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37話.二度目の形成手術
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今日は第二回目形成手術の日なのだ。
私達は王弟一家を見つめる事30分…
今回は前回と違って失敗の可能性もあるから、黙って見守る事にした。
前以って手術開始予定時刻を、1時間早く知らせておいて正解だったよ。
今生の別れになるかもしらん…
とっても賑やかな王女様の居ない世界なんて考えたくないし、絶叫ごっこもまだしてあげてない。
この時間は、私達が覚悟を決める時間でもあった。
「父上、母上、そろそろ時間です。私達は別室で待ちましょう」
「もう少し…」
「手術の邪魔をしてはいけません母上。リーシャが疲れてしまっては困ります」
私達は刮目したよ!
幻覚でも幻聴でもない、確かに目玉が両親を説得して手術室を出てった…
宜しく頼むと言われたら、任せろ!って答えるに決まってる。
なんか、気合入ったぞ~
伯母様が麻酔をかけはじめる。
「リーシャちゃん、眠りますよ~はい、い~ち、に~い、さ~…はい!落ちた~素直な子だね」
明るい伯母様が安心感をくれる。
今回の主治医はクレアで、私は呪詛担当。
呪詛を寄生元から取り出し、全ての触手を切り離す。
身体中に伸びてた触手は、暫く呪詛を取り戻そうとするけど、それは時間が経てば消える事が判明してる。
魔力の供給元が無くなれば、触手も生きてけないみたい。
呪詛の方も身体に戻ろうとして触手を伸ばすから、偽物を渡してエリザベスに封印する。
それで勘違いして満足する予定。
叔父様とクレアは、欠損した臓器を再生させるんだけど。
人体を熟知してないと出来ない高等技術だ。
時間との戦いになるから、私の比じゃない位神経使うよ。
伯母様は叔父様達の補佐で、ポーションをひたすら作って渡す。
一件簡単なように感じるけど、ポーションが足りなくなったら終わりだからね!
三人の連係プレーが今回の成功率に、大きく関わって来る。
上級ポーションかけりゃ再生するんじゃない?って思ってる人!
ちょっとした欠損なら、それで問題ないんだけどね…
完全に失った物を再生させるには、媒体が必要だし時間がかかり過ぎる。
今回は呪詛に占拠されてる肺と心臓を一気に取り除くから、のんびりしてたら命に係わるのだ。
媒体は、豚とサルの一部を使う事になった。
本当はリーシャの一部を使いたかったんだけど、何度実験しても呪詛が復活しちゃうから諦めた。
呪詛ってさ、前にも話したけど、増えたんだよ。
クローンが量産された時は、我が目を疑う程ビックリしたわ…
話しそれたけど、媒体にポーションを少しずつかけて、再生させながら形を整えてくの。
豚の心臓の一部にポーションかけても、再生されるのは豚の心臓だからね!
これを人間の心臓に作り上げる技術を持ってるのが、医術師なの。
心臓だけじゃない、肺もだからさ…大変だよね。
呪詛を封印した後は、私も補佐に回る予定。
これが今回の手術内容、なんかドキドキしちゃう。
前回追い出しちゃった宮仕え達には、王弟が呪詛の事を話したって言ってた。
勿論他言無用だし、彼らに呪詛は見えない。
今は邪魔にならない所で、見学して貰ってる。
「やりますか…敵は呪詛だ!絶対負けないよ~」
私達は気合を入れて、それぞれ術式を発動させる。
「滴水成氷、生きとし生けるものの淵源よ! 我が血潮となり、その偉大なる力を解き放て 『開け水の門』」
ミラ伯母様の術式が発動して部屋が緑色に染まってく。
「聖なる泉の守護者よ この杯に溢れ零れる程の聖水を注げ「水手毬」」
特大の水玉が幾つも作り出された。
勿論全部ただの水では無く、上級ポーションだ。
これを自在に操り、必要な個所に必要な分だけ、分け与える事が出来る。
熟練した魔術師にしか出来ないのもそうだけど、伯母様が編み出した独自の魔術だ。
叔父様と、クレアの準備が出来たのを確認する。
「陣来風烈 重要なる無形の存在よ 我が息吹に合わせ その偉大なる力を見せつけよ!『開け風の門』」
淡い緑色に染まってた部屋の中に、紫色の術式が混ざる。
私は三人に目配せし、三人は頷く。
「一陣の風となりて、すべてを切り裂け!『かまいたち』」
無数の小さな刃が、リーシャの身体を切り刻んで行く。
切り離された肉片は触手から解放されて、ボタボタと床に落ちる。
しかし、新しいケロイドが直ぐに復活する為、臓器が見えない。
呪術師じゃなければ、この現象が何か分からず、パニックになったんだろなって思う。
だけど私には、ハッキリ見えるんだよ。
胸骨と心膜を、一気に切る。
復活するケロイドよりも早く!
