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1章 出会い
9話.ポチ
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ポチとは何かって?
多分神獣?
疑問形なのは誰も知らなかったから。
お母様から聞いた話だと、ある日突然気配を感じたんだって。
野生動物や魔獣、魔物にはそれぞれ気配がある。
害意を向けられない限り気にならないもんなんだけど…
ポチはずっとお母様を見てて、でも不思議と嫌な感じはしなかった。
なんだろ?って思ってたら身籠ってたんだって。
ポチが姿を現したのは、私が産まれる一月位前。
気が付いたらお母様の膝の上で丸くなって寝てた。
可愛いなぁって思って、ポチって名前付けったって言ってた。
見た目は、小さな仔犬?
長くピンっと伸びた三角形の耳に、体と同じ位の長さがある尻尾。
長毛だけど顔と脚先だけは短毛で、全体的に白いけど脚先は紫。
耳の先端は紫なんだけど、徐々に薄くなってって、付け根は薄紫になってる。
尻尾も同じ感じで先端が紫なんだけど、段々薄くなってって真ん中位で白に馴染んでる。
目は瑠璃色で長いまつ毛迄瑠璃色だから、見てるだけでも目の保養になる位、綺麗な生き物!
なのに、手触りまでが凄くいい!
柔らかくてツルツルで、ふわふわで抜け毛も無くて、最高です。
ポチを初めて見た時は、国に届を出したんだって!新種かもしんないからね。
したっけ王様が見たいって言うから、お爺様が連れてこうとしたんだけど…
お母様からある程度離れると、飛んで戻っちゃう。
今度は檻に入れて連れてこうとしたけど、転移で戻っちゃう。
だから魔力封じの首輪を付けようとしたら?
お爺様から一定の距離を置き、いたちごっこになったらしい。
あのお爺様が捕まえられなかったんだから、やっぱ凄いよねポチって!
そこで、お母様が王都に行こうとしたら、産気づいちゃった。
私が産まれてからは、言わずもがな私にべったりである。
流石に新生児を王都に連れてくのは忍びないからって、王様自ら見に来たらしい…。
そしてポチに一目惚れした!
宮殿で飼育したいから、連れてこうとしたんだけど、ことごとく失敗。
王国一のテイマーを連れて来たんだけど、返り討ちにあってしまった。
普通ならテイムに失敗すると、逆に襲われて最悪命取りになっちゃう。
でもポチは、何故か襲わず…魔力を全部、吸い取ったんだって。
それはもう悲劇ですよ!
テイムしてた貴重な魔獣が居なくなっただけでも、かなりの損害だったみたいだけど…
問題はそこじゃない。
魔力がないと蛇口捻ってもお水出せない!
お湯も沸かせないし、暖炉に火を点ける事も、出来なくなる!
そう!この世界の物は全て、魔力がある事を前提に作られてるのだ。
それで王様もポチを諦めたらしい。
その話聞いた時、私まだ5歳位だったけど、可哀想って思ったのを覚えてる。
だからポチに魔力返してあげてって言ったら…
なんかそのテイマーの魔力が突然戻ったらしいよ!
5年間どうやって生きてたのかは、知らない。
そんな感じで、いろいろあった結果、分かった事がある。
ポチって普段は小さいんだけど、巨大化する事も出来た。
魔力は仔犬の時は微弱な風属性だけど…
空飛んだり、転移したりは自由自在。
魔力を閉じ込めちゃう様な、マジックボックスもある。
最大級に巨大化したら、ドラゴンなんて雛鳥って思える程、強烈な魔力持ちだった。
ドラゴンを服従させるなんて、相当の実力者じゃなきゃ無理だもの。
それ以上の力を持ってる、ポチをテイムしようとしたら、そりゃ失敗するわ。
あと人乗せても自在に空飛べる。
人数制限あるのか確かめてないけど、一緒に転移も出来ちゃう。
私達が王都へ行った時も、ポチに連れてって貰ったよ。
非常に強力な魔力持ちだけど、危険性は無いって事で。
今は私の従魔として国に登録されてる。
だがしか~し!そこで終わりではなかったのだ。
なんとなくポチと、私って繋がってる気がしてた。
魔術の訓練する前から、空飛べたし、転移も出来た。
マジックボックスにも、底が見えない…
六歳位だったかな?お爺様の領地へ、遊びに行った時。
何処までマジックボックスに入るかな?って興味本位でやったら…
北の永久凍土をまるっと閉じ込めっちゃった!
