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第二章 貴方からの贈り物
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「さて、どこから話したもんかな……というか、やっぱり桐鈴も女性なんだな」
「私が男に見えてましたか?」
「そういう訳ではないが……」
その他の女性を一緒くたにされたのが面白くなくて、むっとしたのを隠さずに彼に返事する。不謹慎だけども、困った表情の弦次さまが新鮮でちょっとだけ可愛らしいなんて思ってしまった。
「母上が外国の人間だって話はした事があったっけか」
「初めてお会いした時に、一言だけおっしゃっていたのを覚えております」
「そうか……それなら経緯からでいいか。母上は、大陸の使節団がこの国への貢物として贈ってきた品の一人だったんだ」
「貢物、ですか」
同じ筈の人間を物扱い。身分制度がある以上ある程度は仕方ないのかもしれないが、良い気分はしない。
「母上自身は、大陸のもっと西の方の国の出身らしい。だけど、十になるかならないかくらいの時に人売りに攫われたんだと。それで、奴隷市場に連れていかれてる最中に山賊に襲われて、必死に逃げてたどり着いたのがかの国だったらしい」
「……そうなのですね」
「逃げ込んだ村は国境沿いのとある農村だったみたいでな。いきなり金色の髪に空色の瞳を持った少女が迷い込んできたんだ。当然、村は大混乱」
「でしょうね」
「だけど、明らかに命からがら逃げてきたってのが分かるような恰好だったし、年端もいかない子供だったという事もあって、役所には引き渡さず村長の預かりになったそうだ」
その後、村長夫婦や村人たちの粘り強い努力でお母さまは言葉を覚え、意思疎通が出来るようになったらしい。他の子供と同じように食事も着る物も与えられて、幸せだったとよく語ってくれたそうだ。
「だけど、母上が年頃になった辺りで、噂を聞きつけた国の高官が母上を皇帝に献上しようとして無理やり村から連れ出そうとした。当然、母上も村の人々も抵抗したが、村のもっと幼い子供を人質にとられてしまって諦めてついていったそうだ」
「……いつの世もどこの国でも、胸糞悪い輩はいるものですね」
「本当にな。だけど、母上が育った村は野生動物や盗賊・山賊の被害に見舞われる事が時折あった地域らしくて、母上は簡単な護身術や逃走術は身に着けていたらしい。だから、隙をついて馬車から逃げ出した」
これが実際に起こった事なのだから驚きだ。天界にだってそんな数奇な運命を辿った人はそうそういないだろう。
「逃げて、逃げて、ここまでくれば追ってこられないだろうという所まで逃げたところで、とある馬車に引かれそうになった子供を間一髪で助けた。しかし、その馬車というのが、皇帝が乗っていた馬車だった」
「つまり……皇帝の進行を妨げてしまったと」
「そういう事だ。無礼者は子供諸共手打ちにしてやると言って母上と子供を従者に取り押さえさせて、剣を用意させて……殺す前に面を拝んでやろうと言って母上が被っていた布をとった瞬間、皇帝は動きを止めた」
「……見惚れてしまった、とか?」
「いや、その皇帝は母上に向かってはっきり気味が悪いと言い放ったそうだから、それはないだろう。驚いただけじゃないか……金髪青目の人間なんて見た事がなかっただろうし」
「あら。それじゃあ、どこぞの高官は上手く連れていけても手打ちになっていたかもしれませんね」
「そうかもな。明らかにかの国の国民とは違う見た目だから妖怪の類とでも思ったのかもしれない、とは母上の言葉だったか……ともかく、そんな訳で、母上は皇帝の進行妨害の罪に捕らわれ、下手に手打ちにしたら祟られるかもしれないという理由で国外追放になった」
国外追放に決まった時点で皇帝から役人に引き渡され、櫂の無い小船に乗せて海に流す予定だったのだそうだ。けれども、金の髪に青い瞳、美しい容貌を持っていた彼女をただ流すのは惜しいと思ったらしい役人は、最近交流を始めた国の帝ならば気に入るかもしれないと思って献上物の目録に彼女を加えたのだとか。