リーシャの身体から、真っ黒に染まった心臓と肺を抜き取った。
次から次へと触手が伸びて、寄生先へ戻ろうとする。
身体中に張り巡らされてた触手は、呪詛を取り戻そうと伸びて来る。
これ何度見ても気色悪いな。
私は切り離した呪詛を一部だけ切り取り、速攻でエリザベスに入れる。
頭部の手術で切り離したケロイドを、目玉から返して貰ったのだ。
そのケロイドを使ってミニチュア臓器を作り、前もってエリザベスの中に仕込んでた。
呪詛にまみれた肺と心臓の一部を入れたら…
やっぱ勘違いしてくれて、ミニチュア臓器に触手を伸ばし始めたのを確認してから、封印したんだけど…
グロッ…流石にこれは無いわぁって思った。
エリザベスの中は、お妃様とリーシャには見せられない。
気持ちを切り替え残った呪詛は、別のハニワに封印した。
こっちは王弟に渡す奴で、魔塔に居る呪術師達の研究材料になる予定。
さっきも言ったけど、呪詛って増えたのよ。
増えたらね、大きさとか関係なく、寄生元に戻った方が本体になる。
で、残された呪詛は特に何もしない。
本体みたいに、時間が経過しても爆発しなかったの。
新しい寄生先を与えたら、喜んで入ってくけど…自立すんだよ。
もうね、呪詛師とは何の関係もなくなっちゃう。
完全な個体になるんだけどね、困った事に本体と連動してる。
つまり、本体が爆発したら、クローンも爆発すんのよ!
ただね、クローンが爆発しても、本体は爆発しない…
この原理のお陰で、切り離せたんだけどね~
この呪詛を考えた呪詛師は、こうなる事を知ってたんかな?
だとしたら恐ろし過ぎる。
だけどこの研究結果は、ポチの中で見つけたから他言は出来ない。
たまたま呪詛を分割出来ました~って渡すだけ。
魔塔の呪術師が、何処まで解明出来るか知らんけど…
あ!エリザベスの中身については目玉に話した。
表現出来ない複雑な表情してたよ。
取り合えず、これで私の役割は無事完遂かな?
後は皆の補佐に回るよって思ってたけど、その必要は無かったみたい。
沢山あった水玉は、殆ど無くなってた。
臓器は完全復活したし、動きも問題なかったよ。
流石だわ!
胸骨を閉じて、培養しておいた皮膚を被せ最後の仕上げをした。
皆で体内に魔力を注ぎ確認したけど、何処にも呪詛は無いし、嫌な感じもしなかった。
呪詛を封印したエリザベスはピッタリと、リーシャにくっついてる。
もう一体のハニワちゃんは、マジックボックスに収納した。
「大成功じゃね?」
「ねぇ!ちょっと試したいんだけど!」
伯母様が又何やら持って来て、リーシャの身体全体にかけ始めたよ!
そしてエステティシャンの様に身体をマッサージしてる…
「「嘘でしょ!!!」」
「マジか!」
私達は驚愕したよ…
だってね、普通は筋肉って鍛えてなんぼだ。
それがさ、一年も動かせなかったんだもの。
萎んでるの当たり前で、これから筋肉付けて、リハビリに励む予定がだよ?
完全復活と迄はいかないにしろ、骨皮筋子じゃ無くなった!
「うそ~ん!ここまで復活すると思わなかったわ!私ってば、天才じゃない?お肌ツルツル効果まで出たわ!」
「「うん天才凄い」」
私達も絶賛した。
「これなら直ぐにリハビリ出来るね!伯母様最高~」
私は飛び付いて喜んだよ!
