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1章 出会い

41話.国王の思惑・完

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 王弟一行は順調に王都へと向かっていた。
 醜い姿になり、聖女でさえ癒せなかった王女が、かつて妖精と謳われた姿を取り戻したと…
 王都へ近づくに連れて、噂は広まって行く。
 王弟一行が宿泊した領主邸では、リシャーナの姿を見て掌を返し、是非婚約をと申し出る者も出始めた。
 だが王弟一行は、そんな者達に一切興味を示す事は無い。
 ルイフォードも同様。
 仮婚約の解消をしたと公表した事で、貴族令嬢達が色めき立っていた。
 しかし、妹を蔑ろにして来た者達に、笑顔を見せる程寛大にはなれなかった。
 オルテンシアの人間も、リシャーナを蔑ろにしていたのならば、少しは違った対応をしたのかもしれないが…
 ルイフォードは、妹を受け入れなかった家門の令嬢を、娶る事は無いとはっきり明言したのだった。
 それは、生涯独身を貫くと言ったも同然の言葉であったのだが、その言葉を諫める王族はいなかったのだ。

 マルスドメスティカ王国・国王の執務室
 オルテンシア伯爵領から戻った王弟一家が、入室して来た。
 「ただいま戻りました、陛下…」
 「伯父様、ただいま~!見て下さい、私こんなに、元気になりました」
 国王を視界に入れたリシャーナが、父の言葉を遮り、嬉しさのあまり飛び付いた。
 アレハンドロは諫める事もなく、愛おしそうに姪の頭を撫でながら、微笑んだ。
 「よく頑張ったね、リーシャ。元気な顔を見られて、嬉しく思うよ」
 ほんの数か月前までは、誰一人として笑顔になどなれなかったが、今は違う。
 すっかり健康な身体を取り戻したリシャーナを、微笑ましく見守って、時には声を出して笑い合っている。
 皆、オルテンシアの人々へ言葉では言い表せない程、感謝の気持ちで溢れていた。
 
 暫し弟家族との時間を楽しんだ後、アレハンドロは一人、もの思いに耽っている。
 あの、悪夢の日の数か月前…
 王国に仕える呪術師が、見た事もない呪詛に気付いた。
 しかし、時は既に手遅れだったのだ。
 新種の呪詛を、姪の体内で見つけたと聞かされた時は、アレハンドロも耳を疑った程だ。
 その後も報告を受ける度に、事の深刻さが浮き彫りになっていった。
 あれの正体が分からず、手の施しようが無いと頭を悩ませていた時、恐れていた事が起きてしまう。
 姪の命を見捨てた所で、国が助かる保証も無い。
 言い様の無い怒りが、胸中を支配する。
 そんな折、北の領地で若い医術師が誕生した事を知ったアレハンドロは、一抹の望みを胸に抱いた。
 カルティアは知らぬ事だったが、医術と呪術の心得と技術を持った、王国で唯一の人材になったのだ。
 彼女ならば、リシャーナを救ってくれるのではないかと、アレハンドロは期待した。
 その結果が、想像以上だった事は、言うまでもない。
 カルティアの報告書を見てアレハンドロは、王国の未来に必要不可欠な存在として、認知した。
 本人が嫌がるであろう事は理解しているが、国の重鎮として爵位を授ける事にしたのだった。
 そして、帝国へと、目を向けた。