「そんな訳で、母上はこの国にやってきた。そしてそのまま、当時の帝に引き渡される予定だったんだが……」
「そこでお父さまのお出ましですか!?」
「……そうだよ」
楽しそうで何より、とぼやく様に言った弦次さまがお茶に息を吹きかけずに飲み始めたので、おやっと思って私の分の湯飲みを手に取った。なるほど、すっかり冷えている。
「父上は外交官だったんだ。その組織の中でも長をやっていて……だから、かの国の使節団の面々に一番に挨拶したのも、献上品を一番に確認したのも父上だった」
「……それなら、弦次さまは結構高位の貴族のお方ですか?」
「一応な。俺自身は殿上人まで上がる事無く琴職人になったが、兄弟は何人か帝の側近になってる。いや、俺の話はいいんだ。父上の話に戻るぞ」
完全に予想外の事実が判明して、一瞬だけ反応が遅れてしまった。そちらの方も知りたいと告げる前に、弦次さまは軌道修正して続きを話し始めてしまう。
「母上を一目見た瞬間、全身雷に打たれたような心地がしたと言っていた。まぁ、それまで碌に恋の噂がなかった父上が目録を勝手に書き換えて自宅に連れて帰ったってんだから、当時は二重の意味で大事件だっただろうな」
「二重の意味ですか?」
「ああ。まず、本来帝宛てだった存在を自分の私欲で勝手に奪って自宅に匿ったんだから罪に問われるのは当たり前だろう。そして、父上は几帳面で生真面目な性格をした仕事人間だったから……一目惚れした女性を、法を犯してでも手に入れようとしたっていう部分で世間は動揺しただろうな」
「なるほど……本来ならば、そんな事は絶対にしないような方なんですね」
「しないような人だ。だからこそ帝は、そこまでの熱い想いを抱いたというのならば彼女はお前にやろうと言って、目録改ざんの罪だけ父上に償わせ、母上はそのまま添わせてくれた」
「この国の帝は良い方だったんですね」
「良い人と言うよりは、おとぎ話が大好きな人だったからな……目の前の、まさに物語みたいな恋愛劇を見て興奮したんだろう」
若干とげがあるような言い方をしているが、先ほど着道楽の話をしていた時よりは眼差しが柔らかだ。呆れている、と言った方が正しいのかもしれない。
「そんな訳で、母上は父上の唯一の妻となった。一緒に過ごす内に母上も父上に絆されたみたいで、夫婦仲は良かったな」
「それなら何よりです。波乱万丈だったとは思いますが、最終的には愛した人と仲睦まじく過ごせたのならば……幸福だったのだろうと」
「そうだな。確かに、最期まで自分は幸せだったと嬉しそうに言っていたよ」
「!」
静かなその言葉に、湯呑を落としかけた。そうだ、彼のお母さまは、既に身罷られてこの世にはいないのだ。それなのにああまではしゃいでしまって……私は、随分失礼な態度を取っていたのではないだろうか。
「人売りに攫われた時と皇帝に剣を突き付けられた時はいよいよ終わりだと思ったそうだが、村で過ごした記憶とここでの幸せがあるから自分の人生は幸せだったと」
そう語る弦次さまは、怒ってはなさそうだけれども。でも、やっぱり失礼だったとは思うから謝るべきだろう。そう思って、彼の名前を呼んで謝罪の言葉を口にした。
「何で桐鈴が謝るんだ」
「いえ……はしゃぎ過ぎてしまったかと思いまして」
「ああ、そういう……別に気にしなくていい」
「ですけれど」
前のめりになって言うと、弦次さまが制するように手の平を向けてきた。それに押されるようにして座り直し、もう一度彼の方へ視線を向ける。
「……桐鈴が楽しそうに話を聞いてくれていたから、それで良い」
「え?」
「桐鈴の笑顔が見られて役得だったという話だ……それじゃ、明日も早いから寝るとするか」
彼の言葉の最後はほとんど聞こえていなかった。楽しそうに話を聞いてくれたからそれで良い、笑顔が見られて役得……言われた言葉が何度も脳裏を巡って、どくんどくんと心臓が跳ねていく。
「げ、弦次さま! どういう意味ですか!?」
