか?」
「パンとソーセージも良い?」
「良いですよ。それじゃあ、他の料理は私が見繕いますね」
「ありがとう」
美味しい料理は昔だって今だって大好きだが、だからこそ何が良いかと聞かれても答えにくいのだ。本当に、何でも美味しく食べられるので……だからこそ、早いうちに村の料理にも馴染めたのかもしれない。
「もし、他に食べたい料理なり具材なりが思いついたら、早めに教えて下さい」
「うん。いつもありがとう」
「いえ……こちらこそ、いつも家事を手伝って頂いてますし。本当なら……こちらの事は気にせず、ゆっくり過ごして頂きたいのですけれど」
「今更じゃない。このやり取りも何年目?」
今の私は、フェリシテ侯爵家の御令嬢ではなくて単なる村娘のエクレールだ。加えて、シトロンとガレット親子に養ってもらっている居候の立場でもある。そんな状況で、それでもかつての身分を笠に着てふんぞり返っていられるような度胸はない。そもそも……二人が傍にいてくれたから、私は絶望せずに済んだのだ。その恩と感謝を考えれば、このくらい安いものである。
「私の中では、貴女は今も御嬢様なので……あ」
「どうしたの?」
「今日の夕飯ハンバーグだからパセリ添えようと思っていたんですけど、前回頂いた分をもう使い切っていたみたいで」
「じゃあ採ってくるわ。前回と同じくらいの量で良い?」
「大丈夫です。ありがとうございます」
返答を受け、キッチンを出たタイミングで来客を告げるベルが鳴った。こんな時間に珍しいと、二人で顔を見合わせる。
「来客の対応は私がします。エクレール様はパセリをお願い出来ますか?」
「分かったわ」
そう言って玄関へと向かうガレットを見送り、私は自室へと向かう。窓側の棚に所狭しと並べているフレッシュハーブの鉢植え達の中からパセリを見つけ、状態が良さそうな物を収穫していった。
「今更何ですか!? 帰って下さい!」
パセリをキッチンで洗っていると、悲鳴にも似た声が聞こえてきた。間違いない、今の声はガレットだ。
「ガレット!? どうしたの!?」
いてもたってもいられなくて、玄関に向かいドアの取っ手を引こうとした。しかし、外から引っ張られているのかドアを開けられない。
「だめ! 来ないで下さい! 私は大丈夫ですから!」
「何言ってるの! 心配するに決まってるわ!」
力の限り引っ張って、何とかドアを開けた。その瞬間、目に飛び込んできたのは料理用トングを持って威嚇の体勢を取っているガレットと仕事帰りのシトロンと。
「え……どな、た?」
そして、フード付きのローブを着ている人が一人いた。肩幅があるし長身のシトロンよりも更に背が高いので、男性だろうか。見覚えがないから、村の外で暮らしている人だとは思うが。
「エクレール、ようやく見つけた」
「どうして私の名前……って、え、この声」
まさか、まさか。聞き覚えのある声に、眠らせた記憶と感情が揺り起こされていく。
「覚えていなくとも無理はない。何せ、最後に顔を合わせたのは七年も前だ」
目の前の彼が、ゆっくりとフードを下ろす。中から現れた艶やかな黒髪は、記憶のものと相違ない。色も長さも……結んでいる紐の色も。
「エクレールを迎えに来た」
もう、この距離でお逢い出来る事はないのだと思っていた。
「俺の花嫁に相応しいのは、エクレールしかいない」
彼は、ミストラル王国王位継承権第二位の、王子様だから。
「もう一度貴族として、俺の妻として……これからを共に生きてほしい」
かつて侯爵令嬢だった私の、婚約者だったお方。
「ノワール様……」
目の前の彼と、彼のライムグリーンの瞳と、はっきり視線が合った瞬間。
私の口から、記憶の底に沈めた筈の彼の名前が零れ落ちていった。
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