こいちゃ![R-18]

蒼い色鉛筆

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③本編↓未工事(すごいえちえち)背後注意でお楽しみください。

どうも、鷹橋です。 前編

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ワタシは鷹橋タカハシ音無ネム、28歳。
容姿端麗な知的美人。
とある会社の受付け嬢を勤めているわ。

趣味は写真撮影と甘いお菓子の撮影。
あと血統書付きの愛犬のお散歩かしら。

家はよくわからないけどお金持ちみたい。

生まれたときから何不自由なく
暮らしてるからちょっと
感覚麻痺してるみたい。
ワタシって変わってる?

鷹橋家の信条は「鷹のように気高くあれ。
そして凡人に爪を見せることなかれ」
ワタシは特に才能があるみたい。

本当はキャリアウーマンとして
ばりばりに働くはずが、
こんな馬鹿しかいない所にいるのは、
会社がワタシの実力を計れてないだけ。

そうお父様は言ってくださるわ。

お金に困ってないから楽できるなら
どこでもいいけど。
それに、ワタシの見た目偏差値を
みる能力くらいはあって助かるわ。

色んな男を虜にしてきたけど、
どの男もつまらないの。
顔が綺麗な男ばかりと付き合って、
正直退屈なの。

最近、面白いオモチャを見つけた。

ーー部署の優沢ユサワ由海広ユミヒロ…。

おっさんに興味なんてないけど、
女嫌いで有名らしい。

そんな下等な男もワタシの魅力で
堕としてしまうのが楽しみ♡

ワタシにぴったりの真っ赤なルージュを
きつく塗る。

さて。暇潰しゲームスタート♡






その日、由海広は
普段来ない社員食堂にやってきていた。
「受付の鷹橋さんが用事がある」
部下から部下へ人伝いに
知らされたのはそれだけ。

お昼はデスクで済ませてしまうので、
たまにはいいと思った。

鷹橋さんがどんな人か分からないけど、
のんびり無料の緑茶を楽しむ。

お茶を味わっていると…
ふと背後から呼ばれた。

「…ご機嫌よう、由海広さん。」


「…っ!!」

ぞわっ、と背中が粟立つ。
ねっとりした高い声。
背中に手を置かれている。
鷹橋さんは、女性だったのか…。

由海広は気遣いすぎる性格、
過去のトラウマ故に女性相手には
ひどくしまう。

決して毛嫌いしている訳ではなく、
言い表せない恐怖に焦っている。

そんな自分にひどく劣等感を持っていた。

同性の恋人の燃夏モカくんと過ごす
ようになってから、少しは落ち着いて
話せるようになったと思う。

余裕だ、余裕を持て。
自分の頭に命令する。

これも仕事で自分は大人だ。

相手に失礼のないように、
迷惑をかけないように。

大丈夫、きっとできる。

僅かな時間で色んなことを考えてしまう。

「……こんにちわ。」

方言に喋りなれた人が標準語を
使うようにゆっくりと、話す。

いい感じだ、どもってない。
心臓は恐怖でバクバクだ。

振り返ると女性はニコニコ笑っている。

得体の知れない恐怖

今まで浴びてきた嫌悪の眼差し

口を開けば嫌われてしまう

だめだ、今はそんなこと考えてはいけない

相手は大人だ、失礼になる。ーー

一瞬で全てが体の内側を駆け巡る。
挨拶一つさえ由海広には重労働だ。

女性はにっこり笑顔を見せた。

「素敵な人ですね、お時間ありますか?」

丁寧な口調で話しかけられる。
小柄で黒髪の長い、
30代くらいの女性だろうか?

