3 / 24
さんぱいめ
しおりを挟む
「えええ!?」
完全に油断してた…!
土曜日の午後、コンビニの買い物袋を腕にかけた蒼雨はスマホの画面に鼻がつくくらいくっつけて、驚きのあまりコンビニの出入り口で大きな声を出してしまった。
知らない人の視線がチクチク痛くてハッと口を手で塞ぎ、歩きながらもう一度メールの内容を確認した。メールの相手は高橋さんで、明日のご飯について話してたとこだった。今まで付き合ってた人とちゃんとご飯行ったこともないから僕はすっかり浮かれていた。
『明日はどこ行くの?高橋さんのオススメなら楽しみだな!』というメールに対して高橋さんは申し訳なさそうに『ごめんね、外食期待してた?ウチの家で食べない?って誘ってたんだ!』と返事した。ああ、昨日のメールは間違ってなかったんだ、僕の勘違いかとそこまでは良かった。
しかし初デート初お家となれば初合体!?大胆過ぎる、高橋さんらしからぬと気になって二人きり?と確認のメールに対して今返って来たメールが『ううん、お父さんがいるよ!』だった。
マジか…マジか~~~~っ!
初手親は重すぎる!!!
多分高橋さんには全く打算的な考えはない。純粋に食事の準備を楽しんでる、明日のメニューの練習してる!って写真送ってくれたし…!断りづらい…逃げ道ないの苦しい…!なんとかやんわり…流れるようにしよう。これは明日、大変な日になりそうだ。
コンビニから帰宅して弁当を食べて、一晩熟考した結果…蒼雨は『一緒に食事しない』選択肢を取った。
しかし、突然風邪を引いたなんて嘘はあからさま過ぎる。昨日まで楽しみだ!なんて言ってたくせに高橋さんをがっかりさせてしまう。
だからルートはこうだ、まず普通に彼女の家に行く。そして親にも挨拶…するかもしれない、出来ればそうなる前に「具合が悪くなってきた」と演技をして帰る。メールよりもよっぽど真実味がある。それだけの演技、僕にこなせればの話だけど。そして月曜日、大げさに彼女に謝罪しよう。且つ、今後一切家にお呼ばれはしない。せめて外出しよう!家は無理!!!ふ、ふ、ふ…完璧。これが正しい選択かどうか僕には分からないけれど、彼女には不幸を感じさせたくない。
「げっ…」
ふと鏡を見ると寝不足でヒドイ顔してる。
これだけで病人の説得力あるが、病院に連れてかれそうだ。
まだ時間はあるし二時間仮眠すれば十分だろう。
親に会っても大丈夫な服装を選んで、いつものバッグを用意してタイマーセットして…寝る。
後はなるようになるさ…グゥ。
完全に油断してた…!
土曜日の午後、コンビニの買い物袋を腕にかけた蒼雨はスマホの画面に鼻がつくくらいくっつけて、驚きのあまりコンビニの出入り口で大きな声を出してしまった。
知らない人の視線がチクチク痛くてハッと口を手で塞ぎ、歩きながらもう一度メールの内容を確認した。メールの相手は高橋さんで、明日のご飯について話してたとこだった。今まで付き合ってた人とちゃんとご飯行ったこともないから僕はすっかり浮かれていた。
『明日はどこ行くの?高橋さんのオススメなら楽しみだな!』というメールに対して高橋さんは申し訳なさそうに『ごめんね、外食期待してた?ウチの家で食べない?って誘ってたんだ!』と返事した。ああ、昨日のメールは間違ってなかったんだ、僕の勘違いかとそこまでは良かった。
しかし初デート初お家となれば初合体!?大胆過ぎる、高橋さんらしからぬと気になって二人きり?と確認のメールに対して今返って来たメールが『ううん、お父さんがいるよ!』だった。
マジか…マジか~~~~っ!
初手親は重すぎる!!!
多分高橋さんには全く打算的な考えはない。純粋に食事の準備を楽しんでる、明日のメニューの練習してる!って写真送ってくれたし…!断りづらい…逃げ道ないの苦しい…!なんとかやんわり…流れるようにしよう。これは明日、大変な日になりそうだ。
コンビニから帰宅して弁当を食べて、一晩熟考した結果…蒼雨は『一緒に食事しない』選択肢を取った。
しかし、突然風邪を引いたなんて嘘はあからさま過ぎる。昨日まで楽しみだ!なんて言ってたくせに高橋さんをがっかりさせてしまう。
だからルートはこうだ、まず普通に彼女の家に行く。そして親にも挨拶…するかもしれない、出来ればそうなる前に「具合が悪くなってきた」と演技をして帰る。メールよりもよっぽど真実味がある。それだけの演技、僕にこなせればの話だけど。そして月曜日、大げさに彼女に謝罪しよう。且つ、今後一切家にお呼ばれはしない。せめて外出しよう!家は無理!!!ふ、ふ、ふ…完璧。これが正しい選択かどうか僕には分からないけれど、彼女には不幸を感じさせたくない。
「げっ…」
ふと鏡を見ると寝不足でヒドイ顔してる。
これだけで病人の説得力あるが、病院に連れてかれそうだ。
まだ時間はあるし二時間仮眠すれば十分だろう。
親に会っても大丈夫な服装を選んで、いつものバッグを用意してタイマーセットして…寝る。
後はなるようになるさ…グゥ。
1
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
龍神様の神使
石動なつめ
BL
顔にある花の痣のせいで、忌み子として疎まれて育った雪花は、ある日父から龍神の生贄となるように命じられる。
しかし当の龍神は雪花を喰らおうとせず「うちで働け」と連れ帰ってくれる事となった。
そこで雪花は彼の神使である蛇の妖・立待と出会う。彼から優しく接される内に雪花の心の傷は癒えて行き、お互いにだんだんと惹かれ合うのだが――。
※少々際どいかな、という内容・描写のある話につきましては、タイトルに「*」をつけております。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる