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2章 帝国
第43話 上級呪術師の初仕事
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何週間もかかると思ってた留学資金は、あっけなく調達出来たし、お仕事をする為災害地域に来てみた。
領主はポチにのって感動してたけど、私達は感動する余裕なんてない、酷いありさまなんだもの。
土石流で家が飲み込まれた跡が、災害の凄まじさを物語ってた。
復興作業中って聞いてたけど、とても人が住める状態じゃないって事が、見ただけで分かるレベルだ。
今でも黒い煙が上がってて、このままじゃ隣村も飲み込まれそうな勢いだった。
怪我人は何処か聞いたら、隣村の治療院に連れてったけど、溢れかえってて大変だって言ってる。
疫病も出始めたんだって、いったい何をしたらそこまで呪われるんだ?
取り合えずこっちを先に祓わないと、次の噴火で隣村が巻き込まれちゃいそう。
私は急いで、呪詛破りの呪印を結んだよ。
「東の青龍 西の白虎 南の朱雀 北の玄武
水を操り・風を纏い・炎を滾らせ・大地を揺らし。遺憾、その在り方を、討ち破れ」
ウゲッ!
ゴッソリ魔力持ってかれた…
眩暈して来た、倒れる前にポチから魔力を分けて貰ったよ、危なかった~
「この呪詛、複数で掛けてたの?嘘でしょ…」
「大丈夫?」
クレアが心配そうに、私の顔を覗き込んでる。
「ありがと、平気」
活火山全体から、黒い靄が浮かび上がって来た。
そして空が、一瞬で真っ黒に染まってく。
あの黒い靄が呪詛なんだけど、一般人には見えないんだよね。
ほっとけば自然に霧散してくけど、時間掛かりそうだし、気になったからポチに吸い取って貰った。
何かの実験で、使ってみるかな?
呪詛が消えた後、噴火活動も止まったんだけど、突然立ってられない程の大きな地震が起きた。
直ぐに治まったけど、ビックリした~、まだ心臓がドキドキしてるよ。
「いや~素晴らしい!流石上級呪術師様は格が違いますね、あの火山が一瞬で収まるとは…なんと、お礼を言ったら良いか…グスン」
「ホッホッホ」じゃなくなった。
「あ、泣かないでください。今の地震で被害が出てると思うので、確認させて下さい」
患者は気になるけど、地震の被害状況のが先だよね?
領主様は暢気に、鼻をチーンっとかんだ。
「あの程度の地震では、問題ありません。建物も地震対策をしておりますし、領民も慣れておりますから、心配はいりません。ホッホッホ」
そうなんだ…領地によって違うのね。
うちは雪害対策をしてるから、似た様な感じなのかも?
「分かりました、では患者を診に行きましょう」
隣村に来たけど、火山より瘴気が酷いな。
上から見ただけで真っ黒だわ、呪詛師は同じ奴等だ、疫病と二重に掛けられたって事?
領主に心当たりが無いか聞いてみたけど、思い当たる事ばかりで特定出来ないって。
どんだけ恨み買ってんだよ、この人大丈夫なんか?
「商人は、恨みを買うのも仕事ですからな。ホッホッホ」
「そうなんだ…」
いろいろ大変なのね。
取り合えず領主はポチから下りないように、上で待ってて貰う事にした、病気移ったら面倒臭いからね。
疫病に関しては、祓ったところで治療しなきゃ治らないのよ。
これだから呪詛師って、厄介なんだよね~
見た感じ、医術師が圧倒的に足りて無いわ。
ここはクレア一人じゃ大変だから、問答無用でルーク叔父様とミラ伯母様を、転移で迎えに行って連れて来た。
上級免許取得者は、助手を連れて歩けるのだ。
二人は私達の師匠だけど、助手としても登録したから、一緒に居る時は医療行為が許されるのである。
「これは酷いな…村人がほぼ全滅じゃないか」
「持って来た薬剤で足りるかな?」
早速、診察してくれてる、頼もしいぞ。
皆に任せて、私は呪術師としての役割を果たすよ。
先ずは呪詛を祓った。
あっちより酷い瘴気だったけど、頑張ったよ。
私には、ポチと言う強い味方が付いてるからね、魔力を分けてくれるのはありがたい。
次に、病原菌は、元から正さなきゃね!