慌てて戻したけど、しっかりお爺様に見られてたよね…
あの時のお爺様の顔は今でも覚えてますよ。
そりゃビックリするよね、永久凍土は最果てが無いって言われてるんだもの。
実際無かったよ、ブリザードが永遠に続いてただけ。
閉じ込めた物が何なのかは分かる。
洞窟も山の形も、何ならそこに居た魔獣の種族や数まで、分かっちゃった。
で、お父様達と話し合った結果、こりゃ他言無用だって事になった。
だってさ果てが無かったのに、入っちゃったって事は…
この世界を閉じ込める事も可能って話になるよね?
もれなく人間も全部。
察しの良い人なら分かると思うけど…誰も私に逆らえなくなるよ?
気に入らない人をしれっと閉じ込めても、私が犯人だって言えないんだよ?
証拠が無いんだもの、マジックボックスの中身なんて、本人以外分かんないんだから。
軍に利用されたら?とかってのも想像したくないよね!
だから、口封じの呪術で私のスキルは誰にも話せないし…
悟らせるような事も、出来なくしてもらった。
スキル封じも考えたんだけど。
突然持ってたスキルが使えなくなったら、なにやらかしたの?って逆に怪しまれちゃうからね。
ただ呪術って、術者に何かあったら解けちゃう。
だから私も、自分で自分にかけられるよう、お爺様から呪術を習う事にしたのだ。
ホント厄介な娘で申し訳なくなると同時に、スキルを悪用しないって信じてくれた事に、感謝でいっぱいになった。
そんな感じで、私の秘密はまだあるけど、今日はここまでにしとく。
多分神獣?
疑問形なのは誰も知らなかったから。
お母様から聞いた話だと、ある日突然気配を感じたんだって。
野生動物や魔獣、魔物にはそれぞれ気配がある。
害意を向けられない限り気にならないもんなんだけど…
ポチはずっとお母様を見てて、でも不思議と嫌な感じはしなかった。
なんだろ?って思ってたら身籠ってたんだって。
ポチが姿を現したのは、私が産まれる一月位前。
気が付いたらお母様の膝の上で丸くなって寝てた。
可愛いなぁって思って、ポチって名前付けったって言ってた。
見た目は、小さな仔犬?
長くピンっと伸びた三角形の耳に、体と同じ位の長さがある尻尾。
長毛だけど顔と脚先だけは短毛で、全体的に白いけど脚先は紫。
耳の先端は紫なんだけど、徐々に薄くなってって、付け根は薄紫になってる。
尻尾も同じ感じで先端が紫なんだけど、段々薄くなってって真ん中位で白に馴染んでる。
目は瑠璃色で長いまつ毛迄瑠璃色だから、見てるだけでも目の保養になる位、綺麗な生き物!
なのに、手触りまでが凄くいい!
柔らかくてツルツルで、ふわふわで抜け毛も無くて、最高です。
ポチを初めて見た時は、国に届を出したんだって!新種かもしんないからね。
したっけ王様が見たいって言うから、お爺様が連れてこうとしたんだけど…
お母様からある程度離れると、飛んで戻っちゃう。
今度は檻に入れて連れてこうとしたけど、転移で戻っちゃう。
だから魔力封じの首輪を付けようとしたら?
お爺様から一定の距離を置き、いたちごっこになったらしい。
あのお爺様が捕まえられなかったんだから、やっぱ凄いよねポチって!
そこで、お母様が王都に行こうとしたら、産気づいちゃった。
私が産まれてからは、言わずもがな私にべったりである。
流石に新生児を王都に連れてくのは忍びないからって、王様自ら見に来たらしい…。
そしてポチに一目惚れした!
