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♯6

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「ねぇ…どうして私の下着の色を知っていたの?」

「………っ!」

…むっ。
むりむりかたつむり真実なんて言えない。
昨日鏡で見たから知ってるなんて言えぬ。
ヤバい、緊張で吐きそう。干からびる勢いで全身の汗腺から汗が吹き出し、シャツや下着をビッショビショにした。
しかしこんなこともあろうかと俺は事前に偽りの回答を考えていた!気だるげに自分の首の後ろに手を回し、掻くふりをする。

「別に、標準的女性が好む下着の色の統計を雑誌で読んだことがあって、別に興味があった訳じゃないんだけど、別に友達から本を借りてただけなんだけど、それらを統合してフンアァッ…したらそう思っただけ。ははっ、あんなことで今年の運、全部使いきっちゃったな、当てずっぽうだったのに。」

「嘘だぁ。」

俺の完璧な理論(一部誤魔化し)は美少女のたった3文字で論破された。ハイ嘘です。
馬鹿な…何故見破られたし…しかし可愛い。例え彼女の顔に子供の落書きのお面が付けられていたって彼女は美少女だろう。
美少女とは、そういうものなのだろう。
それは良いけど汗が止まらなくて臭くなってきた。まだ漏らしてはないぞ。
隆一が答えを言い淀んでいると、答えを待ってムッと口を尖らせていた君子は、弾けるようにフッと笑った。

「いーよ、言いたくないなら無理に聞かない。それより、助けてくれてありがと。」

「いや…逆に下着の色なんて当てちゃって気持ち悪い思いさせてごめん。」

遅い自己嫌悪。しかし彼女は許した。

「んーん、助けてくれたんだし、全部チャラ!どうする?デート…する?」

「うぶっヴぅばっびびぶっ」

ゾンビみたいな奇声出た。やっとのことで頭を左右に振ることで精一杯だった。
こんな美女の隣になんて立てない!

「りょーかい♪お礼を求めないなんて、君変わってるね。ええと…アオザメくんだっけ?ウソウソ、アキサメくんだよね♪」

長髪を耳にかけて、媚びずに笑う彼女。
何もしなくても可愛いのにお茶目心忘れないとか美少女過ぎるだろ…好き…好きっ!
まあまあでも、こんな醜い気持ちを知ることなく彼女は大変な1日を終える。
竹を割ったような性格の彼女のことだ、寝て朝になれば嫌な出来事含め、俺の名前だって忘れるだろう。

「えへへ…こんなとこ連れ出してごめんね、昔から屋上が好きだったから気持ちスッキリしたくて気づいたらここに来ちゃったよ。寒いでしょ?もうデートしたフリして、一緒に教室に戻ってくれる?」

「う、うん。」

まともな言葉が喋れて安心した。
最後に彼女は気になることを言った。

「あーあ疲れたぁ。今日は8時くらいにお風呂に入ろうかなぁ?」
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