「おい!効果の確認してなかったのか?」
叔父様は「王族を実験台にするな」って怒ってたけど。
伯母様は「結果良ければ全て良し」とか、意味不明な事言ってた。
叔父様の髪の毛が、薄くならない事を祈ってるよ!
あ…毛生え薬は完成したから、薄くなったら実験台にされそうだね(笑)
私は肩をバンバン叩いてリーシャを起こした。
「リーシャ?気分はどお?手術成功したよ」
「お姉さま…本当?私生きているの?」
「当然!暫くは安静だよ、リハビリもしなきゃだし、絶叫はお預けだからね」
「ありがと」
リーシャはそう言うと、ワンワン泣き出した。
明るく振舞ってたけど、不安でいっぱいだったんだね。
ちっさい身体で呪詛と戦ってたんだもの、偉いよ滅茶苦茶頑張ったよ。
もう変なのは追い出したからね!
私は抱き締めながら、いっぱい褒めたよ。
クレアが扉を開けてくれたら、やっぱし雪崩の様に入って来た。
お妃様に場所を交代してから気付いたんだけど…
伯母様と、叔父様が宮仕え達を介抱してる。
心臓を取り出した所で気絶したらしい…嘘でしょ???
「面目ない」じゃないのよ、初めに説明してたじゃん?
ちょっと呆れちゃったけど、リーシャへの思いも強い人達だったから、ビックリしたんだろね。
切り取った残りのケロイドは、ちゃんと容器に保存して目玉に渡した。
どうせ持ってくんだから、聞くだけ無駄ってやつだ。
それに、何時か役に立つかもしんない、今回のように。
私達は疲れたから、王弟一家は放置してリビングに来たよ。
「皆、お疲れ様。お茶でも飲んで、ゆっくり休みなさい」
お父様の淹れてくれるお茶は美味しんだよね!
ミラ伯母様からこってりと、仕込まれただけあるわ。
流石に皆無口で、お茶飲んだら仮眠取ったよ。
今回は、一か八かの大手術だったからね、無理も無い。
王弟一家が我が家に来てから、ひと月と八日が経ってた。
長かった…
私達は王弟一家を見つめる事30分…
今回は前回と違って失敗の可能性もあるから、黙って見守る事にした。
前以って手術開始予定時刻を、1時間早く知らせておいて正解だったよ。
今生の別れになるかもしらん…
とっても賑やかな王女様の居ない世界なんて考えたくないし、絶叫ごっこもまだしてあげてない。
この時間は、私達が覚悟を決める時間でもあった。
「父上、母上、そろそろ時間です。私達は別室で待ちましょう」
「もう少し…」
「手術の邪魔をしてはいけません母上。リーシャが疲れてしまっては困ります」
私達は刮目したよ!
幻覚でも幻聴でもない、確かに目玉が両親を説得して手術室を出てった…
宜しく頼むと言われたら、任せろ!って答えるに決まってる。
なんか、気合入ったぞ~
伯母様が麻酔をかけはじめる。
「リーシャちゃん、眠りますよ~はい、い~ち、に~い、さ~…はい!落ちた~素直な子だね」
明るい伯母様が安心感をくれる。
今回の主治医はクレアで、私は呪詛担当。
呪詛を寄生元から取り出し、全ての触手を切り離す。
身体中に伸びてた触手は、暫く呪詛を取り戻そうとするけど、それは時間が経てば消える事が判明してる。
魔力の供給元が無くなれば、触手も生きてけないみたい。
呪詛の方も身体に戻ろうとして触手を伸ばすから、偽物を渡してエリザベスに封印する。
それで勘違いして満足する予定。
叔父様とクレアは、欠損した臓器を再生させるんだけど。
人体を熟知してないと出来ない高等技術だ。
時間との戦いになるから、私の比じゃない位神経使うよ。
伯母様は叔父様達の補佐で、ポーションをひたすら作って渡す。
一件簡単なように感じるけど、ポーションが足りなくなったら終わりだからね!
三人の連係プレーが今回の成功率に、大きく関わって来る。
上級ポーションかけりゃ再生するんじゃない?って思ってる人!