宮殿で飼育したいから、連れてこうとしたんだけど、ことごとく失敗。
王国一のテイマーを連れて来たんだけど、返り討ちにあってしまった。
普通ならテイムに失敗すると、逆に襲われて最悪命取りになっちゃう。
でもポチは、何故か襲わず…魔力を全部、吸い取ったんだって。
それはもう悲劇ですよ!
テイムしてた貴重な魔獣が居なくなっただけでも、かなりの損害だったみたいだけど…
問題はそこじゃない。
魔力がないと蛇口捻ってもお水出せない!
お湯も沸かせないし、暖炉に火を点ける事も、出来なくなる!
そう!この世界の物は全て、魔力がある事を前提に作られてるのだ。
それで王様もポチを諦めたらしい。
その話聞いた時、私まだ5歳位だったけど、可哀想って思ったのを覚えてる。
だからポチに魔力返してあげてって言ったら…
なんかそのテイマーの魔力が突然戻ったらしいよ!
5年間どうやって生きてたのかは、知らない。
そんな感じで、いろいろあった結果、分かった事がある。
ポチって普段は小さいんだけど、巨大化する事も出来た。
魔力は仔犬の時は微弱な風属性だけど…
空飛んだり、転移したりは自由自在。
魔力を閉じ込めちゃう様な、マジックボックスもある。
最大級に巨大化したら、ドラゴンなんて雛鳥って思える程、強烈な魔力持ちだった。
ドラゴンを服従させるなんて、相当の実力者じゃなきゃ無理だもの。
それ以上の力を持ってる、ポチをテイムしようとしたら、そりゃ失敗するわ。
あと人乗せても自在に空飛べる。
人数制限あるのか確かめてないけど、一緒に転移も出来ちゃう。
私達が王都へ行った時も、ポチに連れてって貰ったよ。
非常に強力な魔力持ちだけど、危険性は無いって事で。
今は私の従魔として国に登録されてる。
だがしか~し!そこで終わりではなかったのだ。
なんとなくポチと、私って繋がってる気がしてた。
魔術の訓練する前から、空飛べたし、転移も出来た。
マジックボックスにも、底が見えない…
六歳位だったかな?お爺様の領地へ、遊びに行った時。
何処までマジックボックスに入るかな?って興味本位でやったら…
北の永久凍土をまるっと閉じ込めっちゃった!
慌てて戻したけど、しっかりお爺様に見られてたよね…
あの時のお爺様の顔は今でも覚えてますよ。
そりゃビックリするよね、永久凍土は最果てが無いって言われてるんだもの。
実際無かったよ、ブリザードが永遠に続いてただけ。
閉じ込めた物が何なのかは分かる。
洞窟も山の形も、何ならそこに居た魔獣の種族や数まで、分かっちゃった。
で、お父様達と話し合った結果、こりゃ他言無用だって事になった。
だってさ果てが無かったのに、入っちゃったって事は…
この世界を閉じ込める事も可能って話になるよね?
もれなく人間も全部。
察しの良い人なら分かると思うけど…誰も私に逆らえなくなるよ?
気に入らない人をしれっと閉じ込めても、私が犯人だって言えないんだよ?
証拠が無いんだもの、マジックボックスの中身なんて、本人以外分かんないんだから。
軍に利用されたら?とかってのも想像したくないよね!
だから、口封じの呪術で私のスキルは誰にも話せないし…
悟らせるような事も、出来なくしてもらった。
スキル封じも考えたんだけど。
突然持ってたスキルが使えなくなったら、なにやらかしたの?って逆に怪しまれちゃうからね。
ただ呪術って、術者に何かあったら解けちゃう。
だから私も、自分で自分にかけられるよう、お爺様から呪術を習う事にしたのだ。
ホント厄介な娘で申し訳なくなると同時に、スキルを悪用しないって信じてくれた事に、感謝でいっぱいになった。
そんな感じで、私の秘密はまだあるけど、今日はここまでにしとく。
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