ようやく我に返って問い正そうとした頃には時すでに遅し。弦次さまは、私の分の湯呑まで片付けて下さって、とうにお部屋に戻られた後だった。
「私が男に見えてましたか?」
「そういう訳ではないが……」
その他の女性を一緒くたにされたのが面白くなくて、むっとしたのを隠さずに彼に返事する。不謹慎だけども、困った表情の弦次さまが新鮮でちょっとだけ可愛らしいなんて思ってしまった。
「母上が外国の人間だって話はした事があったっけか」
「初めてお会いした時に、一言だけおっしゃっていたのを覚えております」
「そうか……それなら経緯からでいいか。母上は、大陸の使節団がこの国への貢物として贈ってきた品の一人だったんだ」
「貢物、ですか」
同じ筈の人間を物扱い。身分制度がある以上ある程度は仕方ないのかもしれないが、良い気分はしない。
「母上自身は、大陸のもっと西の方の国の出身らしい。だけど、十になるかならないかくらいの時に人売りに攫われたんだと。それで、奴隷市場に連れていかれてる最中に山賊に襲われて、必死に逃げてたどり着いたのがかの国だったらしい」
「……そうなのですね」
「逃げ込んだ村は国境沿いのとある農村だったみたいでな。いきなり金色の髪に空色の瞳を持った少女が迷い込んできたんだ。当然、村は大混乱」
「でしょうね」
「だけど、明らかに命からがら逃げてきたってのが分かるような恰好だったし、年端もいかない子供だったという事もあって、役所には引き渡さず村長の預かりになったそうだ」
その後、村長夫婦や村人たちの粘り強い努力でお母さまは言葉を覚え、意思疎通が出来るようになったらしい。他の子供と同じように食事も着る物も与えられて、幸せだったとよく語ってくれたそうだ。
「だけど、母上が年頃になった辺りで、噂を聞きつけた国の高官が母上を皇帝に献上しようとして無理やり村から連れ出そうとした。当然、母上も村の人々も抵抗したが、村のもっと幼い子供を人質にとられてしまって諦めてついていったそうだ」
「……いつの世もどこの国でも、胸糞悪い輩はいるものですね」
「本当にな。だけど、母上が育った村は野生動物や盗賊・山賊の被害に見舞われる事が時折あった地域らしくて、母上は簡単な護身術や逃走術は身に着けていたらしい。だから、隙をついて馬車から逃げ出した」
これが実際に起こった事なのだから驚きだ。天界にだってそんな数奇な運命を辿った人はそうそういないだろう。
「逃げて、逃げて、ここまでくれば追ってこられないだろうという所まで逃げたところで、とある馬車に引かれそうになった子供を間一髪で助けた。しかし、その馬車というのが、皇帝が乗っていた馬車だった」
「つまり……皇帝の進行を妨げてしまったと」
「そういう事だ。無礼者は子供諸共手打ちにしてやると言って母上と子供を従者に取り押さえさせて、剣を用意させて……殺す前に面を拝んでやろうと言って母上が被っていた布をとった瞬間、皇帝は動きを止めた」
「……見惚れてしまった、とか?」
「いや、その皇帝は母上に向かってはっきり気味が悪いと言い放ったそうだから、それはないだろう。驚いただけじゃないか……金髪青目の人間なんて見た事がなかっただろうし」
「あら。それじゃあ、どこぞの高官は上手く連れていけても手打ちになっていたかもしれませんね」
「そうかもな。明らかにかの国の国民とは違う見た目だから妖怪の類とでも思ったのかもしれない、とは母上の言葉だったか……ともかく、そんな訳で、母上は皇帝の進行妨害の罪に捕らわれ、下手に手打ちにしたら祟られるかもしれないという理由で国外追放になった」
国外追放に決まった時点で皇帝から役人に引き渡され、櫂の無い小船に乗せて海に流す予定だったのだそうだ。けれども、金の髪に青い瞳、美しい容貌を持っていた彼女をただ流すのは惜しいと思ったらしい役人は、最近交流を始めた国の帝ならば気に入るかもしれないと思って献上物の目録に彼女を加えたのだとか。
「そんな訳で、母上はこの国にやってきた。そしてそのまま、当時の帝に引き渡される予定だったんだが……」
「そこでお父さまのお出ましですか!?」