 オルテンシア伯爵邸
 「お帰り!見て」
 リーシャを送り届けて戻って来たら、クレアに引き留められた。
 え???
 「クレア、目が光ってるよ!」
 「綺麗な目~」
 最近ずっと籠って、何かしてると思ってたけど…
 「もしかして、千里眼使いこなせる様になったの?」
 「今夜は魚」フフン(ドヤ顔)
 クレアは、マルコの頭を撫でながら、自慢気に宣言した。
 晩御飯は魚料理って事ね?
 「「すご~い」」
 私とマルコは拍手した。
 まだまだ駄目らしいけど、直近なら自在に操れる様になったんだって!
 あと、視れる距離も伸ばしたいって言ってた。
 やっぱクレアって凄いなぁ。
 それからは、モンステルの森に入ったら必ず、千里眼を使うようになった。
 長時間使うと目が疲れるって言うから、眼球専用の回復ポーションを作ったよ。
 めっちゃ喜んでくれた!
 なんか私、眼球博士になれそうだと思わない?
 そんな日常を過ごしてたら、王都へ無事着いたって、リーシャが教えに来てくれた。
 何故か、王弟からの招待状を持って…
 形成手術に係わった人達に、上級免許をくれるらしい。
 マジか!!!
 私は学園に通わなくても、いいの?
 こんな嬉しい事って、ある???
 無いな!
 人生で最高に嬉しい瞬間の、一つにしてあげようと思う。
 なのに…
 叔父様達は興味無いって、断ったんだって。
 なんて勿体ないの!
 伯母様だって叔父様だって、いろんな事やってるのに、自分の手柄に出来ないんだよ?って言ったらさ、私達が広めてくれるなら、問題無いんだって。
 そこまで言うなら…ね?
 まぁ良いけど。
 な~んか腑に落ちない。
 取り合えず王都には用事もあったし、クレアと二人だけで行ったさ。
 宮殿なんて入るの一生に一度だろうな、って思いながら王弟の執務室に案内して貰ったよ。
 そこには、リーシャの主治医だった宮仕え達が居たわ。
 過去形なのは、リーシャはすっかり元気になって、リハビリも必要無くなったから。
 解雇された訳じゃないのよ。
 あとね、呪術師長と魔術師長も紹介された。
 凄い!
 この人達が、王国で一番の使い手なんだよ。
 医術師に薬術師、魔術師に呪術師!
 何処かの国風に言えば、四天王的な?
 二度とお目に掛かれる方達ではないので、拝んでおく事にした。
 王弟が何をやっている?って聞いてきたけど、ほっといてくれ。
 こんな凄いお方達が、なして此処に居るのかな?って思ったらさ、聞いて驚け、ビックリしたよ。
 クレアは上級魔術師と上級医術師の免許を、私はその二つの他に、上級呪術師と上級薬術師の免許を頂いてしまった。
 クレアは分かる、私は分からん…
 理由を聞いたら、宮仕え達が推薦してくれたんだって。
 うちで使ってる上級ポーション作ったのと、眼球の再生技術を考案した事での免許皆伝らしい。
 あと転移する魔物を捉えた事や、リーシャの呪詛を封印した事。
 エリザベスに施した術式なんかも、高く評価してくれたみたい。
 クレアは臓器再生技術が王国で一二を争う腕前だって事と、魔力石を片手間で作れるって事での免許皆伝だって!
 クレアと争ってるのは言う必要もないが、ルーク叔父様だ。
 当たり前、私達のお師匠様なんだからね!フフン(ドヤ顔)
 これは高く評価されて嬉しい限りだよ、クレア頑張ってるもん。
 宮仕えにならないかって、スカウトまでされたのに断わってた(笑)
 私は実力不足が否めないから、薬術以外は遠慮したんだけど…
 既に王様から免許皆伝のバッチを、王弟が預かって来てたの。
 先に言ってくれたら断ったのに…
 仕方なくバッジを受け取ったら、何故か伯爵位迄付いて来た。
 流石にこれは無い!って文句言ったんだけど、クレアが最初に渡された書類に書いてあったって言うし。
 何処に?って読み返したら、最後の方にちっちゃく書いてあったわ…
 「詐欺じゃね?」
 王弟はしたり顔で笑ってた、やってくれたな、おい!
 「絶対、確信犯でしょ!」
 そりゃ浮かれてクレアに相談もしないで、勝手に署名した私が一番悪いんだけどさ。
 気付いてたのに、付き合って署名してくれたクレアに申し訳ないじゃない(泣)
 どうりで叔父様達が、ニヤニヤしながら断ってた筈だわ。
 「帰ったら絶対笑われるやつじゃない!ショックなんですけど~」
 「話はまだ終わっていないぞ。君達には、帝国の学園へ留学して貰う事になった。これは王命だ」
 「ええ~それ絶対断れない奴じゃないですか!しがない令嬢なら断れたのに、爵位押し付けた後で、それ言う?酷くね?」
 「酷くはないだろう、王立学園に通う予定が、帝国への留学に変わっただけなのだから。むしろ、喜ばしい事ではないのか?」
 王弟は、至極真面目な顔で言ってのけたよ、腹立つな…
 「何が、家族の命救ってくれた恩人だよ。これじゃ、お礼じゃなくって、嫌がらせだよね?王命ってんならさ、自分で出て来いって王様に言ったら、首飛ぶかな?」
 「王弟次第」
 私とクレアの会話を聞いて、王弟の傍に居た、偉い人達が苦笑してた。
 「ティア…この件は陛下が………あ~私やリーシャを思って下した事。憎しみや恨みは、全て私に向けて欲しい」
 王弟が、すまなそうな顔で言ってるけど、今の間はなんだ?
 それに、悪いの王様じゃん。
 隠れてないで、出て来て自分で説明しろって、思うよね。
 「帝国への留学と、リーシャが何の関係あるんですか?」
 私が不貞腐れて聞いてみた問いに、答えたのは王弟じゃなかった。
 「聖女じゃない?」
 クレア、あんたやっぱ天才だわ!
 「そっか、分かったわ。偽聖女に騙し取られた寄付金を、踏んだ食って来いって事ね」
 王弟は、笑いながら話してくれた。
 「確かに寄付金は痛かったが、返せとは言えない。ただ…帝国にはダンジョンがあってだな、そこで発見した物は、全て持ち帰りが自由なのだ。この意味は、分かるか?」
 「全然分かりません。ダンジョンて何ですか?何があるんですか?」
 「ダンジョン?」
 私はクレアを見たけど、小首を傾げてた。
 「そこからなのか?君達は本当に…領地外の事には、興味が無いのだな」
 王弟は説明してくれた。
 ダンジョンとは、お宝が出て来る場所である。
 普通はダンジョンから出たお宝なんて、全て持ち歩けないから、要らない物は商人に買い取って貰う。
 商人は買い取った物を、オークションに掛け、売上金の一部が帝国へ支払われる。
 それが帝国の潤沢な資金源にはなってるけど、商人によって二束三文で買い叩かれてしまうから、見つけた者にとっては好ましくない。
 そこでだ、私のマジックボックスを使えば、見つけた側から王国へ送れる。
 こっちでオークションを開けば、売上金は全て国の物って事らしい。
 「なるほど!間接的に帝国へ嫌がらせをするって事か、王様って案外曲者なんだね」
 「意外…」
 ついでに、聖女の正体も暴いて来いって?
 え、聖物も探して来いって?
 「曲者じゃなくて、欲張りだな…」
 「私にとって、自慢の兄上だ。素晴らしい策士であろう」
 王弟は誇らしげにお兄ちゃん自慢をしてる。
 噂には聞いてたけど、本当に王族って仲良しなのね、顔がにやけてる(笑)
 「確かに面白そうですけど…薬剤の、素材の権利は、私が貰えるんですよね?全てオルテンシアへ送っても、良いんですよね」
 私は、拒否権は認めないぞって気持ちを込めて、言ってみたんだけど…
 王弟は、想定内だったのか、すんなりと承諾してくれた。
 「それだけで良いのか?他に希望があるなら、遠慮せずに言いなさい」
 行った事も、見た事も無いのに、希望もへったくれも無い。
 「あっち着いてから考えます」
 「分かった。薬剤かどうか、判断が付かない物は、私に相談しなさい。他にも何かあった場合は、独断で行動してはいけない。無理はせず、必ず命を優先する事。それが絶対条件だ」
 「了解で~す」

