こいちゃ![R-18]

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③本編↓未工事(すごいえちえち)背後注意でお楽しみください。

醒めたくない酔い 後編 燃夏視点

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燃夏モカは車の中で由海広ユミヒロを待っていた。

底冷えするような寒空で、飲み会仕事をする
彼が風邪を引かないか…身を案じていたら
かれこれ一時間経過した。

すきま風で冷えるコートの喉元を
ぎゅっと締めて、運転席を少し後ろに倒す。

それでも繁華街を歩く他人の中から
由海広の姿が見えないか、
視線は頻繁に外を向いた。

車は海さんが言ってた店の裏側駐車場の
外が見える場所にビタッと停めてある。

「海さん…まだかなぁ…。」

艶っぽいため息をつく。

夜のほうは一週間のご無沙汰だ。
仕事が忙しい時期はたまにある。

セックスしたいだけではない。
大好きな人に触れたい。
抱きしめて沢山、キスをしたい。

射精してすっきりするだけじゃない。
望むように、望まれるように愛したい。

そんな欲求、前は感じたことなかった。
だからどうやって制御するのが
正解かまだ分からない。

今朝はあまりにもガキっぽいことをした。

足元にすがりついて駄々こねて
「行かないで」なんて情けない…。

普段なら自分黒歴史確定だ。

でも、海さんだから…海さんは…
「好きな人に独り占めされるのは嬉しい」
なんて言ってくれるから、また好きになる。

「……っ。」

胸が愛しさに甘く
キューっと締めつけられる。
ついでに素直な体は正直な反応をしている。

ダメダメ、今夜はまだダメだ。
連日の飲み会で年上の恋人は疲れてる。

求めればその優しさで
応じてくれるかもしれない。
だけど当然、無理はさせたくないんだ。

返事待ちのムスコを叱りつけて鎮める。

それこそ海さんから誘われない限り…
いやいや、都合よく考えすぎだ。

例え酒に酔った海さんの紅く色づいた頬や
艶々に濡れた瞳や浅く早い呼吸を
目の前にしても一週間耐えてきたんだ。

「ぐ……、」

思い出したら爆発しそう。
自爆しかけて焦りつつ、身を屈める。

「………。」

せ、せーふ…。
思春期のガキじゃないんだから…でも…
海さん、早く帰って来ないかな…。
明日は沢山、性的にサービスしたいな…。

少しずつ暗くなる繁華街を
そわそわしながら見上げた。





暖房をつけても心が寒い。
海さんのかわいい姿や破廉恥な姿を
想像して少しでも慰める。

ハンドルに寄りかかり体重をかけて、
ちょっとした油断で眠りそうだ…。

いや、俺は起きるぞ。
海さんを迎えに来たんだから。

瞬きを速めて覚醒を促す。
紅く冷たくなった鼻先を指で摘まむ。

見飽きたけど窓から外でも見よ…

コンコンコン

「!」

急いで体を起こしてノックされた窓を見る。
窓の外から海さんがニコニコ手を振った。

「お、お帰りなさい海さんっ!」

親が迎えにきた幼児並みにはしゃいで
ドアのロックを外し、助手席を空けた。

「ありがとう、ふふ、ただいまモカくん」

外の冷たい空気や知らないタバコの匂い、
自宅とは雰囲気が違うけど、
穏やかな笑顔は確かに海さんのものだ。

鈴のようにコロコロ笑う姿が可愛い。
ほんのり色づいた頬もやはりセクシー。

「………っ、」

見とれすぎないうちに誤魔化すように
シートベルトを締めた。

「ありがと、それじゃ家に帰ろっか。」

「はい、そうですね。」

同棲しててよかった…!
同じ家に帰れるなんてそれだけで幸せだ。

車のナビを設定する。時間は深夜一時。
帰りは二時頃か…小一時間はあるな。

道案内をチラ見して慣れたハンドルを操る。
暗闇も嫌いだけどうるさい繁華街も苦手だ。
寄り道はせず、とっとと抜け出す。

少ししてシートを倒した彼は伸びをした。

「ふーー…ふふ、暖かい…。」

お酒を飲んだ海さんはちょっと笑い上戸。
無邪気に笑う姿がかわいすぎる。

「お疲れ様でした…。
おっさんに迫られたりしませんでした?」

運転から気をそらさないように