「……そうだよ」
楽しそうで何より、とぼやく様に言った弦次さまがお茶に息を吹きかけずに飲み始めたので、おやっと思って私の分の湯飲みを手に取った。なるほど、すっかり冷えている。
「父上は外交官だったんだ。その組織の中でも長をやっていて……だから、かの国の使節団の面々に一番に挨拶したのも、献上品を一番に確認したのも父上だった」
「……それなら、弦次さまは結構高位の貴族のお方ですか?」
「一応な。俺自身は殿上人まで上がる事無く琴職人になったが、兄弟は何人か帝の側近になってる。いや、俺の話はいいんだ。父上の話に戻るぞ」
完全に予想外の事実が判明して、一瞬だけ反応が遅れてしまった。そちらの方も知りたいと告げる前に、弦次さまは軌道修正して続きを話し始めてしまう。
「母上を一目見た瞬間、全身雷に打たれたような心地がしたと言っていた。まぁ、それまで碌に恋の噂がなかった父上が目録を勝手に書き換えて自宅に連れて帰ったってんだから、当時は二重の意味で大事件だっただろうな」
「二重の意味ですか?」
「ああ。まず、本来帝宛てだった存在を自分の私欲で勝手に奪って自宅に匿ったんだから罪に問われるのは当たり前だろう。そして、父上は几帳面で生真面目な性格をした仕事人間だったから……一目惚れした女性を、法を犯してでも手に入れようとしたっていう部分で世間は動揺しただろうな」
「なるほど……本来ならば、そんな事は絶対にしないような方なんですね」
「しないような人だ。だからこそ帝は、そこまでの熱い想いを抱いたというのならば彼女はお前にやろうと言って、目録改ざんの罪だけ父上に償わせ、母上はそのまま添わせてくれた」
「この国の帝は良い方だったんですね」
「良い人と言うよりは、おとぎ話が大好きな人だったからな……目の前の、まさに物語みたいな恋愛劇を見て興奮したんだろう」
若干とげがあるような言い方をしているが、先ほど着道楽の話をしていた時よりは眼差しが柔らかだ。呆れている、と言った方が正しいのかもしれない。
「そんな訳で、母上は父上の唯一の妻となった。一緒に過ごす内に母上も父上に絆されたみたいで、夫婦仲は良かったな」
「それなら何よりです。波乱万丈だったとは思いますが、最終的には愛した人と仲睦まじく過ごせたのならば……幸福だったのだろうと」
「そうだな。確かに、最期まで自分は幸せだったと嬉しそうに言っていたよ」
「!」
静かなその言葉に、湯呑を落としかけた。そうだ、彼のお母さまは、既に身罷られてこの世にはいないのだ。それなのにああまではしゃいでしまって……私は、随分失礼な態度を取っていたのではないだろうか。
「人売りに攫われた時と皇帝に剣を突き付けられた時はいよいよ終わりだと思ったそうだが、村で過ごした記憶とここでの幸せがあるから自分の人生は幸せだったと」
そう語る弦次さまは、怒ってはなさそうだけれども。でも、やっぱり失礼だったとは思うから謝るべきだろう。そう思って、彼の名前を呼んで謝罪の言葉を口にした。
「何で桐鈴が謝るんだ」
「いえ……はしゃぎ過ぎてしまったかと思いまして」
「ああ、そういう……別に気にしなくていい」
「ですけれど」
前のめりになって言うと、弦次さまが制するように手の平を向けてきた。それに押されるようにして座り直し、もう一度彼の方へ視線を向ける。
「……桐鈴が楽しそうに話を聞いてくれていたから、それで良い」
「え?」
「桐鈴の笑顔が見られて役得だったという話だ……それじゃ、明日も早いから寝るとするか」
彼の言葉の最後はほとんど聞こえていなかった。楽しそうに話を聞いてくれたからそれで良い、笑顔が見られて役得……言われた言葉が何度も脳裏を巡って、どくんどくんと心臓が跳ねていく。
「げ、弦次さま! どういう意味ですか!?」
ようやく我に返って問い正そうとした頃には時すでに遅し。弦次さまは、私の分の湯呑まで片付けて下さって、とうにお部屋に戻られた後だった。
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