 そこまでは納得したさ…
 「で?なして、あんたが一緒な訳」
 帝国への留学届を出したら、目玉に遭遇した。
 「以前から…留学生として来る様、誘われていたのだけれど…その…いろいろとあって、先送りにしていたんだ」
 「あんたって私と同じ歳だったよね?王族って、そんな早いうちから留学するもんなんだ。凄いね」
 「帝国では、中等科で三年、高等科で三年。合わせて六年間、学園で学ぶ事が、義務付けられているからね。僕達はそれに合わせ、都合の良い日程を組むだけだから、凄い事ではないんだよ」
 「「へ~」」
 つまりあれだ、リーシャが火傷しちゃったから、留学を先延ばししてたって事?
 そんで、問題解決したから、一緒に行こうぜって?
 「私達、学びに行く訳じゃないんだよね、悪いけど」
 目玉の顔が、見覚えのある表情になった、これは…
 私達は、どんな語りが始まるのか、身構えたよ。
 「王命の事なら知っている。僕も、何かの役に立てるかもしれない。それに…」
 相当鬱憤が溜まっていたようで、目玉の語りは長かった。
 ここは宮殿だし、逃げる訳にもいかないから、最後まで聞いてあげたさ。
 白目剥きそうになった時、やっと終わりが見えたんだけど…
 「リーシャを愚弄した聖女を、許せないのだ」
 おっとぉ~身内の恨み節か???
 そりゃ私だって思う所はあるけど…
 私情を持ち込んだ目玉の顔が不気味に見え、明らかに度合いが違うってのが分かる。
 これは、面倒臭いぞ~~~~~

 完

 ここまでお読みくださった皆様に、感謝申し上げます。

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