ちょっとした欠損なら、それで問題ないんだけどね…
完全に失った物を再生させるには、媒体が必要だし時間がかかり過ぎる。
今回は呪詛に占拠されてる肺と心臓を一気に取り除くから、のんびりしてたら命に係わるのだ。
媒体は、豚とサルの一部を使う事になった。
本当はリーシャの一部を使いたかったんだけど、何度実験しても呪詛が復活しちゃうから諦めた。
呪詛ってさ、前にも話したけど、増えたんだよ。
クローンが量産された時は、我が目を疑う程ビックリしたわ…
話しそれたけど、媒体にポーションを少しずつかけて、再生させながら形を整えてくの。
豚の心臓の一部にポーションかけても、再生されるのは豚の心臓だからね!
これを人間の心臓に作り上げる技術を持ってるのが、医術師なの。
心臓だけじゃない、肺もだからさ…大変だよね。
呪詛を封印した後は、私も補佐に回る予定。
これが今回の手術内容、なんかドキドキしちゃう。
前回追い出しちゃった宮仕え達には、王弟が呪詛の事を話したって言ってた。
勿論他言無用だし、彼らに呪詛は見えない。
今は邪魔にならない所で、見学して貰ってる。
「やりますか…敵は呪詛だ!絶対負けないよ~」
私達は気合を入れて、それぞれ術式を発動させる。
「滴水成氷、生きとし生けるものの淵源よ! 我が血潮となり、その偉大なる力を解き放て 『開け水の門』」
ミラ伯母様の術式が発動して部屋が緑色に染まってく。
「聖なる泉の守護者よ この杯に溢れ零れる程の聖水を注げ「水手毬」」
特大の水玉が幾つも作り出された。
勿論全部ただの水では無く、上級ポーションだ。
これを自在に操り、必要な個所に必要な分だけ、分け与える事が出来る。
熟練した魔術師にしか出来ないのもそうだけど、伯母様が編み出した独自の魔術だ。
叔父様と、クレアの準備が出来たのを確認する。
「陣来風烈 重要なる無形の存在よ 我が息吹に合わせ その偉大なる力を見せつけよ!『開け風の門』」
淡い緑色に染まってた部屋の中に、紫色の術式が混ざる。
私は三人に目配せし、三人は頷く。
「一陣の風となりて、すべてを切り裂け!『かまいたち』」
無数の小さな刃が、リーシャの身体を切り刻んで行く。
切り離された肉片は触手から解放されて、ボタボタと床に落ちる。
しかし、新しいケロイドが直ぐに復活する為、臓器が見えない。
呪術師じゃなければ、この現象が何か分からず、パニックになったんだろなって思う。
だけど私には、ハッキリ見えるんだよ。
胸骨と心膜を、一気に切る。
復活するケロイドよりも早く!
リーシャの身体から、真っ黒に染まった心臓と肺を抜き取った。
次から次へと触手が伸びて、寄生先へ戻ろうとする。
身体中に張り巡らされてた触手は、呪詛を取り戻そうと伸びて来る。
これ何度見ても気色悪いな。
私は切り離した呪詛を一部だけ切り取り、速攻でエリザベスに入れる。
頭部の手術で切り離したケロイドを、目玉から返して貰ったのだ。
そのケロイドを使ってミニチュア臓器を作り、前もってエリザベスの中に仕込んでた。
呪詛にまみれた肺と心臓の一部を入れたら…
やっぱ勘違いしてくれて、ミニチュア臓器に触手を伸ばし始めたのを確認してから、封印したんだけど…
グロッ…流石にこれは無いわぁって思った。
エリザベスの中は、お妃様とリーシャには見せられない。
気持ちを切り替え残った呪詛は、別のハニワに封印した。
こっちは王弟に渡す奴で、魔塔に居る呪術師達の研究材料になる予定。
さっきも言ったけど、呪詛って増えたのよ。
増えたらね、大きさとか関係なく、寄生元に戻った方が本体になる。
で、残された呪詛は特に何もしない。
本体みたいに、時間が経過しても爆発しなかったの。
新しい寄生先を与えたら、喜んで入ってくけど…自立すんだよ。
もうね、呪詛師とは何の関係もなくなっちゃう。
完全な個体になるんだけどね、困った事に本体と連動してる。
つまり、本体が爆発したら、クローンも爆発すんのよ!