成功するかは、運次第。
「森羅万象この世界に干渉する者たちに告ぐ。我が魔力を対価に、その偉大なる力を、貸し与えよ!『開け、土の門』 自然の理に背き、嘲りし物。真理を暴き、その姿を顕せ!『土蛍』」
蛍達が反応してくれた!
「行って来る!」
「頑張って」
祓った呪詛が何処に帰るのか、分かるようにはなってないよ。
追跡範囲外に居る呪詛師を見つける事も、不可能。
ただね、思いついちゃったの!
土蛍に、祓った呪詛を追いかけさせれば、いいんじゃないかって。
私って天才。フフン(ドヤ顔)
で、追いかけて来たわけなんだけど…
やっぱ呪詛師って、弟子を持ってたのね、沢山いてビビったわ。
そして祓われると思ってなかったみたいでさ、皆仲良く疫病にかかってたよ。
しかも倍返しだかんね、これはきっついぞ~
私の存在に気付いたみたいだけど、遅かったね情けをかけるつもりはないのよ。
ちょ~っと付き合ってもらうだけ、こんな機会滅多にないもん。
利用出来る物は、利用する主義なのだ。
呪詛師達を、ポチの中にご招待するよ。
情報を提供してもらったけど、こいつら全員、西の国とは関係なかった。
でも変異種の呪詛に関しては、まだまだ不明な所が多かったからさ、実験台になって貰ったよ。
どうやったら魔物にされた人を、元に戻せるのか?
そう来たか、何処までも反吐が出る。
戻す方法は一つしか分からなかった、しかも、使えるかは…謎だな。
誰か一緒に考えてくれる人が居たら、もっとまともな戻し方が分かったかもしんない。
溜息出ちゃう、幸せ逃げちゃう…
私は呪印を結ぶ。
「夢の内 絶望の内 光の内 闇の内
理想を見て現実を知り、朝日を浴びて月夜に眠る。実相、忘却の彼方へ、緘黙せよ」
呪詛師達から、ここでの記憶や、痕跡を全て消したよ。
消滅の呪印は禁術だから、現実世界で使うと呪詛師になっちゃう。
でもここはポチの中だから、禁術でも使いたい放題なのよ。フフン(ドヤ顔)
ポチの中から出た私は、疫病で苦しんでる呪詛師達に、残酷な言葉を投げかける。
「早速だけど全員もれなく捕まえたいから、大人しく土偶の中に入ってね♪知ってるよね?呪詛師ってさ、捕まったらどうなるか」
具合悪いせいなのか、今後の運命を、悟ったからなのか?
青褪めた顔してたけど、そんな事はどうでもいい。
「時の狭間に落ちた 忘れ去られし神の異物 光無き世界で祈りを捧げよ!『土偶』」
私は、不敵な笑みを浮かべて「バイバ~イ」って、手を振ってあげた。
あんた達は忘れてるけど、ポチの中よりはずっとマシだと思うから、頑張って長生きしてね。
心の中でエールを送り、さっそく繋いだばっかの王弟の宝物庫に送ったよ、ちゃんと注意書き付き。
【シュッド子爵の領地に、呪詛をかけた集団を発見したので、捕まえました。呪詛返しで、全員疫病にかかってるから、気を付けてください】これで良し!
宝物庫は一方通行だからね、返品不可なのだよ。
人が送られて来るとは、思ってなかったよね。
私だって送る予定はなかったけど…
ある意味お宝じゃね?
王弟がどんな顔してたか見れないのは残念だけど、頑張ってあの忌々しい変異種の呪詛を、撲滅させる手立てを考えてくれ。
村に戻ったら怪我人も、疫病患者も、ほぼ完治してた。
後は、ここの人達だけで大丈夫って言われたから、伯母様達を送って来たよ。
これで、上級呪術師としての初仕事は、無事完遂出来たかな?
