❰完結済!❱堅物牛乳(ウシチチ)お父さんと激しくラブしたい!

蒼い色鉛筆

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じゅういちぱいめ

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1週間…待つのは長く、過ぎるのは早かった。

高橋パパと会う約束をした日曜日、蒼雨は再び電車に乗ってやって来た。
快晴で何よりですわ。心の準備は万端…ポジティブに構えよう、そうじゃないとメンタルがちっとも持たない。色々入れてきたバッグの紐をキュッと握りしめ、彼女…とお父さんの家のインターホンを鳴らす。

ピンポーン…

「………。」

ガチャッ

「………どうも。」

「こ、こんにちわ。」

うわあああ…大人怖ええええ。
2Mほどあるムキムキ巨人が玄関の扉を開けてくれたが、眉のシワは濃くメガネの眼光は鋭い。完璧に不機嫌な出迎えに蒼雨は調子に乗る余裕もなく愛想笑いでご機嫌を窺った。

「入りなさい、よつははいない。」

「あ、はい、お邪魔しまっす。」

念のため電車に乗ってる間にメールで確認したが、バッチリ友達と遊んでる最中らしい。緊張のあまり鳩のように首をスイングさせながら恐縮して蒼雨は敷居を跨いだ。

カチリ

後ろから高橋パパが鍵を閉める音がした。

1度訪問したから1階の間取りはなんとなく分かる。後ろから追いたてられずともリビングに向かい、入る前に背後から高橋パパが追い越す。ちょっと触れただけだけど胸板すっげ…ぐえっ、ゴムまり投げられたみたいな衝撃で木製の縦枠に顎をぶつけた。

「っ…。」

いてて…涙目でヒリつく顎をさすっていると、日光がフローリングに差し込むほど良いお天気だと言うのに高橋パパはカーテンを丁寧に閉めた。おっと…これで完全犯罪ですね分かります(震え声)。

「座りたまえ、お茶は温冷どちらがいい?」

「あっその、どっちでも……冷!冷お願いします!」

無言でこちらを振り返られると虎に睨まれるみたいで怖いよ~~。いかんいかん僕、ビビりすぎだぞ…!座って深呼吸、落ち着こう。なんたって弱味を握ってるのは僕だ…暴力に訴えられたら無意味だけどね。

「ありがとうございます。」

意識して、ピカピカに磨かれたグラスに注がれた麦茶をもらう時は冷静を保った。
あ、味濃いめ美味しい。冷蔵庫で冷え冷えだ。

「………。」

1番遠い席に高橋パパは腰掛ける、そこが彼の専用席なんだろうな。やたらソワソワしてるけどタバコでも吸いたいのかな?ヤニの匂い全然しなかったけどなぁ。味に出るし。

「お茶…美味しいです。」

「そうか。」

「あの、お話があるって聞いたんですけど…」

「あ、ああ。そうだな。」

意外…鉄面皮みたいな表情してたけど高橋パパも相当緊張してるみたいだ。拳を口元に当ててぎこちなく咳払いする。

「ん、ん"っ…遠方からわざわざ来てくれて感謝する。話と言うのは…2つある。君らの意思を蔑ろにして抑圧したいわけではないが、私にとってよつははまだ幼く大切な娘なんだ。分かってくれるか。」

「……はい。」

「だから…その、君のような破廉恥で不純な青年との交際に肯定出来ない、私はあの子の父親だから。」

うーん、ハッスルした僕に迫られたお父さんが言うと言葉の重みが違うね。やり過ぎたと今さら後悔…後悔はしてないな、最高だった。

「君も、人様の大事なご子息だから頭ごなしに否定したくない。その、テクニシャンであることは認めるがーーー」

「大事?ハッ、僕が大事なご子息だって?あいつらはーーー僕なんてどうでもいい!何も知らないくせに大人だからって偉そうに建前建てないでくださいよ!!」

はっ…つい大きな声で怒鳴ってしまった。
全て言い切ってから大後悔。息を荒くして席を立ち、歯を食い縛っても高橋パパは涼しい顔していた。これが大人の余裕……。ただ、申し訳なさそうに頭を軽く下げた。

「そうだな、事情も知らず失礼した。これは君自身の問題だったな。」

「……いえ、すみません大きな声出して。」

「ーーーーーーいや、なんでもない。」

何かを言いかけたのか高橋パパは口をつぐんだ。
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