こいちゃ![R-18]

蒼い色鉛筆

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③本編↓未工事(すごいえちえち)背後注意でお楽しみください。

短編 ○○の日 ※11月1日

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※最後にイラストあります。

空模様はよろしくない。

曇天の灰色の空が果てしなく続いて、
氷の粒のような雨も朝からずっと
降り続けている。

せっかくの休日が台無しだ…
ということにはならない。

由海広ユミヒロは恋人の燃夏モカ
ソファーに座って、二人で毛布に
くるまっている。

特別寒いほどではないけれど、
背中側から抱っこしてもらうと
これ以上ないくらい暖かい…。

少し強く抱きしめられるだけで
より近くに鼓動を感じるし、
モカくんの高めの体温の温もりも感じる…

ニュースは流しているが、
雨音がちゃんと聞こえる程、音は小さい。

ぼんやりテレビを眺めながら
休日の朝を過ごしている…。

それだけなのに…こんなに身近に幸せが
あると再確認して、心まで温かい。

ジャスミン茶を注いだカップの湯気から
自然いっぱいの花の香りを堪能する。

コップの縁が熱い…。
ちょっとお湯を沸かしすぎたかな。

「…ふぅ、ふぅ…。」

縁から細く吐息を吹きかけて紅茶を冷ます。

背後のモカくんがビクッと揺れて
反応したので、寝ていたかもしれない。

「あ、モカくん、起こしちゃった?」

一応小声で確認してみた。

「………ねてないれす…。」

呂律回ってない…。
滑舌はまだ夢の中のようだ。

甘えるように腰回りをぎゅっとされる。

「お茶…。飲んでれ…?…るんれすか…。」

「うん。ジャスミン茶。飲む?」

「…お茶、熱いんれすか…?」

会話が通じてないけど、
寝ぼけた様子がかわいいので
そのまま続けた。

「ちょっと熱すぎるみたい。
でもふーふーしたらすぐ冷めるから。」

「………お手伝いします…。」

ちょっと起きてきたかな?
背後からカップに向かって、
彼もお茶を冷ましてくれるけど…。

「も、モカくん…その…。」

伝えようとした言葉を遮られた。

「…海さん今日は何の日か知ってますか?」

キランッ!
鋭い眼光がそんな音を立てた気がする。

その質問、昨日の夜から待ってました…!

「今日は正解するよ。今日は紅茶の日!」

「正解れす…。」

「ひゃっ…!こ、こら…。
正解したら首噛まないの…。」

甘噛みがくすぐったい…!

眉を寄せて身をよじるけど、
立ち上がることはしない。

「ふふふ、モカくんの記念日クイズで
興味持ってね、まず紅茶の日を調べたから
予習はばっちりだよ…!」

誇らしげに顎ひげに指を当て、
得意な顔で決めポーズ。

「んんん…。ふぅ、ふぅ…。」

寝ぼけた彼が再び、思い出したように
口をすぼめて吐息を吹きかける。

「ん、ん、ふっ…。あ、あのね…、
モカくん、吐息がカップまで届いてなくて
首筋に触れて…っ、く、くすぐったいの…」

「…わざとだって言ったら…怒りますか?」

「んんん……。」

薄々感づいていたから怒ることはない…。
だけどむず痒さが、だんだんムラムラに
変換されてしまって…。

どうしよう、昨日もたくさんしたのに…
またおねだりするのはちょっと…
…恥ずかしい。

無意識に、足の間をモジモジさせてしまう。

「ひ♡…ぅ、う…っ♡」

首筋に口付けられると…
もう、我慢出来ない…!

喉を鳴らして、覚悟を決めた。

「モカくん…っ、その…!」

「…………ぐぅ…。」

「…………。」

首を精一杯動かして後ろを見た。
完全に寝てる。

「………。」

ゆっくり正面を向いて、茶葉の香る
丁度いい温度の紅茶をカップの縁から
そっとすする。

うん、美味しい。

無の境地でそれだけを感じていた。

明日…容赦しないからね…。

由海広の闘争心のようなものが…
毛布の中で小さな火花として散った。


※心眼で毛布が掛かっていると思って下さい

明日に続くと思います
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