お化粧と紅く輝く宝石が印象的だ。

「…、あ、あの…、あの、私…、わたし」

「はい?」

「っ…っ、…!」

鋭い返事に心臓がびくっとした。

怖い、怖くてたまらない。
視線が、声が、感情がこわい。

昔の由海広なら恐怖で逃げ出した。

今は…今は違う。
逃げるな、立ち向かうんだ。

真っ暗で冷たくて鋭い壁を
目の前にして深呼吸をした。

「私…、話すの、…苦手なんです。」

口パクで読み取れるくらいゆっくり話す。
それだけで全身の汗腺から汗が噴きだす。
迷惑を掛けたと申し訳ない気持ちで
いっぱいになってしまう。

「あら、外国育ちなのですか?
私もロンドン、パリに数年……」


「ち、ちが…、ちがくて…」

今の日本語変だったか?
気を悪くされてないか?
ぐるぐるぐるぐる、頭が回る。

燃夏と過ごして忘れがちだが、
由海広は元々こういう人間だ。

「女性と、話すの…苦手な…」

「ここではなんですわ。
あちらで食事をしませんか?」

話を遮られ、腕を引かれる。

「あ、あ…っ、…」

二人がけの空席に座らされ、
向かいに鷹橋が座る。

「…っ、……、っ…!」

張りぼての感情で自分を取り繕おうと
するも、根本的なトラウマから
抜けられない。

由海広は冷や汗をたっぷりかいて、
人形のように椅子の上で固まった。

「初めまして、ワタシ鷹橋音無です。
こうしてお会いするのは初めてですわね。
由海広さん。」

「そ…ですね、ご用…件…は?」

寛ぐ女と縮こまる男。
周囲の人間の目線からは異質だろう。

「もっと楽に話していいんですよ?
ご用件だなんて堅苦しい。」

「私は…、その、話すのが…苦手で…」

「ワタシだって苦労してますわ。
ところで、ご結婚はされてるんですか?」

「い、いえ…。」

判断力が鈍り聞かれたことに
答えるだけで、必死になる。

「そうなんですか、それじゃ今は
独身ですか?ワタシがお世話して
あげますよ。」

胸元のボタンを外してささやかな
胸を強調した鷹橋だが、
由海広にそれを見る余裕なんてない。

「い、いえ…、恋、人がいますから…」

「あら、そちらの家柄は?経歴は?
見た目は?男性経験は?経済力は?
どうせ大したことないんでしょ?
ワタシの申し出を断るんですか?」

憤怒の表情で捲し立てられると
混乱で手足が冷え、痺れる。

「いまの、…恋人が…すきなんです…」

「はあっ?冗談はおよしになって?
どこの財閥に所属してますか?失礼ですが
ワタシが鷹橋とご存知で?」

相手を知っていれば
由海広は来なかっただろう…。

眼球がぷるぷる震える。
考えまいと思っていたが、燃夏くんに
助けを求めたくてたまらない。

「お付き合いなら、…できません。
すみません…、恋人が、いるんです…。」

ガンッ!

「…ひぅっ!」

鷹橋が不機嫌に椅子の足を蹴った。

由海広は縮こまりながら、
10センチ程その場で飛び上がった。

「気分が悪いですわ、謝ってワタシの
心の傷が癒されると思ってるんですか?
告白したワタシの立場は?
周囲の評価は?それを少しでも考えて
お話されてます?分かります?」

「…すみません、無理です…、」

「何よ、何よ、何よ女嫌いの中年が…
ワタシを?このワタシを?ぶつぶつ…」

由海広に聞こえない声で鷹橋が早口で呟く。
真っ赤なネイルをした爪の端を
ぎりりと噛み続ける。

「あっ。」

そして、自分がすっきりする
「延長戦」を考え出した。

人の邪魔をする思考回路は早い。

「素敵な」笑顔を向けた。

「つきまといますわ、ワタシと
付き合うと約束するまで。」

「……っ!?…!」

由海広は汗だくになりながら、
両目を見開いて、相手の言葉を疑った。



ーーーーーーーーーー
ご注意
(必読)

※新章はストーカー行為をするキャラが
登場します。
作者は犯罪行為の助長や促し、公認を
しているわけではありません、
一つのお話としてご覧下さい

※また、性差別的な発言、同性愛の
否定のような表現もあります。
お話として表現しておりますが、
作者は愛の形や性別に差別はないです。
あくまでお話として、の表現になります。

※このお話はフィクションです。
実在する名前、団体とは全く
関係ありません。

気軽に読んで頂くことが最大の喜びです。






つづきます→
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