ただね、クローンが爆発しても、本体は爆発しない…
この原理のお陰で、切り離せたんだけどね~
この呪詛を考えた呪詛師は、こうなる事を知ってたんかな?
だとしたら恐ろし過ぎる。
だけどこの研究結果は、ポチの中で見つけたから他言は出来ない。
たまたま呪詛を分割出来ました~って渡すだけ。
魔塔の呪術師が、何処まで解明出来るか知らんけど…
あ!エリザベスの中身については目玉に話した。
表現出来ない複雑な表情してたよ。
取り合えず、これで私の役割は無事完遂かな?
後は皆の補佐に回るよって思ってたけど、その必要は無かったみたい。
沢山あった水玉は、殆ど無くなってた。
臓器は完全復活したし、動きも問題なかったよ。
流石だわ!
胸骨を閉じて、培養しておいた皮膚を被せ最後の仕上げをした。
皆で体内に魔力を注ぎ確認したけど、何処にも呪詛は無いし、嫌な感じもしなかった。
呪詛を封印したエリザベスはピッタリと、リーシャにくっついてる。
もう一体のハニワちゃんは、マジックボックスに収納した。
「大成功じゃね?」
「ねぇ!ちょっと試したいんだけど!」
伯母様が又何やら持って来て、リーシャの身体全体にかけ始めたよ!
そしてエステティシャンの様に身体をマッサージしてる…
「「嘘でしょ!!!」」
「マジか!」
私達は驚愕したよ…
だってね、普通は筋肉って鍛えてなんぼだ。
それがさ、一年も動かせなかったんだもの。
萎んでるの当たり前で、これから筋肉付けて、リハビリに励む予定がだよ?
完全復活と迄はいかないにしろ、骨皮筋子じゃ無くなった!
「うそ~ん!ここまで復活すると思わなかったわ!私ってば、天才じゃない?お肌ツルツル効果まで出たわ!」
「「うん天才凄い」」
私達も絶賛した。
「これなら直ぐにリハビリ出来るね!伯母様最高~」
私は飛び付いて喜んだよ!
「おい!効果の確認してなかったのか?」
叔父様は「王族を実験台にするな」って怒ってたけど。
伯母様は「結果良ければ全て良し」とか、意味不明な事言ってた。
叔父様の髪の毛が、薄くならない事を祈ってるよ!
あ…毛生え薬は完成したから、薄くなったら実験台にされそうだね(笑)
私は肩をバンバン叩いてリーシャを起こした。
「リーシャ?気分はどお?手術成功したよ」
「お姉さま…本当?私生きているの?」
「当然!暫くは安静だよ、リハビリもしなきゃだし、絶叫はお預けだからね」
「ありがと」
リーシャはそう言うと、ワンワン泣き出した。
明るく振舞ってたけど、不安でいっぱいだったんだね。
ちっさい身体で呪詛と戦ってたんだもの、偉いよ滅茶苦茶頑張ったよ。
もう変なのは追い出したからね!
私は抱き締めながら、いっぱい褒めたよ。
クレアが扉を開けてくれたら、やっぱし雪崩の様に入って来た。
お妃様に場所を交代してから気付いたんだけど…
伯母様と、叔父様が宮仕え達を介抱してる。
心臓を取り出した所で気絶したらしい…嘘でしょ???
「面目ない」じゃないのよ、初めに説明してたじゃん?
ちょっと呆れちゃったけど、リーシャへの思いも強い人達だったから、ビックリしたんだろね。
切り取った残りのケロイドは、ちゃんと容器に保存して目玉に渡した。
どうせ持ってくんだから、聞くだけ無駄ってやつだ。
それに、何時か役に立つかもしんない、今回のように。
私達は疲れたから、王弟一家は放置してリビングに来たよ。
「皆、お疲れ様。お茶でも飲んで、ゆっくり休みなさい」
お父様の淹れてくれるお茶は美味しんだよね!
ミラ伯母様からこってりと、仕込まれただけあるわ。
流石に皆無口で、お茶飲んだら仮眠取ったよ。
今回は、一か八かの大手術だったからね、無理も無い。
王弟一家が我が家に来てから、ひと月と八日が経ってた。
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