お賃金に見合った働きが出来てたかは、比べる対象が居ないから分からん。
ただ、領主からは鬱陶しくなる程感謝された。
呪術師が活躍する場面なんて、無い方がいいんだけど…
王様から貰ったバッジに見合うよう、これからも精進しなきゃね。
領主はポチにのって感動してたけど、私達は感動する余裕なんてない、酷いありさまなんだもの。
土石流で家が飲み込まれた跡が、災害の凄まじさを物語ってた。
復興作業中って聞いてたけど、とても人が住める状態じゃないって事が、見ただけで分かるレベルだ。
今でも黒い煙が上がってて、このままじゃ隣村も飲み込まれそうな勢いだった。
怪我人は何処か聞いたら、隣村の治療院に連れてったけど、溢れかえってて大変だって言ってる。
疫病も出始めたんだって、いったい何をしたらそこまで呪われるんだ?
取り合えずこっちを先に祓わないと、次の噴火で隣村が巻き込まれちゃいそう。
私は急いで、呪詛破りの呪印を結んだよ。
「東の青龍 西の白虎 南の朱雀 北の玄武
水を操り・風を纏い・炎を滾らせ・大地を揺らし。遺憾、その在り方を、討ち破れ」
ウゲッ!
ゴッソリ魔力持ってかれた…
眩暈して来た、倒れる前にポチから魔力を分けて貰ったよ、危なかった~
「この呪詛、複数で掛けてたの?嘘でしょ…」
「大丈夫?」
クレアが心配そうに、私の顔を覗き込んでる。
「ありがと、平気」
活火山全体から、黒い靄が浮かび上がって来た。
そして空が、一瞬で真っ黒に染まってく。
あの黒い靄が呪詛なんだけど、一般人には見えないんだよね。
ほっとけば自然に霧散してくけど、時間掛かりそうだし、気になったからポチに吸い取って貰った。
何かの実験で、使ってみるかな?
呪詛が消えた後、噴火活動も止まったんだけど、突然立ってられない程の大きな地震が起きた。
直ぐに治まったけど、ビックリした~、まだ心臓がドキドキしてるよ。
「いや~素晴らしい!流石上級呪術師様は格が違いますね、あの火山が一瞬で収まるとは…なんと、お礼を言ったら良いか…グスン」
「ホッホッホ」じゃなくなった。
「あ、泣かないでください。今の地震で被害が出てると思うので、確認させて下さい」
患者は気になるけど、地震の被害状況のが先だよね?
領主様は暢気に、鼻をチーンっとかんだ。
「あの程度の地震では、問題ありません。建物も地震対策をしておりますし、領民も慣れておりますから、心配はいりません。ホッホッホ」
そうなんだ…領地によって違うのね。
うちは雪害対策をしてるから、似た様な感じなのかも?
「分かりました、では患者を診に行きましょう」
隣村に来たけど、火山より瘴気が酷いな。
上から見ただけで真っ黒だわ、呪詛師は同じ奴等だ、疫病と二重に掛けられたって事?
領主に心当たりが無いか聞いてみたけど、思い当たる事ばかりで特定出来ないって。
どんだけ恨み買ってんだよ、この人大丈夫なんか?
「商人は、恨みを買うのも仕事ですからな。ホッホッホ」
「そうなんだ…」
いろいろ大変なのね。
取り合えず領主はポチから下りないように、上で待ってて貰う事にした、病気移ったら面倒臭いからね。
疫病に関しては、祓ったところで治療しなきゃ治らないのよ。
これだから呪詛師って、厄介なんだよね~
見た感じ、医術師が圧倒的に足りて無いわ。
ここはクレア一人じゃ大変だから、問答無用でルーク叔父様とミラ伯母様を、転移で迎えに行って連れて来た。
上級免許取得者は、助手を連れて歩けるのだ。
二人は私達の師匠だけど、助手としても登録したから、一緒に居る時は医療行為が許されるのである。
「これは酷いな…村人がほぼ全滅じゃないか」
「持って来た薬剤で足りるかな?」
早速、診察してくれてる、頼もしいぞ。
皆に任せて、私は呪術師としての役割を果たすよ。
先ずは呪詛を祓った。
あっちより酷い瘴気だったけど、頑張ったよ。
私には、ポチと言う強い味方が付いてるからね、魔力を分けてくれるのはありがたい。
次に、病原菌は、元から正さなきゃね!