注意して声をかけた。
色っぽい海さんがセクハラされなかったかは
運転の安全と同じくらい大事なことだ。

「ふふ、ふっ相手もそうだけど
私もおじさんだよ?若い子達は
それぞれはしゃいでたけどさ、
おじさんたちは隅っこでビール飲みながら
いつも通り仕事の話。」

それを聞いて心底ホッとする。

「息の詰まる会議室よりさ、
たまにはアルコールに手伝ってもらうと
話が進むんだよ。退屈な話だったけど
いつもよりは楽しかったよ。」

「それなら良かったです。
でも海さん、あまりお酒強くないんだから
無理しないでくださいね?」

「ん、ありがとう。大丈夫、
ビール三杯じゃまだ酔わないよ。」

四杯目でへべれけになる人がよく言うよ…

それに酔いが回ってきたのか
話ぶりは普段と変わらないけど、
さっきより顔が紅いようだ。

多弁な海さんもかわいいけど、
くったりとシートにもたれて…眠いのかな。

「………。」

予感的中。
ぽつりぽつりと続いていた会話が途絶えた。
静かになった隣を見ると
彼はすやすや眠っている。

信号待ちでコートを脱いで、
胸元にしっかり被せた。

よし、もうしばらく眠らせてあげよう。

疲れてるのに話に付き合ってくれたと
思うと嬉しい。

しかしいつまでも固いシートに
座らせるのは可哀想だ。

早く温かい布団に寝かせてあげよう。

安全運転第一で真っ暗な夜の公道を走る。




「海さん、海さん。」

「ん、ん…。」

深夜二時。
ようやく自宅のマンションの
駐車場まで帰ってきた。

しかしエンジンを切っても
酔いで顔を真っ赤にした海さんが
中々起きない。

当然車内には置いていけない。
抱っこかおんぶで連れていこうかな?

「海さん、俺が運びますよ。」

「ん~ん…モ…カくん…?」

「はい、俺です。助手席に回りますね…」

運転席を降りようとしたその時

「ん……」

「っっ!」

引き留めるように
海さんが背中にしがみつく。

「う、海さん…?」

慌てて運転席を締めた。

灯りがぽつんとあるが深夜のおかげで
駐車場には誰もいなかった。

「海さん、海さん家に着きましたよ。
ふかふかの布団で寝ましょう?」

器用に体をひねって彼の頭を撫でる。
しかし彼はさっきより強く抱きついた。

「もかくん…すき♡」

「なっ…!?」

動揺してる間にシャツの上に
ちゅ、ちゅと軽いキスを落とされる。
畜生シャツめ!唇でキスしたいのに!

「すき♡もかくん大好き…♡
一週間寂しかった…ねぇ、抱いてくれる?」

「な、な…そんなっ…ダ…!」

理性をガツンと殴られたように目が眩む。

僅かに残った良心が彼を休ませたいと
警告したのだが…

「……だめ?」

「~~~いいですよっ…!」

うるうるした瞳で小首を傾げられ、落ちた。

こんなに積極的に好き好き
言われることはそうそうない。

いつもは恥ずかしそうに小声で言うくせに
こんな…!えろい海さんを差し出されて
我慢できるわけない。不可能だ。

「やった…♡やったぁ、ふふ♡
もかくん、すき…♡すきだよ♡」

「ううぅずるい…。」

たった二文字で俺を限界まで
追い詰める海さん、すごくずるい。

「でもすき?♡」

「…でも好きです。」

イタズラっぽく聞かれて、素直に答える。

今だけ心を鬼にして抱擁を振りほどいて
運転席を降りて、車の正面を通り
助手席へ回る。

「はい、海さん抱っこしますから
降りてください。」

「はーい♡」

楽しそうにハグされた。
落とさないように抱きしめ、車を閉めた。

今さらだけど勃起したら歩けなくなるな…
そんな心配するのは抱っこした海さんが
額に何度もキスをするから。

「んーっ、ん、もかくん、すき…♡」

あと少し、あと少しだから…

本能のままに襲いたい自分を
ギリギリの所で引き止める。

あと少しと言い聞かせることで自分を慰め、
一歩一歩地面を踏みしめて歩く。

「く、く…っ!ぐぬぬ…!」

絶対…手ぇ抜かないからな…。

対抗心というか、闘争心を燃やして
自宅の部屋へ向かう。







つづきます→
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