成功するかは、運次第。
「森羅万象この世界に干渉する者たちに告ぐ。我が魔力を対価に、その偉大なる力を、貸し与えよ!『開け、土の門』 自然の理に背き、嘲りし物。真理を暴き、その姿を顕せ!『土蛍』」
蛍達が反応してくれた!
「行って来る!」
「頑張って」
祓った呪詛が何処に帰るのか、分かるようにはなってないよ。
追跡範囲外に居る呪詛師を見つける事も、不可能。
ただね、思いついちゃったの!
土蛍に、祓った呪詛を追いかけさせれば、いいんじゃないかって。
私って天才。フフン(ドヤ顔)
で、追いかけて来たわけなんだけど…
やっぱ呪詛師って、弟子を持ってたのね、沢山いてビビったわ。
そして祓われると思ってなかったみたいでさ、皆仲良く疫病にかかってたよ。
しかも倍返しだかんね、これはきっついぞ~
私の存在に気付いたみたいだけど、遅かったね情けをかけるつもりはないのよ。
ちょ~っと付き合ってもらうだけ、こんな機会滅多にないもん。
利用出来る物は、利用する主義なのだ。
呪詛師達を、ポチの中にご招待するよ。
情報を提供してもらったけど、こいつら全員、西の国とは関係なかった。
でも変異種の呪詛に関しては、まだまだ不明な所が多かったからさ、実験台になって貰ったよ。
どうやったら魔物にされた人を、元に戻せるのか?
そう来たか、何処までも反吐が出る。
戻す方法は一つしか分からなかった、しかも、使えるかは…謎だな。
誰か一緒に考えてくれる人が居たら、もっとまともな戻し方が分かったかもしんない。
溜息出ちゃう、幸せ逃げちゃう…
私は呪印を結ぶ。
「夢の内 絶望の内 光の内 闇の内
理想を見て現実を知り、朝日を浴びて月夜に眠る。実相、忘却の彼方へ、緘黙せよ」
呪詛師達から、ここでの記憶や、痕跡を全て消したよ。
消滅の呪印は禁術だから、現実世界で使うと呪詛師になっちゃう。
でもここはポチの中だから、禁術でも使いたい放題なのよ。フフン(ドヤ顔)
ポチの中から出た私は、疫病で苦しんでる呪詛師達に、残酷な言葉を投げかける。
「早速だけど全員もれなく捕まえたいから、大人しく土偶の中に入ってね♪知ってるよね?呪詛師ってさ、捕まったらどうなるか」
具合悪いせいなのか、今後の運命を、悟ったからなのか?
青褪めた顔してたけど、そんな事はどうでもいい。
「時の狭間に落ちた 忘れ去られし神の異物 光無き世界で祈りを捧げよ!『土偶』」
私は、不敵な笑みを浮かべて「バイバ~イ」って、手を振ってあげた。
あんた達は忘れてるけど、ポチの中よりはずっとマシだと思うから、頑張って長生きしてね。
心の中でエールを送り、さっそく繋いだばっかの王弟の宝物庫に送ったよ、ちゃんと注意書き付き。
【シュッド子爵の領地に、呪詛をかけた集団を発見したので、捕まえました。呪詛返しで、全員疫病にかかってるから、気を付けてください】これで良し!
宝物庫は一方通行だからね、返品不可なのだよ。
人が送られて来るとは、思ってなかったよね。
私だって送る予定はなかったけど…
ある意味お宝じゃね?
王弟がどんな顔してたか見れないのは残念だけど、頑張ってあの忌々しい変異種の呪詛を、撲滅させる手立てを考えてくれ。
村に戻ったら怪我人も、疫病患者も、ほぼ完治してた。
後は、ここの人達だけで大丈夫って言われたから、伯母様達を送って来たよ。
これで、上級呪術師としての初仕事は、無事完遂出来たかな?
お賃金に見合った働きが出来てたかは、比べる対象が居ないから分からん。
ただ、領主からは鬱陶しくなる程感謝された。
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